ケーブル・ホースフル内装の油圧フレームを組んで見えてきた話
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最近じわりじわりと増えてきました。
1,2年前ぐらいはハイエンドモデルだけだったのが、最近ではミドルグレードモデルでもフル内装のフレームがチラホラとみられるようになってきました。

ということで、だいぶノウハウが蓄積されてきたところで、実際に組んでみたからわかる、ケーブル・ホースフル内装の油圧フレームを組んで見えてきた話、そんなお話です。



▶内装システムの構造と組み方
基本的にフル内装のフレームから組む際にはまずなにはともあれ、ホース類を通してしまわないとどうにもなりません。
コラムをカットして、ホースを通しながらヘッドセットを組み上げていきます。

Di2 SH and Caliper brake_2
https://www.visiontechusa.com/ja/node/3277より

内装式にフレームセットは基本的にこのような形状が多く見られます。
ヘッドセットの内装システムは従来でよくあった、上が小さい上下異型ヘッドの上部ベアリングを通常よく使われていたの1-1/8から、1.5サイズまでサイズアップし、上下1.5の同型のヘッドベアリングとなります。
フロントのブレーキホースはコラム中間部からフォーク内を通ってフロントキャリパーまで通りますので、下部ベアリングは据え置きで、変更なしでいけます。
比べて上部ベアリング部は、前後ブレーキホースをフレーム内に引き込むため、ベアリング内部をホースが通る必要があります。(外側を通るものもあります。)
また機械式であればシフトケーブル、Di2であればエレクトリックケーブルも通ります。
そのため従来の1-1/8サイズのベアリングではスペース的に狭すぎてしまうので、上部ベアリングを大きくする必要があり1.5サイズになったと考えられます。

油圧ホースの内装方法は基本的に、フロントはコラム中間部から入りキャリパー手前に出口、リアはハンドル内、ステム内、ヘッドベアリング内、フレームを通りチェーンステーに出口、と言うパターンが多いです。

この上の画像のACRのようなシステム、これは組むのは少々手間がかかりますが、組み方さえ間違わなければ、乗り手側からして取り扱いは非常に良いです。
とい言うのも基本的にハンドルはフルロックまで曲げれるものが多いです。そしてDi2ではステアリングの動きも非常に軽くバランスも取れているものが多いです。


▶実際に組んでみた感想
実際に何台か組んでみて、ということですが、やはり犠牲にしているものも少なからずあるということだと感じました。
まずメンテナンス性はお世辞にも良いとはいい難いです。
油圧は基本的にケーブル交換はありませんが(オイル交換)、何かトラブルが合った際にはヘッド周りも全部バラさないとだめなこともあります。これは致し方がないかと思います。

基本的には機械式変速フル内装の場合は、フルアウター仕様が多いのではないかと思います。(フルアウターではないものは結構大変です。)フルアウターであればインナーのみの交換はそこまで大変でもないかと思いますが、アウターまでの交換となるとやはりヘッド周りをバラす作業がもれなくついてきます。

と構造上、上部ヘッドベアリングの耐久性、確実に落ちると感じました。
というのも、某社の内装システムは見てもどう考えても、水がジャバジャバ入ります。。。
一見外からは見ても問題なさそうなACRなどの内装システムも、従来品よりも水分の侵入には弱いです。
ちなみに上部ヘッドベアリングの交換はというと、従来品であればステム抜いてベアリング交換、おそらく15分ぐらいでしょうか、これがフル内装の油圧となると、ホースを一度外す必要があります。ホースを外せばもれなくエア抜き、外した後の長さが足りなければホース交換、バーテープも剥がさないといけません。
と内装システムと外装の場合で希望が同じ作業だったとしても、工賃が驚くほど変わることが考えられます。
ということで、上部ベアリングはローラー台等でダメージを負いやすいので要注意かと思われます。

また構造的な難点としては、正直組んだ人にしか中がどうなっているのか、完全に理解するのはなかなか難しい、ということもあります。下手したら7~8部組程度から組み上げた場合、ショップの人間ですらわからないような部分もあるかもしれません。
フル内装式はケーブルの長さ設定がシビアなものもあり、ひょっとしたらピッタリの長さで組んであればポジション調整幅が極端に狭い、何てこともあり得ます。また調整後一見大丈夫そうに見えても実は長さが足りなかった、というのも実際に見えないので確認が非常に困難なこともあります。
あとは内部の不具合、変に曲がっていたり、折れていたり、どこかに干渉していて後々不具合が出る、、、可能性はゼロではありません。

またもう一つ感じたことは、組み方次第でその後がかなり変わりそう、組み方に性格が出そう、、、要は腕の見せ所、ということです。ということがわかるのは次にOHとかでばらした人だと思います。


▶フル内装とDi2
こう言った今風のバイクを組むことでDi2に対しての要望であったり、見えてくることもあります。
まずは無線ユニットです。
EW-WU111無線ユニットの取り扱いですが、インフォメーションディスプレイのようにジャンクションAと統合させて欲しいものです。またはもう標準装備としてコントロールレバー内部に組み込んでしまうというのも悪くないと思います。
というのも現在のフル内装システムで、無線ユニットは完全に、、、浮いています。フル内装システムではどこにつけろと、、、(笑)
ということで通常は電波が通ることを確認の上、非公式ながらもステム内に収める場合が多いです。

あとはユーザービリティで輸送中のことですがフル内装では、コントロールレバーのスイッチを押してしまうことがないようにプチッと線を抜くことができませんので、強制OFF的なものができきると良いと思います。

巷では新型DURA-ACEから半無線(セミワイヤレス)になるのではないか、と言うお話もよく聞くお話ではありますが、はっきり言ってしまうと、メカニック目線からするとどっちでもいいです。むしろシマノの過去の例からすると初期の無線はちょっと、、、(笑)
というのも、リアの油圧ディスクのホースをフレーム内部に収めるのであれば、ホースが通るルートが絶対に必要になります。これはブレーキシステムが無線にならない限り(多分無理です)は避けては通れないので、ホース内装のためのルートは確保されるはずです。このリア油圧ホース用の通り道があれば細くて柔軟性のあるDi2のエレクトリックケーブルは問題なく通すことができるからです。

ということでDi2が無線になるメリットというのを考えると、、、そこまで多くは無い、というのが個人的なメカニック目線のお話です。

基本的にDURA-ACE Di2等のハイエンドグレードはプロが使用するのを前提とした機材で、組み付けに多少手間がかかったとしても、レース中にトラブルは極力少なくしたい、というところが大前提としてあると考えます。ですのでトラブルを防止、そして単純なミスを少なくするため、と考えるとバッテリーを2つとか3つとか増やして、というのはトラブルのもとになるとも考えられなくありません。

とは言ってもあくまでも希望や想像でしかありません。そしてシマノは絶対に情報を漏らさない、お硬いところがありますので、真実はリリースまでわかりません。楽しみです。



▶まとめ
フル内装式のロードバイクはというと、、、
空力的にも有利、そしてスッキリとして良い反面、運用には外装仕様のロードバイクよりもユーザビリティ低く、メンテナンス性もよくない、また各種整備の工賃は多分かなり高くなる。というデメリットがあるかと思います。

お店的、ショップの人間からするとそう簡単には触れない、いじれないシステムで組むということは良い点でもあるのかもしれません。
個人的には大変な作業が嫌いということはありませんので、むしろ頭を使ってどうやるのか、どう組むと後々良いのか、他の組み方は?こんなことを考えながらやるのは非常に楽しいですし、好きな作業です。

フル内装への載せ替え作業等、お気軽にご相談下さい。
ということで今回はケーブル・ホースフル内装のフレームを組んで見えてきた話、そんなお話でした。




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