ディグリーザー・パーツクリーナー等のケミカルの効果的な使い方
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ロードバイクメンテナンスには欠かせない、油汚れを強力に落としてくれるクリーナー系のケミカル類です。
脱脂系洗浄剤には、パーツクリーナー、チェーンクリーナー、パーツディグリーザー、フィルタークリーナー等があります。
違うのは名前だけということではなく、内容成分や性質が少しずつ違いがあったりしますが、主とする使い方で名前が決まってきてる場合が多いです。

これらは日常的なメンテナンスから、ディープな洗浄まで無くてはならない存在です。

しかしです。
無くてはならないとても便利なケミカルですが、使い方を間違ってしまうと、効果を十分に発揮できないだけではなく、かえって逆効果になってしまうこともあります。

ということで今回はディグリーザー・パーツクリーナー等のケミカルの効果的な使い方、そんなお話です。



①クリーナー系ケミカルを使う前に
まずケミカルを使用する前の段階のお話です。
これはディグリーザーでもパーツクリーナーでもなんでも同じです。

ケミカルを使用する前にすること、それは汚れや油の固まりはできるだけ物理的に取り除く。ということです。

強力な洗浄成分のあるケミカルを使えばある程度塊があったとしても、落とすことはできます。
しかし本当に強力なグリスの固まったような油汚れ、油の固まり系等は、脱脂系のケミカルを使うことで中途半端に汚れが溶け、汚れが伸びたりして最悪な状態になってしまうことがあります。
更にその状態でもっときれいにするために、ケミカルをどんどん使う、というのはお世辞にもおすすめはできません。

ですので例えば掃除の仕方の一例ですが、
・プーリー、ギア歯:まず物理的に固まって付いた油の塊を爪楊枝や細めのマイナスドライバー、ペーパーウェス等で除去してからクリーナーを用いて洗浄する。
・フロントフォークやヘッド部:グリスをできるだけ拭い取ってから少量のクリーナーをウエスに噴いて拭う。
この様に使うことで作業時間も短く、かつケミカルもじゃぶじゃぶ使うこと無くきれいにすることができます。

また汚れがどっさりと残ったままクリーナー等を使うことは、汚れが落ちづらいということだけではなく弊害がでる場合もあります。
それは汚れが溶け、汚れ内部や外部に付着した細かい砂塵や金属摩耗偏の汚れがクリーナーとともに内部に入り込んでしまうことがあります。
特に勢いのあるスプレータイプであればなおさらです。
汚れと供にある細かい異物を、クリーナー成分が溶かし、更にスプレーの勢いで細かいパーツ内部に押し込んでしまうということです。そして内部に入り込み、クリーナー成分の速乾作用で乾き、汚れが内部にとどまってしまうというものです。

クリーナーを噴くまでは汚れていても内部のざらつきがなかったものが、クリーナーを噴いて外から見るときれいになったのに、内部がザラザラしてしまった状態です。一見きれいな様に見えても、実は汚れを奥へ奥へと押し込んでしまってる状態です。
コレは速乾性のパーツクリーナーを用いることでよくあるチェーン清掃等での悪い例です。

またクリーナーは種類により差はありますが、浸透力が非常に強いものが多いです。
要は隙間の汚れまできれいに落とすために隙間に入り込みやすいというものです。
浸透力が強いということは入り込んでほしくない部分にも入り込んでしまう事がある、と言うことです。

ですので原則あまりにもひどい汚れの固まりを見て取れる場合は、物理的に除去してからクリーナー等を使ったほうがよいということです。


②ケミカルでの掃除はメーカーの指定通りに行う
各メーカーの説明どおりに行うということは非常に大切なことです。
各メーカーは商品の開発・販売に至るまでに、個人レベルでは計り知れないほどの研究をし、試験を繰り返しています。
そのメーカーの説明通りに行うということ、正しい使い方をすることは汚れをきれいに落とすだけではなく、各パーツにも優しく、そのケミカルの能力を最大限に発揮することができます。

普通のスプレータープのパーツクリーナーはというと、多くは速乾性です。
速乾性のクリーナーの洗浄成分はすぐに揮発して乾きます。洗浄成分の残りということに関しては残りづらいのが速乾性のクリーナーの利点です。

逆に遅乾性や揮発しないタイプのクリーナーの場合はどうにかして、この洗浄成分を消してあげないとその後にグリスやオイルを付けたとしてもクリーナー成分が残っていると意味がなくなってしまいます。

例えばです。
ワコーズのチェーンクリーナー、パーツディグリーザーは水がフォーミングマルチクリーナーで流すというものです。グゥーキンアルファも水で流す必要があります。

不適切なチェーン洗浄の弊害として、
・オイルが周りに飛散りやすい
・油膜切れが起こりやすい(メーカー推奨よりもたない)
これらの症状は適切な洗浄ができていないことも考えられます。(もちろん原因はこれだけではありませんが。)

ですのでチェーン清掃後にクリーナーを流す必要のあるものを、流さずにチェーンをオイルをつけてしまうのは、チェーンオイルの効果を台無しにしてしまうこともあります。これはクリーナーの誤った使い方です。

また物によっては使える場所、素材に指定があったり、短時間であれば問題がなくても、長期間触れることで悪影響を及ぼす洗浄系ケミカルもあります。使い方は間違えないように使うということです。

何を選んでよいのか悩んだ場合は確実に専用品を使うのが良いです。
少しお値段が高かったりしますが、それでもやはり専用品は良いものです。
各所ゴム系のシール、樹脂製品、塗装面等に対して攻撃性の強いクリーナーもありますが、このあたりも専用品はよく考えられているものが多いからです。

③洗浄・掃除のコツ
✓洗浄は場所を1セットとして考える
例えばですが、チェーンと各所のギア歯、ヘッドパーツはフォークまで等です。
そんなことかとお思いかもしれませんが、結構重要です。
例えばチェーンを徹底的にきれいにしても、ギアが汚ければすぐに汚れが移ってしまいますのでせっかくきれいにしてもすぐに汚れてしまいます。

ということは前後のスプロケとチェーンをセットで、、、というだけではありません。
リアディレイラーのプーリーにも歯車があります。

ですのでチェーンをきれいにしようと思ったら、チェーンだけではなく、前後のスプロケ、プーリー等まで全てキレイにしないとチェーンだけをきれいにしてもどこかに残った汚れがあっという間に移ってしまいます。
見落としがちな部分といえば、
・フロント、インナーチェーンリングのアウター側
・上下プーリーの内側(車体側)等
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これらの場所は見落としがちなポイントです。

基本的にきれいにする場合はその周りも全部まとめてきれいにする必要があるということです。

✓1度で落ちきらない汚れもある
汚れがたまりすぎている場合、一度だけでは取り切れない場合もあります。
その際は洗浄を繰り返したり、ある程度時間をかけて行うことが必要な場合もあります。
一度で汚れが落ち切らない場合は、何度か行うことで汚れを限りなく少なくすることができる場合が多いです。

しかしです。
残念ながら、あまりにもひどいサビ、キズ等の場合は落ちない場合もあります。サビは表面上の薄いものであれば落としたり、目立たなくすることが可能な場合が多いですが、ひどくなると素材そのものを侵してしまう場合もあります。
そうならないためには汚れを溜め込みすぎないということも、大切なことです。




▶まとめ
ともあれ各所の汚れは溜め込みすぎないように、定期的にきれいにするということをおすすめ致します。

自転車をきれいにしておくのは、各所のトラブルを防いだり発見を早くしたり、ドライブトレインの寿命を伸ばしたりとメリットがたくさんです。
そして、なんと言ってもきれいな自転車は気持ちがいいです。
ケミカルは正しく使って自転車はいつもピカピカに!

ということで今回はディグリーザー・パーツクリーナー等のケミカルの効果的な使い方、そんなお話でした。



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