富士ヒル直前!レース前のおすすめ整備とおすすめしないこと

富士ヒルまであと2週間を切りました。
もうココまで来たらめちゃくちゃにもがきまくるよりも、怪我をしないようにしっかりと疲労を抜くテーパリングであったり、あとは事故や落車に気をつけて調整するのがよいと思います。
と今回はメカニック的なお話です。
メカニックの目線から見て、ヒルクライムレース前にこれはおすすめ!というかむしろ必須!?整備とおすすめしないことをご紹介させていただこうと思います。
▶おすすめ整備
①タイヤは新品に
これはかなりおすすめ致します。
現在のものがまだ使えそうであれば、レースが終わってまた使えばよいだけです。
すり減って薄くなったり、傷がついたタイヤでは心もとないですし、少しでも、ほんの少しのリスクでも減らしておくということです。特に非穿孔系のパンクはトレッド面に厚みに依存する場合もあり、すり減って薄くなったタイヤのほうがパンクしやすい傾向にあります。
ただしクリンチャーでも、チューブレスタイヤでもかなり低い確率ではありますが、新品でも初期不良がある場合もあります。またチューブレスの場合はシーラントが落ち着くまでに時間がかかる場合があります。
直前の交換というよりも1~2週間ぐらい前に交換してならしておくのが良いと思います。
そしてレース直前のタイヤの確認は空気圧だけではなく、キズ等の確認も十分にするのが良いと思います。

②チェーンとチェーンオイル
チェーンは間違いなく新品の状態が一番良い状態です。
伸びたチェーンはダルダルに、均等に変速が遅いのではなく変速が安定しないような状態になります。そんな状態でのレースは、、、お薦めはできません。
またそこまで大きく伸びていないかったとしても、新品のチェーンの性能はやはりかなりよく、ここ一番、コンマ数秒の変速時間の違いが大きな差につながってしまう、、、かもしれません。
新品の状態でもチェーンのオイルはご自身の好きなものに変えてしまうほうが良いと思います。
しかし最近はチェーンをきれいに保ちたいということで、普段使いではオイルの量が極端に少なくしている場合、また洗浄剤はかなり強力なものもあり、洗浄後の潤滑がリンク内部まで行き渡っていない場合を見ることがあります。しっかりとリンク内部まで潤滑剤が行き渡るように注油をする必要があります。
またチェーンオイルはレース当日の天候に合わせて適切なものを適切に使用しないと、不意な雨等により本番で潤滑不良に陥ることもあります。
かさばるものではありませんので、オイルを持っていくというのも良いかと思います。
※注意点としてはギア歯の摩耗が激しすぎる場合は新品のチェーンでも具合が悪くなる場合もあります。

③全体をいつもよりもきれいにし、点検をする
これも直前ではだめなことです。
最低でも1~2週間前には全体的な点検に出したり、徹底的にきれいにするのが良いです。
普段からきれいにしておくことに越したことはありませんが、どうしても忙しかったり日頃の練習の汚れが溜まった状態ではトラブルの発見ができないことが多々あります。
こういった予期せぬトラブルの防止のために、いつも以上にきれいにすることで目視により点検ができます。
また点検により異常が見つからないとは限りませんので、しっかりと時間に余裕を持って整備調整をする、もしくはお店に持っていくのが良いと思います。
なぜ1~2週間前なのかというと、万が一トラブルが見つかったときに対処する時間を十分に持つためです。なにかあって、お店に持っていっても、レース直前では一時しのぎ的な調整しかできなかったり、直前すぎて間に合わなった、交換部品がなかった等では目も当てられません。
とは言ってもこれはレース前だけではなく、普段からきちんと整備点検をしておくことはとても大切なことです。
④センサー類の電池を新品に
ついつい忘れがちなバッテリー製品の充電もそうですし、各種センサー(パワーメーターや心拍計)の電池は新しくしておくことで不意な電池切れを防止します。
Di2などは今からでも充電しても2週間ぐらいでは、かなり乗ったとしてもなくなることは無いと思いますので、今日にでも忘れる前に充電しておくと良いと思います。

⑤ブレーキシューの残量
不意な雨等、下山で大幅に摩耗してしまうこともあります。
またヒルクライムレースの下山は人数も多いですし、レース中の選手もいることもありペーサー(先導)が入り、ペースを落として降りてくる事が多いです。ブレーキを通常よりもよく使います。
余裕を持って下れるぐらいのもの、怪しかったら交換しておくのが良いです。
またブレーキシューが多く減った状態から、新品に変えるとブレーキの引き代が変わります。
その場合は調整が必要になりますので、時間に余裕を持って確認、整備に出しておくのが良いです。

※これでは少々心もとないです。。。
▶おすすめしないこと
これは前述までのことの逆のことが当てはまります。
①直前にオーバーホール等の整備
思わぬところのトラブルで間に合わない可能性もあります。
またチェーンは新品の状態が基本的には一番良い状態ですが、ケーブルなどは馴染みが出て再調整をした状態一番良い状態、という部分もあります。
初期伸び等の調整が間に合わないスケジュールでの大幅な整備はおすすめできません。
②直前の大きなカスタマイズ
例えばフレームの載せ替えや、操作性が大きく変わる機械式→Di2に交換するとか、ポジションを大きくいじるとかは長い目で見れば良いと思われることも、慣れる時間がない場合はあまりおすすめできることではありません。
カスタマイズ自体はとても有意義で楽しいことですが、時間には余裕を持って行うに越したことはありません。
③なにもしない
通常のライドイベントなどとは違って、基本的にレースはきちんとした整備がされていることが大前提ですので、車検(車両検査)がない場合が多いです。
しかしです。
残念ながら、レース中でも時々ガッチャンガッチャン!やガチャガチャ!ひどい状態のバイクを見かけることがあります。
これは絶対に駄目です。
基本的に漫画でもなければ、奇跡に期待したとしても奇跡は起こることはほぼありません。調子が悪いければ調子が悪いままで、突然調子が良くなることはありません。
整備不良が原因で周りを巻き込んでしまうことだけは、絶対に避けなくてはならないことであり、そのためにはきちんとした整備が必要ということです。
▶まとめ
不安要素は取り除いておくということです。
つまりレースには安全に、そして最高に集中できる状態にして望む、これが何よりも大切なことだと思います。そのためには整備やメンテナンスを事前に行っておくことが必要になります。
シマノのレース会場でのメカニカルサポートの例ですが、事前に点検・修理をしておけば防げたものがほとんどということです。(その中でも最も多いのは変速調整ということです。)
フィジカル・メンタル的なお話だけではなく、ロードバイクは機材スポーツでもありますのでしっかりと準備をするということはとても大切なことです。
2021年富士ヒルのチェックリストです。

https://www.fujihc.jp/wp-content/uploads/2021/05/guisance_information2021.pdfより
各所のガタ、ホイールの振れとはどんな状態のことで、どんな整備が必要なのか。
クイックレリーズ、スルーアクスルの正しい装着方法。
変速機・ブレーキの正しい作動とはどんな状態なのか。
少なくともこれらのことが少しでもわからない場合は、レース前だけでもプロショップへのお持ち込みを強くおすすめ致します。
整備以外ではヘルメットのあごひもの長さとか、緩むこともあるのでビシッとしておくと良いと思います。安全性も空力的にもデスネ。
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Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。
Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから

富士ヒルまであと2週間を切りました。
もうココまで来たらめちゃくちゃにもがきまくるよりも、怪我をしないようにしっかりと疲労を抜くテーパリングであったり、あとは事故や落車に気をつけて調整するのがよいと思います。
と今回はメカニック的なお話です。
メカニックの目線から見て、ヒルクライムレース前にこれはおすすめ!というかむしろ必須!?整備とおすすめしないことをご紹介させていただこうと思います。
▶おすすめ整備
①タイヤは新品に
これはかなりおすすめ致します。
現在のものがまだ使えそうであれば、レースが終わってまた使えばよいだけです。
すり減って薄くなったり、傷がついたタイヤでは心もとないですし、少しでも、ほんの少しのリスクでも減らしておくということです。特に非穿孔系のパンクはトレッド面に厚みに依存する場合もあり、すり減って薄くなったタイヤのほうがパンクしやすい傾向にあります。
ただしクリンチャーでも、チューブレスタイヤでもかなり低い確率ではありますが、新品でも初期不良がある場合もあります。またチューブレスの場合はシーラントが落ち着くまでに時間がかかる場合があります。
直前の交換というよりも1~2週間ぐらい前に交換してならしておくのが良いと思います。
そしてレース直前のタイヤの確認は空気圧だけではなく、キズ等の確認も十分にするのが良いと思います。

②チェーンとチェーンオイル
チェーンは間違いなく新品の状態が一番良い状態です。
伸びたチェーンはダルダルに、均等に変速が遅いのではなく変速が安定しないような状態になります。そんな状態でのレースは、、、お薦めはできません。
またそこまで大きく伸びていないかったとしても、新品のチェーンの性能はやはりかなりよく、ここ一番、コンマ数秒の変速時間の違いが大きな差につながってしまう、、、かもしれません。
新品の状態でもチェーンのオイルはご自身の好きなものに変えてしまうほうが良いと思います。
しかし最近はチェーンをきれいに保ちたいということで、普段使いではオイルの量が極端に少なくしている場合、また洗浄剤はかなり強力なものもあり、洗浄後の潤滑がリンク内部まで行き渡っていない場合を見ることがあります。しっかりとリンク内部まで潤滑剤が行き渡るように注油をする必要があります。
またチェーンオイルはレース当日の天候に合わせて適切なものを適切に使用しないと、不意な雨等により本番で潤滑不良に陥ることもあります。
かさばるものではありませんので、オイルを持っていくというのも良いかと思います。
※注意点としてはギア歯の摩耗が激しすぎる場合は新品のチェーンでも具合が悪くなる場合もあります。

③全体をいつもよりもきれいにし、点検をする
これも直前ではだめなことです。
最低でも1~2週間前には全体的な点検に出したり、徹底的にきれいにするのが良いです。
普段からきれいにしておくことに越したことはありませんが、どうしても忙しかったり日頃の練習の汚れが溜まった状態ではトラブルの発見ができないことが多々あります。
こういった予期せぬトラブルの防止のために、いつも以上にきれいにすることで目視により点検ができます。
また点検により異常が見つからないとは限りませんので、しっかりと時間に余裕を持って整備調整をする、もしくはお店に持っていくのが良いと思います。
なぜ1~2週間前なのかというと、万が一トラブルが見つかったときに対処する時間を十分に持つためです。なにかあって、お店に持っていっても、レース直前では一時しのぎ的な調整しかできなかったり、直前すぎて間に合わなった、交換部品がなかった等では目も当てられません。
とは言ってもこれはレース前だけではなく、普段からきちんと整備点検をしておくことはとても大切なことです。
④センサー類の電池を新品に
ついつい忘れがちなバッテリー製品の充電もそうですし、各種センサー(パワーメーターや心拍計)の電池は新しくしておくことで不意な電池切れを防止します。
Di2などは今からでも充電しても2週間ぐらいでは、かなり乗ったとしてもなくなることは無いと思いますので、今日にでも忘れる前に充電しておくと良いと思います。

⑤ブレーキシューの残量
不意な雨等、下山で大幅に摩耗してしまうこともあります。
またヒルクライムレースの下山は人数も多いですし、レース中の選手もいることもありペーサー(先導)が入り、ペースを落として降りてくる事が多いです。ブレーキを通常よりもよく使います。
余裕を持って下れるぐらいのもの、怪しかったら交換しておくのが良いです。
またブレーキシューが多く減った状態から、新品に変えるとブレーキの引き代が変わります。
その場合は調整が必要になりますので、時間に余裕を持って確認、整備に出しておくのが良いです。

※これでは少々心もとないです。。。
▶おすすめしないこと
これは前述までのことの逆のことが当てはまります。
①直前にオーバーホール等の整備
思わぬところのトラブルで間に合わない可能性もあります。
またチェーンは新品の状態が基本的には一番良い状態ですが、ケーブルなどは馴染みが出て再調整をした状態一番良い状態、という部分もあります。
初期伸び等の調整が間に合わないスケジュールでの大幅な整備はおすすめできません。
②直前の大きなカスタマイズ
例えばフレームの載せ替えや、操作性が大きく変わる機械式→Di2に交換するとか、ポジションを大きくいじるとかは長い目で見れば良いと思われることも、慣れる時間がない場合はあまりおすすめできることではありません。
カスタマイズ自体はとても有意義で楽しいことですが、時間には余裕を持って行うに越したことはありません。
③なにもしない
通常のライドイベントなどとは違って、基本的にレースはきちんとした整備がされていることが大前提ですので、車検(車両検査)がない場合が多いです。
しかしです。
残念ながら、レース中でも時々ガッチャンガッチャン!やガチャガチャ!ひどい状態のバイクを見かけることがあります。
これは絶対に駄目です。
基本的に漫画でもなければ、奇跡に期待したとしても奇跡は起こることはほぼありません。調子が悪いければ調子が悪いままで、突然調子が良くなることはありません。
整備不良が原因で周りを巻き込んでしまうことだけは、絶対に避けなくてはならないことであり、そのためにはきちんとした整備が必要ということです。
▶まとめ
不安要素は取り除いておくということです。
つまりレースには安全に、そして最高に集中できる状態にして望む、これが何よりも大切なことだと思います。そのためには整備やメンテナンスを事前に行っておくことが必要になります。
シマノのレース会場でのメカニカルサポートの例ですが、事前に点検・修理をしておけば防げたものがほとんどということです。(その中でも最も多いのは変速調整ということです。)
フィジカル・メンタル的なお話だけではなく、ロードバイクは機材スポーツでもありますのでしっかりと準備をするということはとても大切なことです。
2021年富士ヒルのチェックリストです。

https://www.fujihc.jp/wp-content/uploads/2021/05/guisance_information2021.pdfより
各所のガタ、ホイールの振れとはどんな状態のことで、どんな整備が必要なのか。
クイックレリーズ、スルーアクスルの正しい装着方法。
変速機・ブレーキの正しい作動とはどんな状態なのか。
少なくともこれらのことが少しでもわからない場合は、レース前だけでもプロショップへのお持ち込みを強くおすすめ致します。
整備以外ではヘルメットのあごひもの長さとか、緩むこともあるのでビシッとしておくと良いと思います。安全性も空力的にもデスネ。
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〒262-0019
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※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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