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続きです。

▶ポジション採寸
組む前の作業ですが、まずは各所のポジションを計っておきます。
とはいっても肝心なのはジオメトリです。

ジオメトリの中で主に見るのはというと、やはりスタックとリーチ(とTT長)です。
DSC_8368
これはR5のシートチューブですが、フレーム自体にも記載があります。
スタック:547mm
リーチ:380mm

DSC_8445
こちらSLRです。
スタック:550mm(+3mm)
リーチ:386mm(+6mm)

スタックはBB~ヘッドチューブ上端中心部まで垂直移動の高さです。
がそんな難しいことを考えずにものすごく簡単に書くと、ハンドルの高さの指標です。
スタックが低い分にはコラムを長く残し、スペーサーを積めばある程度は何とかなります。
しかし大変なのは逆です。もっとハンドルを低くしたい場合17°ステム以上はとなると、結構厳しいところがあります。エンデュランス系のバイクはヘッドチューブを長くとる傾向にありますので、乗り方に合わせて種類やサイズを選ぶということです。

リーチはというと、BB~同じくヘッドチューブ上端中心部まで水平移動の長さです。
こちらもものすごく簡単に書くと、ハンドルまでの距離の指標となります。
なんですが、こちらに関してはリーチだけではなく、トップチューブ長もあわせて見ることになります。サドルからハンドルまでの距離が重要です。
前(上半身)に関してはステムである程度の長さの調整は効きます。

しかし後ろ、要はサドル位置と下半身の関係は最近の専用シートポストなどの影響もあり調整が少々しずらいところもあります。専用シートポストの場合は、シートポストのやぐらオフセット等も確認しておくとよいと思います。
ちなみに、R5のシートポストは25mm(51以下のサイズは0mm)、SLRは15mm(全サイズ)です。
これらも実際にサドルの位置に関係してきますので、重要な数値となります。

サドル~ハンドルまでの距離はというのを細かく書くと、サドル構造、シートポストオフセット、シートポストの出代、TTチューブ長、ステム長、ハンドルリーチ(幅)等が関係してきますが、ものすごく複雑なのでさらっとだけ。

要はフレームのサイズ選びは重要ということですが、一般的には特殊なジオメトリを採用するフレームでなければ、大体ですが同じようなフレームサイズは同じような身長を想定されている場合が多いです。

で今回のフレーム変更にともなう計測で、実際に新しいフレームにサイズを移す際はというと、、、
サドル高、そしてサドル~ハンドル距離、2点計っておきました。(かなりシンプル(笑))
DSC_8228
※サドル高はBBセンター~サドルセンターが基本です。

というのスタックに関してはほぼ同様で、R5でもステムは一番低い位置ですのでSLRもべた下げということだったからです。

あとはこちら、
DSC_8229
サドルの角度と、前後位置の確認のために画像で残しておきます。
単純なお話では、シートポストオフセットが10mm違いますので、この位置より10mmずらす、ということではありますが同じフレームではないので、実際にはそう単純にはいきません。
ですので参考程度に、、、ぐらいのものです。


▶ヘッド部のグリス入れ~コーティング

ヘッド部も組付け前にばらします。
DSC_8178

内部です。
DSC_8190
やはりとてもきれいです。
内部がきれいなのは重量面からも有利ですし良いことです。

ヘッドベアリングはというと使い方にもよりますが、できるだけ寿命を延ばしたいので、グリスをしっかり入れておきます。
これからまたゲリラ豪雨や、雨や泥道も走るはずですので(笑)
DSC_8179
ヘッド部を組んでから、コーティングをします。

DSC_8184
コーティングは絶対に汚れるところ、そしてコーティングが落ちやすいところは特に重点的にしっかりと行います。

でこれで下準備はOKです。


▶分解
基本的に毎日練習をしますので、乗れない日を作らないように予定を組んで組みました。
DSC_8251
使うパーツ、使わないパーツを考えてばらしていきます。

1年間、最高の思い出をありがとうと感謝の気持ちをもってバラします。
DSC_8253

DSC_8259
完全に外れました。
こちらR5、まだまだ走りますので新しいオーナー様を探そうと思います。

DSC_8260
新旧のカラーが違いすぎます(笑)


▶組み上げ
何はともあれまずは構造確認です。
ケーブルガイドをパカっとしてみます
DSC_8446
おっと、これは。。。
サーベロとは完全に対照的な構造です。

サーベロはR3もR5もどちらも同様で、BBシェルは独立して完全な筒状です。
IMAG9178 (1)
つまりBBはついていてもはずれていても配線には影響がありません。
メカ作業にBB依存がないということです。
IMAG9187 (1)
この構造はBB下に穴が開いており、(BBがついていても外れていても関係なく)こちらからフレーム内部の配線(Di2、機械式双方)をいじれるようにできております。
BBを抜かなくてもいろいろできますが、内部が見ずらいという難点があります。

くらべてSLRの構造はというと、、、全く逆でBBを抜けば見やすいですが、抜かないとDi2配線はできません。
カバーを外したとしても外部からアクセスができる構造ではありませんので、基本的にDi2の配線を通して、ジャンクションBを配置するためにはBBを抜く必要があります。
またトラブルが起きた際はやはりBBを抜く作業が必要になります。
とはいってもDi2のフレーム内のトラブル、、、ほぼないといってもよいほど少ないのでさほど影響はありません。


Di2の配線を通すためにBBを抜きます。
BB規格はBB86 、シマノの純正品がついていました。
今回はあえてWishboneを使いません。
ですのでシマノBBを片側だけ抜いて(センタースリーブを外し)作業をしてしまいます。
BBを外すのは、片側だけでも問題なく作業はできます。

手順はというと、まずはバッテリー配置から行います。
というのも作業台にシートポストをクランプしたいからです。
すべて配線します。
DSC_8261
ハンドルも付けます。

とまた不安なところが、、、
DSC_8263
結構なギリギリ感、、、
マグネットはおそらく貼れません。
最悪またフレーム内に、と考えますがBB抜くのめんどくさいので、とりあえずなしで運用します。

ざっくりとですが、パーツ類が付きました。
DSC_8269
リアディレイラーはダイレクトマウント方式です。
これがまたイイッ!というのはまたの機会に。。。
ダイレクトマウントの場合は通常の取り付けと変わります。

DSC_1339
※こちらが通常のディレイラーハンガーです。

外部リンク



DSC_8266
BBを入れる前に必ずDi2の通電を確認します。
BBを圧入した後に動かない、では二度手間です。
正常に動作をすればOKです。

BBを圧入して、クランクを取り付けます。
DSC_8272
クランクが付くと、フロントディレイラーが本付けできます。

チェーンを張って、ディレイラーを調整します。
DSC_8274

ブレーキを取り付ければざっくりとほぼ完成です。

▶仕上げ作業
あとは細々しいところです。
①純正マウント
BMCの純正ステム(汎用品も使えます)はマウントが付きます。
DSC_8296
これがまた良いです。
が残念ながらガーミン用ですので、しばらくはお休みです。
下側もGopro用の空きがあるのがGOODです。

②グロメット
Di2用のグロメットです。
DSC_8300

DSC_8301
どちらも珍しく、シマノ純正品対応でサイズは小さい方でした。
最近のフレームはグロメットが大きい方が多いので久しぶりに小さい方を使いました。

となんとなくチェーンキャッチャーをつけてみましたが、サーベロの時代から一度も役に立ったことはありませんでした。

③保護テープ
InkedDSC_8302_LI
この位置に小さな保護テープを張ります。
というのもダイレクトマウントのブレーキの場合はハンドルがグルンと回って当たってしまうことがあるからです。
機械式変速の場合はケーブルがあるのでそこまででもありませんが、Di2の場合は念のため張っておくと不意な傷がつきずらいです。

④代用グロメットとEケーブルまとめ
リアエンド部のエレクトリックケーブル用の専用グロメットがなかったので、シマノ純正グロメットを加工して入れておきました。
DSC_8303
リアディレイラー用のエレクトリックケーブルをタイラップで縛るのは、もう王道のちょい技です。

⑤おまけ
ついでにペダルもばらしてみました。
DSC_8289


▶最後に
最後は実際に走りながらのポジションの調整をします。
DSC_8308
実際にはコピーしたサイズからはだいぶかけ離れた調整に落ち着いております。
やはり数字だけでははかれないものがあるようです。

ということで一気に組んでみました。そんなお話でした。

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