チェーンのトラブルと言えば、、、
摩耗・伸び?
チェーン切れ?
のように重大なものだけでは有りません。

もっともっと単純なお話です。
ずばりですが、油膜切れです。

シマノの純正のチェーンはグレードにもよりますが、表面にコーティングが施されています。
それではなぜ油膜切れ、要はオイル不足を引き起こしてしまうのか、というお話をしてみようと思います。


▶油膜切れを起こしてしまう3つの原因

・洗浄剤が落ちきっていない

速乾性のパーツクリーナーとかでは乾くのが早すぎて、油だけが溶けて流れて、内部の汚れ(異物)が落ちきらずに残留することであまり良くないというお話です。

そこで最近のクリーナーの登場です。洗浄力は超強力で、チェーンから油分を綺麗サッパリ抜き去ることぐらい、簡単にできてしまうぐらいの性能があります。
その強力な洗浄剤は速乾性の代わりに水で乳化させて流す、、、というものをよく見るようになりました。
つまり洗浄成分を乾かし飛ばすのではなくて、水で流すことで洗浄成分を無効化しなくす、というものです。

しかしです。
しっかりと洗い流せているようでも、チェーンのリンク内部まで入り込んだ洗浄成分を落とし切れていない場合があります。

車体に組み付けた状態でジャバジャバと水をかけてもどの程度落ちたのか分かりづらいです。そこでいつもの洗浄剤を使いチェーンを外した状態で、キレイに水にドボンとつけて洗浄成分を流してみると、どのぐらいで抜けるのかがわかりやすいと思います。
一度お使いの洗浄剤でどのぐらいで水がキレイになるのか、試してみると良いと思います。

もちろん洗浄剤がチェーン内部に残った状態でチェーンオイルを付けたら、残念なことになります。
汚れた油を簡単にキレイに落とせるということは、非常に良いことではありますが、逆に言えば使い方を間違っている場合、例えば洗浄が不十分だったりすることは良くないことになる場合もあるということです。
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・注油方法が間違っている
水置換性のあるチェーンオイルであれば多少水分が残っているチェーンに注油をしても問題有りません。
しかし水置換性の無いチェーンオイルは基本的に濡れたチェーンへの使用はNGで乾いたチェーンに塗布する必要があります。水と油、まさにサラダドレッシング現象です。
これがチェーンの内部でも起きてしまいます。

例えばですが水置換性の無いチェーンオイルを濡れたチェーンに付けた場合、要は水の上に塗布することになります。(多少は混ざりますが)極端な話、塗布したオイルは水に浮き、その浮いたオイルをしばらくして拭き取ってしまう、、、これでは注油の効果がかなり疑問です。

更にキレイに拭き取れば拭き取るほど、水の上に浮いた油を拭き取り、内部の水分がのこってしまいます。


・そもそもチェーンオイルが少ない
1コマ1滴や2滴、と説明書に書いてあるものもあります。
しかし「1コマに2滴もつけたとしてもどうせ拭き取ってしまうし、、、」と使用量を減らすことでも内部への注油が不十分になることもあります。
一流の企業が研究を重ねたことで出た最高の結果です。何も早く使い切ってどんどん買ってもらうため、という悪どい考えでは無いと思います。
マニュアル通りに使用するということはとても大切なことです。
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またチェーンオイルの拭き取り過ぎも影響があります。
ペーパーウエスやマイクロファイバータオル等の油の吸収の良すぎるような素材を使う場合は拭き取り量も調整してあげたほうが良いと思います。

無駄にベタベタで汚い状態は決して良い状態では有りませんが、油膜切れを起こすほどオイルの少ない状態も良い状態とはいい難いところです。
どのぐらいの量が適正なのかというと、オイルによっても違います。
現在お使いのオイルを売っているお店に言って聞いてみたら、適正な量を教えてくれるはずです。
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たっぷりと使ってみます。


▶油膜切れの症状
では実際に油膜切れが起きてしまうとどうなってしまうのかというお話です。
一番わかりやすい状態は音です。
室内でスタンドにかけて、ゆっくりとクランクを回すと、小さく「キュー、キュー」とか「キコキコ」と音が鳴ります。完全にこれは完全にアウトな状態です。
また油膜が切れ気味の場合は外を走っているとシャラシャラうるさいですが、外部の音もありますので自分では気が付きにくいこともあります。これはまだなんとか、、、といった状態です。
更に深刻な状況になると外を走っていてキコキコ音が聞こえるぐらいになります。この場合はもう致命的だと考えても良いぐらい悪い状態です。
おそらくここまで言ってしまうと、油膜切れだけではなく内部のサビや偏摩耗等も考えられます。

ひどい状態で使い続けることで、下手したらチェーンだけではなく、ギア歯の偏摩耗も進み交換する必要が出てきてしまうこともあります。


▶まとめ
冒頭にも書きましたが、シマノの純正のチェーンはグレードにより差はありますが、SIL-TECコーティングが施されています。しかしいくらコーティングがあったからと言って、油膜切れで乗ればコーティングは長持ちをさせることはできないと思います。

また汚れたチェーンをキレイにすることはそこまで難しくは有りませんが、コーティングが早い段階でだめになってしまうのは非常に残念に感じてしまいます。(見てわかるものでは有りませんが。)

どうしても最近の流れというか、流行りでは汚れずらいチェーンオイルは良いオイル、そんなイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、一概にそれだけではありません。
もちろん使い方や求める性能にもよると思いますが、ワタクシが考える良いチェーンオイルはというと、汚れ方よりも潤滑性能を最後最後まで保てるもの。これにつきると思います。

ということで今回は最近良く見るチェーンのトラブル、油膜切れの原因を考える、そんなお話でした。


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