ロードバイク・自転車の各所に使われているボールベアリングです。
基本的にボールベアリングは永遠に使えることはなく、消耗品の一つでです。
使っていれば、いつの日か必ず寿命が来ます。
ボールベアリングがだめになる過程はというと、ゴリ感や異音の発生するフレーキングから始まり最終的にはベアリング内部がバラバラになることもあります。
実際にロードバイクのベアリングで多いのは、フレーキング(いわゆる虫食い)が多いです。

※典型的な内輪の虫食い状態です。外輪も同様の状態になっていることが多いです。
ベアリングのゴロゴロ感が強くなった場合はこのような状態になっている場合が多いです。
またよくあるお話ですが、このフレーキングの初期状態の場合、圧力がかかっている(力がかかっている)時だけゴロつく、ということもあります。
次に多いのは保持器の破損です。
教科書的には振動が大きい場合、また異物のかみ込み等の理由があげられます。(ロードバイクの場合は、サビなどによる潤滑不良や内部の異物による破損が多いかと思われます。)

ベアリング内部の強烈なサビです。もちろん完全に終了です。
とは言っても相当ひどくならない限りはばらばらになることはありません。しかし時々BBなどでは、取り外した瞬間ばらばらになるものも実際に何度か見ております。
しかしです。
通常適切な選び方、使い方をすればベアリングの寿命はそこまで短いものではありません。というようなベアリングのお話です。
▶短命なベアリング
ベアリングの寿命はそこまで短くはないというのは、適材適所、使用用途に合わせた適切なベアリングを使用するということですが、実際にロードバイクで使用するとどうしても寿命が短めなものもあります。
①シール構造
接触型のシール構造に比べて、非接触式のシール型ベアリングは高速性に優れますがその反面、寿命は短いです。
というのもベアリングの教科書的な表に記載がありますが、非接触型のシールでは”防塵・防水性:不適”となります。
ロードバイクは基本的にアウトドアのオールウェザースポーツ(雨でも走る)ですし、ジャバジャバ水をかけて洗車などもします。
ワタクシ自身その回転の軽さから非接触式のシールド形ベアリングをBBに使用したことがあります。結果はごろつきが出るまでに2ヶ月程度で、お世辞にも普段使いにおすすめできるような結果にはなりませんでした。それ以降接触式を使用しております。
レース等のここ一発での使用やメンテナンスに特に気をつける等のことであれば問題は無いとは思います。しかしワタクシの様に普通にガシガシ洗って、多少の雨なら走って、、、と言う使い方では防塵性、防水性が低い非接触のシールド形ベアリングを日常的に使うことは原則、適さないということになります。
またベアリングのつけ外しもそこまで頻繁に行うのも、少々考えものです。
②ベアリングの種類
ボールやレースの材質の違いです。
セラミックボール+金属レースのベアリングは寿命が短い場合が多いです。
というのも経験からのお話にはなりますが、ゴロゴロ~バラバラといわゆる寿命を迎えたベアリングを見るのは、金属のベアリングよりセラミックボールのベアリングが圧倒的に多いです。
先日もこちらです。
ということで、その構造や性質的に寿命が長くない、ベアリングがあることは間違いありません。
逆に言えば、接触型のシール構造を持つシール形ベアリング、BBやハブ等のベアリング、DTのハブや、MAVICのハブの構造はベアリングが原則そう簡単にだめになることはないというのが重要なところです。シマノの純正BBなどもいつから使っているかわからないぐらい長く使えることもあります。
ではどのぐらいが、、、というのは非常に難しいところですが、よほどハードな使い方(プロレベル)であったり、変な使い方をしなければ1年や2年でだめになることのほうが少ないような印象です。
はっきり言ってかなり長く使えるのが普通です。
そう、通常は長く使えるようにできているわけです。
では通常長く使えるベアリングが比較的短い期間でだめになってしまった。そこにはどんな原因があるのか? というのお話です。
ということです。
推測できる原因等を考えてみようと思います。
▶ベアリングが短命になる原因
①組付けの不備
ベアリングの圧入・組付けの際に不適切な取り付けによって寿命が短くなることがあります。
基本的なベアリングの圧入の方法です。

ベアリングの取扱いより
ロードバイクでは”軸に圧入”よりも、”ハウジングに圧入”のほうが多いです。
”ハウジングに圧入”の場合は基本的に専用工具を用いて、外輪に均等に力が加わるように圧入する必要があります。しかし専用工具がなかったりして、内輪を押して圧入をしてしまうことが原因で損傷してしまうことがあります。
また基本的に圧入はプレス圧入で、ハンマーなどで叩いて圧入も禁止となっております。
取り外しの際もベアリングは壊しても再利用しない、ということもあるかもしれませんが、無理に力をかけることでのハウジングへの傷・ダメージにはくれぐれも気をつけなければいけないところです。
②構造上の不備
ハブなどは精度が高くできているものが当たり前、、、ということでもありません。決して多くはありませんが、中には精度が悪いものもまれにあります。
例えばですが、
・2つのベアリングの軸の中心がズレているもの、
・ベアリングの想定外の方向に過負荷がかかってしまう構造もの
(ガタや与圧のかけ過ぎ)
等があります。
これらはというと100ではありませんが、中には構造上の不備、製品の不良の可能性があります。
一般的に流通しているもので、正規品であっても極稀に精度不足のものも見ることがあります。
こればかりは原因が確定していれば、保証対象となる場合ももちろんあると思いますが、原因を確定させることが大変な場合もあります。
なにかおかしいと思ったらプロショップへ、そして正確な診断が必要になります。
▶まとめ
肝心なところはというと、判断は難しいですが、ベアリングがだめになった時に異常が無いのか、ということです。
ただ単に寿命を迎えているだけであれば、交換する他ありませんし、交換してさえしまえばまた何年もなめらかな回転を取り戻せるはずです。
しかし例えば新品に交換したとしても調子が悪い、なにか変だという場合はというと、原因をはっきりさせないとまた、繰り返してしまうことになります。
ベアリングがだめになった時に肝心なのは、ただ単純に寿命を迎えたのか、それともなにか不具合があってだめになったのか、これの正しい判断が重要ということでした。
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(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
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基本的にボールベアリングは永遠に使えることはなく、消耗品の一つでです。
使っていれば、いつの日か必ず寿命が来ます。
ボールベアリングがだめになる過程はというと、ゴリ感や異音の発生するフレーキングから始まり最終的にはベアリング内部がバラバラになることもあります。
実際にロードバイクのベアリングで多いのは、フレーキング(いわゆる虫食い)が多いです。

※典型的な内輪の虫食い状態です。外輪も同様の状態になっていることが多いです。
ベアリングのゴロゴロ感が強くなった場合はこのような状態になっている場合が多いです。
またよくあるお話ですが、このフレーキングの初期状態の場合、圧力がかかっている(力がかかっている)時だけゴロつく、ということもあります。
次に多いのは保持器の破損です。
教科書的には振動が大きい場合、また異物のかみ込み等の理由があげられます。(ロードバイクの場合は、サビなどによる潤滑不良や内部の異物による破損が多いかと思われます。)

ベアリング内部の強烈なサビです。もちろん完全に終了です。
とは言っても相当ひどくならない限りはばらばらになることはありません。しかし時々BBなどでは、取り外した瞬間ばらばらになるものも実際に何度か見ております。
しかしです。
通常適切な選び方、使い方をすればベアリングの寿命はそこまで短いものではありません。というようなベアリングのお話です。
▶短命なベアリング
ベアリングの寿命はそこまで短くはないというのは、適材適所、使用用途に合わせた適切なベアリングを使用するということですが、実際にロードバイクで使用するとどうしても寿命が短めなものもあります。
①シール構造
接触型のシール構造に比べて、非接触式のシール型ベアリングは高速性に優れますがその反面、寿命は短いです。
というのもベアリングの教科書的な表に記載がありますが、非接触型のシールでは”防塵・防水性:不適”となります。
ロードバイクは基本的にアウトドアのオールウェザースポーツ(雨でも走る)ですし、ジャバジャバ水をかけて洗車などもします。
ワタクシ自身その回転の軽さから非接触式のシールド形ベアリングをBBに使用したことがあります。結果はごろつきが出るまでに2ヶ月程度で、お世辞にも普段使いにおすすめできるような結果にはなりませんでした。それ以降接触式を使用しております。
レース等のここ一発での使用やメンテナンスに特に気をつける等のことであれば問題は無いとは思います。しかしワタクシの様に普通にガシガシ洗って、多少の雨なら走って、、、と言う使い方では防塵性、防水性が低い非接触のシールド形ベアリングを日常的に使うことは原則、適さないということになります。
またベアリングのつけ外しもそこまで頻繁に行うのも、少々考えものです。
②ベアリングの種類
ボールやレースの材質の違いです。
セラミックボール+金属レースのベアリングは寿命が短い場合が多いです。
というのも経験からのお話にはなりますが、ゴロゴロ~バラバラといわゆる寿命を迎えたベアリングを見るのは、金属のベアリングよりセラミックボールのベアリングが圧倒的に多いです。
先日もこちらです。
セラミックボールに耐えうるためにレースには特殊なものを使用したりすることが多いですが、それでもやはりどうにもならない根本的な問題があります。てっつぁん 目指せ走れるメカニック!!@ff_cycle
セラ玉ちゃん、当たりが強いのね。。。😥 https://t.co/N2Lk1OtWDm
2021/09/16 16:51:15
ということで、その構造や性質的に寿命が長くない、ベアリングがあることは間違いありません。
逆に言えば、接触型のシール構造を持つシール形ベアリング、BBやハブ等のベアリング、DTのハブや、MAVICのハブの構造はベアリングが原則そう簡単にだめになることはないというのが重要なところです。シマノの純正BBなどもいつから使っているかわからないぐらい長く使えることもあります。
ではどのぐらいが、、、というのは非常に難しいところですが、よほどハードな使い方(プロレベル)であったり、変な使い方をしなければ1年や2年でだめになることのほうが少ないような印象です。
はっきり言ってかなり長く使えるのが普通です。
そう、通常は長く使えるようにできているわけです。
では通常長く使えるベアリングが比較的短い期間でだめになってしまった。そこにはどんな原因があるのか? というのお話です。
転がり軸受入門ハンドブック より軸受損傷状況から原因を推定することは,要因が多岐にわたるため非常に難しいことですが,使用機械,使用箇所,使用条件,及び軸受周りの構造などをよく把握し,損傷発生時の状況と,損傷の現象から,原因を推定し再発防止を図ることが重要です。
ということです。
推測できる原因等を考えてみようと思います。
▶ベアリングが短命になる原因
①組付けの不備
ベアリングの圧入・組付けの際に不適切な取り付けによって寿命が短くなることがあります。
基本的なベアリングの圧入の方法です。

ベアリングの取扱いより
ロードバイクでは”軸に圧入”よりも、”ハウジングに圧入”のほうが多いです。
”ハウジングに圧入”の場合は基本的に専用工具を用いて、外輪に均等に力が加わるように圧入する必要があります。しかし専用工具がなかったりして、内輪を押して圧入をしてしまうことが原因で損傷してしまうことがあります。
また基本的に圧入はプレス圧入で、ハンマーなどで叩いて圧入も禁止となっております。
取り外しの際もベアリングは壊しても再利用しない、ということもあるかもしれませんが、無理に力をかけることでのハウジングへの傷・ダメージにはくれぐれも気をつけなければいけないところです。
②構造上の不備
ハブなどは精度が高くできているものが当たり前、、、ということでもありません。決して多くはありませんが、中には精度が悪いものもまれにあります。
例えばですが、
・2つのベアリングの軸の中心がズレているもの、
・ベアリングの想定外の方向に過負荷がかかってしまう構造もの
(ガタや与圧のかけ過ぎ)
等があります。
これらはというと100ではありませんが、中には構造上の不備、製品の不良の可能性があります。
一般的に流通しているもので、正規品であっても極稀に精度不足のものも見ることがあります。
こればかりは原因が確定していれば、保証対象となる場合ももちろんあると思いますが、原因を確定させることが大変な場合もあります。
なにかおかしいと思ったらプロショップへ、そして正確な診断が必要になります。
▶まとめ
肝心なところはというと、判断は難しいですが、ベアリングがだめになった時に異常が無いのか、ということです。
ただ単に寿命を迎えているだけであれば、交換する他ありませんし、交換してさえしまえばまた何年もなめらかな回転を取り戻せるはずです。
しかし例えば新品に交換したとしても調子が悪い、なにか変だという場合はというと、原因をはっきりさせないとまた、繰り返してしまうことになります。
ベアリングがだめになった時に肝心なのは、ただ単純に寿命を迎えたのか、それともなにか不具合があってだめになったのか、これの正しい判断が重要ということでした。
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※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
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