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ベアリングは消耗品です。
ごろつきやガタが出たらいよいよ持って寿命となります。

これは外部からでもひどくなると感覚的にわかるものですが、逆に分かりづらい場合もあります。
特にハウジングに挿入され圧力を受けているベアリングと、抜去後のベアリングでは手応えが変わるのはよくあることです。

で今回はリアハブです。
外部からの手応えでかなり状態のよくないものから抜いたベアリングがどのような状態になっているのかというと、、、というのが今回のお話で、交換したベアリングを見る!こんなベアリングの内部の状態は如何に!?という話です。


抜いたベアリングはどうなっているのか、内部を見てみようと思います。
今回はこの4つのベアリングです。
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こちらはリアハブで使われていたものですが、状態はというとお世辞にも良いとはいい難く、ホイールを車体に取り付けた状態から回転させると、ゴーーーーーーっ、と言う音を響かせています。ホイールを取り外しハブ軸を持って回転させてもザラザラ、フリーを止めて回してもゴロゴロ感が非常に強い状態です。ということでハブ内部もフリーボディも双方ともいわゆるベアリングとしてはご臨終状態と考えられます。
しかし実際の診断には、アクスルが通ってしまっているとどこのベアリングが悪いのかどうかは、分かりづらい場合もありますので要注意です。

これらを一個づつ見てみようと思います。

①ハブ内フリー側
最もダメージを受けるであろう位置のように思えますが、意外と持つこともあるベアリングです。
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なかなか有望です。
フリーボディ内ほどではありませんが、このラチェット部直と言う位置はかなり汚れやすい位置です。
ラチェット部はその構造上、どうしても汚れや水分がが入り込みやすく、外部からの影響を最も受けやすい酷使されがちな位置のベアリングです。
しかしラチェット部は意外とメンテがしやすく、こまめにメンテナンスされている場合は、以外と状態が良いものもありますが、今回はNGでした。
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見ての通り周りにサビサビサビ、、、もう状態はかなり外から見てもかなりひどい状態です。
ゴリ感も強い状態です。

内部を見てみます。
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グリスが枯れています。

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こちら側も申し訳程度のグリスの量です。

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シールはきれいでした。
内部までのサビの進行は少ないですが、ゴリ感が強く終了です。


②フリーボディ外側

フリーボディ内部の外側です。
カンパ、フルクラムでは一番と思しき寿命の短さの位置です。
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見ての通り錆びっサビです。。。
状態はというとやはりゴリゴリ、駄目です。

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ベアリングの外側の見事なサビです。

開けてみます。
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見事なまでにグリスが非常によくない状態になってこびりついています。
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サビとグリスのミクスチャーです。

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内部まで酷いサビです。
グリスが残っているように見えなくはありませんが、、、

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洗えども洗えども出てくるのはサビだけ。
もう完全に駄目です。
一番状態が悪そうです。

このぐらいまでの状態のベアリングは樹脂製のリテーナーの場合、リテーナーが崩壊して分解時にばらばらになってしまう場合もあります。


③ハブ内反フリー側
何を隠そう一番長寿命で、駄目になりづらい、汚れづらい部分です。
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外部にグリスの色をしたグリスが残っていて、きれいに見えます。

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サイドも錆はほぼありません。
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このベアリングはいわゆるフェイク状態のベアリングでした。
圧入されている時はゴリ感があるのものの、抜去後にゴリ感が消えるというものです。
しかしです。
駄目なものは駄目です(笑)

開けてみます。
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シールもかなりきれいです。

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内部もグリスがいきています。

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反対側は少々怪しい感じです。

ということで一見まだ使えそうなのですが、前述の様にザラつきが確実に出てきます。
となると一般的な異物やサビなどによる影響だけではなく、圧入時~圧入後に何らかの問題が起きたとも考えられなくはありません。
要注意です。


④フリーボディ内側(ラチェット側)
ラチェット部から近いのですが、意外と奥まった位置にあり汚れづらい位置です。
それでもきれいとはいい難い状態です。
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ラチェット部からの侵入で外部はサビが発生しています。
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開けてみます。
シール内部はというと、、、完全にアウトです。
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シール内側がこうなっている場合は、、、
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内部ももれなく駄目です。
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状態的には以外にもザラつきが一番マシでした。


▶まとめ
これらの結果やワタクシの経験上からのお話ですが、
外側から見て明らかに錆びているものは基本的に内部もだめになっている事が多いです。
逆に外から見てきれいな場合でも、内部がだめになっている場合もあります。というのは大きく分けて2つですが、外部からの水分等の侵入で内部がだめになる場合と、それ以外の原因でベアリングがダメージを受ける場合とがあります。
これらを適切に判断することはとても大切なことです。

そして一度内部でサビが発生してしまったものは基本的に洗浄しても、もとに戻ることはありません。
基本的にだめになったら交換することが必要になります。
とは言っても最近のホイールは構造的にかなり精度もよく、内部のベアリングが長持ちする傾向あります。オーバーホール時だけではなく、なにか変だと思ったりした際はプロショップヘ相談するのがよろしいかと思います。

交換後のなめらかな回転はものっすごく気持ちが良いものです。
ということで今回は交換したベアリングを見る!こんなベアリングの内部の状態は如何に!?そんなお話でした。


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