市場には新品だけではなく、中古品も出回っております。
当店でも中古品のお持込み頂く場合もあります。
その中古品の程度はと言うと、本当にピンきりです。
状態は非常に良くお買い得だったものもありますし、はっきり言って価格の割にイマイチ状態のよくないものもあります。

ということで今回は、基本的に新品と中古品は何が違うのか、というところをメカニックの目線からお話をさせていただこうと思います。
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▶走行距離は・・・
車の中古ではよく聞く、走行距離と言う言葉ありますが、基本的にロードバイク車体、その他のパーツでは走行距離を表記する場合はほとんどありません。
正確には中古品販売店の場合は、ということです。
なぜかと言えばもちろん証明できるもの、証明できることが基本的には無いからです。

ということは逆に言えば適当なことでも言えますし、書けるということです。

お店でも確認のしようもありませんが、はっきり言って車体を見ればどのぐらい、どの様に走っているのかは何となく分かることもあります。プロの目はすごいのです・・・逆に全くわからない場合もありますが(笑)
仮にこれは申告の走行距離と比べてもちょっと、。と言う場合でも、お客様に対して本当ですか?なんて聞けませんのでトラブル防止のためにも、記載をしていない場合がほとんどなのではないか、とワタクシは考えております。
お店なんかだと、程度・状態をABCなどで評価している事が多いと思います。

ですのでもし走行距離の記載があったとしても、あくまでも参考程度に、と考えるのが良いと思います。


▶パーツの種類と磨耗
そしてこれは大きく分けて2つに分けられます。
①目で見てもわからないもの:ベアリング系(BB、ハブ、ペダル等)
ベアリング系ですので、主に回転部があるものです。
これは実際に触ることなく、画像や写真では判断することは非常に難しいです。

製品の説明に”状態は悪くないと思います”とか”良品”とか書いてあったとしても、個人の主観の問題がかなり大きく、判断をする人によっても程度が代わることはよくあることだと思います。と言うのもお店に持ち込まれる自転車も、オーナー様が気が付かなかった悪い部分が見つかることは少ないことではありません。

そしてベアリング系は特にですが、(真実かどうかは不明ですが)走行距離によっても状態にかなりのばらつきができますし、走行距離が少ないからOKということでもない場合もよくあります。特に最近多いのは不適切なメンテナンスによるダメージを負っている場合です。
最近の回転パーツは非常に良くできているものが多く、下手に触るぐらいなら開けたことがないもののほうが状態の良いものもあるぐらいです。

ベアリング系はメンテナンスでなんとかなるもの、メンテナンスではどうにもならないもの、そしてメンテナンスができないもの等がありますので、その見極めもとても大切ところだとも思います。
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※特にペダルは消耗品の塊で、使用に応じてしっかりと具合の悪くなるお手本のようなパーツです。

②目で見てもわからないもの:有可動部構造系(ディレイラー、ブレーキ等)
回転系以外ではブレーキやディレイラー等の可動部があるパーツ類です。
可動部があるパーツは基本的に使い込まれることで、次第にガタが大きくなってきます。負荷が大きければ多いほど消耗は早くなります。

これらも回転系と同様に目で見ても可動部の状態はわかりませんので、実際に触ってみないと不明な部分が多いです。
またもしも触れたとした場合は、どの程度のガタは通常で、どの程度のガタが異常な範囲なのかも判断する必要があります。


③目で見れば摩耗がある程度わかるもの:ギア歯(スプロケ、プーリー、チェーンリング等)
こちらのほうが前述の2つよりもリスクは低い傾向にはあります。
というのも、目で見て摩耗具合を判断できればどれぐらいどの様に使われてきたのか?あとどのぐらい使えるのか?これらも経験さえあればある程度の判断はできるかと思います。
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④目で見れば摩耗がある程度わかるもの:サドル・ハンドル・ステム等のパーツ類
サドルは汚れてきたり、擦れてきたりします。しかし新品の状態を知ってさえいればどの程度のへたり具合かがわかる場合もあります。
カーボン製品は特にですが、はっきり言って怖いです。
外側から見てわかるものだったらまだしも、外側から見たら殆どわからないぐらいでも内部のダメージが不明なもの、実際に触ってみてもわからないものもあります。
ようは見た目で本当の状態が全くわからないこともありますので、リスクはある程度高くなると思います。


▶中古品の価格と価値
基本的な中古パーツの考え方ですが、傷がついているから安くなる、ということももちろんあると思いますが、長く使っているもの、年数が経っているものの価値は徐々に下がっていく傾向にあります。というのも。中古のパーツはすでに限られた寿命の一部を使用しているから、お値段が新品よりも安いということです。

しかしこれは逆のパターンもあります。
例えばですが、9000のDURA-ACEクランクは未だに高いようです。
というのは、基本的にデザイン的な問題です。
デザインだけではなく、貴重価値というところもあり、たとえ中古であっても型落ち品であっても価格が高い要因となりえます。

しかし性能はと言えば、新しい世代のもののほうが基本的には高い傾向にあります。
また多少の価格差があっても新しい世代のほうがトラブルが少ないというのも事実です。


▶パーツの年式、先発モデル等

Shimanoのパーツに関しては基本的に殆どのものが新しい世代のパーツのほうが確実に性能を上げています。
が、極稀に旧世代の品のほうが良いと思われるものも無いわけではありません。

しかし旧世代製品の難点と言えば、リペアパーツ類の供給の問題があります。
基本的には新しいもののほうが安心です。
現在の状況を見てみます。
✓ULTEGRA
現行型:R8100(12速)
一世代前:R8000(11速)←安心
二世代前:6800(11速)←まだほぼある
三世代前:6700(10速)←ぼちぼち在庫限りでパーツがなくなる。

✓DURA-ACE
現行型:R9200(12速)
一世代前:R9100(11速)←安心
二世代前:9000(11速)←まだほぼある
三世代前:7900(10速)←ぼちぼち在庫限りでパーツがなくなる。
※引き続き次世代でも使われているパーツは入手が可能なのものもあります。

これらのことからも3世代前ぐらいまではそこまで苦労はしづらいと思います。

リペアパーツがなくなれば、摩耗が進んだり壊れたらお終いです。終売パーツに関してはお店でも取り寄せることが難しいです。ですのでもしも古い世代品がお気に入りで長く使いたい場合は、消耗品類のパーツのストックを自分で用意しておくのが良いと思います。

というのは業界の中ではとても親切なShimanoのお話です。
その他のメーカーでは保証期間が終わったら(もしくは+αで)、パーツ供給を終える、という場合もあります。

基本的にウェア類とか、そのシーズンでなくなってしまうものが多いので気に入ったものはスペアを買っておくのも良い選択です。


▶トラブルが少ないのは
なんと言っても圧倒的にトラブルが少ないのは新品です。
またトラブルのお話ですが、よほどこだわりがなければ、多少の価格差があっても新しい世代のほうがトラブルが少ないというのも事実です。
しかしです。
最近ではあながち全てに当てはまるということでもなく、ある意味で初物には手を出さないという有名なお話もあります。

中古品を購入する場合は、当たり前といえば当たり前ですが、名前の知れた有名な中古パーツ屋のお店で購入するのが良いと思います。中には確認の漏れがあるかもしれませんが、明らかにおかしければ購入店で相談することができます。
これだけでも信頼感はぐっと上がると思います。

その代わりその信頼のためにお店が間に入るということですので、プロであるお店にマージンを払う必要があります。ですので通常個人間売買よりも値段は信頼の分、高くなります。それが中古製品買取販売店のメリットです。

はっきり言って工業製品ですので、新品でも不具合があるものも中にはあります。
新品であればもちろん対応してもらえると思いますが、それが本当に不具合なのか、それともそういうものなのかというところ、正しいもの、そして構造等を総合的に判断するにも程度の経験が必要になります。

また現在では出どころが不明なものも怖いです。
例えば少し前に少しだけ話題になりましたが、キャットアイのライトとか大量に中古品で売っている個人とか。。。ごく一部のお話だとは思いますが、万が一でも犯罪者の片棒を担ぐようなことだけには。。。


▶まとめ
中古品で失敗をしないためのお話ですが、、、
✓基本的にトラブルが少ないのは新品、もしくは新古品
✓旧世代のパーツはリペアパーツの供給の問題も考える
✓中古品を買うのであればお店が値段は高いが信頼のできる中古品販売店を選ぶ
✓個人売買やオークションはいまやそこまで安くないこともある
(すべてが駄目というお話ではなく、中には外れと思われる製品もある)
✓個人売買を選ぶ場合は、ものを選ぶ、そして画像からの状態がわからないものは、ある意味最低の結果も考慮する
ということを頭に入れておくと良いと思います。

ということで今回は中古パーツと新品パーツ、そんなお話でした。

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