VISIONのMETRONといえば、今では一体型のハンドルが有名になっております。
(VISION METRONと言っても一体型ではないハンドルもあります。)
初めて一体型ハンドルを見たときは、細かい調整もできないし何だこれは?と言うのが率直な感想でしたが、それから早いこと数年が経ち、今では当たり前のようによく見るようになりました。
METRONは空力的なお話、そして剛性もオリハルコンのごとく高くプロ御用達のパーツの一つです。
しかしです。
5D、6DとかACR Integrated、Integratedとなかなかに複雑なのです。
ということで今回はVisionの一体型ハンドル METRONが複雑すぎるのでまとめてみたら謎も残った、そんなお話です。
現行で日本代理店で取り扱いがあるのが2種類を見てみます。
Metron 5D ACR Integrated(メトロン5D ACR インテグレーテッド)
Metron 6D Integrated(メトロン6D インテグレーテッド)
この2種類です。
※5DのSuperCompactと言うモデルもあります。
①形状の違い
5Dはフラット部に角度が付いているのに対して、6Dは角度はありません。
またバーテープの巻き終わりに段差が付いています。
と、次に行くまでにACRを少しだけ。
ACRとはケーブルのフル内装システムのことです。
②ジャンクションボックスの違いステム部の下側(裏側)にはジャンクションAを収めるスペースがACR以外にはあります。

上が通常の5D、下は6Dです。
このジャンクションボックス?の構造上マウントは”A”のような形状でボルト2本締めの構造となります。
しかし5DでもACRモデルになると形状が変わります。

ACRは従来のジャンクションAを外に出すことがなくなり、バーエンド型のジャンクションを用いて組まれるシステムです。
こちらの場合は通常のジャンクションAを同じ場所に収めることは厳しいと思われます。
万が一入ったとしても、充電等がかなり手間がかかることになり、運用は厳しいと思われます。
ではこのACRモデルと言うと、原則バーエンド型ジャンクションのEW-RS910を想定していると思われます。またジャンクションAをバーエンド位置だけではなく、S-Works VengeのようにジャンクションAがシートポストにあったり、BMC SLRのようにダウンチューブ内に収まる構造でも問題なく組めると思います。
ですのでジャンクションAを何を使っているか、そしてフレームの構造等で洗濯するのが良いと思います。
この構造の変更に伴い、マウントの形状も変わります。

”A”形状のマウントではなく、直線的なマウントです。
③サイズ選び
通常ステム+ハンドルから一体型に交換するとしたら、ステム長+ハンドルリーチで同じようになるサイズを選ぶと思います。
しかしこの一枚の表が混乱を招いております。

注目すべき点は一番右側の”Stem/HB Reach”(ステムハンドルバーリーチ)です。
ハンドルリーチは80mmですが、120mm幅のハンドルでステム長を見てみます。
5D ACR
・187mm(420mm×110mm)
・197mm(420mm×120mm)
・206.8mm(420mm×130mm)
6D
・186mm(420mm×110mm)
・
199mm(420mm×120mm)・206mm(420mm×130mm)
一見特に変なところはないと思われます。
しかしです。
寸法の図をよ~く見てみるとコラムのセンターはよいのですが、
ハンドルバー側が芯ではなくバートップ(外側)ということです。

通常ハンドルバーリーチと言えば、ステムクランプ部の中心からハンドルバーの一番前に出ている部分の”芯”(パイプ径のセンター)までの距離を指す場合が多いですが、なぜなのかと疑問に思います。

https://set.shimano.co.jp/bc_catalog/pro/#target/page_no=107より
これを考慮して考えると、普通のハンドルとの長さ比較では半径分を引く必要があります。(一般的なハンドルではパイプのセンターまでの距離で書かれているため)
クランプ部径は24mm前後のものが多いです。
ですので一般的なハンドルと合わせると”Stem/HB Reach”から12mmを引いた数値になるのではないか、と言うお話です。
これを踏まえて、一般的なステムとハンドルのポジションとの比較を考えると、、、
例えばです。
・ステム長:120mm
・ハンドルリーチ:80mm
単純に計算してコラムセンターからバートップセンターまでの距離は200mmとなりますが、メトロンの場合はというと、199mm(420mm×120mm)で同じと思いきや、この寸法はバートップです。ですのでバーの芯(中心)で、と考えると-12mmをする必要があります。
するとこの120mmステム、リーチ80mmハンドルを使っている場合、メトロンの選び方は130mmのステム長のほうが寸法的には近いと考えられます。
しかしです。
ワタクシの中で引っかかっていることがあります。
それはなぜVISIONがこの様なサイズチャートにしたのか?と言うことです。
普通に考えて、リーチが80mm、ステム長120mmからの変更であれば、単純に120mmの長さのメトロンを選ぶ場合がほとんどだと思います。
それをなぜあえて??という疑問が出ます。
ということを考えると実際に取り付けたときは、同じ数値でだいたい同じポジションが取れるようになるのか、、、少なくともVision製品(FSA)であれば同じに長さで同じ様になるのではないか?と言う考え方もあります。
メーカー(設計者)の意図が難しいです。。。
▶まとめそれでも最近のサイズチャートでは、外-外を記載するメーカーは減ってきたようにも思えます。
それこそ、
・ハンドル幅:ブラケット取り付け位置、
・それ以外にエンド部寸法も記載
・表記はすべて芯-芯に統一
というように決めてもらえるとユーザー側としても良いのではないかと思います。
とは言ってもこれはメーカーによっても形状が微妙に違ったり、それこそハンドル一体型以外の場合は、取付角度等も差が出るところだと思います。
ですので全く同じポジションというのはなかなか難しいことだとは思いますが。。。
メーカーが違うものに交換する際のサイズ選び、、、難しいです。
ということで今回は、Visionの一体型ハンドル METRONが複雑すぎるのでまとめてみたら謎も残った、そんなお話でした。
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