チェーンオイルのメンテナンスは、ロードバイクにおいて必須の作業です。

チェーンの潤滑が不適切な状態になると、走行中に「キリキリ」とした音が出ることがあります。
このとき、実際にどれほどのパワー損失が生じているのかは、なかなか意識されません。

しかし、チェーンに塗布されている潤滑剤の性能差だけを見ても、400W出力時で最大16Wもの差が生じるというデータがあります。(※詳細はページ下部のリンク参照)

400Wという数値は現実感が湧きにくいかもしれません。
そこでこれを250W出力時に単純換算すると、損失はおよそ10W前後に相当します。
これは決して小さな数値ではありません。

さらに、これはパワーの損失だけの話ではありません。

潤滑がうまくいっていない状態では、チェーンやスプロケット、チェーンリングといったドライブトレイン全体に余計な負担が掛かります。
その結果、摩耗が早まり、各パーツの寿命を縮めることにも直結します。

つまりチェーンオイルの管理が甘い状態では、パワーを失いながら、同時にパーツも痛めているということになります。

なお、仮に平坦巡航中に250W前後で走っている場合、10W程度のロスは、条件にもよりますが巡航速度でおよそ0.5km/h前後の差として現れる可能性があります。
あくまで目安ではありますが、長時間のライドでは無視できない差です。

チェーンオイルは、想像以上に重要な存在です。

そこで本記事では、メカニックとしての目線、そしてロードバイクを日常的に使い込んできた立場、その両方の視点から、チェーンオイルを選ぶ際に、
潤滑性能以外で私が重視している3つのポイントについて整理していきます。

ということで今回はメカニックの目線、そしてロードバイクのヘビーユーザー(?)としての目線、双方の目線からのお話、チェーンオイルを選ぶときに潤滑性能以外で重要視している3つのこと、です。
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①メンテナンス性
今回ご紹介する3つのポイントのうち、最も重要なのは「メンテナンス性」です。
ここで言うメンテナンス性とは、オイル自体の汚れづらさではありません。
日頃のメンテナンスがしやすいかどうか を指します。

具体的には、汚れたオイルを落としやすいかどうかが大切です。
チェーンオイルは、グリスに比べてはるかに高い頻度で「塗布 → 洗浄」を繰り返す必要があります。
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ワタクシの場合、基本的には使用距離を目安にして、現在使用中のチェーンオイルの性能が持つ距離を超える前に、次のライドを見越して洗浄+注油をしていました。
また、雨やウエット走行後や汚れがひどいときは、距離に関わらずきれいに洗浄することにしています。

頻度が特に決まっているわけではありませんが、多いときには週に2回以上行うこともあります。
それだけ、チェーンはむき出しで汚れやすく、オイル自体も経時で劣化していくものだからです。
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汚れたらきれいにする――。
この工程はチェーンメンテナンスにおいて必須です。
避けて通ることはできませんので、できるだけ清掃時に手間のかからないオイルのほうが私は良いと考えています。

しかしです。
オイルの中には「ディグリーザー類(パーツクリーナー等)」で、非常に落としづらい成分を含んでいるものがあることです。

ディグリーザーでスッキリ落ちない場合、それは単にディグリーザーが悪いのではなく、オイルの添加剤が落としづらい成分として働いている場合もあります。
このようなオイルは、メンテナンス性があまり良いとは言えません。


また、チェーンオイルにおいて大切なことは、正しい使い方をすることです。

正しい使い方をすることで、その製品が本来持っている性能をきちんと引き出し、100%の性能で使ってあげることができます。
これは非常に重要なポイントですが、実際には、意外とできていないケースが多いのも事実です。

わかりやすい例を挙げると、洗浄後の水分やディグリーザーの成分がチェーン内部に残ってしまっている場合や、チェーン内部の汚れが完全に落としきれずに残っている状態です。

ディグリーザーの成分がチェーン内部に残っている状態で、チェーンオイルを塗布しても、十分な潤滑性能を引き出すことはできません。それどころか、状況によってはオイルが飛び散りやすくなってしまうこともあります。
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※オイルとディグリーザーは同社のものを使うとより良いです。

②値段・コスト
これも非常に重要なポイントです。
これはチェーンオイルに限った話ではありませんが、高価なものをケチって使うくらいであれば、最初からケチらずにしっかり使えるものを選んだほうが良いと考えています。

もちろん、ただ単に大量に使えば良いという話ではありません。
しかし、使用量が少なすぎることでチェーン内部まで十分に潤滑できていない場合、せっかく性能の高いオイルを使っていても、その性能を活かしきれず、結果的にがっかりすることになります。

チェーンオイルの説明書を見ると、意外なほど多めの量を塗布するよう指示している製品も少なくありません。これは、チェーン内部までしっかりと潤滑させる必要があるからです。

チェーンは、表面の潤滑だけでなく、内部の潤滑が非常に重要です。
十分にオイルを行き渡らせたうえで、余分なオイルがあれば拭き取る。これが基本的な考え方です。

また前述のとおり、チェーンオイルは、どんなに高価なものであっても、汚れたら一度すべてきれいに落とし、再度塗り直す必要があります。
これがチェーンオイルの基本的な使い方です。

そう考えると、汚れたときに惜しげもなく、ためらいなく洗浄できるそのくらいの、良心的な価格帯のチェーンオイルが現実的には使いやすいのではないかと思います。


③入手性・安定性
チェーンオイルは、基本的に消耗品に近いケミカルで、非常によく使うものです。
ロードバイクに乗る以上、チェーンオイル無しで走ることはほぼありません。

そう考えると、入手性の悪さは意外と無視できない問題になります。

例えば、
・特定のショップでしか取り扱いがない
・取り寄せに時間がかかる
・欠品が続いて、いつ入るかわからない
このような状況では、どれだけ性能の良いチェーンオイルであっても、正直なところ、使い続けるのが億劫になってしまいます。

「あ、やばい。チェーンオイルを切らしていた……」そんなタイミングは、意外とよくあるものです。

そうしたときに、自宅の近所や職場の近くなど、普段立ち寄れるお店にいつも置いてある製品であることは、非常に大きなメリットだと思います。

チェーンオイルは特別なときに使うものではなく、日常的に使い、定期的に補充し続けるものです。
だからこそ、
・いつでも手に入る
・安定して供給されている
・同じものを継続して使える
この「当たり前」が守られていることは、実際の運用を考えると、かなり重要なポイントになります。

性能が良くても、使いたいときに手に入らない。それでは意味がありません。
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▶まとめ
今回は、「何がおすすめのチェーンオイルか」という話ではありません。

というのも、おすすめのチェーンオイルを一概に「これ」と決めることは、非常に難しいからです。
何を重視するかによって、選ぶべきチェーンオイルは変わってきます。

実際に、お客様や営業の方とお話をしていても、チェーンオイルに対する好みや考え方は本当に千差万別です。
使う環境や走り方、メンテナンスの頻度によっても、評価は大きく分かれます。

その中で今回は、メカニックとしての目線、そしてロードバイクを使い続けてきたユーザーとしての目線、その両方から、私自身が数多くのチェーンオイルを実際に使ってきた結果、潤滑性能以外で重要だと感じている3つのポイントについてご紹介しました。

チェーンオイル選びは、性能の数字や評判だけで決めるものではありません。
自分の使い方に合い、無理なく使い続けられること。
それが、結果として一番満足度の高い選択につながるのだと思います。

ということで今回はチェーンオイルを選ぶときに潤滑性能以外で重要視している3つのこと、そんなお話しでした。

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