整備やメンテナンスと言えば難しいことだけではありません。
基本の”き”の字とも言え、そしてとても重要な洗車です。
お住まいの事情等で水を使えない場合でも、最近は便利なケミカル類のおかげでかなり充実した水なし洗車もできます。

基本的に洗車の目的といえば、フレームをきれいにするということよりもどちらかというとドライブトレインの洗浄です。と言うのもチェーンオイルは定期的に落として、塗り直す必要があるからです。

しかしリアのハブ主体で見ると、やはり通常フロントのハブベアリングよりもリアハブのベアリングのほうが寿命が短い傾向にあります。
なぜかと言えばシンプルですが、カセットスプロケットがついているからです。
そう、リアのハブは洗浄方法でハブ内部の状態がかなり変わることが多々あります。

ということで今回は、メカニックのワタクシがリアハブの寿命を伸ばすために洗車の際、気をつけていることとは?そんなお話です。
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▶リアのハブベアリング
日常的なメンテナンスのチェーン清掃や洗車の際には、油汚れは落としたいのですが、グリス類は出来だけ落としたくありません。
最近の洗浄剤(ディグリーザー類)はとても強力な物もあり、結構硬めのグリスでもスッキリと落とせるものも多くあります。汚れが落ちやすいということは良いことでもありますが、場合によってはあまり良くない場合もあります。
と言うのも落としたい油汚れにピンポイントで作用してくれればよいのですが、実際にはピンポイントというのはなかなか難しく少なからず周りにも影響を与えてしまうことがあります。

好ましくない影響といえば、リアハブ周りやBB周りのベアリングへの浸透です。
ちょっとやちょっとディグリーザーがかかったぐらいでベアリングは即だめになるようなことはありません。しかし日常的なちょっとが繰り返されることで少しづつ少しづつグリスを劣化させて、結果的に寿命を短くしまうことがあります。

とは言っても適切なディグリーザー類は基本的に使い方さえ間違わなければとても便利なもので、きれいにするためには必須な存在でもあります。要は使い方、なわけです。
例えばですが、Shimanoの純正BB等かなりシール性能が強いものや、定期的に交換するそこまで高価ではないパーツ(純正プーリー等)では汚れの影響のほうが大きいと考えられますのでしっかりと使います。
逆に一部のホイールのハブや社外BB等、構造上どうしてもシール性能がそこまで高くない製品もあります。その場合はディグリーザーの使い方や、洗浄の方法をすこし気をつけることでベアリング等より良い状態を少しでも長持ちさせることができると考えております。

今回はこの後者、ハブの状態を少しでも良い状態を長く保つために、少しだけ気をつけること。コレがメインのお話です。


▶寿命を少しでも伸ばす方法
①隙間はできるだけ避ける
隙間とはいわば弱点でもあり、できるだけディグリーザー類をじゃぶじゃぶかけたくないところです。

まずはこちら、フリーボディの外側です。
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エンドキャップ+ベアリングシール(外側のベアリング)と言う2重壁でのシール構造のものが多いです。(カンパ系は1層)
しかしエンドキャップはそこまでピタリとしたものではありません。

もう一つはフリーボディとハブの隙間(ラチェット部)です。
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※わかりやすいようにカセットスプロケットを外してあります。

ここはラチェット部へディグリーザーが浸透する箇所です。
コレがあるので、ハブ内部のベアリングのフリーボディ側はダメージを受けやすいということがあります。フリーボディの内側のベアリングがだめになるのも、ラチェット部からの悪影響の可能性が非常に高いです。
右側はドライブトレイン、汚れ物がついているからハブが汚れやすい、ということもないわけではありませんが、どちらかと言うと洗浄の影響のほうが大きいように思われます。

カセットスプロケット自体にディグリーザーをかけることは全く問題がありませんが、このようにベアリング等につながる隙間はできるだけ狙わないほうが良いです。
これらをためにもディグリーザーは実際に使う場所も重要ですが、量も大切でただいっぱい使えばよいということでもないということです。


②フリーボディやハブはできるだけ回転させない
実際にスプロケの洗う際のお話です。
ディグリーザー類を使っている時はできるだけフリーを回転させないと言うことです。

これはどういうことかと言うと、何度かシールドベアリングの実験で行ったことがありますが、ディグリーザー類は表面にシールの付着するだけでは内部に浸透はしづらいです。しかし表面に付着した状態でベアリングを回転させることにより内部へ浸透しやすくなります。
ですので直接ベアリングやシール部にかかってしまう可能性が考えられる場合はというと、できるだけ回転させないことで、内部への浸透を最大限に防ぐことができると考えております。
これはシールドベアリングだけではなく、ラチェット部等のシール部もです。

特にカセットスプロケットを洗う時、ディグリーザーをぶっかけてフリーをブラシなどを使って回転させながらガッシガッシと洗うのは早く綺麗にできます。しかしシールの隙間(ラチェット部やフリーボディの外側のベアリング)へのディグリーザーの浸透を防ぐためには、できるだけベアリングを回転させることなく洗ってあげるのが良いです。
洗うときも流すときもフリーやハブを回すのではなく、ホイールごと回すことでベアリングを回さずに全周をきれいにすることができます。

逆に一番良くないのは浸透力が強く、強力すぎる洗浄力を持ったパーツクリーナー等をぐるぐるスプロケット(フリー)を回しならがらベアリングや隙間めがけてぶっかけることです。
コレによりたとえシール性能が強くとも、じわじわとシールの中に浸透してきます。
これはカンパ系のホイールで時々見られます。
ギアがアウターの重たいギアで、ゴーーーーッという異音が響くのが特徴で、フリーボディ外側のベアリングが死亡している場合はこのパターンが多いです。


▶リアハブのシールド性能を決める2つのこと
リアハブのシール性能はホイールごとにかなり差があります。
・元々の設計による防御力
コレはもう構造上のお話ですので、ここを変えることは基本的にはできません。

・グリスによる防御力
これはカップアンドコーン(CULTを除く)であればグリスを直接ベアリングに入れることになりますし、シールドベアリングの場合はベアリングの周りに使用する場合もあります。
グリスの土手を作って外部からの侵入に備えたりすることです。

これらによってもリアハブのシール性能が変わりますが、基本的に空転が軽ければ軽いほどシール性能は低い傾向にあります。
と言うのもシールがきついものは汚れも入りづらいですが、接触が強い傾向にあり、グリスの量や質等も影響があります。

シール性能と回転の軽さ、コレは非常にバランスの難しいところだと思います。

✓ちょっとおまけ
個人的な経験上の話ですが、BBのベアリングに非接触の回転の超軽いベアリングを使ったことがありますが、あれはだめでした。。。ワタクシの使い方では寿命が短すぎてしまったからです。
せっかくの回転の軽さも寿命が短すぎれば意味がなくなってしまいます。

と25000km以上は使ってきたTOKENのホイールのTFTと言うステンレスベースのベアリングがありますが、アレは凄いです。回転の軽さも素晴らしいですし、寿命も長くまだまだ全然使えています。シール性能と回転のバランスが非常に良いのだと思われます。


▶まとめ
通常の洗車方法、カセットスプロケットの洗い方ですがディグリーザーやチェーンクリーナを吹きかけてブラシでしっかり擦る、というのは非常によく見るやり方ですし間違っているやり方ではありません。
しかしちょっとだけ気を使ってあげることで、少しだけ寿命を伸ばすことができたり、グリスをいい状態を少しだけ長く保ったりすることはできると考えております。

と言うのもホイールの構造などによってシール性能はかなり異なるということもあります。
いつものメンテを少しだけ気を使うことで少しだけでも寿命を長くする、これらの積み重ねはとても大切なことだと考えております。

ということで今回はリアハブの寿命を伸ばすために洗車の際、気をつけていることとは?、そんなお話でした。
そんなこんなで1ヶ月経過ですので、少なくとも6回以上は洗車をしておりますが、まだまだ全然きれいです。v(´∀`*v)

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