じわりじわりとスルーアクスルが増えてきたこの時代ではあり、今更感が無いわけではありませんが、クイックレリーズのお話です。

実は結構多いのです。
クイックレリーズのバネが反対に入ってしまっていたり、バネがなくなっていたり。。。
このバネのことをツル巻バネと言います。
※シマノの純正品でリペアパーツがありDURA-ACEで200円/個ぐらいです。

今回の主役のツル巻バネですがはっきり言って逆さまにつけることは絶対に駄目なことです。
ではバネがない場合は、と言うと、、、
というのを理解するのが、今回のお話です。

ということで今回は知っ得?マスト?クイックレリーズとツル巻バネの構造を再度確認する。そんなお話です。

※シマノはクイックレリーズとなっております。他社ではクイックリリースと言う場合が多いです。どちらも呼び方は若干違いますが、同じようなものです。

image77677


▶クイックレリーズのツル巻バネの方向
基本ですが、ものすごく大切なことです。
rect76289
この円錐のような形状のバネです。

これは必ず上の画像のように左右ともにすぼまっている(とがっている方)方が内側に向くように使用します。
DSC_3817

▶ツル巻バネとレバーナット
※レバーナット=調整ナット(シマノ)
まずはツル巻バネです。
image80279
円錐のツル巻バネは縮まった(圧縮された)時にバネ同士が微妙にずれることで重ならず、普通のバネと違い厚みが薄くなります。

そしてクイックレリーズの調整ナットです。
ナット側には”溝”(くぼみ)があります。
DSC_3869

その溝に圧縮されたツル巻バネが収まるようにできています。
image76435
調整ナットは一見普通のナットのように見えても、必ずツル巻バネが収まるための溝(くぼみ)があります。

このくぼみがあるので、、、
DSC_3826
クイックを締めた際に、、、

DSC_3827
ぴたりと収まります。

▶調整ナットにくぼみがないと?
わかりやすいように平らなワッシャーを使ってみてみます。
image78190
ナット側にくぼみがなく平らだと、ツル巻バネの広い方(外側が)フレームのエンド部とホイールのエンドに挟まってしまっています。このようにバネが挟まった状態では十分な固定力は出せません。

そのためクイックレリーズのナット側には縮まったツル巻バネがしっかりと収まるようにくぼみが付けられているということです。
image79812
圧縮されたツル巻バネの一部(外側)はエンドナットのくぼみにおさまることで、フレームのエンドとホイールのエンドがピタリと合わさるようになっています。

▶フレームのエンド部とホイールのエンド部とツル巻バネ
構造を見てみます。
DSC_3843
フレームのエンド部とホイールのエンド部がピタリと噛み合っています。
この状態でギュッとクイックを締めることでしっかりと固定されます。

先程の画像でツル巻バネとの関係性を見てみます。
DSC_3826
このように必ずホイール側のエンド部にはツル巻バネが重ならない(巻き付かない)ようになっています。
言い方を変えると、ツル巻バネは円錐形になっているので、ホイールのエンド部に重なることはありません。
これが正しい方向に付けたときの構造です。

これらを踏まえてあえてツル巻バネを逆につけてみます。
DSC_3845
ホイールのエンド部とフレームのエンド部の嵌合する部分(噛み合う部分)にバネが入ってしまっています。

ということでこれでは、、、
DSC_3846
そもそもフレームのエンドに入らないのです。

先程の画像ですが、ぴったりとしているからです。
image76581
バネが挟まる隙間がないのです。
ちなみにコレを無理やり突っ込んでしまった場合、、、
(流石に無理やり入れるわけにはいきませんが、)

仮にエンドに入った(入ってしまった)とします。
image77677
通常はフレームとホイールのエンド部がピタリとくっつき固定されます。
しかしこのようにツル巻バネが逆さまの状態だと、仮にハマったとしてもバネの一部(広がっている方)がホイールとフレームのエンド部の間に挟まってしまう可能性があります。


▶ツル巻バネが逆さまのときの弊害
このようにツル巻バネが逆さまの状態で無理やりホイールを付けてしますと、ツル巻バネが壊れたり、場合によってはフレーム側のエンド部を傷つけてしまうことがあります。

またホイールもまっすぐに入らないこともあると考えられます。
ホイールが曲がって入っているとブレーキのセンターが狂うことでブレーキの効きがおかしくなったり、リア側であれば変速がおかしくなります。

さらに通常ホイールをフレームのエンド部がピタリと嵌合することで固定力がしっかりと発揮されるのですが、このようにツル巻バネが反対で中途半端な状態だと十分な固定力が発揮できません。

非常に危険な状態で固定、というかむしろ十分な力でホイールが固定されていない状態になってしまうということです。


▶まとめ
ツル巻バネとは小さなバネです。
基本的には必要なものですが、実はなくても取り付けることはできます。※推奨するわけではありません。
例えばですが、ナカガワのエンドワッシャーなどを使う場合はツル巻バネは基本的に使えません。
しかしそんなツル巻バネですが、最初にも書きましたが絶対に逆向きに使うことはできません。

ホイールの取り付け方、クイックの使い方、基本的なことではありますがとても大切なことです。
ということで今更ながら記事を作成してみました、知っ得?マスト?クイックレリーズとツル巻バネの構造を再度確認する、そんなお話でした。


++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(一人運営のため整備中、接客中等 電話を受けれない場合もございます。その際はお時間を開けて再度ご連絡を頂ますようお願い申し上げます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから