ロードバイクは各所にベアリングが使われています。
大きく分けて2つのタイプのベアリングです。
①カートリッジベアリング(シール形ベアリングがほとんど)
②カップアンドコーン
何が違うかというというと構造はもちろんのこと根本的な考え方が違って、カートリッジベアリングは一部特殊なものを除き基本的にダメになるまで使って、だめになったら打ち替え等の交換をするものです。ある意味でメンテフリーのような使い方です。
一方のカップアンドコーンはメンテナンスをすることを前提としたシステムです。とは言っても実際にはシマノのカップアンドコーンのシール性能はかなり高いです。(特にペダルは構造的にもかなり強いです。)

どちらが優れている、というお話ではなく、今回は前者のシール形ベアリングのお話です。
このベアリングはハブやBB等に使われていることが多々あります。(メーカー・モデルによっても差があります)

ということで今回は、ベアリングは完全にダメになる前に交換をお勧めする理由壊れたベアリングを取り外す、そんなお話です。

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▶ベアリングの基本
まずは簡単なベアリングの構造からです。
image832

ハウジング(ベアリングが収まる部分、圧入される部分)にベアリングが圧入されている状態です。
これはシール型ベアリングを使用しているハブ、BB等は概ねこのような構造になっています。
(ロードバイクだと90°回した構造?がほとんどです。ヘッドは除く)
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こうです。

ベアリング単体で見てみます。
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ロードバイクの回転部で使われているベアリングです。

まずはベアリングの取り扱いの基本的なお話です。
✓ベアリングをハウジングに圧入する際は外輪を押して圧入します。
✓軸に圧入する場合は、内輪を押して圧入します。
✓内輪やシール部を押して圧入することは基本的にNGです。
✓圧入時は叩かずに専用工具(プレス)などを用いて行います。
これが基本かつ、長重要な取り扱いです。

では逆にベアリングを取り外すときはどのように外すかというと、引き抜き工具を使ったり場合によっては叩いたりして取り外すことになります。
実際にはどんな工具やどの方法が適しているのか、というとこれは場所や状況・構造によっても変わってきます。

▶ベアリングの寿命
そして次はベアリングがだめになると下記のような状態になります
・フレーキング(虫食い)
・がたつき
・ベアリング破損
一番多いのはフレーキングです(ごろつきや異音等)。まずフレーキングが発生して、その後寿命を迎える場合が多いです。
ですが通常のベアリングではそこまで短命なものは、、、なにか原因がありそうです。。。

で今回の本題はベアリングの破損です。
原因こそ複数あれども、ベアリングのダメージが一定のレベルを超えると、最悪ベアリングはばらばらになります。正確にはバラバラになっているのですが、前述のように圧入されていたり、各パーツの奥まった部分に位置していますので、外部から見た目では分かりづらいです。しかし外したりバラした瞬間にばらばらになってしまう、開けた瞬間の崩壊ということです。

がたつきだけが原因というわけではありませんが、ベアリングのダメージが大きくなるとボール自体が割れたり砕けたり、ボールリテーナーがめちゃくちゃになる場合、そして内輪や外輪が割れる場合、等々様々なことが起こります。

組み付いている状態であればガタツキぐらい、ギリギリの状態を保っている場合もありますが、軸を抜いたりばらすと、途端に粉々になったベアリングがばらばらと落ちてきてしまう状態のものも。。。
これがもう末期のベアリングの状態です。
ですのであまりにもボロボロの悪い状態のベアリングはバラす際にも注意が必要です。

▶ベアリングが崩壊すると・・・
ということで今回の本題です。
実はこう言ったことはレアなケースではありますが、年に何回かはあることです。
ロードバイクの整備はいわゆる組み立てや分解清掃の作業、マニュアル通りに行うことが大切な作業もありますがそれだけではありません。

電話やメールで言葉を聞いたり見たりするだけでは???となるようなことであったり、「これは、、、」と言うようなこと、そして実際に見てみると「なんでこんな事になって、、、??」ということも実は少ないことではありません。
また本当に絶対にこんなことは無い、と思しきミラクルでも普通に起きているなんてこともあるものです。

そんな時はもちろんマニュアル通りになんて行きませんし、そもそもマニュアルなんて無いことのほうが多いものです。
親指がもう一本ほしくなったり、少しだけ角度の違う工具が、、、なんて試行錯誤しながら作業に当たるわけです。これだから楽しいのです。

今回のお題はこちらです。
DSC_2983
なんてことはないよくある構造のフリーボディです。

フリーボディを取り外したら、ベアリング球がパラパラと落ちてしまったと言うことです。あるあるですね。
ベアリング球が落ちるということはベアリングが壊れていることはほぼ間違いないです。
内輪が破壊されているか、ボールが割れているかどちらかの可能性が高いです。
外輪がバラバラになっていることはそこまで多くはありません。

リアハブ(フリーボディ)の構造を見てみます。
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よくあるリアハブの構造の断面図と、下はフリーボディの断面図です。
余談ですがカンパのフリーでよくダメになるのは①の位置のベアリングです。
しかし今回のものは①の位置のベアリングは、、、まぁ問題が無いわけではありませんが、形はとどめています。となると壊れているのは②の位置のベアリングです。

ともあれ①のベアリングを抜いて、そのままだと見ずらいのでまずは内部をキレイにしてみます。
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輝く物体が内部に見えます。
図にしてみます。
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このように②の位置ようは奥まった位置、外輪だけがハウジングに残っています。。。
今回の状態はというと、ボールは砕けリテーナーはグズグズ、内輪は形状をとどめている状態でした。
内側から叩くのも不可、内掛けのプーラーを外から掛けるには深さ的にとどかず、内側からもアタッチメントが開けませんのでNGです。

この状態からキレイに残った外輪のみをできるだけハウジングに傷をつけないように取り外す、というのがプロのお仕事です。

外れました。
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外れたパーツを見ることでなぜこうなったのか、ということを推測することが大切です。

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せっかくなので残りのベアリングも抜き、キレイにしました。

▶まとめ
ベアリングは通常の状態(各パーツがバラバラに壊れる前)の取り外しは普通に行なえます。
しかし今回のように各パーツがバラバラになるほど壊れた状態からの取り外しは通常の作業よりも遥かに手間がかかります。手間がかかるということは工賃も通常は高くなる場合が多いと思います。

ちなみに今回は比較的よく見る構造のフリーボディ内部のベアリング交換ですが、通常交換ができるものとできないものがあります。厳密に言うとできないわけではないのですが、想定されているか否かの問題です。と言うのも中にはフリーボディ側の強度の問題で、出し入れに耐えられないものもあるからです。

ということで今回はベアリングは完全にダメになる前に交換をお勧めする理由ですが、完全に破壊されてからのベアリングの除去は通常よりも遥かに手間がかかるようになるから、ということです。
ベアリングが壊れて抜けない等、当店までお気軽にご相談ください。


~おまけ~
細かいお話ですが、ベアリングのシールの種類についてです。
下の表を見るのがわかりやすいです。
ベアリング
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0025.html より


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