
ワタクシ自身2018年春にチューブレスを使い始めてから、なんだかんだでクリンチャーに戻ることなく早4年が経とうとしております。その間自分で試したタイヤも数知れず、そしてお持ち込み等でも様々なタイヤとリムの組み合わせで組み込みやメンテナンスをしてまいりました。
そして今回、Panaracerの満を持しての新作タイヤ、AGILESTのTLR(チューブレスレディ)のモデルです。
個人的にもとても待ち望んでいた製品です。
そして先日ついに出荷が始まったということで、入荷第一弾です。
AGILEST TLRは25c、28c、30cというラインナップではありますが、何はともあれまずは25cです。
と言うのも、今までも他タイヤでも25cを使ってきたということもありますし、25c同士のほうが比較がし易いからです。またこれからの時期は大きな山にもいけるようになりますので、重量的な問題で25cということもありますし、より俊敏にということでもまずは25cです。
ともあれまずは25cを使ってみて、その後どうしていくのか?と言うことを考えてもよいかと思っての25cです。
早速組んでみようと思います。
と、その前にまずは実測です。
持った瞬間、、、軽いです。
カタログ重量は220g、クリンチャーは若干重めでしたがTLRはどうかというと、、、

2本ともカタログ値よりも軽いです。
この軽さであれば、シーラントを入れても合計250gちょっとです。
ヒルクライムで戦うとしても十分すぎる重量です。
トレッド面です。
スリックベースのザラ感?のような感じです。

スリップサインがあるのがなにげに親切デス。

裏側は前作と似ている作りです。
触った感じのゴムの質的には海外のタイヤよりも、IRCと似ている感じがしますが独特な感じです。
組み付け時には滑りづらそうな感触です。
組み付けるホイールはWinspaceのHYPERです。
時々なかなか個性的な設計をしているTLRリムがありますが、基本的にHYPERのリム構造は非常に良いです。HYPERのリムは特別なことがあるわけではありません。リムは基本的には他社、他メーカーのタイヤと組み合わせて使うパーツです。そういった部分は、普通で一般的であることこそ、相性等の問題が起こりづらくとても大切なことだと考えております。
特に初期のチューブレスリムは個性的な設計のものもあり、組付け難易度が高かったり、タイヤによってはかなり厳しいようなものも中にはありました。
早速組んでみます。
まずはリアからです。

ロゴ部に張ってあるビニールは噛み込む可能性があり、そうなるとめんどくさいので予め外しておく方が良いです。左右2箇所づつ4枚あります。

タイヤを取り付ける(ビードをはめる)のははっきり言って結構ゆるく、簡単でした。これはまさにチューブレスイージーです(笑)
ですので、シーラントはタイヤから入れました。
混ぜ物入り系シーラントはバルブから入れないほうが良いような気がしないわけではありませんが、実際には注入時にシリンジにつまりさえしなければどちらでも良いです。
と言うのもこの後コンプレッサーで一気にエアを吹き込むので多少バルブに付いていたとしても、ほぼすべてエアに押されて内部に入るからです。
しかしフロアポンプしかない場合はバルブからの注入は避けたほうが良いです。
と今回のAGILESTのチューブレスレディですが、メーカーの方いわくシーラントはラテックス系のみで、ということで非ラテックス系は原則NGということでした。
おすすめはやはり同社のシーラント、シールスマートが無難かと思われます。
ということで今回はあえて、非ラテックス系で組みます。
使うのはVittoriaのユニーバーサルシーラントです。
はっきり言ってVittoriaのチューブレスレディタイヤは組付け当初は結構エアのお漏らし傾向にあるものが多いです。いわゆる多孔質タイヤの分類に入る場合多いです。
その多孔質のVittoriaタイヤのエア漏れを止める純正シーラントが、ユニバーサルシーラントです。つまりこのシーラントであればかなりの多孔質タイヤであっても、これで止まらないわけはないと思いました。
ユニバーサルシーラントはエア漏れを止める性能が高いだけではなく、メンテナンス性に優れてもいるので最近はよく使っています。

量はVittoriaの推奨通り40mlです。
かなりよく振ってから使います。

最後もやはり極めて簡単に入ります。
次はコンプレッサーでビードをあげます。
が(予想通り)簡単には上がりません。
基本的には組付けがゆるいタイヤはビードが上がりづらいという傾向があります。(HutchinsonのGALACTIKだけはかなりゆるくても一発でビードが上がる場合がほとんどです)
このビードが上がりづらいと言うのには2種類があります。
①リムとビードの隙間からエア漏れ、抜けてビードが上がらない
リムとビードの隙間からエアが漏れてしまうことでタイヤ内部に圧がかからずビードが上がってこないというものです。
②ビードが(一部)上がりきらない
これは途中までは圧がかかりビードが上がってくるのですが、最後や一部ビードが上がりきらずに、高圧をかけても上がりきらない部分からエアが漏れるという現象です。
どちらも場合によってはシーラントが吹き出すことがある恐怖の現象です。
AGILESTは前者、エアが漏れまくって上がらないというものです。
そんなときはまずはバルブ付近をちょちょっといじってあげることで、思い出したかのようにフワッとビードが上がってくるタイヤもあります。
がAGILESTは漏れ系でした。
となるとコアを抜いて直噴、いわば力押しってやつです。AGILESTはこれで問題なくあがりました。
現在のロード用タイヤであればこれで上がらないタイヤはそうそうありません。
直噴でビードはあがったのですが、後者の一部ひょっこりしてくれない部分もありました。

ロゴでドンピシャ!(笑)
これはコンプレッサーの空気圧を上げればパン!と最後まで上がりました。
ビードの嵌合具合いを確認するのを忘れました。
続いてフロントです。
通常リアの方がスポークテンション等の問題から組みやすいですが、逆に言うとビード上げ時にエアが漏れやすい傾向にある場合が多いです。
シーラントは入れずにビードの嵌合を見てみようと思います。
フロントはバルブ付近をちょちょっといじってあげたらビードは上がりました。
フロントも同様に一部ビードが上がりきらない部分がありました。。。ある程度の圧をかけて対処します。
嵌合を確認してみます。
かなりいい塩梅です。
しっかりと硬いですが、道具を使わないと外せないほど固くもないです。
もちろんエアを抜いてもビードが落ちることはありません。この辺は流石だと思いました。
ビードの嵌合を確認できましたので、一度ビードを落としてシーラントを入れ、再度ビード上げです。
やはりコア入りだとビードは上がりずらく、粘るとシーラントを噴いてしまうこともあるので、無理に粘らず直噴でサッとあげました。
とビードが上がったのをリムラインで確認、外からの見た目ではきれいにラインがでていますが、、、
まさかのリムとの嵌合部からシューシュー音が聞こえるぐらいのしっかりとしたエア漏れです。

とは言ってもこのぐらいであればシーラントで簡単に止まるとは言え、シーラントがなかったとしてもリム嵌合部からのエア漏れは多くのタイヤで起こるものではありません。この場合は例えばですがタイヤの折り目、癖、異物、リムテ、またビードの上がりそこない等様々な可能性が考えられます。
こう言ったものは後々のことを考え、多少手間はかかってもシーラントでごまかさずにきちんと確認し対処した方が良い場合もあります。これも塩梅です。
空気圧は5.8BARに設定しました。
タイヤは25c、内幅19mm 外幅26mmのLUNのリムよりも若干細いです。

実測です。

24mmでした。
使用していくうちに広がってくるかもしれません。
あとは一晩でどのぐらいの減圧か、です。
通常一晩ではほぼ減圧がないぐらい、これが理想です。
0.5BARも減れば減りすぎなイメージなぐらい、最近のTLRタイヤのエア抜けは少なくなってきています。

あとは実走を待つのみです。
できれば雨上がりとかウエットとか、、、走ってみたいです。
と言うのもひねくれていると言えばひねくれていますが、晴れた日にグリップが良いとか、パンクしづらいとかはフラグシップモデルとしては当然と言えば当然なことです。
とても楽しみです。。。
ということで今回はPanaracer AGILEST TLRを組む!そんなお話でした。
公式動画
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コメント
コメント一覧 (2)
パナは、TLRが本命だったのでは?って出し方ですよね。近くのお店ではまだ入ってなかったです。インプレ楽しみにしてます。
TLRのパンク修理しました。シーラントで止まってたんですが4bar入れて日光の下に放置するとたまにシューシュー言ってて(笑)タイヤの裏からゴムのりとパッチで塞ぐだけですが、出先ではやりたくないなってつくづく思いました。マビックとIRC S-LIGHT28cの組み合わせが最悪(最良?)なのかがっちり嵌まりすぎで外すのに苦労しました。クリンチャーでG-ONE35cはすんなりだったのですが。IRCってビード設計がシビアだからこんなもんなんですかね?
パンク時はTLRでシーラントが入っているとは言え、やはり穴が空いたらパッチで塞いでおくほうが安全かと思います。
出先ではビードを落としてしまうと上がらなくなる可能性があるので、ビードを落としたらチューブを入れるか、もしくは外側から突き刺すタイプの修理ツールが良いと思います。とは言え、完全に空気が抜けてしまうと刺しにくいですしやはりシーラントで止まらなければチューブinが安全かと思います。
IRCのビードはリムのフィットがかなりピタリとなるようにできているということです。ビードの嵌合はしっかりとしたほうが走行性能的には良いですが、落としづらくなるのは難点です。この塩梅は難しいところだとおもいます。