ハンドル位置を下げる①の記事はこちらからどうぞ。


極寒の真冬を超えて、暖かくなってくると体も柔らかく動きやすくなってくるものです。となると、ハンドルの位置をもう少し下げてみたい、となるわけです。(ポジションは逐一いじりたい派です(笑))

前回のお話は通常はコラムスペーサーを抜き、一番下げたところがフレーム的な限界地点なわけですが、その限界を超えて更にハンドルの位置を下げるための方法として、ステムの角度を変えてハンドルの位置を下げると言うことを行いました。

今回は2回目、別の方法を使ってハンドルの位置を下げてみようと思います。
というのが今回のお話。コラムスペーサーを全部抜いて、更にハンドルの位置を低くする その②です。

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今回の主役はこちらです。
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トップカバー(ダストカバー)です。
右側がSLRの純正のカバー、左側がTANGEの薄型のトップカバーです。
上部ヘッドベアリング→コンプレッションリング→ダストカバーの順番に組むものです。
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※ステム直下の部分です。
トップカバーは通常ヘッドセットの1パーツとしてフレームに付属します。
SLRのトップカバーは新円形状ではなくフレームにピタリと合うよう特殊な形状をしています。

このトップカバーの厚みを比べて見てみます。
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右側が純正品、左は今回試してみるタンゲの製品です。
タンゲのトップカバーは明らかに薄いです。

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純正品は10mm

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TANGEの薄型です。
トップカバーにはゴム製(?)の柔らかいダストシールがついています。この構造が超重要で、これがあるからTANGEを選んだようなものです。
おそらくダストシールを入れて4.5~5.0mmぐらいだと思われます。

このようにトップカバーの厚みが薄いものに交換することで、ハンドルの位置を下げるという方法です。

しかしです。
もちろん一筋縄で行くことはほぼなく、問題が山積みでこの方法ができる場合、できない場合があります。これができるか否かは現車合せてで実際にやってみないとわからないです。

というのも、基本的に現在のロードバイクはFSA製のヘッドパーツを使っている場合が多いです。
原則FSAのヘッドセットに他社製のTANGEのトップカバーが合うということ、またFSAのヘッドセット用設計で作られたフレーム(ヘッドチューブ寸法設計)にTANGEのトップカバーが合うことももちろん、どう考えても珍しいことです。
これら普通に考えて合わなくて当然、ということが他社製品の組み合わせ、ということ大前提がありますので要注意です。

つまりどんなに汎用性の高いと思しき一般的なヘッドセットを使っている場合でもできるかできないかはやってみないとわからない、ということです。

で更に注意が必要なのは、このトップカバーは合わないものは組み付けらないはずなのですが、実は無理やりつけるとなんとなく形っぽくすることができてしまうのが怖いところでもあります。
こう言った少々特殊なことをする場合は、必ず構造を理解しリスクを考慮した上で行う必要があります。

※最新のフル内装仕様や、専用品で固められたヘッドセットの場合は基本的にはできません。

ということを踏まえた上でのカスタムです。
実際に組んでみます。
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見た目上は奇跡的とも思しき一体感はありますが、実際にはやはりこのままではいまいち、やはりドンピシャとはいかないので少々調整をします。

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こうなります。
何が違うのってことなのですが、ちゃんと運用上問題がないように調整してあります。

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こうしてみてみると意外ときれいにつきました。
これはかなり稀な成功例、と言っても過言ではないぐらいのぴったり感です。

トップカバー分の約5mm下がったことになりますので、コラムスペーサーも5mm分足してあげることで整合性をだしました。
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比べてみるとしっかりと下がっています。

ステムのコラムクランプ位置が下がるということは、ハンドル位置が下がるだけではなく、ハンドル位置が前に出るということです。
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およそ2mm程度前に出ました。

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高さは約5mm下がりました。

と、このようにコラムスペーサーを一番抜いた高さからもっと下げたい場合は、トップカバーの形状を薄型へ変えることで更に下げられるようになる場合もあります。

ちなみにFSAのトップカバーは3種類、
・15mm(アルミ・カーボン製)
・8.7mm(カーボン製)
・7.8mm(アルミ製)があります。
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右側2枚がFSAのトップカバーです。
SLRの専用品とは外径が微妙に違うのです。今回TANGE製でぴったりだったということはFSA製のトップカバーを使うとおそらく若干小さくかっこ悪くなってしまうと考えられます。

通常FSAのヘッドセットであればFSAのトップカバーであれば互換性はある場合が多いはずです。
しかし前述のようにTANGEや他メーカー品を使う場合、ヘッドパーツのとの適合、フレームとの適合等の問題があり合うか合わないか、合わせられるか否か、これはやってみないとなんとも言えません。


▶まとめ
ハンドル位置を下げたい場合通常はコラムスペーサーを入れ替えて調整をしますが、限界があります。そんな場合は前回のお話のようにステムの角度を変えることでもハンドルの位置を下げることはできるのですが、なにせステムの角度はそこまで多くはありません。例えばですが、SLRの8°から次の角度17°に交換するとかなり低くなってしまうのです。またメーカーによっては同サイズでも微妙に表記方法が違い差が出る事もあり、思いの外 予想外の変化が出てしまうこともあります。
比べて今回の方法はステムの角度変更のようにハンドル位置を大きく下げられるわけではありませんが、ステムを変えることなく純粋に下げられる方法です。

ステムを変えないと言うことのメリットは意外と多いものです。
例えばですが、ステムの変更がないということは剛性感・バランスが変わることはありませんし、意外と多い各種マウント系の問題も起きません。それこそ調整のしづらさが難点の一体型ハンドルにも使える方法です。
ただし注意も必要でできない場合もありますし、できても合わない・一体感が出ない場合もあります。
またお店に頼むのであれば実際にやってみてできない場合だったとしても、工賃やパーツ代はかかると思います。とデメリットも盛りだくさんな方法です。

ということで大手を振って万人向けにおすすめできる方法ではありませんが、ハンドル位置を下げる方法のほんの一例としてのトップカバー交換と言う方法のご紹介でした。

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