先日のポロッとツイートですが、
記事作成時現在は、R8100シリーズは普通に入手できるパーツが多い状態です。
ようやく少しづつですが、国内の在庫がうるおい始めたのかもしれません。
が、またいつ在庫がなくなるかはわかりませんので、ご希望の方はお早めにご連絡をお願い致しますm(_ _)m

ということで最近触る機会の増えてきた新型のULTEGRA 12速コンポ R8100シリーズです。
実際に乗ったわけではありませんが、メカニック的な目線ではどう感じたのか、今回はブレーキではなく変速系に絞ったお話しとなります。

ということで今回は新型ULTEGRA R8100シリーズのメカニック的な感想【変速系】そんなお話しです。
image7782

▶組付けに関して
①配線

組付けは従来のモデルとそこまで変わらない、、、と思いきやリムは結構変わっております。
油圧に関しては無線で繋げる場合は組付けが若干楽になったと思いきや、そこまで大きく変わるものではありません。
従来のようにジャンクションBをフレーム内に突っ込むためにBBを外す必要があるフレームに関しては、だいぶ楽になると思います。フレーム設計次第です。
が!これはDi2だけのお話しで、油圧のホースを通す際に結局BBを外す必要がある場合もあります。

リムに関しては有線のみの接続になりますが、これは前作に比べてかなりの自由度があります。むしろ今までなぜあんなジャンクションAとか変なものをわざわざゴニョゴニョ
もちろん従来のようにジャンクションBを使う方法もありますが、一番シンプルなのはバッテリーとコントロールレバーを一本でつなげて、コントロールレバー同士をつなげる方法です。
これはコントロールレバーの空きポートを消費はしますが、レバーの空きが3ポートのリム用コントロールレバーでは影響の少ない方法かと思います。(空きポートはリモートスイッチに)
飛び道具スイッチ(リモート)をフルに使いたい場合は、ジャンクションBが必要となります。

②EW-SD300

新型のエレクトリックワイヤーです。
従来品よりもだいぶ細くなったものです。
DSC_6332
組んでみて思いますが、なんで細くしたのでしょうか。
大きなメリットは、、、??互換性が無いのが最大のデメリットです。

それに伴い、専用工具もアップデート、
DSC_6334
新型はこの極細のコネクターが、折れやすいという話で要注意です。
少しでも斜めに入れたりすると簡単にポキッと、、、恐ろしや。。。
利便性を下げて、と言うのはシマノっぽくない気も

ちなみに工具の付属は以前はコントロールレバーだった気がするのですが、新型はリアディレイラーに付属してくるようです。。。
それと環境配慮のパッケージになって、この工具は底の方にひっそりと収まっていますので、うっかり捨てないように注意が必要です。

とワイヤー自体は細くなっているのですが、シマノ純正グロメット2種に関しては旧型が使えました。
というか旧型はグロメットきつすぎた気もするので、このぐらいちょうどよい気がします。。。


▶調整方法
リアディレイラーに関してはそこまで大きな変更はありません。

フロントディレイラーの調整は微妙に変わっています。
すべてがDi2の電位的なアジャストになっています。

FDの調整はDi2だけではなく、ケーブル引きでも世代によってちょっとずつ違いがあります。
マニュアル通りに行うこと、そしてマニュアルどおりでもうまくいかない場合もないわけではありませんので、その際は柔軟な対応をする必要があります。


▶実際に動かしてみて
これが一番気になるところかと思います。
ただし実際に乗ったわけではなく、あくまでも整備上でのお話しということが大前提です。

また基本的に変速に関しては、ディレイラーの性能だけではありません。
ケーブル引きのコンポでもケーブルだけが変速性能を司るわけではありません。
調整、摩耗、台座剛性・精度等の様々な要因が合わさっての変速性能となります。

リアに関してはマウント方式による差も大きいですし、ラチェットのかかりの差もあります。変速が早く終われば早く踏み出すことができますが、踏んでから実際にかかるまでまでの時間差も、、、
これらも踏まえた上でのお話しです。

①フロント変速
ということでツイッターにも少しだけ上げましたがこちらです。
フロントに関してはとにかく音が速いです。(笑)
モーターの動きも当然、より早くなっているように思われます。
しかしとにかく音が速いので特に速く感じますが、実際にはその差はというと、、、確実にあります。がぜんぜん違うほどの差は無いと思いました。

と、これは変速が極めて早く終わったときの動画です。
しかし実際にフロント変速を行えば、変速ポイントで滑るときもあります。一瞬ジャラっと言ってから変速が起きる、というような場合です。
ものすごく細かい話にはなりますが、チェーンリングがどこの角度のときにディレイラーが動くか、これによってもチェーンの上がり方が変わります。

個人的にはこのモーターの動きよりも、じゃらつかずに一発で上がり切ること、これが変速の速さには超重要だと思います。それはモーター云々もありますが、台座剛性やチェンジサポートボルト、取付位置角度、調整等によっても少なからず差は出ると思われます。
変速性能をフルに活かすためには、やはりディレイラーの調整だけではなく全体的な調整をしっかりと行う必要があると感じました。

②リア変速
リア変速に関しては何よりも、多段変速の速度がかなり上がっているように感じました。
変速一発の速度の違い、これは、、、難しいです。
ボタン操作から動作終了まで
✓RD-R9150→RD-R9250 
(17T→15Tへの変速時)
0.173秒→0.074秒(-58%)
という情報があり、速度(機能的な動作時間)は約半分ということなのですが、もととなる旧作も全然遅くないわけです。
あくまでも整備上ではというお話ですが、多段変速は早く感じましたが、一発の変速速度を変速の動作全体で見てみると、速度が倍ほどの差を感じるほどでもありませんでした。
とは言っても繰り返しにはなりますが、あくまでも整備台上のお話しです。

▶乗ってないけど乗ったと思って考えた
しかし整備台上では微妙と感じるぐらいの差でも、実際に乗ったら違いは確実にわかると思います。
もちろん個人差はあると思いますが、実際に乗ればラチェットのかかりの違いですら気が付くものです。ラチェットの違いによる影響なんて整備台上で手で回したって、ほとんどわかりません。

個人差はあると思いますが、前後ともに変速の瞬間的な速さは気が付きやすいはずです。
というのも変速は慣れてくればほぼ無意識的な動作で、頭で考えて力を抜いてポチってギアが入ったら踏み直して、、、というよりも体が一連の動作として勝手に行っている状態です。その体で覚えているタイミングが少しでも変わることは、手でくるくるクランクを回すよりも遥かに気が付きやすいことです。

しかしです。
落とし穴もあります。
もちろん比較対象が新品のコンポーネントと、旧コンポでチェーンが少なからず伸びていたり、ギアの摩耗が進んで入るような場合は、その変化を感じる差は大きくなります。
11速コンポでチェーンチェッカーの0.5%が入らないぐらいの摩耗でも、新品のチェーンと比べると変速の鋭さを感じることができます。
体に染み付いた感覚はある意味にそのぐらい繊細なものでありながらも、徐々に変わっていくことには鈍く、気が付きづらいこともあるという不思議です。

でも絶対に良いよなぁ、、、とワクワクしています。


▶12速のデメリット
①調整はシビア
12速のデメリットはというと、調整は旧作以上にシビアになったと感じます。
ギア枚数の増加に伴い、クリアランスも詰まっているのではないかと思います。
細かい音鳴りも更に出やすいです。
Di2の調整は原則マニュアル通りに行うことが大切ですが、それだけではだめなときもあるのが難しいところで、メカニックの腕の見せどころだと思います。

②摩耗の影響
摩耗による影響は大きくでそうです。
チェーンもギア歯も薄くなりますし、耐久性はある程度落ちるのではないかと思います。
より繊細な調整が必要なものは、こう言った摩耗などの影響も出やすい傾向にあります。
と言うのも極端な話、6速の頑丈さときたら(笑)11速の方がはるかに繊細な調整が必要になりますし、摩耗の影響も大きく出ます。
あくまでも頭の中でのお話しです。

③ディスプレイが無い?
インフォメーションディスプレイはなさそうです。
無線ユニットがリアディレイラーに内蔵になったので、従来のように無線ユニットを使わずにD-flyでサイコン(ガーミン等対応モデル)に情報を飛ばし、表示することはできますが、なにせガーミンの常時表示項目にもう空きはないわけです。。。
Di2だけ独立していたのが良かったのですが、残念です。

▶まとめ
と一部否定的な感じの書き方になってしまってはいますが、間違いなく変速性能は上がっています。そこは世界のシマノです、旧作に負ける劣るような製品をリリースするわけはありません。
絶対に乗ったら最高なはず!デス。
あぁ物欲が。。。(笑)

と、新旧比較の双方の動画があるので比較で並べてみたいのですが、ワタクシの動画編集の技術的な問題で努力はしているのですがもう少し時間がかかりそうです。
動画はでき次第ツイッターにあげようと思います。

ということで新型ULTEGRA R8100シリーズのメカニック的な感想【変速系】そんなお話しでした。


++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから