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最近じわじわと組んだり、調整をする機会をいただいている新型の12速 ULTEGRAのコンポーネントです。
変速性能的なお話しでは確実な進化を遂げたということは有名なお話です。

ではコンポーネントのドライブトレイン的な部分、構成的にはどのようなところが変わって、どのようになったのか、メリット・デメリットは?ということ、どちらかという性能的なお話しのほうが興味がある方が多いとは思いますが、あえて需要の少なそうなコアな部分に突っ込んでみようと思います(笑) ということで今回は新型12速コンポULTEGRAは旧型と何が変わったのか!?そんなお話しです。
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▶構造の変化
旧型11速時代のDi2の構成です。
・コントロールレバー
・フロントディレイラー
・リアディレイラー
この3つは想像がつきやすいと思います。

・クランクセット
・カセットスプロケット
・チェーン
これはDi2だけではなく機械式も共通パーツです。
12速は機械式がなくなってしまいましたが。。。

✓新型はジャンクションAが不要(RD内蔵)
これ以外のところが少々分かりづらいところです。
旧型11速はハンドル周りの配線を1つにまとめるジャンクションAというものが、必ず必要なものでした。(ハンドル周りの配線をまとめて1本にまとめる)
ジャンクションAの種類は3種類、システムインフォメーションディスプレイ型、ステムの下、そしてバーエンド型がありました。
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新型12速はこのジャンクションAが不要、というかリアディレイラーに内蔵されたというお話でした。
新型12速はセミワイヤレス使用で、ハンドル周りは配線なしでつなぐことができます。(油圧のみ、スイッチ以外)
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※多機能・高性能なリアディレイラーといえば転倒した際に破損のリスクは?ということなのですが、かなり頑丈にできているそうです。

これにより従来の11速では最低6本必要だったエレクトリックケーブルが、有線で繋ぐ場合(リム式のコンポ)でも最低4本で構成が可能になりました。ジャンクションBも必要ありません。
※ジャンクションBを使用する組み方もあります。
例:有線接続(リム用コンポ)
・バッテリー+RD
・バッテリー+FD
・バッテリー+ST
・ST+ST

無線コンポ(油圧用)
・バッテリー+RD
・バッテリー+FD

②無線ユニットが不要
リアディディレイラーがこれまた多機能で、ジャンクションAだけではなく無線ユニットの役割も果たすということです。
ですので、Bluetooth® LEでスマートフォン、またはタブレット端末と接続することでE-TUBEが使用できます。
また従来の11速Di2の場合は、D-Fryを使ってサイコン等に情報を飛ばして表示をしたい場合は、無線ユニットもしくは、無線機内臓のインフォメーションディスプレイが必要でしたが、新型ではこれらはなしでD-fryを使用することができます。
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旧型の無線ユニットEW-WU111、新型はリアディレイラーに内蔵

コネクトパートナー(Di2)
・Garmin
・Bryton
・Sigma
・Wahoo
・Xplova
・Giant
・CATEYE
・Igpsport
公式ページhttps://bike.shimano.com/ja-JP/technologies/component/details/d-fly.htmlより


③12速はスイッチは1セットまで
コントロールレバーの空きポートを使用して接続するリモートスイッチ類です。
11速の場合
・油圧用コントロールレバー:空きポート1つ(SD50用のみ)※1つは接続で常時使用
・リム用コントロールレバー:空きポート2つ(SD50用×2+スプリンタースイッチ用)
ですので11速の場合は、油圧であればスイッチは1セットまで、リムブレーキ用のレバーであればスイッチは2セット(サテライトスイッチ+スプリンタースイッチ)が使用可能でした。
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※リム用のレバーはスプリンター用スイッチを入れて3ポート。

12速の場合
・油圧用コントロールレバー:空きポート1つ(SD300用+サテライトシフター用)
・リム用コントロールレバー:空きポート2つ(SD300用×2+サテライトシフター用)
ということです。
しかしです。
12速になっていわゆる増設スイッチ類は何故か専用ポートを使うものみとなってしまいました。(SW-RS801)
ですので12速でも一見 空きの多いように思えるリム用のコントロールレバーでも、増設スイッチは1セットしか使うことができないということです。
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左:油圧用レバー 右:リム用レバー

これは失われゆくリム式のほうが優れた点を一つでも作らぬ!というシマノの強い意志なのかもしれません。



▶互換性に関して

11速は一部クランクとFDの互換性が無いものもありました。
12速はというと、まぁ予想通りですが11速との互換性はありません。
ただしです。
シマノが開発をしなかったTT用のシフターに関しては11速用でも12速で使用できるモデルも有るということです。
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※画像は少々古いモデルで非対応ですが、このようなレバーです。

その際にはSD50(旧型エレクトリックケーブル)を新型のSD300に変換するAD305という変換プラグのようなものを用いて、旧型のケーブルと新型のケーブルを接続をして使用します。

ということはぶっちゃけ11速のコントロールレバーでもこのAD305を使えば、新型のコンポに接続することはできてしまうのです。
でもです。
もちろん、動きません。
そこは世界のシマノさん、そうはいかぬ!と言うお話です(笑)


▶まとめ
このように構成的には大きな変化は無いように見えても、細かいところで実は結構変化があるものです。セミワイヤレスになって便利になったところがある一方、絶対にDi2でしかできない利点でもあるスイッチ類の増設の制限等のデメリットもあります。
要は従来まではリム用がメインで作られていたものが、12速から完全に油圧用がメインになったようなイメージです。
ともあれぜひとも新型、早く体感してみたものです。
ということで今回は、12速化で何が変わったのか?12速化にともなう変更点のお話しでした。


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