ヒルクライムについて回るのがダウンヒルです。
上ったからには下らないと行けないというのが現実です。

しかしです。
ヒルクライムは好きだけれども、ダウンヒルはちょっと苦手、というかむしろ嫌い。という方も多いのではないでしょうか。
ワタクシも苦手で、できれば下りたくは無いぐらいでした。
現在の下りはというと、決して得意ではありませんがめちゃくちゃ苦手という状態はなんとか卒業できたと思います。

本題に入る前に下りやコーナーリングの恐怖心について考えてみようと思います。
下りのコーナーリング時の恐怖心は主に2つに分けられると考えております。
①自分の操作技術・テクニックによる不安
これの主の原因は経験・練習不足、そして限界がわからないということからだと思います。
要はどのぐらいの速度であれば曲がれる、どのぐらいの速度であれば曲がれないという限界がわからない、ということです。
ですので当然下りのコーナーリングも練習をし経験値を積むのですが、実際には転ぶほど限界まで攻めるわけにはいきません。命がいくつあっても足りません。ということで限界を経験することが基本できない、ということになります。
限界値がわからない、どこまでいけるかわからないため、手探りで曲がるから怖い。ということです。

限界がわからなかったり、ブレーキングの経験も少なくオーバースピードで侵入してしまったり、コーナーリングで限界を超えてしまったり、操作によるミスを想像することや体感したことによる恐怖心です。

②自分の操作以外の恐怖
こちらはというと例えば対向車がはみ出してきたら、砂が浮いていたら、穴ぼこが空いていたら、と言ったテクニック的なものではなく万が一の要因です。
しかしこれは公道では絶対に無視できない問題です。

つまり練習をし経験をしスキルを上げることである程度減らすことができる恐怖心と、練習をしても減らせない、減らしてはいけない恐怖心があります。
絶対に安全なこと、というのはかなり難しいことだと思いますが、安全第一マージンをしっかりと取って、最悪の事態を想像し走ることは自分のためにも、周りのためにも大切なことです。
怖くないから速い、というのはあまり良いことではないと思います。怖さをしっかりと理解した上で、怖さをもって走る、ということが大切だと思います。

ということを前置きとさせていただき、今回は下り、ダウンヒルが苦手な理由と、少しだけ改善できた方法、そんなお話しにしてみようと思います。

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▶本当に苦手なのは下りではない??
まずはこれを考えてみます。
そもそも下りの何が怖いのか?ということです。
もちろん下りは何もしなくても徐々に速度が上がってしまうということで、速度が上がって怖い、と言うのもあると思います。
しかしです。
たとえ長い下りとはいえども、路面はきれいで道は広く見通しも良いまっすぐで、人通りも車通りもほぼ無い下りであれば、そこまで恐怖心を持ちづらいのではないかと思います。定期的にブレーキをかけ、速度を調節すれば良いだけです。

ではなぜ下りが苦手であったり、怖いのかというと、、、
コーナーリングの影響が大きいのではないかと考えられます。
先の見えないコーナーリング、限界の分からないコーナーリング性能、コーナーリングの練習ってしたことが等々、、、
ワタクシが考えるに、下りが苦手な場合はコーナーリングも苦手、という方が多いのではないかと思います。


▶下りのコーナーリングが苦手な理由を考える
ではなぜ下りのコーナーリングが怖いと思ったり、苦手だと思うのか、というところです。
これはもう複数の理由があり相乗的に苦手意識を作り出しているのだと考えております。

前述のように、下りのコーナーリングの経験値が少ないと言うことももちろんあります。
普段の練習から速度の出る下りのコーナーリングを毎日のように繰り返し走っていれば、ある程度の苦手意識は1年もすれば薄れていくと思います。しかしです。
実際にはそのような恵まれた環境はあまりあることではなく、平地などに比べて圧倒的に走る機会が少ないという場合が多いです。

それに加えて、コーナーリングもそうです。
天下の公道で命をかけるような限界のコーナーリング練習なんてできるわけがありません。
基本的に安全第一、コーナーの先でなにかあってもしっかりと対処できるようマージンにマージンを重ねて走るものです。

これらのことからも圧倒的に下りコーナーリングの練習や経験値が足りない、ということがまず考えられます。
※だからといって公道でバンバン練習しましょう、と言うお話しではありません。

▶経験値以外での下りのコーナーリングが苦手な理由
もちろん経験値だけではありません。
では経験値以外でも下りがものすごく苦手だったワタクシが考える、経験上の下り・ダウンヒルのコーナーリングが苦手な理由です。

①何もしなくても速度が上がる
下りはなにもしなくてもスピードが上がってしまいます。これはたとえコーナーリング中でも同じです。
当たり前の動きですが足を止めても減速しませんし、平地よりも速く、また平地では経験できないような速度も出てしまうこともあります。
普段扱う、慣れた速度域よりも高い速度域に入ってしまうことでの恐怖心があります。

②ポジションは自然にフロント荷重
当たり前の動きをもう一つ、下りは傾斜がついていますので、ほっておいてもフロントに荷重がかかりがちです。平地と同じポジション(フォーム)で走っていれば自然に前荷重よりになってしまうということです。
下りでは平地と同じフォームではなく、安定して下るためのフォームを取ることで安定して走ることができる、ということが教科書的なお話しです。
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③恐怖心から重心が上がる
下りでスピードが出るのが怖くて上半身が持ち上がり顎が上がって、腕を突っ張っている状態です。
重心は上がりバイクとの一体感は失われ、バイクに乗せられている状態になりがちです。
この状態で強いブレーキををしようものなら、いとも簡単にリアはロックし危険な動きをしてしまいます。

バイクは乗るものであって操るもので、天の神様 仏様 お願いだからバイクさん、曲がってくれたら嬉しいです。と奇跡を信じる。。というものではありません。
さぁ曲がるよ。と言って曲がっていくものです。

足を止めてもフロント荷重
下りはペダルに力をかけなくても進んでいきます。
後輪に駆動力をかけるとある程度車体は安定して進みますが、駆動がない状態は不安定になりやすいです。
またペダルを力強く踏めばペダルに荷重がかかりますが、ペダルを踏まないと足(ペダル)の荷重は抜けがちになり、(傾斜にもよりますが)サドルや、ハンドルに荷重がかかってしまいます。むしろサドルよりもハンドルに荷重が乗ってしまうことが多いです。

⑤ブレーキングでフロント荷重
更にです。平地でもブレーキをかけると体は前にもっていかれます。
つまりブレーキング時は前荷重になりやすいものです。急ブレーキの際に腰を引くのも前転したり、スリップダウンしないようにするための荷重移動目的です。
通常下りの場合、コーナーリングの前にブレーキを掛けて減速をしますが、ブレーキングがうまくできないとハンドルに突っ張った腕の力で上半身(体)を支えることになります。
上半身の重さを支えるために腕や肩にがっちがちに力が入っている状態で、コーナーリングをすることになってしまいます。これではきれいに曲がることがかなり難しい状況です。

⑥レバー操作でも力が入る
もちろんブレーキング時はレバーを握りますので更に手に力が入っている状態です。
力強く手を握り、肩の力を抜いて~、と言うのも難しいことです。

と、この様に下りのコーナーリングは平地のコーナーリングよりも、悪条件が揃いやすいです。
スムーズなコーナリングを阻害する過度の前荷重やハンドルを力強く握り上半身に力が入りまくっている状態、ハンドルに乗っかっている状態になりやすいです。これらは下りだけではなくコーナーリングで基本的にやらないほうが良いことなのですが、下りのコーナーリングではその性質上、何も考えないと自然にやってしまいがちな状態になりやすいということです。
結果的に、下りのコーナーは平地よりも曲がりづらい現象が発生し易いです。
さらに下っていれば速度はどんどん上がってきてしまい、高い速度域の恐怖心が体の動きを固くしてしまいます。
つまり下りは平地と同じ様に曲がっているつもりでも曲がらない、曲がりづらいと感じることが多く、経験的に下りは怖い・苦手となってしまうことが多いのではないかと考えられます。


この様に曲がりづらい状況というのは、試しにハンドルを思いっきり力を入れたり握ったりハンドルにガッツリ乗っかった状態で、Uターンをとかをしてみると分かりやすいと思いますが、びっくりするぐらい曲がらないです。※転ばないようにご注意ください。
上半身の無理な力は自然に曲がっていこうとするバイクの挙動を抑え込んでしまい、曲がりづらい状況を作り出してしまっている、と言う状態です。
逆に視線を自然におくり、上半身を柔らかく使いターンをするときれいに回れます。
コーナーリング中ガードレールを見た瞬間、一気に突っ込んでしまう、と言うのはよくあることです。これは恐怖心から体が固まってしまうことによることが多いです。

これらをまとめてみます。
→恐怖から重心が高くなり不安定な状態、
→下りの恐怖心、フォーム、そしてブレーキングでフロントに荷重がかかりすぎる、
→コーナーリング前のブレーキングでハンドルにガッチリしがみつく
→そのまま曲がろうとしても曲がらない、曲がりづらい、
→下り怖い
これが負のスパイラルを作り出してしまっていると考えられます。

握力が少ない方が油圧ディスクにしたり、ブレーキを強化すると下りの安心感が高くなるのも、少なからずこれらの要因が絡んでいる様に思えます。
下りの減速時に必要以上にブレーキを強く握らなくても効いてくれる、ということは上半身に力が入りずらい、安心感から体が強張りづらく曲がりやすくなる、結果的に下りの安心感につながってくるのではないかと考えられます。


▶下り克服の鍵は・・・
個人的な経験からですが、平地での練習を繰り返した。ということです。
ではなぜ平地の練習をしたら下りの苦手意識が減ったのか、と言うことですがその理由はというと体幹が強くなった事、そしてバイクコントロール技術が向上したからではないかと考えております。

平地の練習で特に気を使うのは体幹です。
体幹は速く走るためだけではなく、強度を落として走るときも常日頃から体幹、体幹です。
体幹は本当に大切だと感じております。
平地巡航でも体幹、ブレーキングも体幹、コーナーリングも体幹です。体幹が強くなってくるとまず車体を安定させて走れるようになります。
この体幹を使って車体を安定させる、ということは下りでも同様です。

なぜ下りだと苦手意識が出てしまうのか?ということを考えてみればやはり、平地ではできていたことが下りではやりづらいのです。これは前述のような事があるからです。

しかし、体幹を意識しフォーム等を作ることで安定感が出てきます。
おそらくですが下りでの理想的なフォームは速度が上がってもブレーキングやコーナーリングにしっかりと対応できる、安定して走れる状態だと思います。要は前後のタイヤにしっかりと乗っている状態です。
イメージ的には体幹、下半身でバイクを操作するように乗るということです。

まずこの安定した乗り方、このような安定するフォームというか体幹の使い方がなんとなくてもわかってくると、平地だけではなく、下りでもコーナーリング時、減速時も安定してくるようになります。まずは減速・ブレーキングがしっかりできるとコーナーリングの恐怖心がある程度減ります。

下りの練習は下りでスピードを出して命がけでするなんてことは命がいくつあっても足りません。
あくまでも平地で速度が低い状態、コントロールをし易い状況下でのバイクコントロールの練習を繰り返し練習した結果、下りでも安定感が出て苦手意識が減った、ということです。

たとえ平地や強度の低い練習、と言えどもダラダラしたりジャンクマイルを稼ぐのではなく、しっかりと目的意識をもって乗ることで、学ぶべきこと身につけるべきことはたくさんありますし、ヒントはバイクに身近にたくさんあると思います。それを如何に見つけるか、拾い集めるか、と言うことだと思います。

▶まとめ
ともあれ今回の下りのコーナーリングですが、
絶対に間違っていけないことは、一か八か多分大丈夫だろう的な思い込みで、スピードを出しすぎることだけは絶対にだめです。
今回のお話は下りのコーナーを速く駆け抜けるための方法ではなく、あくまでも安全に下るための技術、苦手意識を克服するきっかけになれば、ということを目標に記事を作成してみました。

プロ選手も下りを攻める練習は絶対に公道でするな、ということを言っているのを聞いたことがあります。それだけ公道は危険がたくさんということです。

ある程度車体を安定させて走れるようになってみると、基本的なテクニックの理解が深まると思います。基本的にはコーナーリングは外足荷重、と言うのが教科書的なお話しではありますが、ただただあのフォームをするだけでは足りないことがある。等の理解が進むと思います。

平地巡航や平地での練習は基本中の基本ですが、ある意味究極の練習だと考えております。
ということで今回は下り、ダウンヒルの苦手意識を少しだけ改善できた方法、それは体幹を意識し安定してバイクに乗る、そして基本的なバイクコントロールをしっかりと意識して練習をした、ということのご紹介でした。

昨今のロードバイク系の教科書的な書籍は、パワー系のトレーニングブックっていっぱいありますがテクニック的な本は少ないのです。学ぶ機会が少ない、ということも下りの苦手意識を克服しにくい要因なのではないかと思います。



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