前回の記事はこちらからどうぞ。


最近のトレンドは某Sペ社の答え通りAero is Everything(空力こそすべて)、ということはしっかりと実感させられています。

そして前回のお話では、寒い日とそこまで寒くない日の違いを検証してみました。
結果はと言うと、、、
①寒い日は進みづらく感じる:空気の重さ
②寒い日はパワーが出づらく感じる:筋温の低下
③寒い日は肉体的にきつく感じる:心肺機能への負担増?
ということで寒い日は進みづらくタイムが出づらい、と言う結果が出ました。

そう、気温が高いほうが進みやすくなるはず、というのは気温によって空気の密度?空気の重さ変わるから、と言うお話です。これは自転車の世界だけではなく、ゴルフの世界でも気温3.6℃で1yの差が出ると言われているということです。(最下部にリンクあり)

しかしです。最近の練習記録をささっと並べてみても、おかしいのです。
パワーがあまり出ていないのです。
これはただの不調や練習不足ということではなさそうです。

これは調べてみるしかありません。
ということで前回のデータと比較をしつつ、暑い日の速度とパワーの関係はどうなるのか?夏は遅い?速い?気温差によるパワーと速度の関係をデータで見る、そんなお話にしてみようと思います。
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▶当日(暑い日)の気温
周回コースに入る前は27.8℃でした。
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実際にラップを切ってからは、26℃スタートでした。
が、はっきりいって26℃はかなり暑かったです。
ウェアをびしょびしょに濡らしても全く寒くないぐらい、むしろウェアが濡れていないと暑いぐらいです。
強度をぐぐっと上げると一気に体は熱くなり、強度が高い周回は体に水をかけながら走りました。
頑張るのも1周(10km:16~17分ぐらい)が限界ぐらいの気温で特に日向が辛く感じました。

ということで早速比較を見てみます。

※コースは1周10km、総上昇量約100mの例のコースです。

-追記-
ご質問をいただきましたので、追記をさせていただきます。
・ウェアはすべて同様のウェアで、インナーの種類を変え調整をしました。
・パワーメーターはパイオニアの片側(左)にて計測いたしました。

▶気温差とタイムとパワー
全体のデータです。
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寒い日は平均8.8℃、暑い日は平均27℃と約20℃の差です。
3回の記録で約10℃ずつの差、ということになります。

✓平均・合計
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まずは合計・平均から見てみます。
ざっくりですが、
・NP:255~260W
・平均パワー:暑い日が低くて235W、寒くない日が一番高く245W
と言う結果でした。

ではタイムはと言うと、一番早いのはもう圧倒的に暑い日です。
NPも平均パワーも低いのに、タイムは1分以上も早いです。

と、気になるのは心拍数です。明らかに気温が上がるに従って平均心拍数が高くなっています。

✓パワーとタイム
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次はパワーで見てみます
平均パワーが224~228W、NPで240Wとちょっとの周回のデータです。
パワーはほぼ同様ですが、タイムがきれいにでています。
明らかに気温が上がるに従って、タイムが短縮傾向にあります。
が、やはり心拍数も気温に応じて高くなっています。

✓最終ラップ
追い込みをかけ、出し切るべく最終ラップです。
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一番顕著に結果が出たと考えられます。
28℃の暑い日はパワーは低いですがタイムは一番早く、最速タイム出すことができました。やっとの思いで出した15分台から更に更新することができました。
しかしです。パワーは低くいのにも関わらずやはり心拍数が最も高いです。

では実際に寒い日よりも頑張ったのかというと、もちろん頑張りましたがそれは暑い日だけではなく寒い日も同様にかなり頑張った記録です。どれも自己ベストを叩き出すべくかなり頑張った記録です。
心拍数は暑い日の方が高いですが、主観的に体で感じる負荷はどの日も同じぐらい頑張ったので、主観的な強度では差はないぐらいです。

これらのデータからみると、基本的に気温が高いほうがパワーが出なくともタイムが出る、と言う結果でした。

▶考察とまとめ
主観的な話ですが、3日間の気温をどう感じたのかというと、
寒い日(9℃):体が温まっても若干の寒さや筋肉のこわばりを感じ、進みにくい、パワーが出づらい
寒くない日(16℃):寒さを感じることはなく、強度があると軽く汗ばむぐらいでパワーが出しやすい
暑い日(27℃):進みやすいが、強度が上がると暑く、疲労もしかり暑さが辛い
と言う感じでした。

今回は猛暑の真夏ですが早朝、そして市街地ではなく田舎ということもあり体感気温は全く踏めない・ペダルに力がかからないほどの、限界レベルの暑さまでは達することはありませんでした。というのが今回のベストタイムにつながったのかと感じております。
それでも今回の気温はかなりギリギリだったと思います。はっきり言って暑さ的はかなりギリギリのレベルで暑さによるタレを感じる寸前ぐらいだったように思えますし、もう少し涼しかったらもっとタイムを出せたようにも感じるところは無いわけではありませんでした。

真夏のライド(特に強度が上がれば上がるほど)はやはり、はっきり言ってきついです。
と言うのも通常の心肺機能のきつさや、筋肉疲労の辛さだけではありません。暑さによる苦しさがプラスされるからです。
脚にはまだ余裕があっても暑さで踏めなくなるという感覚です。
勾配がきつく速度が出ないヒルクライム(上り)で特にですがついこの間、白石峠を上ったときは気温はそこまで高くはなかったですが暑さが非常に辛かったです。速度が出ないと体に熱がこもり、いわゆるオーバーヒート状態で踏めなくなったのを感じました。
またいくら速度の出る平地だとしても、真夏の日中の暑さは過酷で、こちらもオーバーヒート状態でどうしても踏めない、速度が上げられないような状況に陥ります。集中力も低下します。

今回はタイムは良かったですが、パワーが低く心拍数が高かったのはコースでも一番しっかりとある上り区間が日向でとても暑かった、ということなども暑さによる体への負担が大きかったのかもしれません。(サイコンが数値を拾えないような暑さ)

最初の方にも少しだけ書きましたが、気温は高いほうが空気の密度は下がり、進みやすくなるはずです。というのも今回久しぶりにこのコースを走りましたが、パワーを考えても速度が上がりやすかったように感じていました。
(似たようなことでは気圧・高度の関係もあります。この辺はかなり寄り道になってしまいますが、高度が上がれば気圧は下がるということですので、理論的には速く走れるはずですが、逆に空気が薄くなったり、気温が下がる等の影響もあるのでそううまくはいかないようです。)

また気温が上がることにより水分の必要量も増えます。ボトルは2ボトルになったり、重たい保冷ボトルを装備することによる重量増、そして水分を摂取したり体にかけたりするための動作も必要になりロスが増えます。2ボトルを使ったとしても、補給無しで走れる距離も気温に応じて短くなる傾向にあります。

これらのことからも空気の重さだけを考えれば気温が高いほうがタイムが出やすい、と言うことですが、実際のタイムはと言うと空気抵抗のお話だけではなく、それ以外にもタイムに影響を与えるものは多い、ということです。つまり一定の気温を超えると人間側のパフォーマンスは確実に落ちる、ということだと感じました。


そしてもう一つ、その暑さから感じる疲労感は運動中だけのお話ではなさそうです。
ライド後の疲労感も、大きいように感じます。それは日焼けであったり脱水であったり、そういったことも関係してくるのではないかと考えております。
また夏場は補給が食べずらくなるような消化器系のダメージを受けやすい場合も注意が必要かと思います。

ともあれ結論的には夏場は、というかやはり気温が高い日はある程度までの気温であれば、正確に言うと体が耐えられる一定以上の暑さまでは速く走れる。パワーは低くとも良いタイムが出やすい。しかし一定以上の暑さになってしまうとパワーが出ない・出づらく、タイムが落ちる傾向にある、ということで間違いはなさそうです。逆に寒すぎてもパワーが出ないというのは前回のお話です。
ということで暑すぎても、寒すぎてもパワーが出ない、と言うことなのですが暑いほうが速度が速いということでした。

真夏は無理をしないほうが良さそうです。
ということで今回は夏は遅い?速い?気温差によるパワーと速度の関係をデータで見る、そんなお話でした。


参考ページ




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