油圧ディスクブレーキのロードバイクが増えてきた昨今です。

しかしはっきり言って油圧ディスクブレーキのロードバイクの工賃は従来のリムブレーキのロードバイクの工賃より高い傾向にありますし、また工賃の幅も予想以上に広い場合も多いと思います。
また工賃は?と聞かれてもある程度は提示させていただくことができても、正確な価格はやってみないと不明なところもあります。

それは油圧の整備って難しいから?単純にそのようなことだけではありません。
ということで、今回はなぜ油圧ディスクブレーキ車の工賃は高い? その理由をわかりやすく説明、そんなお話にしてみようと思います。

image48931


▶なぜリムブレーキ車よりも工賃が高い傾向にあるのか?
ものすごく単純なお話ですが、まず基本的にリムブレーキよりも油圧ブレーキ車の方が作業に手間がかかる(時間がかかる)から、と言うところがあります。 

と言うのもものすごく単純な話では、油圧ブレーキの作業は一般的にケーブルを繋ぐリムブレーキと違い、繋ぐだけでは終わりません。
またロードバイクの油圧ブレーキ車は、リムブレーキ車と比べても、メーカーやフレームによって構造がかなり違ったり差があるものも多くあります。一見似ているように見えても作業してみると、結構違ったりかなりギリギリの設計だったりする場合もあります。

ものすごく単純に書くと基本的にケーブル類(ホース)は隠れていれば隠れているほど、工賃は高くなる傾向にあります。
というのも最近のフル内装式フレームは自分で組んでいないロードバイクの場合、中身がどうなっているかはある程度の想像はできますが、実際にどうなっているかは開けてみないと不明、ということもあります。

これらのことも総合的に考慮してみると、どうしてもリムブレーキよりも油圧ディスクのほうが複雑ですし、手間や時間もかかり、工具も多く必要になります。

そのためディスクブレーキ車のほうが工賃が高くなるのですが、ではどういったところがリムブレーキのバイクとは違ってくるのか?と言うところをハンドル交換を例に具体的に説明をさせていただこうと思います。

✓一番単純な作業例
ハンドル交換を例に説明をさせていただきます。
ものすごくざっくりですが、ハンドル交換はコントロールレバーをハンドルから外し、ハンドルをステムから外します。
IMAG1295
新しいハンドルをステムに取りつけて、コントロールレバーを取り付けます。
最後にバーテープを巻き終わりです。
と言うのはものすごく簡単な場合です。
この場合であればリム車もディスク車も工賃は変わりません。

しかしこう単純なお話ではない場合が多いのが現在のロードバイクの構造です。
上記の作業で終わるのはケーブルがハンドルの外を通る(ハンドルバーに沿わせる)構造の場合のみです。


✓ハンドル内装、リムブレーキ仕様の場合
最近のハンドルはケーブルを内装するものが多いです。
これがハンドルにケーブル(油圧ホース)が内装されている、もしくは新しいハンドルは内装する構造だとしたら、と言うお話です。

リム車の場合です。
変速がDi2のリム車、これは内装式のハンドル交換の中では一番工賃が安くなる場合が多いです。
ブレーキケーブルをブレーキ本体から外します。
ハンドル内装の場合はハンドルを外すために、ケーブルを外す必要があります。
また内装式ハンドルを組む際もケーブルを通す必要があります。
ということで旧ハンドル、もしくは新しいハンドルどちらかが内装式の場合はどちらでもケーブルを外す必要がある、ということです。

旧ハンドルが内装式の場合は、ハンドル内からケーブルを抜いてからハンドルを外します。
新しいハンドルが内装の場合は、新しいハンドルにケーブルを通します。
この際に新しいハンドルの幅や構造によっては必要なケーブルの長さ(アウターケーブルの長さ)が変わります。
場合によっては長さの調整をする必要があったり、足りなければ新しいケーブルが必要になります。(殆どがそのままOKということはありません。)
ハンドルを取り付け、ケーブルを通したらブレーキ本体にケーブルを取り付け調整します。

通常Di2のエレクトリックケーブルは長めに取っていることが多いとは思いますので、そのまま使用できる場合が多いです。
Di2の場合はエレクトリックケーブルを抜いても変速調整が必要ありませんので、繋ぐだけです。これはDi2のメリットでもあります。

最後にバーテープを巻けば完了となります。

またDi2ではなく、機械式変速の場合は変速調整がもれなく必要になります。
インナーケーブルの再利用は現在のフロントディレイラーでは構造的に少々難しい場合が多く、交換が必要になることがあります。
もちろシフトアウターケーブルの長さも足りなくなる場合が多いです。
その場合もやはりシフトケーブルの交換も必要になります。

これがリムブレーキ車の場合の内装式ハンドルの交換作業のざっくりとした流れです。

✓油圧式ブレーキの場合
では油圧ではどうかと、
変速に関しては同様です。
Di2であればプチッと抜いて通して繋ぐ、これは変わりません。
ただしDi2あるあるですが、組む人によって少なからず構成に差がある場合がある、ということです。機械式のように一つのだけではなく、様々な方法で組むことができるのもDi2のメリットでもあり、デメリットでもあります。一般的な組み方で組んである場合もありますし、ちょっと変わった組み方で組まれている場合もあります。変わった組み方の場合は、、、少々手間がかかることもあります。
機械式変速の場合は、やはりリムブレーキと同様にシフトケーブルを外し長さを調整し再度変速調整をする、となります。

メインの油圧ブレーキです。
油圧ブレーキはキャリパーとコントロールレバーを繋ぐのはホースです。
内装式のハンドル内部を通す(もしくは抜く)にはホースを外す必要があります。これはリムブレーキと同じです。
しかしここで問題となるのが油圧のホースを外すだけでは、ハンドル内を通せない場合が多いのです。
と言うのもホースにはオリーブなるもの(下の画像の金色の部分)が付いていて、フランジコネクティングボルトが抜けないからです。
IMAG6298
※黒いボルトがフランジコネクティングボルトです。
ホースをコントロールレバーから抜くために、油圧のフランジコネクティングボルトを緩めた状態です。

コントロールレバーからホースを抜きます。
IMAG6299
このような状態になっています。(画像の金色の部分がオリーブ)
カシメられたオリーブが邪魔をして、フランジコネクティングボルトはこのままでは抜けません。

組み付ける際にハンドル内を通すのですが、オリーブぐらいの太さであればハンドルの穴を通る場合が多いですが、フランジコネクティングボルトはさすがに通りません。
DSC_7405
かなり広めのハンドルの穴も流石にフランジコネクティングボルトは通りません。

このフランジコネクティングボルトを抜く方法はというと、、、ホースを切るしかありません。

では逆転の発想でホースを外すのにキャリパー側は?ということなのですが、反対側もコネクティングボルトがありますしフォークの穴も得てして大きくはありません。そしてキャリパー側で外すと、また作業が複雑化して手間が増えてしまいますので、基本的には行いません。

ホースを外しハンドル内部を通す(抜く)ためにはホースを切って、フランジコネクティングボルトを外す必要があります。
ホースを切るということは当然ホースは短くなります。

ホースの長さに余裕があれば再び繋ぎます。

ホースを接続した後は、ホース内にエアが入る可能性がありますので、エア抜きをします。


✓油圧ホースのフル内装式と外装式
さらっとでてきたホースの長さのお話です。
ハンドル周りで外装式の場合はある程度余裕を持たせてある場合が多いです。

しかしです。
フル内装式(ホースが見えない構造)の場合、余裕を持たせること自体があまりできない構造の物が多いです。(特にフロント)
となるとホースを再接続する長さが足りない場合は、どうなるのか?というとホースの交換が必要になります。継ぎ足しはできません。

✓ホース交換
ホースの交換となると、これもまたフレーム構造によっても変わります。
最近の油圧フレームは、大きく分けて2つに分けられます。
半内装式、フル内装式です。

①半内装式の場合
半内装式とは、リアはダウンチューブ(ヘッドチューブ)付近からフレーム内に入り、チェーンステーまで通る構造です。フロントはフォーク左側に内装されます。
ハンドル周り(ヘッドチューブ周辺)はホースが露出している構造です。

この場合は、基本的にフロントはそこまで大変ではありません。リアはと言うと、BBまで外さなくともなんとかなる場合もありますが、場合によってはBBを外してリアのホースを通す必要がある場合もあります。これは構造次第でケースバイケースです。

②フル内装の場合
ホース類が一切外に出ない構造です。
DSC_6471
このようにホースが一切外に出ない構造で、ヘッドパーツの内部をホースが通るようないわゆるフル内装の構造のフレームの場合はヘッド周りをバラす必要があります。
もうそうなるとBBも外しほぼほぼ全バラの状態まで分解しないとホースの交換ができない場合もあります。

新しいホースをフレーム内部に通し、BBを戻し、ヘッドパーツも戻し、ホースの長さを調整し接続します。
無事にホースの交換が終わっても、ケーブル式のように繋いで終わりではありません。
油圧式はオイルを入れて、エア抜きをします。
エア抜きは不十分であれば、場合によってはブレーキが効かなくなります。
ブリーディング、エア抜き作業は確実に行う必要があります。
これもある程度時間がかかりますし、確認方法もあるのですが確認には時間がかかるのです。

確認してエア抜きが不十分であれば、再度エア抜き作業が必要になります。

▶まとめ
このようにリムブレーキ車は構造的に一部の車両を除き、そこまで構造が複雑であったり、内部が全く見えないような構造はそこまで多くなかったのです。
しかし最近の油圧式のフレームは各社技術を組み込み、複雑になっている傾向にあります。

似たような構造に見えても、実際に開けてみると結構違ったり、、、
また同じ構造でも組む人によっても差がでたり、場合によっては( д) ゚ ゚アボーンしていたり(笑)
そんなこともバラしてみないとわからない構造のバイクが多いのです。

フル内装式の油圧ロードバイクは見た目はスッキリしてよいのですが、最近のフラグシップモデル、ハイエンドモデルは購入時に高いだけでなく維持やメンテナンス、カスタマイズ費用も従来のモデルよりも高い傾向にあり、作業時間もかかる傾向にある、ということです。
こう言ったことは、購入前の注意点でもあると思います。

ということで今回はなぜ油圧ディスクブレーキ車の工賃は高い? 理由をわかりやすくに説明、そんなお話でした。





++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(一人運営のため整備中、接客中等 電話を受けれない場合もございます。その際はお時間を開けて再度ご連絡を頂ますようお願い申し上げます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから