LÚN HYPER1.0 の過去の記事はこちらからどうぞ。


600㎞インプレ


10000㎞突破


HYPER 2023のセットアップ記事

先日セットアップを終えたLÚN HYPER 2023で早速ですが、2日間にわたり230㎞以上は走ってきました。
※例のごとくHYPERの旧モデルは1.0、新モデルは2023と表記をさせていただきます。

ちなみにHYPERの1.0は今年の1月後半から使い始め15,000㎞はゆうに超えるぐらい走り込んできました。流石にこのぐらい使えば、ホイールの感覚は体にしっかりと染み付いている状態です。例えばですがこのように踏めばこのように反応する、このぐらいのパワーをかければこのぐらい進む、横風・向かい風のときの進み方等です。

そんなHYPERの1.0と本当に純粋な比較をしたかったのですが、残念ながら完全な新品の状態の1.0と2023を比べているわけではありません。具体的には交換した後の計測でわかったことですが、1.0はスポークテンションが平均してフロントで6%前後、リアで2%程度ちていました。
このスポークテンション低下の影響はもちろんゼロではないと思いますので、こちらも踏まえた上で考えてみようと思います。(逆に15,000㎞ぐらい乗ったらテンション確認してみると良いと思います。)


また違いを純粋に感じるためにできるだけ無いも考えずにいつも通り、いろんな状況で踏んで、回して乗ってました。頭で考えると先入観がでてしまうので、まずは実際に乗りながら体で感じたことを記憶しておき、その後にじっくりと考えることにしました。
インプレは本当に難しいです。
と言うのも人間の感覚はかなり曖昧なところがあり、また頭(思考)が純粋な感覚を邪魔することがあります。
ということでできるだけ余計な事は考えないように、体に染み付いたいつもの感覚との違い、これを中心にWINSPACE 新型 LÚN HYPER 2023 R45 230㎞初期インプレの記事にしてみようと思います。

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※使用タイヤは1.0と同様にIRC Formula Pro Tubeless S-Light 25c 新品ではないものを前後6.0BARで使用しております。

▶加速性
✓瞬間的な加速性

これらを踏まえてまず本当に初期的な、一踏み目の感覚、こちらからです。

一踏み目、間違いなく違いを感じます。
1.0に比べてもシャキッとした感じが強いです。
シャキッとしたように感じるというのも一踏み目であったり、かなり強めにゴンッと踏んだ瞬間のグイッと前に出る感じが強い、反応が抜群に良いということです。
これはHYPERの特徴でもあるリムやカーボンスポークの重量的な軽さも影響として大きいと思いますが、重量的には1.0との差は大きくはないと思いますので、それだけではないと思います。

もうすでに初めてHYPER1.0に乗ったときの感覚をそこまで明確に覚えているわけではありませんが、過去に自分で作成した記事からすると、おそらく1.0よりも2023のほうがシャキッと感が強いと思われます。
とは言っても前述のように1.0は少なからずスポークテンションが落ちていた、という影響もあるのかもしれません。

それでもホイール以外は全く同じ条件で乗り比べての感覚の違い、これは後述することを複合的に考えてもやはり剛性の高さが影響を与えているのでは無いかと考えております。

ホイール剛性の向上は複数の理由が考えられます。
①リム自体が太くなることでリム剛性が上がる
パイプを太く広く作ることで剛性を上げる、と言うのは最近のフレームでもよく使われている方法です。その上で薄くても十分な強度、剛性を持つという方法です。

②リムハイトが高くなることでもリム剛性は上がる
太くなるだけではなくリム高が高くなることでも剛性は上がると考えられます。
(100%その限りではありませんが、)一般的なお話ではリムハイトの高いホイールのほうがリム剛性は高い傾向にあります。
特に駆動輪(後輪)のリムハイトが高くなることは、単純に剛性が上がるとも考えられます。

③ワイドリム化によるタイヤ剛性強化
タイヤを支えるいわゆる土台的な部分が広がることで剛性が上がると考えられます。(特にねじれ剛性)タイヤがよく働いてくれているような感覚です。

④ドライブスポークの角度の変更
メーカーの公式ページにはドライブスポークの角度を28°広げたことでねじれ剛性が15.7%向上したとあります。

と、これらのことによる剛性アップの影響が考えられますが、、、実際のところは、何が決定的に良いのかは正直わかりませんし、全部の影響があるかもしれません。が兎にも角にも反応性の向上はしっかりと感じることができました。

また剛性の高さからかは不明ですが、荒れた路面、要は凸凹の道を抜ける際の減速幅が少なく感じます。(ロスが少ない?)
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▶巡航性能
巡航性能もやはり良く、いつもよりも軽く抜けの良さを感じ、速度の維持も楽な気がする。このぐらいの差を感じました。
正直なところフロントのリムハイトが低くなること(50mm→46mm)で少々不安がありました。と言うのもリムハイトは高いほうが空力的には良いというイメージがあったからです。
しかしそんな不安は一切に必要ありませんでした。普通に速いです。
こちらも同様にワイドリム化が構造的に良いのか、空力効率向上のためのF-RAPID Design(改良されたリム形状)が良いのかは不明ですが、フロントのリムハイトは低くなったとしても、速いです。

特にヨー角がつく際(斜め向かい風)に軽さを感じやすく、真っ直ぐの向かい風では抜けの良さをよく感じます。横風耐性も上がり、振られづらくなったように感じました。
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※同じ25cを組んだ際のリム幅による差です。(左:2023 右:1.0)

F1エンジニアのSwiss sideも言っていました。
フロントホイールの空力特性は極めて重要だが、リム高が高すぎることで横風の影響を受けやすくなる。横風でバランスを崩した際のパワーロスは絶大な影響を及ぼす、ということです。
これらを考慮しても46mm+54mmというのはリム形状等を考慮した、バランス的に絶妙な高さなのかもしれません。


▶ブレーキング
非常によく効きます。これは1.0も2023も同様です。
今回の交換はシューを新品にしたわけではなく、1.0のHYPERで使用していた純正のシューを使いました。ホイールを2023に交換する際にある程度シューは摩耗していていましたが、ブレーキ面を完全に研ぎ新品同様に面だしをしました。
これにより新品同様のブレーキング性能が戻りました。
HYPER純正のブレーキシューは鳴きも極めて出にくく、ブレーキのノイズも静かです。トーインも一切不要です。
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純正のブレーキシューは使い始めの減りは早く感じますが、全体としてはそこまで早くないです。
またこれはHYPERのシューだけではなくカーボンリム用のシュー全般的に言えることですが、汚れてきたり溶けてきたりすることでブレーキ面が変質?し、結果ブレーキの効きが確実に落ちます。本当にびっくりするぐらい落ちます。
ですがシューを研ぎ、きれいな面を出すことで効きは戻ります。HYPER純正シューは減りがそこまで早くないので、ケチらずに定期的に行うことで最高のブレーキ性能を維持できます。

シューの特性的にはスイスストップのイエローに近く、初期の制動力の立ち上がりがかなり高く軽い力でよく効きます。

ただし注意が必要です。
昨日の記事も書いたように現状、純正のシューはダイレクトマウントには対応していないこと、そしてリムブレーキならではのワイドリムの影響ですが、他社製品(ShimanoやSwiss stop)でもあるような薄型のシューもラインナップがありません。取り付けるブレーキ本体の種類によってはクリアランスが十分に取れないモデルもあるかもしれません。(旧モデルのキャリパーやリアのダイレクトマウントの中には怪しいものもあるかもしれません)
その際はプロに任せるのが良いと思います。


▶コーナーリング

横剛性やワイドリムによる恩恵(タイヤの剛性向上、だと思いますが)はコーナーリング時にも確実に感じることができます。ワタクシ自身コーナーをそこまで攻めたりするようなことは基本的にしませんが、それでもかなり安定し気持ちよく倒し込めます。

ただこれも単純にタイヤとリムの問題だけではなく、全体的な影響もあるのではないかとは思います。
限界性能はわかりません。。。

▶まとめ
HYPERの2023を使ってみての正直な感想ですが、全域に渡って速いです。
確実に速いと感じることができるHYPER、やはり恐るべしです。
これはまさにメーカーの狙い通りで、You just got faster. です。
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ホイールを変えることで速くなることができる、しっかりと感じることができます。

ただしです。
このように1.0からの確実な進化を感じることができた2023ですが、肝心なところです。
1.0と全然違うのか?というとはっきり言って全然違うものではありませんし、1.0が遅いなんてことは全くありません。2023も1週間500㎞も走ればすっかり慣れて、1.0の感覚は忘れてしまうかもしれません。
しかし全然違うということではありませんが、確実に性能は高くなっていると感じました。
特にわかりやすいのが高速域での性能や高出力時の反応です。
つまりレーシーになった、というイメージです。
ですのでレースで少しでも、1秒でも、1mmでも早く走りたい、と言う場合は買い替える価値はあると思います。

しかしです。
前述のように乗った印象だけではなく、総合的に考えても剛性は確実に高くなっていると考えられます。
HYPER1.0でも踏み負けてしまったり硬さを感じている場合、2023は更に硬いと感じると思います。特にリアの駆動剛性はかなり上がったと考えられます。(正確には金属スポークの硬いとは少し違って粘り硬いというか、表現が難しいところですがカーボンスポークは個人的にはめちゃくちゃイイです。)
ゴリゴリ踏んだり高速巡航(ある意味レース的な使い方)をしない場合、例えばサイクリングでのんびり走りたい、少しでも軽くして楽に上りたい等や踏み方によっては、その硬さが仇になってしまったり、買い替えたとしても1.0とのその差を感じづらいかもしれません。

ホイール選びは何を求めているのかということ、そして適材適所ということ、これは非常に重要なところで、本当は双方乗ってみてその違いを理解した上で選択するということが良いと思います。と言うのもおそらく踏み方やテンポ的な相性的な何か、一言で言うとフィーリングが合う合わないがあると思います。

ということで今回はWINSPACE 新型 LÚN HYPER 2023 R45 230㎞初期インプレ、そんなお話でした。


公式ページ


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