本国のサイトでは先週、そして国内でもリコールの情報がでました。
今回のリコールの内容はというと、該当のステム(ST31LTステム)を使用している場合、ステムボルトを推奨トルクで固定してもハンドルバーが滑る恐れがある、ということです。
日本代理店の公式ページの情報をもとに詳細を見てみようと思います。
該当ステムは”ST31LT”ステムで、交換になるのはステムのフェイスプレート、フェイスプレート用メーターマウントキット、ということです。
フェイスプレート部の画像と構造を見てみます。
※フェイスプレート:ハンドルクランプ部の前方のプレート、通常4本のボルトで固定するものが多いです。
実際の該当製品(の可能性が高い画像)を見てみます。
上の画像は2022年モデルのR5 Discです。
通常のステムとの違いは、フェイスプレートに”インサート”を組み込むことで、Gopro台座(互換品の可能性高い)を生やせる構造です。それを利用することで、サイクルコンピューターやライト等を別途マウント類を用意することなく取り付けられるので、非常にスッキリして良いものです。
ちなみにBMCの純正ステムも似たような構造になっています。
上の画像は BMC SLRの純正ステムですが、今回の問題のST31LTステムも非常に似た構造です。
スペシャなんかもこう言った構造のステムを出していた気がします。
ではなぜステムボルトを推奨トルクで固定してもハンドルバーが滑る恐れがあるのか?ということの可能性を考えてみようと思います。
※あくまでも可能性を考える、ということです。
①フェイスプレートの不具合の可能性
画像の矢印の部分です。
ここは通常上下に隙間が開くような構造の物が多く、教科書的には上下の隙間を同じぐらいに、という場合が多いです。しかし中にはPROのLTステムやFSAの一部のステムのように上部をぴったりに締めてから下方を締める、という締め方のものもあります。
そしてTIMEのステムのように上下かなりピタリとなるようなステムもあります。
ではなぜ隙間があくような構造が多いのかというと汎用性を広くするため、と考えられます。
多少ハンドル側(もしくはステム側)の精度(31.8mm)が悪かったとしても、規定トルクで締めることで必要な固定力を得られるからです。
逆にです。
隙間がないようにピタリとした設計のほうが美しいですが、少しでも精度があまい、つまりぴったりと締めて合わさったときに少しでも大きければ、、、締め付けたとしても十分な固定力は得られません。
とは言ってもこれは通常多くのメーカーはマージンを取った設計になっていますので、おそらく考えづらいことだとは思います。
もう一つの可能性はフェイスプレートの強度不足です。
フェイスプレートを締め込んでいくことで、フェイスプレートに何らかの歪みのような状態が生じてしまう、その結果固定力が落ちるという可能性です。
しかしこのフェイスプレート自体に問題がない場合は、例えば緊急の措置としてインサート(マウント部)を外しての運用も考えられなくはありませんが、そのアナウンスはありません。
②フェイスプレートとインサートの組み合わせによる不具合
一例として、フェイスプレートとインサートの嵌合部を見てみます。
これは該当ではない、cervéloの旧モデルのステムのフェイスプレートとインサートです。
構造です。
旧モデルはこのようにインサートもネジ止めする構造です。
イラストによると明らかにハンドルに接することがないぐらいのインサートの爪の小ささで、ちょっとちょっとインサートの角度を変えようとも、クランプ部に影響を与えることはまったくないであろうサイズです。つまりドッキングはしますが、ある意味独立しているような構造です。
これが今回該当のステムを再度見てみます。
まずインサート本体も爪も形状が明らかに大きくなっています。
またインサートには独立したボルトがなく、おそらくステムボルトで締め付けるとインサートも固定される、という方法だと思われます。
この構造自体が悪いということではありません。
前述のようにSLRも同様の構造です。
しかしこの構造はシンプルが故、各所の精度が甘かったり設計がおかしい、剛性不足等でも十分な固定力が得られない事が考えられます。かなりシビアかと思われます。
▶まとめ
今回はあくまでも考えられる可能性のお話です。
しかしです。
こう言ったステムの構造から可能性を考えることは、今回のリコールの問題だけではありません。
もちろん有名メーカー品は問題がない場合がほとんどですが、最近出回っているステムの中には粗悪なものも無いわけではありません。どういったステムの構造が危険を伴うのか、なぜ危険なのか、ということを考えることにも結びつきます。
ともあれ今回のcervéloのリコールは日本代理店の公式ページにてご確認の上、不明な場合は販売店へ連絡を、ということです。
今回のリコールはステムのフェイスプレートで、2022年モデルのR5全モデル、Caledonia5(DURA-ACE、Red、フレームセット)、ステム単体ではcervéloのST31LTステムが該当ということです。
上の画像のような構造のcervéloのステムをお使いの場合、まずは確認をしたほうが良いと思われます。
ということで今回はcervélo リコール情報 SL31LTステムの問題を考える。そんなお話でした。
下記、精度が、、、なステムです。
下の動画では今回の件もあってか不明ですが、ステムの取り付け(5:00~)のリプレイ再生回数がめちゃくちゃ多いです。
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〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
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(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
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Cervelo recalls Model Year 2022 R5 and Caledonia-5 bikes, ST31 LT stems. Handlebars may slip, posing fall hazard. Minor injuries reported. Remedy: Free dealer repair to replace stem faceplate. More info: https://t.co/0ZtYvMpSX0 pic.twitter.com/GoTEjs8kqj
— Cervélo (@cervelo) September 15, 2022
今回のリコールの内容はというと、該当のステム(ST31LTステム)を使用している場合、ステムボルトを推奨トルクで固定してもハンドルバーが滑る恐れがある、ということです。
日本代理店の公式ページの情報をもとに詳細を見てみようと思います。
該当ステムは”ST31LT”ステムで、交換になるのはステムのフェイスプレート、フェイスプレート用メーターマウントキット、ということです。
フェイスプレート部の画像と構造を見てみます。
※フェイスプレート:ハンドルクランプ部の前方のプレート、通常4本のボルトで固定するものが多いです。
実際の該当製品(の可能性が高い画像)を見てみます。
上の画像は2022年モデルのR5 Discです。
通常のステムとの違いは、フェイスプレートに”インサート”を組み込むことで、Gopro台座(互換品の可能性高い)を生やせる構造です。それを利用することで、サイクルコンピューターやライト等を別途マウント類を用意することなく取り付けられるので、非常にスッキリして良いものです。
ちなみにBMCの純正ステムも似たような構造になっています。
上の画像は BMC SLRの純正ステムですが、今回の問題のST31LTステムも非常に似た構造です。
スペシャなんかもこう言った構造のステムを出していた気がします。
ではなぜステムボルトを推奨トルクで固定してもハンドルバーが滑る恐れがあるのか?ということの可能性を考えてみようと思います。
※あくまでも可能性を考える、ということです。
①フェイスプレートの不具合の可能性
画像の矢印の部分です。
ここは通常上下に隙間が開くような構造の物が多く、教科書的には上下の隙間を同じぐらいに、という場合が多いです。しかし中にはPROのLTステムやFSAの一部のステムのように上部をぴったりに締めてから下方を締める、という締め方のものもあります。
そしてTIMEのステムのように上下かなりピタリとなるようなステムもあります。
ではなぜ隙間があくような構造が多いのかというと汎用性を広くするため、と考えられます。
多少ハンドル側(もしくはステム側)の精度(31.8mm)が悪かったとしても、規定トルクで締めることで必要な固定力を得られるからです。
逆にです。
隙間がないようにピタリとした設計のほうが美しいですが、少しでも精度があまい、つまりぴったりと締めて合わさったときに少しでも大きければ、、、締め付けたとしても十分な固定力は得られません。
とは言ってもこれは通常多くのメーカーはマージンを取った設計になっていますので、おそらく考えづらいことだとは思います。
もう一つの可能性はフェイスプレートの強度不足です。
フェイスプレートを締め込んでいくことで、フェイスプレートに何らかの歪みのような状態が生じてしまう、その結果固定力が落ちるという可能性です。
しかしこのフェイスプレート自体に問題がない場合は、例えば緊急の措置としてインサート(マウント部)を外しての運用も考えられなくはありませんが、そのアナウンスはありません。
②フェイスプレートとインサートの組み合わせによる不具合
一例として、フェイスプレートとインサートの嵌合部を見てみます。
これは該当ではない、cervéloの旧モデルのステムのフェイスプレートとインサートです。
構造です。
旧モデルはこのようにインサートもネジ止めする構造です。
イラストによると明らかにハンドルに接することがないぐらいのインサートの爪の小ささで、ちょっとちょっとインサートの角度を変えようとも、クランプ部に影響を与えることはまったくないであろうサイズです。つまりドッキングはしますが、ある意味独立しているような構造です。
これが今回該当のステムを再度見てみます。
まずインサート本体も爪も形状が明らかに大きくなっています。
またインサートには独立したボルトがなく、おそらくステムボルトで締め付けるとインサートも固定される、という方法だと思われます。
この構造自体が悪いということではありません。
前述のようにSLRも同様の構造です。
しかしこの構造はシンプルが故、各所の精度が甘かったり設計がおかしい、剛性不足等でも十分な固定力が得られない事が考えられます。かなりシビアかと思われます。
▶まとめ
今回はあくまでも考えられる可能性のお話です。
しかしです。
こう言ったステムの構造から可能性を考えることは、今回のリコールの問題だけではありません。
もちろん有名メーカー品は問題がない場合がほとんどですが、最近出回っているステムの中には粗悪なものも無いわけではありません。どういったステムの構造が危険を伴うのか、なぜ危険なのか、ということを考えることにも結びつきます。
ともあれ今回のcervéloのリコールは日本代理店の公式ページにてご確認の上、不明な場合は販売店へ連絡を、ということです。
今回のリコールはステムのフェイスプレートで、2022年モデルのR5全モデル、Caledonia5(DURA-ACE、Red、フレームセット)、ステム単体ではcervéloのST31LTステムが該当ということです。
上の画像のような構造のcervéloのステムをお使いの場合、まずは確認をしたほうが良いと思われます。
ということで今回はcervélo リコール情報 SL31LTステムの問題を考える。そんなお話でした。
下記、精度が、、、なステムです。
下の動画では今回の件もあってか不明ですが、ステムの取り付け(5:00~)のリプレイ再生回数がめちゃくちゃ多いです。
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