今回は主役はSORAグレードのブレーキ、BR-R3000です。
あまりSORAぐらいのグレードのブレーキのメンテナンスは多くはありません。
というのも正直なところお世辞にも効きがバッチリ良いとは言いづらい、と言うこともありお金をかけてメンテナンスをするならば、いっそのこと上位グレードのULTEGRA等のブレーキに交換しよう!と言うパターンがほとんどだからです。

とは言っても基本的な構造は上位モデルと似ているものです。
ということで今回は【画像でみる】瀕死のSORAのリムブレーキを復活させる 分解清掃編、そんなお話です。
※尚今回は手順やり方の説明をさせて頂きますが、ご自身にて行われる際はあくまでも自己責任の範囲内で危険のないようにお願い致します。

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▶分解
こちらです。
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表題の通りBR-R3000です。
ブレーキのシューホルダー及び、シューは外してあります。
左がフロント、右がリアです。
一目見ればわかりますが、なにかおかしいのです。
フロントです。
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まぁ汚れてはいますが普通です。

リアです。
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ブレーキかかりっぱ!(笑)(;゚;ж;゚; )ブッ
そう、戻らないのです。

右側アームのピボット(リンク)部をちょちょっといじれば動くようにはできるのですが、それだけでは面白くないので今回はまるっとキレイに致します。

少し脱線しますが、SORAのブレーキのテクノロジーは”デュアルピポットキャリパー”というものです。要はピボットが2個内蔵されたというものです。
上位グレードのモデルのデュアルピボットなのですが、加えてローラーの構造が入っています。この構造によりピボットエリアの効率を高め、優れた操作力の変調と強い制動力を生み出せる。と言うものです。
とは言っても構造的には似たようなものです。
お話を戻します。

動きの悪いリアブレーキです。
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つもりに積もったものがあります。

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よく見れば右側のピボット部のナットがすでに緩んでいます。。。
何があったのでしょうか。。。

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ナットを外します。

裏側のナットを外したら表側のボルトを外します。
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これで右側のアームが外れます。

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ピボット部にはワッシャーのようなものが入っています。
入れる場所を間違えたり、組むときに忘れたりしないように注意が必要です。

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右アームです。

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お次は左アーム部です。

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バラします。

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センターのボルトを外すのですが、結構固くて力も入れずらく、保持しづらい場所にあるのです。

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そんな時はバイスに噛ませて行うと非常にやりやすいです。
道具をうまく使うのはとても大切なことです。

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外れました。

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スプリングがありますが、これが刺さっている樹脂の部分、古くなるとかなりの確率で割れてきます。

薬指の部分にあるイモネジを緩めておきます。
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これを緩めないと下手したらボルトがだめになります。

センターのボルトも外します。
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ピボット部にはやはり極薄のワッシャーが入っています。
上位モデルは極小のボールを使ったベアリングが入っています。

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これでバラバラです。
上位モデルだとクイックリリースの部分も分解できますが、今回のSORAのブレーキは分解できません。

▶洗浄
分解したら洗浄します。
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ブレーキ自体はグリスでベトベト、、、と言う汚れ方ではありません。
そこまで強力な洗浄剤は必要ない場合が多いです。
今回はパーツディグリーザーでキレイに洗い、多めの水でしっかりと流します。

さっぱりと洗い上がりました。
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エアを噴いて水分を飛ばし、最後に仕上げでラスペネを使い細かい部分の水抜きを行います。

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美しく輝いています。

▶組み上げ
逆の手順で組み上げています。
ベースになる左アーム部分です。
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くぼみにグリスを少々。
どこでもそうですが、垂れるほど入れるなら入れないほうがいいです。少量で適量です。
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ワッシャー
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スプリングは後ほどのほうが楽です。
ひっくり返します。

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ボルトが入る部分です。
こちらもグリスを少しだけ。

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ボルトを入れます。
このときにこちら側のボルトで玉はありませんので、玉あたりではありませんがボルトの締め混み具合でリンクの動きを調整します。締め過ぎれば当然動きません。
イメージ的にはぎりぎり動く、ぐらいの調整が良いです。

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ナットを止めます。
こちらも微妙に締めづらいのでバイスを利用してしっかり締めます。
ネットの本締め後必ず動きを確認します。
動きが悪かったり、ガタがあればやり直しです。

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イモネジも忘れずに締めます。

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右側のピボット部です。

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裏側です。

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構造を見て考えます。
こちらもワッシャーは忘れずに。
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組んでいく際にじゃまになる部分が。

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EC-Screw(センタリング調整ボルト)です。

邪魔なので引っ込んでもらいます。
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こうです。

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右側のピボット部のボルトを締めます。
左側よりも全然シビアです。
絶対にガタが出ないように調整します。

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ナットを締めます。
が普通に締めるとボルトも回ってしまいます。
ですので保持しながら締めます。

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これもバイスがあると超楽です。
本締め語に正常に動くかどうか、ガタがないかを確認します。
締め込む際にズレが出ることは多々あるからです。

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最後にセンタリング調整ボルトを所定の所定の位置まで締めます。

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できました。

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きれいになりました。
見た目だけではなく動きも極めてなめらかです。

▶まとめ
リムブレーキはグレードごとに多少の差はあれども、バラす事自体はそこまで難しくは無いと思います。
しかし注意が必要なこともあります。
古くなりすぎている場合、特に樹脂系のパーツはばらばらになってしまうことが多々あります。良かれと思ったことがトドメのような一撃になってしまうこともあります。
また今回のように明らかに動きが変、と言う場合はわかりやすいですが、では普通に動いている場合でも必要なのか?と言われると、、、一概にその限りではありません。
要は重要なところはこのように分解清掃をすることが必要か否か、そして分解清掃をすることで現在の状態よりも調子が良くなるようにできるのか?そして費用等のバランスを考える必要があります。何でもかんでもバラせば良いことになる、というわけではありません。

そのためにはまずは状態を判断すること、そしてショップとユーザー様のコミュニケーション、とても大切なことだと考えております。
ということで今回は【画像でみる】瀕死のSORAのリムブレーキを復活させる 分解清掃編、そんなお話でした。




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