Shimano ULTEGRA WH-R8170-C50とPanaracer AGILEST TLR 28cの組み合わせです。
今回は組付けや注意点等を含めてのお話とさせていただこうと思います。

Shimanoの現行型ULTEGRA、フルカーボンリムのディスク用TLホイール、WH-R8170-C50です。

リム高は50mm、リム内幅21mm、リム外幅28mmで。R9200DURA-ACEリムと同じリムプロファイルです。

カタログ重量は以下のとおりです。
フロント:698g
リア:872g
合計:1570g
実測重量です。(バルブ、リムテープ含む)

フロント:736g(+38g)
※カッコ内はカタログ値との重量差

リア:895g(+23g)
合計:1631g(+61g)
※以前測った別個体では、フロント725g、リア901g、合計1626gというものもありました。
シマノのTLホイールは純正のチューブレスバルブがついてきますが、いわゆる汎用品のバルブよりも少々重めです。

上の画像のバルブは50mmハイト用ではなく、もう少しリム高の低いシマノ純正のバルブですが、これで10gあります。このことからも50mm用のバルブは10gは超えているとも考えられます。
また純正のリムテープも結構厚めで、しっかりとした仕様です。
これらを考慮すると、すべて外せるものを外した状態でおおよそカタログスペックぐらいかと思われます。
とチューブレスバルブが出てきたので、ついでにチューブレスバルブのお話も。
チューブレスのバルブは主に2種類の形状があります。
(ある程度)強く締め込むと密着が強くなる円錐型、逆に強く締め込まないほうが良いかまぼこ形状、2種類があります。

左が上の画像のものでShimanoやマビック(確かEASTONも?)が純正バルブに用いている、かまぼこ型のようなバルブです。かまぼこ型はリムの溝のカーブにあっていれば高い密着感、リムとの広い接触面があります。
かまぼこ型はリムとの接触面は広いのですが、この形状はナットを締め過ぎるとゴムが巻き込まれるように歪んだりして、逆に密着が悪くなってエア漏れの原因になってしまう場合があります。(バルブが社外製の場合はリムのカーブにあっていることが必須)
かまぼこ型は特に締めすぎには要注意で、これはShimanoのマニュアルにも記載があることです。
一方の逆円錐型の根本をしたバルブは、バルブホールとの接点は線状になります。
こちらはかまぼこ型と違って、ナットをある程度強く締め込むことで気密性を高めることができます。ある程度、です。
とは言ってもどちらの構造もバルブナットの締めすぎは根本のゴムが歪み、場合によっては剥がれたりちぎれたりすることがあります。どちらもですが空気がもれない適切な締め込み具合で締めることが必要です。
組付けを進めます。AGILEST TLRの28cです。

安定の238gです。
もうカタログ値238でも良いのでは無いかと思うぐらい安定の238gです。(笑)
組んでいきます。
がここにも注意点があります。
公式のマニュアルにも記載があります。
• タイヤの脱着は手でおこなう。どうしても作業が困難な場合は、樹脂製のチューブレス対応タイヤレバーを使用してください。その場合、タイヤとリムのシール部にダメージを与え、空気漏れをおこすおそれがありますので、必ずリム面のへこみ、傷、割れなどが発生していないか確認してください。また、カーボンリムの場合はカーボンの剥離やクラックなどが発生していないことを確認してください。最後に空気漏れのないことを確認してください。
Shimano公式 WR-R8170マニュアルより抜粋
ということなので注意が必要です。
これはタイヤの保護、リムの保護双方の面からと言うことです。
過去にあったチューブレスでの鬼のような硬さのタイヤをはめるときになにかがあったのかもしれません。硬すぎるチューブレス、あれは経験上凶悪です(笑)
ともあれこう言った注意書きのあるホイール、最近では少なくはありません。
通常新規格同士で作られた製品であれば多くの場合がタイヤレバーを使わずとも組むことができます。それだけ各社の技術が積み上がってきたということなのかもしれません。
早速組んでいきます。

片側は楽々です。
シーラントはメーカー推奨の純正のシールスマートです。

シールスマートはバルブから入れられませんので、ビードの最後をはめる前にタイヤ内に直接流し込みます。真上からでも量が見えるダイソーの計量カップ、アイデア商品だと思います。
シーラントは一滴もこぼさず、キレイに仕上げたいところです。

反対側のビードも特に苦労はせず手で普通にハマります。
硬さ的には普通ぐらいです。
ビードはフロアポンプではNG、コア付きでもNGでしたのでコアを抜いて直噴で上げました。
やはりこのビードの上げやすさ、AGILESTとWH-R8170の場合はコツさえ掴めばOKなぐらい、かと思われます。
上がり始めれば途中で引っかかることもなく、最後までパパンと上がりました。
リムラインを確認します。
・・・異常がありました。


こちらです。
サイドウォールに傷が入っています。
やはり確認ってやはり重要です。
これはもちろんのこと使えませんので、タイヤは交換となります。つまり今回シーラントを一滴たりともこぼさず漏らさずキレイ組んだ新品のホイールから、シーラント盛り盛りのタイヤを外す、という悲しい作業が待っています(TдT)
外したタイヤをキレイにして見てみます。
外側の傷だけではありませんでした。

内部にこんもりとした何かが。
Panaracerさんへお電話をすると即代替品の送付をしていただけるとのこと、素早い対応は本当に助かります。

しっかりと調べてもらっておいで、と返送致しました。
結果はやはり製造上の問題ということでした。
とても丁寧な対応でPanaracerさん更に好きになります。
ともあれお店に在庫でもたんまりありますので、とりあえず在庫品で組み換えをしました。

取付けの時ははみ出さないようにできても、取り外しの時はシーラントがいっぱいに入っていると少なからずはみ出してしまうのです。
おニューのホイールは磨き上げないと、です。。。
続いてリアです。

全く問題なく組み付きました。
が、リアもやはり直噴でビード上げでした。
そして必要パーツを取り付けます。

よく見ると一部失敗しているのですが。。。
そしてこのホイールは、、、と言うのが本題で次回のお話です。
ということで今回はShimano ULTEGRA WH-R8170-C50 ✕ Panaracer AGILEST TLR 28c、そんなお話でした。
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コメント
コメント一覧 (2)
通常組み付け後には異常がないか確認をするのですが、組付け前にすべてのタイヤをチェックするということはしておりませんでした。というのも傷やゆがみ等は組み付け後のほうがわかりやすいから、ということがあります。 しかし確実性を上げるためには双方チェックをしたほうが良いですね。