ボトルケージがガタガタする。とのことで修理依頼です。
意外と少なくないのが、このボトルケージ台座のガタツキです。
ということで今回は修理ということだけではなくなぜ、何が悪くてボトルケージ台がガタついてしまうのか、ということも含めてのお話、ガタガタのボトルケージ台座を直す 台座の修理と不調の原因を探る、そんなお話です。

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▶ボトルケージ台座(ナット部)の構造
フレームにはボトルケージの台座用の穴が空いています。
その穴にブラインドナットやリベットナットという特殊なナットを固定してあります。
そのナットがボトルケージの台座となっています。
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フレームを挟み込むようにカシメられたナット、これがボトルケージ台座です。

▶ボトルケージ台座がガタガタになる理由
ではなぜボトルケージの台座がだめになってしまうのか?ということです。
ダメになる理由から、だめにならない注意点を考えます。
①ボトルケージのボルトの締めすぎ
まずボトルケージの台座のナットは、前述のようにそこまで厚みのないカーボンやアルミの板(フレーム)にブラインドナットと呼ばれるものをカシメてあるだけです。
当然力いっぱいボトルを締め付けたりすれば台座は供回りしてしまう場合もあります。固定されていたものがなにかのきっかけに緩んでしまう、こう言ったことは少ないことではありません。

ともあれたかがボトルケージのボルト、と思わずにボルトを締めていく時の手の感覚、締めすぎていないかだけではなく、違和感はないか、締めるもの締められるもの・素材等様々なことに注意しながら作業を行うということは大切で、これはボトルケージのボルトだけではなくどこのボルトでも同じ話です。

②ボトルケージの使い方
まずボトルケージは通常のボトルを入れるようにできてします。
別の言い方をすると、ボトルケージ・ボトルケージ台座は通常のボトルを出し入れすること、これを想定し設計されています。

しかしです。
例えばボトルケージに収まるサイズのはずのツールケース、ですが根本的に太すぎる場合や、パンパンにものが詰まって太くなった状態で無理やり突っ込むこと、要はボトルケージに過負荷を掛けることはボトルケージだけではなく、ボトルケージ台座にとっても良いことではありません。
とは言っても一回や二回でがたがたになってしまうことは相当なことでない限りはありませんが、繰り返し行うことはあまり良いことだとは思えません。

③不適切なボトルの使用
これは②とも重なる部分があります。
ワタクシの経験上1リットル近く入るロングボトル、これは意外と負担をかけないようです。重さだけでは無いようです。
ではどのようなボトルがボトルケージ台座に優しくないか、というとボトルケージ台座の中で暴れてしまうサイズにボトル、硬い保冷保温ボトルのようなものです。重く固く遊びの大きいサイズのボトル、これが最も台座にとって良くないです。
走行中にボトルケージの中で暴れることで、台座への不定期的な衝撃や振動が伝わります。
結果的にカシメてあるボトルケージ台座を少しずつ、少しずつ緩ませてしまうということです。

ガタツキがあまりにもひどい場合ができるだけガタつかないように、対応してあげるのが良いです。

これ以外ではボルトの固着や腐食等の原因もあります。

▶ボトルケージ台座がガタガタになったら
もしもボトルケージ台座がガタガタになってしまった場合、できるだけ早く直したほうが良いです。
というのも基本的にガタの考え方と同じで、ガタついたまま使用することは接触部へダメージを与えてしまうことがあります。
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振動や衝撃でナット側が傷んでいく分にはまだマシかとは思いますが、フレーム側が痩せてたり、それこそ強い衝撃で割れたりかけたりするとそれこそ一大事です。

また片側がガタついた時、これも早めに対応してあげたほうが良いです。
片側がガタついていることで残りの健康な台座にまで負担をかけてしまうことが考えられます。


▶ボトルケージ台座の打ち替え
今回のご依頼はこちらです。
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そして両方です。
構造を理解し作業します。
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絶対にフレームに傷一つ付けぬように作業をします。
台座の頭を極薄になるまで削っていきます。
削り過ぎたらフレームに傷が入ってしまいます。
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台座の頭を取ります。
この台座の頭を削る方法は、手持ちの工具や構造を考慮し一番フレームにダメージを与える可能性が低い方法です。

台座の頭をすべて取り終えると、フレーム内にナットが落ちます。
構造的にナットはフレーム内に落ちます。落とさないように作業をするのは構造上ほぼ不可能です。
落ちたナットは後ほど回収致します。

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取れました。
専用の工具を用いてブラインドナットをカシメます。
カシメも細心の注意を払います。
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反対側も同じように作業を進めます。

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こちらもキレイに取れました。

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同じように台座をカシメます。

フレーム内に落ちた台座を取り出します。
まずはBB下が開けれるフレームであればBB下から、と言うのは一番早いですが機械式変速のバイクではほぼ無理で、Di2の一部車種であれば可能な場合もあります。
続いてはシートポストを抜いて取り出す方法です。シートポストを抜いてシートチューブから取り出す方法は、手段としては手間が少ないのですが、残念ながら出にくい方法です。今回はシートチューブから出すことはできませんでした。
最後の手段はヘッド部から出す方法です。一番確実ですが一番手間がかかります。
ですが入れっぱなしにするわけには行きませんのでヘッドをバラし、ヘッドチューブから取り出します。
取れました。
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というか取り出したいボトルケージ台座とおまけも取り出しました。
ヘッドを元通り組めば完了です。

これがボトルケージ台座の修理の内容です。
作業自体はそこまで複雑な作業ではありませんが、非常に繊細で細かい作業です。
※ボトルケージ台座の修理等、お気軽にご相談ください。
ということで今回はガタガタのボトルケージ台座を直す 台座の修理とガタツキの原因とは?、そんなお話でした。
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