今回は主役は第一世代(初期)の11速の105の機械式、いわゆるケーブル引きのリアディレイラーです。
11速の105を初めて触った時の、旧型からの進化にはとても感動したのを覚えております。
実際にワタクシのWatopia号は5800系の105を使用しており、流石にDi2には勝てませんが、それでも普通に乗っていますが全く問題もなく、というかむしろかなり調子よく走れております。。
しかしそんなRD-5800はいわば型落ち品という扱いになります。
もうロード用12速はDi2のみとなった今となっては、コスパ高しの105機械式変速を使用したい場合はというと、、、大切に使うしかありません。スモールパーツの供給があるうちは本体さえ壊れなければ直しつつ使うことができます。
ということで今回は分解して全バラします。ただただ全バラのお話にするわけではなく、ある程度使用したものをバラして汚れ具合等をみることで、どんなメンテナンスが有効なのか?ということを考えながらのお話、【画像で見る】RD-5800全バラし清掃と組み上げです。

こちらです。

普通に少々お疲れ気味のリアディレイラーです。
使用期間もそれなりです。
これをバラバラにします。

まずはプーリー部です。
プーリーのボルトはあっちとこっち(裏と表)からアクセスします。
というのもチェーンが流れる方向でボルトが締まる方向(+緩み止め使用)となっているからです。プーリーは万が一緩んで取れると非常に危険なのでこう言った設計となっていると考えられます。
2本のプーリーボルトです。

SSは同サイズ、GSは異なるサイズ(10.5mm+12.0mm)です。
プーリーはすべてバラしてディグリーザーで洗浄します。

続いてB軸をバラしていきます。

エンドアジャストボルトが、、、は新型でした。
Bテンション調整ボルトが邪魔なので外してしまいます。
続いてB軸のCリングを外します。

作業で両手を使いたい場合は、バイスなどをうまく利用すると両手が使えます。
しかしリアディレイラーではあまり必要なかもしれません。
Cリングを外すとあとは優しく引っ張ればB軸が分解できます。

右側のB軸のシールは樹脂製です。.
これが薄く破損しやすいですので要注意です。通常使用でもボロってきてしまう場合もあります。
B軸が終わったら、ガイドプレートを外します。

5800のリアディレイラーのプーリー部(プレート部)をバラす際は11速の後期型(8000,9100)のやり方と似ています。
2mmのイモネジでボルトを外してひねれば外れます。


このように2軸部(B軸、プレート軸)をバラしましたが、汚れ方が明らかに違います。
どちらかというと、B軸のまだシマノグリスの黄緑色が残っています。比べてB軸は完全に黃緑色はなく灰色です。これらのことからもB軸のほうが汚れやすいと考えられます。
これは実際に5800よりももっと昔のモデル、もっと古く状態の悪いリアメカを触ってみるとわかるのですが、プレート軸よりもB軸の動きが悪いもののほうが多いように思えます。B軸は楽車のダメージも受けやすいと思われます。一方のプレート軸の動きが悪いのはチェーンの噛み込み等でダメージを受けた場合、汚れ方が激しい場合、特に悪くなります。
最後にケーブルアジャスター部もバラしてすべて洗浄をかけます。

ディグリーザー+水洗い、これが一番キレイにできるように思えます。
水分はできるだけエアーで飛ばしきれいに取り除きます。

その上でラスペネを使い水抜きと防錆処理をします。
”ど”きれいになりました。

まずはB軸です。

グリスを少々。

スプリングを入れます。

樹脂製のシールは要注意です。
ここからはコツです

スプリングを嵌めます。
3mm六角を使用します。

マニュアル通りの方法ですが、これがなかなか難しいわけです。
構造がわかると何故難しいのかがわかります。うまく入れるコツは逆転の発想です。
B軸をずらしながら収めます。

Cリングを取付けます。
Cリングをはめるまでは気を抜かないようにします。Cリングを止めるまでは落っことしでもしたら再びバラバラになります(笑)
Bテンボルトも忘れずに。

続いてプレートです。

上位6800等は確かプーリーを組んでしまうとプレートが取付けらなかったような。。。(内側からのアクセス?)
5800はどっちでも可能な気がしますが、せっかくなのでプレートから組んでいきます。

グリスを塗ってしまいましたが、5800のPテンションスプリングは太い方と細い方があります。
どっちか迷ったら合わせてみます。

正解はぴったりしますのでわかりやすいです。
シマノはこのように親切設計が多いです。しかし多分ですが逆に無理やり組もうとすれば組めなくはないと思いますので注意です。

スプリングを嵌めてくるっと回します。
ディレイラー本体が邪魔な場合はウエス等を噛ませておくとやりやすいです。

イモネジを忘れるとプレート部が飛んでいきます(笑)
次はプーリーです。
105のプーリーはベアリングは入っていません。

センターのブッシュ的なものは厚みが違います。
間違えないように注意が必要です。
ガイドプーリーはセンタロンの文字が!懐かしいです。

ガイドプーリーとブッシュの間には溝があります。
比較してテンションプーリーには溝がありません。

こう言った構造をみてグリスの量を考えます。

溝があればグリスが残留できますが、溝がなくピッタリとする場合、いくらグリスを入れてもはみ出るだけです。
はみ出した大量のグリスはゴミをよせるだけです。
ということを考えつつ、グリスの場所そして適量が決まります。

グリスはどこでもかしこでも大量に入れれば良いということでありません。
5800はテンションプーリーに回転方向がありますので組む際は注意です。

最後はアジャスター部です。
右下の樹脂製ノーズはトップ側をよく使う場合はダメージを受けやすいので、基本的には交換しておきます。なしでも組めますがあったほうが絶対に良いパーツです。
アジャストスクリューはグリスを、内部にはバネを入れる構造です。

斜めに入ってなめることがありますので要注意です。
こちらも入れづらい場合は、ウエスを挟んでプレートをずらしてあげるとやりやすいです。
本当は手が3本ほしいのですが、手がない場合は道具を使います。

完成です。

美しくなりました。
とこのようにできる限りバラし、清掃をすることはできます。
しかしこれを行って調子が良くなるかいなか状態次第です。
というのも場所によっては動きが悪ければ分解洗浄は効果がある場合もありますし、逆に動きが全然悪くない場合は、、、ということもありますのでまずは見極め、ということも必要かと思います。
また予防的にきれいにしておく、というのももう新品がない今となっては悪い選択ではないかもしれません。
あと10年ぐらいしたら超絶レアパーツになるかも、、、なんてことは無いでしょう(笑)
ともあれこのいわゆる初代11速世代(5800、6800、9000)のリアディレイラーはロード用で最後のダブルテンション構造のリアディレイラーです。
おそらくGSなんかはかなり長く需要があるような気がしないこともありません。
ということで今回は【画像で見る】RD-5800全バラし清掃と組み上げ、そんなお話でした。
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実際にワタクシのWatopia号は5800系の105を使用しており、流石にDi2には勝てませんが、それでも普通に乗っていますが全く問題もなく、というかむしろかなり調子よく走れております。。
しかしそんなRD-5800はいわば型落ち品という扱いになります。
もうロード用12速はDi2のみとなった今となっては、コスパ高しの105機械式変速を使用したい場合はというと、、、大切に使うしかありません。スモールパーツの供給があるうちは本体さえ壊れなければ直しつつ使うことができます。
ということで今回は分解して全バラします。ただただ全バラのお話にするわけではなく、ある程度使用したものをバラして汚れ具合等をみることで、どんなメンテナンスが有効なのか?ということを考えながらのお話、【画像で見る】RD-5800全バラし清掃と組み上げです。

こちらです。

普通に少々お疲れ気味のリアディレイラーです。
使用期間もそれなりです。
これをバラバラにします。

まずはプーリー部です。
プーリーのボルトはあっちとこっち(裏と表)からアクセスします。
というのもチェーンが流れる方向でボルトが締まる方向(+緩み止め使用)となっているからです。プーリーは万が一緩んで取れると非常に危険なのでこう言った設計となっていると考えられます。
2本のプーリーボルトです。

SSは同サイズ、GSは異なるサイズ(10.5mm+12.0mm)です。
プーリーはすべてバラしてディグリーザーで洗浄します。

続いてB軸をバラしていきます。

Bテンション調整ボルトが邪魔なので外してしまいます。
続いてB軸のCリングを外します。

作業で両手を使いたい場合は、バイスなどをうまく利用すると両手が使えます。
しかしリアディレイラーではあまり必要なかもしれません。
Cリングを外すとあとは優しく引っ張ればB軸が分解できます。

右側のB軸のシールは樹脂製です。.
これが薄く破損しやすいですので要注意です。通常使用でもボロってきてしまう場合もあります。
B軸が終わったら、ガイドプレートを外します。

5800のリアディレイラーのプーリー部(プレート部)をバラす際は11速の後期型(8000,9100)のやり方と似ています。
2mmのイモネジでボルトを外してひねれば外れます。


このように2軸部(B軸、プレート軸)をバラしましたが、汚れ方が明らかに違います。
どちらかというと、B軸のまだシマノグリスの黄緑色が残っています。比べてB軸は完全に黃緑色はなく灰色です。これらのことからもB軸のほうが汚れやすいと考えられます。
これは実際に5800よりももっと昔のモデル、もっと古く状態の悪いリアメカを触ってみるとわかるのですが、プレート軸よりもB軸の動きが悪いもののほうが多いように思えます。B軸は楽車のダメージも受けやすいと思われます。一方のプレート軸の動きが悪いのはチェーンの噛み込み等でダメージを受けた場合、汚れ方が激しい場合、特に悪くなります。
最後にケーブルアジャスター部もバラしてすべて洗浄をかけます。

ディグリーザー+水洗い、これが一番キレイにできるように思えます。
水分はできるだけエアーで飛ばしきれいに取り除きます。

その上でラスペネを使い水抜きと防錆処理をします。
”ど”きれいになりました。

構造を考えて、効率よく組み上げるために順番を決めます。Teppei.Y 目指せ走れるメカニック!!@ff_cycle
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2022/11/15 15:56:53
まずはB軸です。

グリスを少々。

スプリングを入れます。

樹脂製のシールは要注意です。
ここからはコツです

スプリングを嵌めます。
3mm六角を使用します。

マニュアル通りの方法ですが、これがなかなか難しいわけです。
構造がわかると何故難しいのかがわかります。うまく入れるコツは逆転の発想です。
B軸をずらしながら収めます。

Cリングを取付けます。
Cリングをはめるまでは気を抜かないようにします。Cリングを止めるまでは落っことしでもしたら再びバラバラになります(笑)
Bテンボルトも忘れずに。

続いてプレートです。

上位6800等は確かプーリーを組んでしまうとプレートが取付けらなかったような。。。(内側からのアクセス?)
5800はどっちでも可能な気がしますが、せっかくなのでプレートから組んでいきます。

グリスを塗ってしまいましたが、5800のPテンションスプリングは太い方と細い方があります。
どっちか迷ったら合わせてみます。

正解はぴったりしますのでわかりやすいです。
シマノはこのように親切設計が多いです。しかし多分ですが逆に無理やり組もうとすれば組めなくはないと思いますので注意です。

スプリングを嵌めてくるっと回します。
ディレイラー本体が邪魔な場合はウエス等を噛ませておくとやりやすいです。

イモネジを忘れるとプレート部が飛んでいきます(笑)
次はプーリーです。
105のプーリーはベアリングは入っていません。

センターのブッシュ的なものは厚みが違います。
間違えないように注意が必要です。
ガイドプーリーはセンタロンの文字が!懐かしいです。

ガイドプーリーとブッシュの間には溝があります。
比較してテンションプーリーには溝がありません。

こう言った構造をみてグリスの量を考えます。

溝があればグリスが残留できますが、溝がなくピッタリとする場合、いくらグリスを入れてもはみ出るだけです。
はみ出した大量のグリスはゴミをよせるだけです。
ということを考えつつ、グリスの場所そして適量が決まります。

グリスはどこでもかしこでも大量に入れれば良いということでありません。
5800はテンションプーリーに回転方向がありますので組む際は注意です。

最後はアジャスター部です。
右下の樹脂製ノーズはトップ側をよく使う場合はダメージを受けやすいので、基本的には交換しておきます。なしでも組めますがあったほうが絶対に良いパーツです。
アジャストスクリューはグリスを、内部にはバネを入れる構造です。

斜めに入ってなめることがありますので要注意です。
こちらも入れづらい場合は、ウエスを挟んでプレートをずらしてあげるとやりやすいです。
本当は手が3本ほしいのですが、手がない場合は道具を使います。

完成です。

美しくなりました。
とこのようにできる限りバラし、清掃をすることはできます。
しかしこれを行って調子が良くなるかいなか状態次第です。
というのも場所によっては動きが悪ければ分解洗浄は効果がある場合もありますし、逆に動きが全然悪くない場合は、、、ということもありますのでまずは見極め、ということも必要かと思います。
また予防的にきれいにしておく、というのももう新品がない今となっては悪い選択ではないかもしれません。
あと10年ぐらいしたら超絶レアパーツになるかも、、、なんてことは無いでしょう(笑)
ともあれこのいわゆる初代11速世代(5800、6800、9000)のリアディレイラーはロード用で最後のダブルテンション構造のリアディレイラーです。
おそらくGSなんかはかなり長く需要があるような気がしないこともありません。
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