今回のご依頼はなめたボルトの除去です。

当店にご依頼を頂く前に他店にお持ち込みをしたところ、ある程度挑戦をしたらしく状況は更に悪化、その後外れることはなくこれ以上は無理です。と言われてしまったとのことで、当店にご依頼頂いたケースです。
しかし実はこんな事は少ないことではありません
個人的にはいじる前に最初からできません。といってくれたほうが助かるのですが。。。

まずはボルトのなめ、なめたボルトの除去の基本的なお話からです。
もしもやばいなめてしまったかも、と感じた場合はそれ以上は絶対に触らずいじらず、努力をせずに早めにお店にお持ち込みいただくことを強くおすすめさせていただいております。

というのも、多少なめていたとしてもうまく行けば特殊な工具を使うだけで比較的短時間、下手したら数秒で外れる場合もあります。
これはネジを回す感覚、ネジが回る感覚、なめる感覚、良い感覚、悪い感覚等がわかるプロだからできることがあります。たかがボルト、されどボルト、ボルト一本締める・緩めるにしても技術があるということです。
ということで本題へ。

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今回のご依頼はR8100のクランクの内側のクランプボルトです。
クランクがR8100ということを考慮して作業を進めます。
というのも例えば6800や6700ぐらいの世代のものや、もっと古い世代のボルトの場合はもれなく固着というおまけまでついてくることがあるからです。状態によりますが、固着があると通常の2倍位大変になることもあります。

まずは状態の確認です。
当店にお持ち込みいただいた状態では、頭を除くと奥の方に六角の角が一個かろうじて見て確認ができるぐらいの状態でした。
一縷の望みをかけて様々な工具を入れてみるも一切かかることが無いぐらいのなめ方です。
なめの度合い的には100%に限りなく近いぐらい、六角かどうかもわからないぐらいにズルズルにナメたひどい状態です。

ここまでいってしまうともうこのボルトは再利用はできませんので、というか一度でもなめたボルトは交換が鉄則です。現行品はDURAでも150円位ですので交換をためらう理由はありません。
あとは如何にクランクに傷を付けないようにボルトを外すか、ということだけです。シンプルです。
なめたボルトの抜去のやり方はいくつか方法があるのですが、基本的に消去法というか場所や構造によってできる方法が限られますのでその中からできるだけきれいにできる方法を選びます。

個人的にはエキストラクターという逆タップのような工具があるのですが、それに恨みがあるわけではありませんが、あまり良い印象がないのです。

今回はクランクのボルトに一番適していると考えられる方法、そしてクランクへできるだけ傷を付けない方法、ボルトの頭を飛ばす方法でなめたネジを外します。ボルトの頭を飛ばして、軸をあとから抜くと言う方法です。
ボルトの頭を飛ばす前に保険のための下処理をしておきます。ネジの頭がなくなったあとからやろうとするとリスクが増えるため、ネジの頭を壊す前にやっておきます。

ということで結構好きな電動工具の登場です。
まずは電動工具と超硬い金属用の刃を使用し下穴を開けてから、ボルトの頭を飛ばします。
下穴の目的は2つで保険、そして頭を飛ばす際のリードに使うためです。
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クランクにはほぼ傷をつけずに頭を飛ばすことができました。
頭が飛んでネジ部だけが残った状態です。
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この状態で固着がなければ、もう終わったようなものです。
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ネジ部を優しく抜去すれば完成です。

抜けたボルトです。
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DSC_9624
このようになります。
と最後は削りかすをきれいに掃除します。
新しいボルトを規定のトルクで締めれば完了です。

文字にするのはそこまで難しくはありませんが、なにせ傷を付けずに行うのが神経を使うところです。
ということで今回はなめ率99%!? 完全になめきったクランクのクランプボルトを除去する、そんなお話でした。
なめたボルトの除去、(できれば頑張る前に)お気軽に当店までご相談ください。
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