rect4419

もう今となっては105までDi2化を遂げていますが、今回のお題はまだまだ需要の多い機械式の変速です。
機械式(ケーブル引き)のディレイラーはケーブルの動きがものすごく重要、というか変速性能はケーブルの動き次第です。と言うのものディレイラーの動きはコントロールレバーからの司令を如何にうまく伝えられるか、この伝える役割をするのがケーブルだからです。
ケーブルにより変速性能、変速速度、レバーの引きの軽さ等様々な影響が出ます。
つまりDURA-ACEであろうが、ULTEGRAであろうがケーブルがだめならば良い動きにはならない、と言っても過言ではないぐらいに重要なものがケーブルです。
これはケーブル種類だけではなく、組み方や調整もそうです。

ではその超重要なケーブルの動きを最大限によくするためには、ということですができるだけアウターケーブルとインナーケーブルの抵抗を減らすことが重要です。そしてこの抵抗を減らすためにはケーブルのカーブをできるだけ緩やかにすること、できるだけ少なくすることです。例えばですが、コントロールレバーとディレイラーをまっすぐつなぐことできればケーブルの摩擦抵抗はかなり減らせますが、現実的にはフレームの構造的な制限があったりする場合が多く、自由度はそこまで高くはありません。特に比較的新しいフレームの場合は構造上の自由度がかなり低いものが多いです。
それでも現状の構造でできるだけ動きが良くなるように、抵抗が少なくなるように組むことで、ディレイラーの動きを最大限によくすることができます。

これに重ねてハイスペックケーブル(ニッセンケーブル等)を使い。最高の組み方をする、ということもとても大切なことです。

では実際にはなかなか難しく行いづらいケーブルの組み方を変えることでどのぐらい動きをよく、軽くできるのか?リアディレイラーのケーブルルーティングによる差を体感するための実験をした。というのが今回の実験です。


▶通常の組み方と動き重視の組み方
通常の組み方はこちらです。
image844
外装のドロップハンドル、外装式のフレームの一昔前の一般的な組み方です。
ヘッド部を超え、ダウンチューブ下にアウター受け、BB下のケーブル受け、チェーンステー下からリアディレイラーに繋がります。
このケーブルルーティングだと、構造上カーブがきつかったり抵抗を生みやすいポイントが3つあります。ハンドル~ヘッド部周辺、BB下、リアディレイラー直前、特にリアディレイラー直前は変速の不良の原因になることも多い部分です。
同じような組み方のフレームであってもハンドル付近のケーブル受けの位置、リアディレイラー直前の受けの位置等によってもカーブがもっときつくなるものもあります。

とこの抵抗増となりそうな3つの部分をできるだけ回避し、カーブはゆるくなるように組んでみます。こちらです。
image832
ケーブル受けを使わずにフルアウターで組みます。
ハンドル周りはできるだけカーブがゆるくなるように気を使い、トップチューブを沿いを通り、シートステーからリアディレイラーへと通しました。
画像のようにフルアウター仕様ではありますが、カーブのきつい部分はかなり減らすことができました。

またこちらはローラー台用の車体ですので最大限に軽くなるように組むことができます。
ローラー用ならではの方法は2種類です。
1つ目はハンドルの切れ角等を気にしないで組むことができますので、ハンドル云々は一切考慮せず、とにかく引きを軽くすることを主として考えました。
PXL_20230110_001949891
もう一つはシートステー沿いからリアディレイラーまでのアウターケーブルも実走ではかなり邪魔になり、むしろ危険な場合もありそうなぐらい、それでもカーブをゆるく、とにかく抵抗が少なくなるように気を使いシフトレスポンスが良くなるように組みました。
と、副産物的なお話ですがローラー台用の車体でフルアウターにすることはインナーケーブルのサビ等の観点から見ても悪いことではありません。

このように通常の組み方と、とにかく実走ではちょっと??となるぐらいケーブルの抵抗減を最大限に狙った組み方、そのぐらいの差があるのか?ということが、今回の本題です。



▶結論
ずばりですが、、、
大きな違いは無い!
ということでした。
主観的なお話にはなってしまいますが、引きの軽さはほぼ同様、レスポンスは言われてみればいい気がするかもしれないぐらいの差でした。
実際にこのぐらいの差しか感じなかったのは、ある意味予想外の結果でした。

これには3つの理由が推測できます。
①日泉ケーブルの性能
今回は比較で日泉ケーブルのSP31を使用しました。この日泉ケーブルはご存じの方も多いと思いますが基本的にものすごく性能が高く、カーブが多少あったとしても十分に軽い引きを実現できていた。要は普通の組み方でも十分に抵抗を低く、軽くすることができていた、ということです。

②シフトケーブルの劣化がしにくい構造と使い方
通常の実走と違いハンドルを切ることもほとんどありませんし、構造的にもゆるく組めます。
機械式変速の動きの悪さの原因で多いのは、アウターケーブル(ケーブル受け)の痛みやトラブルです。
これらは場所により、例えばヘッド周りであればハンドルを深く切ることやリア周りであればホイールのつけ外し等によってアウターケーブルにダメージを与えてしまい、結果悪い影響が出やすい構造もあります。例えばですが基本的にフレーム側のリアのアウター受けから、リアディレイラーのケーブル受けまでの距離は長いほうが変速、そして整備的には有利な場合が多いです。

今回はローラー台用の車両ということ、そして何よりもいわゆるケーブルに優しい旧式のフレーム構造だったということもあり、通常の組み方でもアウターの痛み等もなく、良い状態であったと考えられます。

③もともと実走用として組むよりもはルーズに組めていた
前述のようにゆるく組めていたということです。
ハンドル周りのアウターケーブルをきっちりとハンドル沿いに固定をしてバーテープを巻いたり、する必要がありません。
最低限の長さは確保していましたが、ハンドルからケーブル受けまでもゆるく組み、リアアウターも長めにも組めます。
これらのことは前述のようにカーブをゆるくし、抵抗が少なくなることにつながっていたとも考えられます。
※ただしこれはRD5800の構造上のお話です。例えばですがシングルテンションのリアディレイラーはダブルテンション同様に短すぎれば問題ですが、逆に長過ぎたときの問題も出やすい傾向にありますので要注意です。


▶まとめ
今回の比較はもともとの摺動抵抗の低い、つまり性能が非常に高いニッセンケーブルで行ったので、両者の差が少なく感じたのもかもしれません。やはりニッセンケーブルものすごく良いです。
逆にケーブルの抵抗が多い安価なケーブルで行ったらまた結果は変わったのかもしれません。

またローラー台用機の場合や構造があまりにもきつい場合にはなりますが、リアアウターが傷みやすい構造のフレームであったり、ハンドル周りがどうしてもきつすぎてしまう場合はこう言った専用の組み方をすることでよい状態を少しでも長く保てる場合もあります。構造や使い方に合わせて最適な組み方を見つける、ということもよい状態を保つことに繋がります。

ともあれどんなケーブルで組む場合でも、最大限に気を使ってケーブルの抵抗はできるだけ低くなるように組むこと、そして組んだケーブルは長持ちするように組むこと、フレーム構造に合わせた運用方法を考えること、これらは変速性能を最大限に引き出し、よい状態を保つためにもっとも重要なことです。

ということで今回はリアディレイラーのケーブルルーティングによる差を体感するための実験をした結果、そこまで大きな差はなかった。というかほとんど差はなかった。と言う結果でした。
ということでアウターがびろ~んとするのはやはり邪魔なので、大きな差がないのであれば戻しましょう。。。(笑)

++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(一人運営のため整備中、接客中等 電話を受けれない場合もございます。その際はお時間を開けて再度ご連絡を頂ますようお願い申し上げます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから