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油圧ディスクのロードバイクが増え始めてからしばらく時間が経ったように思えます。
と言うのもパッドが限界を迎えたり、ディスクローターも交換時期を迎えるバイクが増えてきているからです。

基本的にディスクブレーキの場合は、パッドも消耗品ですがディスクローターも消耗品です。
リムブレーキも当然リムも摩耗はするのですが意外とリムの寿命は長いイメージが強いためか、パッドの交換は忘れずともディスクローターの摩耗チェックが意外と忘れられがちです。しかし現在のロード用のディスクブレーキシステムではディスクローターの摩耗が意外と早いのです。
しかしこのディスクローターの交換時期というと、、、実際にお客様のお話を伺っているのですが乗り方、どのように使っているか等にもよってかなりの差が出ているのが正直なところです。ですので一概に何kmというのは本当に難しいところです。

ではどのように判断!?ということですが、スイスストップのローターはインジケーターがあり一目でわかりやすいようになっていますが、シマノの純正ディスクローターは厚みを測ります。ひと目でわからない、ということも相まってかついつい交換時期ギリギリになってしまっているような場合を見かけることがよくある、ということです。
シマノのディスクローターの交換時期は以下のとおりです。
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厚みが1.5mm以下、もしくはアルミ面がでたら要交換となります。

実際に摩耗したディスクローターを見てみます。
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このように見てみるとそこまで減っていることに気が付きづらいのです。
しかしです。
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このように横から見てみてみると明らかに摩耗が進んでいます。
赤矢印のパッドが当たらない部分は減っていませんが、パッドが当たる面は1段階摩耗して凹んでしまっています。

ですのでローターの残量確認で厚みを測るときにこのパッドが当たらない部分、”フチ”を測っては意味がありません。
実際にパッドの接する場所で、摩耗する部分を測ります。
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厚みは1.4mmで交換時期を超えております。
と、要交換状態なのですが、ここからが本題です。

シマノのICE TECHNOLOGIES採用のディスクローターの構造です。
ICE TECHNOLOGIES
ブレーキを酷使する長い下り坂では、ディスクブレーキローターとパッドが過熱し、ブレーキングパフォーマンスに悪影響を及ぼす「ブレーキフェード」と呼ばれる現象が発生します。シマノでは、ディスクブレーキローターとパッドの両方に冷却効果を高めるアイステクノロジーを採用し、安定したブレーキングパフォーマンスを実現しています。アルミニウムの中心層にステンレススチールの外層を重ねた3層サンドイッチ構造のクラッドディスクブレーキローターブレードにより、さらに放熱性能を強化。パッドにはラジエーターフィンが採用されています。また、クラッドディスクブレーキローターブレードとラジエーターフィンはいずれも軽量で、ブレーキノイズを軽減し、パッドを長持ちさせます。
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https://bike.shimano.com/ja-JP/technologies/component/details/ice-technologies.htmlより

アルミの板をステンレスで両側をサンドイッチしている状態ということです。
※セレクトグレード等のディスクローターはICE TECHNOLOGIESではなく、サンドイッチ構造ではないものもございます。

つまり摩耗限界を越えると、、、ステンレスはなくなりアルミの層がでてきてしまうということです。ですので1.5mmと言う厚みだけではなくアルミがでてきたら要交換ということもあります。
とは言っても経験上でも、構造を考えても1.5mmのほうが早い場合がほとんどだと思われます。

まずはディスクローターをカットした断面を見てみます。
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確かにサンドイッチ構造になっています。
このようにステンレス板の厚みは左右で違います。
これだと厚みが分かりづらいので、もう少し汚くちぎってみました。

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この様になっています。

わかりやすいように削ってみました。
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丸部分が下地(アルミ層)がでている状態です。
今回は意図的に削ってアルミ層を露出させましたが、自然にでてしまうぐらいの摩耗状態の場合は、パッドの接触面に同じように明らかに違う層(アルミ)が露出します。

ちなみにこのアルミ層がでてきている境目の厚みはというと1.3mmでした。
つまりこの1.4mmまで摩耗したローターの外側のスレンレス層の残りは約0.1mmだったということです。

ではもう少し使えたのかというと、そういうことではありません。ブレーキ本体側の問題も考えられますが今回の本題はディスクローターなので本体はまたの機械でディスクローターに絞ったお話です。
構造的には油圧ディスクブレーキは常に左右から均等な力でローターを真ん中で挟めるものですが、それだけではないようです。ピストンの動きやその他諸々もあって、ドンピシャともならない場合もあるようです。
ですのでパッドもそうですが左右の摩耗が全く同じように摩耗をしていくのかというと一概にその限りではないこともあります。
ということでシマノも諸々のマージンを取って1.5mmというラインを決めていると思われます。
ともあれ定期的な確認は安全のためにも大切なことです。

ということで今回は画像で見る、油圧ディスクローターの摩耗限界、そんなお話でした。
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