今回は少々珍しい事例のご紹介です。
ご連絡を頂いた際はリアディレイラーが割れてしまった、ということでした。
ということなのですが、リアディレイラー自体が割れることはあまり多いことではありません。どちらかというと、というよりもそんなときは大体ハンガーが折れているものです。

ともあれ状態を見てみないことにはなんともなりませんので一度ご来店頂くことになりました。

実際に見てみると予想に反していました。
こちらです。
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んん??

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割れてます。

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確かに割れています。
かなり珍しいです状態です。

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通常ここまで行く前にハンガーがだめになりそうなのですが、今回はハンガーは全く無事、と言う珍しい状態でした。

基本的にディレイラー本体をこういった形で破壊してしまうのは、、、あまり多いことではありません。
実際にお客様に状況を確認させていただいたところ、スマートトレーナーへの組付けがうまく行っていないまま踏んでしまった。ということです。
確かに足の力であれば納得ができる状態です。
スマートトレーナーへの取り付け、外しの際の事故は意外と多いので皆様、お気をつけください。

ともあれ今回の破損場所は本体そのもので、スモールパーツ云々でなんとかなる場所ではありません。
こうなるとリアディレイラーを交換するしかありません。

ということで今回は1つグレードを落とす形にはなりますが105のRD-R7000でお同じくGSへの交換となりました。

しかしです。
今回壊れたRD-R8000は本体の部分だけです。
これをまるっとRD-R7000に交換するのは一番シンプルなことですが、それだけではないのが今回の本題です。
まずはせっかくなので、交換前にクリーニングをします。
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クランクも洗浄します。

深い傷は消せませんが、ある程度光り輝かせることはできます。
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てらってらになりました。
105のマット感とグロスの艶っぽさの組み合わせ、好きです。
チェーンもまとめて洗っておきました。

と言うのは脇道のお話で、今回の本題はここからです。
今回のリアディレイラーの破損は本体の部分ですが、まだ完全に使えないわけではありません。そして実はこのRD-R8000はまだ試用期間が数ヶ月というものだったのです。
ということでR8000から移植できるものは移植をし、105のULTEGRAミックスとして生まれ変わらせてみようと思います。

公式のパーツリストです。

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https://si.shimano.com/ja/pdfs/ev/RD-R7000-GS-4338/EV-RD-R7000-GS-4338A.pdf

互換性がない場合もありますが、今回のRD-R8000とRD-R7000ではプーリー部がアウタープレート&フィキシングボルト以外はB互換ではありますが互換性があります。

ULTEGRAのR8000はプーリーがシールドベアリング内蔵、105のR7000はシールドベアリングではありませんので今回はULTEGRAを使用することにいたしました。
ということでRD-R8000からプーリー部を外しておきます。
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ごっそり外したのは、なぜアウタープレートに互換性がないのか確認したかったからです。
余談ですがアウタープレート、組付いた状態では確かに車体から見てアウタープレートなのですが、リアディレイラー単体で見るとディレイラー側のプレートでインナー?のように思えてしまう不思議な現象です(笑)(ワタクシダケデス)

こちらもバラしてクリーニングをしておきます。
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そして今回の本題のRD-R7000です。
1年前は全然手に入らなったたGS、機械式11速のリアディレイラーです。
現在は入手できる状態でした。
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こちらに互換性のあるULTEGRAのパーツを組み付けてみます。

並べてみるとやはり若干の違いがあります。
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インナープレート部

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同じくフィシングボルトもほんの少しだけ違いがあります。

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右がULTEGRA、左が105です。
まずはこのまま付けてみましたが、やはり公式通りにアウタープレートに互換性はありませんでした。
と言うのもP軸(アクスル)がULTEGRAのほうが太く、105の本体にULTEGRA用のアウタープレートの軸が物理的に刺さらないのです。やはりちょっとちょっとの差を付けている、ということでした。
ですので今回はアウタープレートは105をそのまま利用し、プーリー+インナープレートはULTEGRAに交換します。

105のプーリーです。
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確かにシールドベアリングは入っていません。
ガイドプーリーに至っては105のほうがガタが大きいように思えました。

取り付けてみます。
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忘れておりました。
こちらです。
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ハンガーとディレイラー本体を繋ぐ役割をする部分でブラケットアクスルユニット、と言う部分です。
ダイレクトマウント方式の場合は取っ払ってしまうこの部分、いつも思うのですが105は薄っぺらいのです。

比べてみると一目瞭然です。
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もちろん太いほうがULTEGRAです。
なにげにこの部分、結構良いお値段します。(1,500円ぐらい)

アクスル(ボルト)は互換性がありませんので105のものを使用します。
こうなります。
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がっちり感が全然違います。
これでULTEGRAのパーツを組み込んだ105のRD-R7000の完成です。

動かしてみるとやはりよい動きです。
ある意味最終モデル、、、となるかも知れない機械式リアディレイラー、完成度の高さを感じました。
と実はもう一個RDを仕入れておりまして、ゴニョゴニョ

ということで最初にも書きましたが、ディレイラーをペチッと付け替えるだけのほうが簡単ですし時間もかかりません。しかしせっかくのULTEGRA、無駄にしないためにもこのように使えるものは利用したりすること、こう言った気持ちを大切にしたいと考えております。

ということで今回は割れた(破損した)RD-R8000をRD-R7000へ移植をしつつ交換する、そんなお話でした。


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