もう今となってはなくてはならない存在のようになっているもの、それはGarminやWahooその他のサイクルコンピューターです。
サイクルコンピューターは、走行中に各種数値を確認する目的もありますし、走行ログを記録しておく役割もあります。(これら以外にもナビやその他便利機能もあります)
各種データの記録が残るということは、後から分析等にも使えるとても便利なものです。
では記録したデータは何で確認を、と言うとGarminであれば純正のアプリGarminConnectやソーシャルネットワークサービスのStrava、分析のIntervals等様々なサービスがあります。

しかしです。
そのデータがサービスごとに差があったとしたら、、、
というのが今回のお話、GarminとStravaの平均速度のデータに差が出るのはなぜなのか?です・。
image115812


▶データを比べてみる
まずは一個目です。
image115812
このぐらいであれば誤差の範囲と思われます。
距離もほぼ同じぐらいで問題ないと思われます。

しかし問題は以下のデータです。
image115824
距離は同じに対して、平均速度は0.4km違います。
たかがされどですが0.4km平均速度を上げるのってかなり大変なことです。

この2つの比較をすると距離は同様ですが、大きく違うのは移動時間です。
移動時間から平均速度を算出していると思われますが、ではなぜ移動時間に差が出てしまうのか?ということです。


▶ガーミンコネクトの時間表記
本題の前に少々寄り道です。
Garmin Connectには以下のように3種類の時間がでます。
こちらについてのお話しです。
konekou
①経過時間
順番は変わりますが、まずは一番下の経過時間からです。
こちらは単純にEdgeで記録を開始してから、記録を止めるまでの時間ということです。別の書き方ではスタートボタンを押してから、ストップボタンを押すまでということです。

②タイム
こちらはオートストップ等の停車時間を除いた走行時間ということです。

③移動時間
では最後の移動時間、これはなんぞやというとオートストップ機能等によるタイムラグを想定して算出された時間ということです。つまり実際に記録が止まるまで、動くまでに経過したあろう時間を②のタイムから引いた時間、ということです。しかしこの数字への依存は強くはないようです。

と言うのもGarminではどのように平均速度を計算しているのかというと、②のタイムを使用しているようです。
ga-mintaime
計算で出すことができます。
では移動時間の存在意義は、、、と言うのはまたの機会でm(_ _)m


▶移動時間差の原因
なぜ移動時間に差が生まれるのか、ということを考えるとまず移動時間をどのように決めているのか、ということかが重要になると思われます。
Garminは実際にセンサーやGPS等の数値の動きをもとに記録されているデータ、前述のタイムです。というのもGarminの走行時間を割り出しているのはあくまでもサイクルコンピューターで、リアルタイムで表示させる数字を見ていてもわかります。実際にサイクルコンピューターの画面で見ている数値と記録したデータに差があること、今回のように走行後のサイクルコンピューターと自社アプリ間で違いがでてしまうことは良くないことだからでもあります。

一方のStravaはどうかというと、サイクルコンピューターのデータをまるっと反映させるわけではなく、GPSデータをもとに移動時間を計算していると考えられます。
このStravaで計算し算出した移動時間とサイクルコンピューターの移動時間との差こそが、平均速度を時に大なり小なり差を生んでしまう減少がおきている原因になっていると考えられます。

ではなぜこのようにStravaはサイコンからの情報をまるっと鵜呑みに、表示をさせないようになっているのか?ということです。


▶Strava側の再計算の理由① センサー
Stravaではなぜ純粋にサイコンからのデータを反映させていないのか?補正をかけているのか?ということです。これはものすごく難しいので反対のことを考えてみます。なぜ計算をする必要があるのか?なぜ計算しないとだめなのか?ということです。

基本的にStravaの平均速度はGPSのデータをもとに、独自の停止時間と走行時間の検出アルゴリズムを使用していて、純粋にサイクルコンピューターからの情報を反映しているわけではない、というお話があるのは海の向こう側のお話です。

これはなぜかというと距離や速度の算出に使われるスピードセンサーですがタイヤの周長設定が誤っている場合、もしくは周長設定を故意にいじっている場合、GPSデータとの整合性が取れなくなってしまうという可能性があります。
Stravaの代表的な機能の一つでもあるセグメント機能との関係があるのではないかと思いますが、速度データとGPSデータとの整合性が取れなくなってしまう可能性を減らすため、純粋にセンサーから取ったであろう数値をそのまま反映するぐらいであれば、GPSデータから計算することでより正確で平等な数値となるのではないか。ということです。
(GPSデータのfitファイルは個別にいじる、要は不正のための改変がかなり大変だったような気がします。)

つまりStravaでの計算の目的は速度データとGPSデータの整合性のため、ということが考えられます。
この計算の影響がサイクルコンピューターとStravaに移動時間に差を生んでしまっている1つの要因と考えられます。

▶GPSとスピードセンサー
ではセンサーがいい加減なのかというとそんな事はないようです。というのも基本的にはGPSのみよりもスピードセンサーも使用したデータのほうが信頼性が高いというのはGarminのお話です。
しかしです。スピードセンサーを使用していたとしても、データの信頼性がかなり落ちる場合があります。それはタイヤ周長の設定がうまく行っていない場合です。
センサーを使用し、周長をごまかすことで速度の不正も出来てしまいます。

その問題を解決するための方法が、Edgeにもある機能ですがタイヤ周長の自動検出設定です。このタイヤ周長の自動検出ができるサイクルコンピューターであれば、自動周長検出設定をしておくことでGPS単体の場合よりも高い精度での速度検出が可能ということです。


▶Strava側の再計算の理由② GPS精度
Stravaの移動時間計算にはGPSの精度の問題もあります。
StravaはGPSデータから移動時間、停車時間を計算しているというのは前述までのお話です。
このStravaが行う計算はGPSデータはGPSの精度への依存が非常に強いものになりますが、GPSデータには誤差の問題があります。通常Fitファイルにはすべての速度データが含まれますが、平均速度を算出する上であまりにも低速すぎる速度域の取り扱いの差等は難しいところです。(例えば5km/h以下は切り捨てる等、)

GPSの問題はサイクルコンピューターの本体のGPS精度の問題もありますし、GPSの特徴として低速域では信頼性が低くなったり、ストップアンドゴー、トンネルや遮蔽物の影響もあります。完全停車中のGPSのゆらぎの影響もあります。

こういった問題を解決するためにStrava独自の計算があるようです。
これもサイクルコンピューターの実測値との差を生んでいる要因ではないかと思われます。

またサイクルコンピューター間でも生まれうる計算方法の差や違いをなくし公平可するため、ということも考えられます。短い距離や低速の場合は厳しいかもしれませんが、ある程度以上の時や距離がある場合は、多少GPS精度が甘くとも計算で平均等を出しやすいと思われます。


▶何を正とするのか
これは難しいところですが、おそらくGarminに聞けば間違いなく自社の製品が正しい、精度が高いというと思います。
個人的にはGarminを正として良いと考えております。
と言うのも理由は簡単で、前述のようにハード的なお話でGPS単体での計算よりもセンサーを使用したほうが精度が上がるからです。

例えばですがGarminのEdge530を使用していて、停車後にオートストップで止まらない、また発信後にオートスタートが遅れると言うことはほぼありません。というのもワタクシがGPSだけではなく、トンネルや極低速(激坂)対策のためにスピードセンサーを使用している影響もあって反応がよいからなのかもしれませんが、公式の見解もセンサーは使用したほうが精度が上がるというお話があったからです。


▶まとめ
これは様々な情報からの推測したことですが、あくまでもの域は超えることが出来ないということ、また記事作成時現在に調べた内容でのお話、ということです。と言うのもStravaやサイクルコンピューター側もそうなのですが仕様変更がよく入ります。

Stravaで一時少々話題になった、獲得標高の補正の問題ですが、現在では当時とはかなり変わったようです。

またこの辺はかなりこまかい話にはなってしまうのですが、どのようにStravaへデータをアップロードするかということにも関係性があり、Stravaに直接流し込まれたデータ、もしくは何かアプリやウェブサービスを介して自動アップロードでStravaに取り込まれたデータ、これによっても差が出ることもあるようです。

ともあれデータを比べるときはできるだけ客観的に見られる数値、そしてデータ間で差が無いように比べること、これらを考慮すると複数のサービスで比較するよりも同一のサービスで比較をすること、これが良いのではないかと思います。という至極当たり前っぽい結論で恐縮ですが、、、

ということで今回はGarminとStravaの平均速度のデータに差が出るのはなぜなのか?というと、走行時間の算出方法が異なるから、そんなお話でした。

関連リンク
GPSドリフトと環境要因がGPS精度に与える影響について




+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから