季節の変わり目、走りやすい時期になってくるのは良いことなのですが、最大の敵は風です。爆風です(笑)ロードバイクで強風って、、、やはり辛いのです。

では風が強い日のロードバイクはなぜ辛いのか?ということを考えてみようと思います。

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▶強風が辛い理由
強風の日、はたまた爆風の日、とにかく大変です。
想像しやすいのは向かい風です。
向かい風の時はとてもつらく感じます。
なぜかといえばそれはどう考えも”進みにくい”からです。
向かい風の中、いつもと同じパワーで踏んだとしても全然進んでくれません。
と言うことは当たり前のお話ですのでもう少し突っ込んだお話です。

考えてみます。
では強風の日と穏やかな日、同じコース(区間)を同じパワーで踏めば同じ疲労度に、、、とはならないのです。

ものすごく単純なお話で、例えばです。
穏やかな日は距離1kmを速度30km/hで進むと、2分でゴールです。
パワー値は適当ですが、例えば必要パワー180Wだとします。

これが強風の日、向かい風が吹いているとして考えてみます。
距離1kmを同じ180Wを出したとしても、速度20km/hしか出なければゴールまでに3分もかかります。
向かい風の時はゴールまでの時間差は1.5倍の1分もあり、同じ出力(180W)を出し続ける時間が長ければ長いほど辛くなってきます。

これがまず第一に強風の日に辛いと感じる理由で、当たり前といえば当たり前なのですが、ものすごく単純な話で同じ距離を同じパワーで走るとしても時間がかかるようになるから、です。
上り坂のようなものです。

しかしです。
実際に家から家まで走るとするならば、辛い向かい風だけではなくボーナスタイムの追い風もあるはずですので、トータルでプラスマイナスゼロとなるのでしょうか。続いてこれを考えて見ようと思います。


▶追い風は本当に楽なのか?
追い風はそこまで強くペダルを踏まなくても、必要パワー以上に速度が出て楽に感じます。
では穏やかな日と強風の日、強風であっても行きや帰り、どちらかでも追い風になれば辛さは同じかというと、、、同じなんてことは無くやはり風の強い日は辛いのです。理由です。

①速度域と効率
まずは効率の問題です。
速度が上がれば上がるだけロスが大きくなると考えております。
ロスは機材的なお話でもそうですし、スキル的な面でもそうです。

個人的な考えですが特にスキル的な話でこれは速く走れる人と、速く走るのが苦手な人の差でもあると考えております。これは扱う速度域の話で不慣れな速度域では、常用の速度域と同じ効率で走れるのかというと、なかなか厳しいと思います。
例えばですが30km/hで走っているときと、50km/hで走っているとき、全く同じ効率で走れているかというと、なかなか厳しいと思います。速度が上がればハンドリングや荷重移動等の操作も繊細になってきますし、高速ならではの目の問題や恐怖心等もあると思います。もちろんギャップを踏んだ時の車体の反応も速度によって変わってきます。

こういったこともあり、追い風もあるところまでは楽に感じますが、自分の操作限界を超えるような速度域になる場合は楽には楽なのですが、状況によってはかえってパワーが出しづらくなる場合もあります。

②走る場所
また走る場所によっても差がでます。いくら最高の追い風がふいていたとしても、狭い林道や路面の悪い農道、交通量等によっても思うように速度を上げることが出来ない状況が沢山あるのが公道です。どんなに強い追い風でも場合によっては逆に速度が出すぎてしまって踏めない、また減速が必要でブレーキをかけながら走るような場合も出てくると思います。
逆に向かい風の影響による負荷増大はどんな道でも起こりえます。

このように効率が落ちたり、思うように速度をあげられない状況があるので、向かい風の逆に追い風があったとしても、単純に追い風の分まるっと楽になる、というわけではありません。


▶不慣れな強風
どうしても風の強い日の走り方になれていない場合は、前述のようにロスが大きくなってしまう傾向にあるのは効率だけのお話ではありません。

①負荷の上下
一定のペースで踏むほうが、パワーの極端な上がり下がりがあるよりも楽な場合が多いです。
というのも例えばですが同じ平均速度で走ったとしても、速度一定で走る場合と、速度の上がり下がり(負荷の上下)がある場合だときつく感じると思います。もう少しわかりやすく書くとただただの平地を走るよりもアップダウンが多いほうがきつく感じるのと同じようなものです。

風で言うならば例えばですが不慣れな場合、向かい風がバーっと吹いた時に頑張りすぎてしまうということがあります。
長いサイクリングでも上り坂でも強度を上げすぎたら、、、疲れるのは当然です。
ではなぜ向かい風の場合は吹いた時に頑張りすぎてしまうのか?と言うお話ですが、不慣れな場合、急に前から押されるのでついつい逆らってしまう、逆らいすぎてしまうということです。

②変速回数の増加
通常は向かい風では速度は落ちますが、ケイデンスを保てるように変速を使いできるだけパワーが極端に上がり下がりしないように走ったほうが良いのですが変速にも問題があります。
この変速を増やす、ということにも着目してみます。
変速という動作は基本的にロスを生みます。できるだけうまく変速したとしても、動力が一時的に切れパワーが抜ける、また踏み直しになるパワーが変動する瞬間が出来てしまうからです。しかし変速をしたほうがトータルで速く走れたり、楽に走れるため、変速機があり変速をしながら走ります。
変速回数が多ければ多いほど、踏めない時間が増えてしまいますし、踏み直しの時間もできてしまいます。使わざるをえない変速回数の増加、これもロスが増える一つの要因であると考えられます。
変速はうまく使えないと、急に負荷が重くなって踏めなくなったり、急に軽くなりすぎて回りすぎたりしてしまいます。

③見えない負荷変動
また負荷の増減といえば、勾配の変化もあります。
しかし風と勾配変化の違いはというと、風は目に見えないということもあります。実際に前を向いていれば勾配は見えますし、知った道で記憶があればなおさらです。しかし風の場合の負荷変動は見ることが出来ません。不意にきたりすることは負担増大に繋がります。
いくら変速をこまめにしても、見えない場合は見える場合と比べても遅れてしまう傾向にあります。

こう言った自分では想定することが難しい負荷の変動で、予期せぬインターバル的な走り方になってしまい疲れてしまう場合があるのではないか、ということです。


▶風の強い日にエアロフォームは楽なのか?
少なくともワタクシの場合は、はっきり言ってその限りではないと感じております。
(というのはワタクシ自身が体が硬いので深い前傾が苦手なのでわかることです。)
と言うのも日頃普通にサイクリング、そこまで高くない強度で前傾も普通ぐらいのフォームでロードバイクに乗っている場合、強風の日に突然エアロを意識したかなり深いフォームを取ってもうまくは走れないと思います。不慣れなフォームでも本当に有効なのかというとおそらく難しいと思います。

いくら風が強くても安定感を犠牲にするほど低く小さくなったり、体幹を入れづらくなってしまったりして、ふらつくような事があれば低く構えすぎないほうが良いと思われます。
いくら姿勢を低くしてもバランスを取りずらかったりふらついていたりしたら、どうしようもありません。

これはエアロのスペシャリストのSwiss sideのお話でもありましたが、車体がふらつくことによるロスは空力改善よりも影響が大きいため、横風が予想されるときはフロントのリムハイトを落とす、ということでした。

理想は風の強い日はエアロフォーム、ということなのですが、実際にはいきなりただただ低くすることで楽になったり速く走れるようになったりはなかなか難しいところです。

個人的には無理のないような少し深めのフォームを取ることはもちろん有効だとは思いますが、それよりも急な横風等に対応できるぐらいのフォームにとどめて、しっかりと車体の芯に乗る、ということが大切だと考えております。

▶強風対策とまとめ
強風対策として比較的に簡単にできることといえば、ウェアです。
ウェアをできるだけピタリとしたものを選ぶ、ということです。体感できるかは不明ですが、実際にはかなりの効果があるというのは教科書的なお話です。ただしエアロを重視するあまり寒すぎてしまうとかえって動きが悪くなり良くはありません。

そしてあとは、、、少しづつ練習をするしかありません。

あまりにも爆風の日に無理に練習して川へダイブとか危険を伴うことはまずいですが、ある程度は不得意を克服するためには経験、そして練習する必要はあるかと思います。

個人的には車体を安定させる体幹の使い方がポイントだと考えております。
しっかりと車体の芯を捉えて乗る、ということです。
こう言った安定している乗り方は、横風等だけではなく不意な横方向への力、例えば走行中体が接触した時等にも役に立つはずです。

ということで今回は風が強い日のロードバイクはなぜ辛いのか?というお話ですが、単純に同じパワーでも時間が長くなる、そして見えない負荷変動等による影響が考えられます。
練習をすれば強風でもある程度は対応できるようになりますが、それでも辛いものは辛い!そんなお話でした。


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