今回のお話はずばり表題の通り、通常よりも短命に終わってしまったチェーンリングから学ぶことです。
と言うのもチェーンリングの寿命ってどのぐらいなのか?ということですが、はっきり言って使い方次第、ということがかなり大きいですが、参考例としてワタクシの場合のご紹介は過去、以下のページにでご紹介させていただきました。
アウターは特に歯の痩せが見られている状態、距離にして25,000kmでした。
本当はもう少し早く交換したほうが良いような気がひしひしとしていましたので、~2万キロぐらいなのではないかと思われます。
では今回のチェーンリングはというと、、、約10000kmぐらい使用したもの、ということでした。
ということで今回はズバリですが、表題の通り通常よりも短命に終わってしまったチェーンリングから学ぶこと、そんなお話です。

▶摩耗促進の原因は?
まずはチェーンです。


こちらはお持ち込みいただいた状態のチェーンです。
チェーンは一見とてもきれいな状態を保てているように見えます。
チェーンリングも見てみます。

歯も汚れはついていますがそこまで状態が悪いようには見えません。
と言うのは画像からではほぼ分からないことで、実際に変速もそうですしクランクを回してみてももうすぐにわかることがあります。
それは何かというと、明らかな油切れで潤滑不良でした。
チェーンがきれいだったのも、油分が全くと言っていいほどなかったからです。
画像では見ずらいのですが、表面には薄っすらとサビが浮いているような状態で、クランクを回すと小さくキリキリ、キーキー音が出ていました。
そこでチェーンチェッカーで測ってみると驚きの伸び具合でした。

パークの0.75は余裕で刺さってしまう状態です。

0.75を指してこの余裕、スッカスカです。

普段使わないBBBの1.0もサクッと刺さるぐらい伸びています。
▶潤滑不良で使い続けた結果
ではこの状態でのチェーンリングはどうなってしまっているのか?ということです。
汚れたままの状態では摩耗は分かりづらいです。
ですので一旦チェーンリングをきれいにしてみました。

歯をきれいにします。

歯が見えました。
不穏な感じがひしひしと、、、よく見てみます。

明らかに歯の部分に段差ができるぐらい、しっかりと痩せてしまっています。
新品と比較してみます。

ちなみにです。
ワタクシが25000km以上使用したチェーンリングとの比較です。

左側が25000kmのチェーンリングで、右側が今回交換となったチェーンリングです。
今回のチェーンリングの使用距離は最初にも書いた通り、走行距離で10000kmぐらいとのことでした。
半分以下の走行距離にも関わらず、歯の痩せ方がやはり異常なぐらい減っているのがわかります。
▶原因から考える対策
今回の歯の異常摩耗の原因は前述の通り潤滑不良の可能性が高いです。
おそらく潤滑不良からチェーンの伸びの促進と歯の摩耗が同時に進んでいってしまったもの、と考えられます。
しかしです。
今回はかなり摩耗が進んでしまった状態でしたが、このようなチェーンの潤滑不良は定期的に見ることがあり、最近では特に少ないことではないのです。
と言うのも原因は考えられます。
①ディグリーザー(洗浄剤)の進化
ディグリーザー類の効果が高いものが増えてきている、ということです。良い製品が増えるのは全然悪いことではないのですが、逆に落ちすぎてしまうためきれいになりすぎてしまう、ということです。
②チェーンをきれいに保ちたい気持ち
その油が抜けた状態で最近は特にチェーンをきれいに保ちたいという思い強いためか、チェーンオイルの使用量が少なすぎたり、限界を切ってしまってる場合を見ることが多々あります。
③チェーンオイルの使用方法
また使用量だけではなく、表面上には塗布されているようにみえても、リンクの内部まで十分に行き届いていない場合もあります。
またオイルの使用方法だけではなく、ディグリ-ザーもチェーン内に残留するといくらオイルを付けても飛んでいってしまう原因になる、というのはつい先日もどこかで書いた記憶がありました。
極端なお話ですがオイルが極端に少ない、もしくは塗布しなければチェーンをきれいに保つことは出来ます。しかしそれではあまりにもよくないことが多いです。
ギリギリを狙いすぎて油膜切れでは、せっかくのオイルも性能を発揮するどころのお話ではありません。
▶摩耗の確認時の注意
チェーンリングの摩耗は歯を拭って確認する場合が多いかと思います。
しかしチェーンリングは場所によって摩耗具合に差があります。

上の画像は今回のチェーンリングなのですが、場所によって明らかに摩耗・歯の痩せ方に差が出ているのです。
今回の歯で摩耗が進んでいる場所です。

このようにクランクアームを足してみるとわかりやすいかもしれませんが、摩耗をポイントで見てみると一周の中で特に力がかかる場所の摩耗が早いようです。(チェーンとギア歯の嵌合が始まる~少し噛んだ後ぐらい)
何枚も交換後のチェーンリングを確認してみましたが、やはり多くの場合クランクアーム部+マ反対側は摩耗が他所よりも抑えられている傾向にあります。
やはり力がかかるポイントは摩耗が進みやすいということです。ですので、摩耗のチェックをする場合は少なくともクランクアーム部は見ずらいのですが、クランクアームの反対側(グレードロゴ部)だけでの確認は避けたほうが良く、複数箇所で確認をするのが良いと思われます。
と少し余談ですが、この摩耗が進んでいる場所、これが面白いことに人によって少しづつ違うのです。
これはおそらくペダリング、踏み方によってパワーのかかり方が多少なりとも差が出ることで、摩耗も差が出るのでは?というように考えられます。
▶まとめ
日々チェーンをきれいに保つことは良いことだと思います。
しかしです。
今回のようにきれいでも潤滑が不十分な場合、チェーンにもダメージを与えますし、チェーンリングも寿命をまっとうすることなく短命に終わってしまうこともあるということです。
各パーツを十分に使い、寿命を全うしてもらうためには、やはり適切なメンテナンスが重要ということです。
もちろんベタベタのギトギトも少々問題がありかとは思いますが、逆にパサパサの状態も良い状態では無いということです。
購入店舗や行きつけのお店と言うのはパッと預けて受け取るだけではなく、こう言ったメンテナンス方法をしっかりと教えてもらったり、その他のことでコミュニケーションをしっかりと取れるお店、ワタクシは素敵なお店だと思いますし、とても大切なことだと思います。
ということで今回は、通常よりも短命に終わってしまったチェーンリングから学ぶこと、適切なメンテナンスはとても大切なこと、というお話でした。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
と言うのもチェーンリングの寿命ってどのぐらいなのか?ということですが、はっきり言って使い方次第、ということがかなり大きいですが、参考例としてワタクシの場合のご紹介は過去、以下のページにでご紹介させていただきました。
アウターは特に歯の痩せが見られている状態、距離にして25,000kmでした。
本当はもう少し早く交換したほうが良いような気がひしひしとしていましたので、~2万キロぐらいなのではないかと思われます。
では今回のチェーンリングはというと、、、約10000kmぐらい使用したもの、ということでした。
ということで今回はズバリですが、表題の通り通常よりも短命に終わってしまったチェーンリングから学ぶこと、そんなお話です。

▶摩耗促進の原因は?
まずはチェーンです。


こちらはお持ち込みいただいた状態のチェーンです。
チェーンは一見とてもきれいな状態を保てているように見えます。
チェーンリングも見てみます。

歯も汚れはついていますがそこまで状態が悪いようには見えません。
と言うのは画像からではほぼ分からないことで、実際に変速もそうですしクランクを回してみてももうすぐにわかることがあります。
それは何かというと、明らかな油切れで潤滑不良でした。
チェーンがきれいだったのも、油分が全くと言っていいほどなかったからです。
画像では見ずらいのですが、表面には薄っすらとサビが浮いているような状態で、クランクを回すと小さくキリキリ、キーキー音が出ていました。
そこでチェーンチェッカーで測ってみると驚きの伸び具合でした。

パークの0.75は余裕で刺さってしまう状態です。

0.75を指してこの余裕、スッカスカです。

普段使わないBBBの1.0もサクッと刺さるぐらい伸びています。
▶潤滑不良で使い続けた結果
ではこの状態でのチェーンリングはどうなってしまっているのか?ということです。
汚れたままの状態では摩耗は分かりづらいです。
ですので一旦チェーンリングをきれいにしてみました。

歯をきれいにします。

歯が見えました。
不穏な感じがひしひしと、、、よく見てみます。

明らかに歯の部分に段差ができるぐらい、しっかりと痩せてしまっています。
新品と比較してみます。

ちなみにです。
ワタクシが25000km以上使用したチェーンリングとの比較です。

左側が25000kmのチェーンリングで、右側が今回交換となったチェーンリングです。
今回のチェーンリングの使用距離は最初にも書いた通り、走行距離で10000kmぐらいとのことでした。
半分以下の走行距離にも関わらず、歯の痩せ方がやはり異常なぐらい減っているのがわかります。
▶原因から考える対策
今回の歯の異常摩耗の原因は前述の通り潤滑不良の可能性が高いです。
おそらく潤滑不良からチェーンの伸びの促進と歯の摩耗が同時に進んでいってしまったもの、と考えられます。
しかしです。
今回はかなり摩耗が進んでしまった状態でしたが、このようなチェーンの潤滑不良は定期的に見ることがあり、最近では特に少ないことではないのです。
と言うのも原因は考えられます。
①ディグリーザー(洗浄剤)の進化
ディグリーザー類の効果が高いものが増えてきている、ということです。良い製品が増えるのは全然悪いことではないのですが、逆に落ちすぎてしまうためきれいになりすぎてしまう、ということです。
②チェーンをきれいに保ちたい気持ち
その油が抜けた状態で最近は特にチェーンをきれいに保ちたいという思い強いためか、チェーンオイルの使用量が少なすぎたり、限界を切ってしまってる場合を見ることが多々あります。
③チェーンオイルの使用方法
また使用量だけではなく、表面上には塗布されているようにみえても、リンクの内部まで十分に行き届いていない場合もあります。
またオイルの使用方法だけではなく、ディグリ-ザーもチェーン内に残留するといくらオイルを付けても飛んでいってしまう原因になる、というのはつい先日もどこかで書いた記憶がありました。
極端なお話ですがオイルが極端に少ない、もしくは塗布しなければチェーンをきれいに保つことは出来ます。しかしそれではあまりにもよくないことが多いです。
ギリギリを狙いすぎて油膜切れでは、せっかくのオイルも性能を発揮するどころのお話ではありません。
▶摩耗の確認時の注意
チェーンリングの摩耗は歯を拭って確認する場合が多いかと思います。
しかしチェーンリングは場所によって摩耗具合に差があります。

上の画像は今回のチェーンリングなのですが、場所によって明らかに摩耗・歯の痩せ方に差が出ているのです。
今回の歯で摩耗が進んでいる場所です。

このようにクランクアームを足してみるとわかりやすいかもしれませんが、摩耗をポイントで見てみると一周の中で特に力がかかる場所の摩耗が早いようです。(チェーンとギア歯の嵌合が始まる~少し噛んだ後ぐらい)
何枚も交換後のチェーンリングを確認してみましたが、やはり多くの場合クランクアーム部+マ反対側は摩耗が他所よりも抑えられている傾向にあります。
やはり力がかかるポイントは摩耗が進みやすいということです。ですので、摩耗のチェックをする場合は少なくともクランクアーム部は見ずらいのですが、クランクアームの反対側(グレードロゴ部)だけでの確認は避けたほうが良く、複数箇所で確認をするのが良いと思われます。
と少し余談ですが、この摩耗が進んでいる場所、これが面白いことに人によって少しづつ違うのです。
これはおそらくペダリング、踏み方によってパワーのかかり方が多少なりとも差が出ることで、摩耗も差が出るのでは?というように考えられます。
▶まとめ
日々チェーンをきれいに保つことは良いことだと思います。
しかしです。
今回のようにきれいでも潤滑が不十分な場合、チェーンにもダメージを与えますし、チェーンリングも寿命をまっとうすることなく短命に終わってしまうこともあるということです。
各パーツを十分に使い、寿命を全うしてもらうためには、やはり適切なメンテナンスが重要ということです。
もちろんベタベタのギトギトも少々問題がありかとは思いますが、逆にパサパサの状態も良い状態では無いということです。
購入店舗や行きつけのお店と言うのはパッと預けて受け取るだけではなく、こう言ったメンテナンス方法をしっかりと教えてもらったり、その他のことでコミュニケーションをしっかりと取れるお店、ワタクシは素敵なお店だと思いますし、とても大切なことだと思います。
ということで今回は、通常よりも短命に終わってしまったチェーンリングから学ぶこと、適切なメンテナンスはとても大切なこと、というお話でした。
+++++++++++++++++++++++++++
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※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
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・ご希望の整備内容
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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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