棚を整理していたら懐かしいカタログが出てきました。
2015年のシマノのバイクギアカタログです・
現在2023年ですので8年前のカタログです。
この頃はカタログには11速化を遂げた9000系DURA-ACE、6800系ULTEGRA、5800系105の時代です。

ということで今回は2015年のシマノのカタログを見て懐かしむ、そんなお話です。
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▶シマノのテクノロジー
9000世代の技術(SHIMANO Original Functions)をご紹介させていただこうと思います。

・SLR-EV(リムブレーキ)
リム用ブレーキキャリパーのSLR-EV、左右対称デュアルピポット式ブレーキキャリパーです。これは現在のリムブレーキにも採用されている主要テクノロジーで、前モデルから大きく変わったところです。

・オプトバルスポークシステム(ホイール)
2:1のスポークの組み方のホイールです。
現在ではリムブレーキのモデルでは当たり前のような組み方ではありますが、シマノがこの2:1スポークシステムを始めたのは9000シリーズから、ということでした。

・ペダルの+4mm軸
+4mm軸ですので、Qファクターを8mm増やすペダルです。現行品にもあります。

・D2リム
意外と意外だったのが、D2リムというリム設計です。
現在ではヨー角とエアロダイナミクスの関係は一般的なお話になりましたが、8年前の9000シリーズのリムからリム幅を広くすることでヨー角0~15°までで空気抵抗の削減できる、ということでした。
このD2リムを用いることで、ヨー角9°ぐらいが最も空気抵抗の削減になるようです。
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・4アームクランク
現在では廉価グレード品に採用されている、4アームのクランクですが9000が初めての4アームクランクということです。

・アイステクノロジーFREEZAローター
油圧ブレーキのディスクローター、アイステクノロジーFREEZAローターです。
要は放熱のためにアルミの板をステンレスでサンドイッチする構造、もうすでにこの頃からありました。


以下はまだロード用コンポーネントでは取り入れられていなかった技術です。
・リアディレイラー
現在ではロード用でも一般的になったシャドータイプのリアディレイラーはまだこの当時はMTBのみの技術でした。同じくシャドーRD+スタビライザー付きのリアディレイラーもまだMTBのみのラインナップでした。
また当時はロード用ではなかったと思しき、リアディレイラーのダイレクトマウント、これもMTBではスルーアクスルのために、ということです。



▶DURA-ACE 9000
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Di2機械式変速、双方のラインナップですがブレーキはリムのみでした。
この頃のDi2はまだ現在に比べて内装可能フレームがそこまで多くはなかったこともあり、外装仕様でも組める外付けバッテリーやジャンクションBなどのラインナップがありました。その流れで次世代の11速(9100)ともある程度の互換性がありました。

ブレーキのラインナップは通常のブレーキに加えて、2軸固定のダイレクトマウント現行通り3種類ありました。

リアディレイラーはSSのみ、キャパシティはリアの最大歯数が28Tまでです。

歯数のラインナップです。
DURA-ACE 9000
チェーンリング カセットスプロケット
インナー アウター 最小 最大
34 50 11 23
36 52 11 25
38 52 11 28
39 53 12 25
42 54 12 28
42 55

SSのみで対応できるだけですが、かなり充実のラインナップです。
※現行モデルはフロント3種類、リア2種類です。
今と比べるとリアはかなりクロスしたギア比で、フロントもかなり選べます。

この頃の銀と黒の2色を用いたデザインは、未だに人気は顕在で特にクランクの人気はすごいです。


▶ULTEGRA 6800
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DURA-ACEのテクノロジーをしっかりと受け継いだULTEGRAです。
機械式、Di2双方のラインナップでブレーキタイプはリムのみです。
デザインではシルバーはなくブラック中心のカラーリングです。
大きな特徴としてはDURA-ACEにはないリアディレイラーのロングケージ(GS)がありました。GSの場合は、リアの最大歯数が28-32Tまで使用できるため、プロでも大きな歯を使いたい場合はULTEGRAのGSのリアディレイラーを使用していた場合もあったようです。Di2もGSとSSと充実のラインナップです。

ULTEGRA 6800
チェーンリング カセットスプロケット
インナー アウター 最小 最大
36 46 11 25
34 50 11 28
36 52 11 32
39 53 11 23
12 25
14 28



▶105 5800
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11速の105は機械式のみのラインナップでした。
そして当時の105といえば、、、シルバーとブラックの2種類のカラーが選べました。後に発売されるR7000シリーズまでシルバーカラーがラインナップとしてあります。

ブラックはモダンなロードに、シルバーはクラシカルなロードに人気があったように思えます。

ULTEGRAと同じように、リアディレイラーはSS,GS双方ラインナップとしてありましたので、カラーを合わせると4種類もあったことになります。

105 5800
チェーンリング カセットスプロケット
インナー アウター 最小 最大
34 50 11 28
36 52 11 32
39 53 12 25



▶Tiagra以下のグレード
Tiagraはオプティカルディズプレイ、要はコントロールレバーの先端部に窓がついていて、その窓の中の印でギアの位置を確認できるものです。
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※コレはまた別物ですが、似た機能の懐かしのアイテムです。

まだこの当時はTiagra以下のモデルは触覚と呼ばれた、コントロールレバーからシフトのアウターが真横に出るタイプです。(ハンドルに沿わないタイプ)
しかしこの触覚タイプ、悪いことばかりではありませんでした。
というかむしろかなり引きが軽くしやすいので、変速性能的には悪いものではなかったのです。


またクランクでも違いがありました。
11速化と共に4アーム化したクランクもまTiagra以下では4アーム化とはなりませんでした。その昔はカブトガニとか言われていたような気も(笑)

この頃のコンポは105とTiagraの差が少なくはなく、特にフロント変速で差が大きかったように思えます。どうしてもTiagra以下はバキンッ!という感じが強かった記憶があります。

▶まとめ
このように2015年のカタログと現行モデルを比べてみると、かなりラインナップが絞られてしまった、というのが率直な感想でした。それはユーザーとしての選択肢が減ったということです。
逆にSHIMANO的に、また販売店的にはラインナップをズラッと揃えやすくなったということもあり、価格は抑えられるのかもしれませんし在庫の管理もしやすくなったのかもしれません。

ともあれ現行型のその性能は確実に上がっていることは最大のメリットですが、逆に選択肢が減ったこと(リム式105や機械式がないこと)等のデメリットも無いわけではありません。
このような変化もある意味時代の流れなのかもしれません。

ということで今回は2015年のシマノのカタログを見て懐かしむ、そんなお話でした。



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