各メーカー様々なモデルがあり、そのモデルごとにメーカーの思想がしっかりと入っています。
それは個性でもありますし、特徴でもあります。
しかしそれはメリットだけではなく、場合によってはデメリットであることもあります。

ということで今回はメカニック的にみて理想的なフレームを考える、そんなお話です。

image83332


▶ヘッドパーツ
昨今のフレームの構造ではフル内装仕様を考慮しなければなりません。
※フル内装仕様が悪いということではありません。
フル内装仕様の場合は、SMR(FSA)やDCR(DEDA)対応品、もしくは汎用ステムが使える構造であるのは理想です。
最近は本当にガッチガチにフル自社製品固め!というモデルが多い中、ACRやDCRに対応していることでもある程度の汎用性があり、ポジション調整や不具合があった際に交換パーツの入手のしやすさ等で差が出てくる場合もあります。

ポジション調整の観点でも、一体型の専用ハンドルがあるのはメリットもありますが、できればステム・ハンドルは専用ハンドル以外のものを使用できる構造、一般的なステムが使えるものが良いかと思います。
ただし専用の一体型ハンドルを使うメリットもあります。剛性バランスや空力等フレームの一部として設計ができるのでトータルとしての完成度は高かくなると思います。

ベアリングサイズはDi2ではなく機械式変速の場合は、上下異径ではなく上下1.5サイズがやはり内装をする上では良いような気がしております。というのも上部ベアリングが1-1/8で内装となるとDi2ならまだしも、機械式変速でホース+シフトアウターを通す構造はだとかなりキッチキチになります。

あとはメンテナンス性とトレードオフのようなところもありますが、構造的にヘッド部には多少水がかかっても、じゃぶじゃぶとヘッドベアリング部まで水の入りづらい構造が良いです。ホースがベアリング内部を通る構造の場合は、ベアリング交換もホースを外さないとないので作業の手順が増えます。

もちろんメリット・デメリットは双方ありますので、これらは要検討事項かと思います。

▶ケーブルの取り回し
①ヘッド周り
フル内装でない場合はヘッド周りはフレームサイズが小さい場合が特に混み合いがちで、アウターケーブルのカーブがきつくなりやすいです。
基本的にフレーム側のアウター受けとハンドルからケーブルが出る部分には距離があったほうが良いです。ですのでアウター受け(フレームに入る部分)はできるだけ後方、下方のほうがケーブルがなめらかに組みやすいです。
特にエアロハンドルを使用する場合はアウターケーブルがハンドルからの出口の場所も限定されますので、ケーブルの流れがきつくなりやすいです。

ヘッド周りに余裕があったほうが良い理由として、ただアウターの流れがきつくなりケーブルの引きが重くなりがちというようなメンテナンス的なお話だけではなく、ハンドル(ステアリング)の動きに直接関わってくるからです。Di2の利点は変速だけではなく、ステアリングの動きに抵抗が少なくできる、というところもあります。
また機械式変速の場合は、フル内装のほうがステアリングは軽い場合もあります。

②リアアウター
機械式で組むのであれば、できれはリアアウターはフレーム出口からリアディレイラーのアウター受けまでの距離は長いほうが良いです。
こちらも引きの重さやメンテナンスだけではなく、後輪のつけ外しの際のリアアウターの劣化を極力防げるからでもあります。
IMAG0550


▶ディレイラーハンガー
ハンガーはというと、ダイレクトマウント対応しているのが良いです。
ダイレクトマウントの利点はと言うとホイールのつけ外しもそうですし、変速性能的にもダイレクトマウントのほうが有利だと感じております。
ダイレクトマウントを選ばない理由がもはやない、ぐらいの印象です。
DSC_8270
リムのフレームでもダイレクトマウント標準になってほしいと思うところです。

フロントディレイラー台座
バンド式ではなく、直付け式のフロントディレイラー台座(以下FD台座)は、一体成形型ではなく、取り外しが可能なほうが良いです。

カーボンで一体型の場合、なにかのトラブルで割れたら。。。ということです。
また専用のスペーサーを使わないとだめ、というのも少々不自由なところもありますし、なんでそんな設計に??というかまるで設計したあとに不具合がでて急ぎ取ってつけた感もないわけでもありません。
意外とカーボンで一体成形の台座のトラブルが少なくないのも事実です。

逆にこれはすごいと思ったフレームは、FD台座はボルト固定式で、更に台座側のボルト穴が楕円になっていて台座の角度を変えられるものです。
セッティングは手間がかかるかもしれませんが、細かく調整がしやすく非常に良い構造だと思いました。

▶リアエンド
エンドの硬さ
クイックレリーズの場合はできるだけエンドは硬いほうがいいです。
なのですが、実際には最近(←?もう最近ではないかもしれませんが)の軽量バイクやカーボンエンドのバイクの一部でクイックの締め付けに対してエンド部の剛性が不足してしまっていると見受けられるフレームを見ることがあります。
エンドはできるだけ固く(分厚く)頑丈に!これは理想です。
中古品などではこのエンドの潰れなども要注意かと思われます。
DSC_9906
いかにも頑丈そうなエンド、最高です。

逆にスルーアクスル車の場合は、こういった心配はないですが、ねじ切りを壊さない・なめないように注意は必要です。


▶サドル
シートポストは専用品がもう一般的になってきているようにも思えます。
サドルのクランプ
サドルレールのクランプは下方向からの前後2本締めがやはりずれづらく、微調整もしやすくよいです。
DSC_9012

これ以外ではよくある構造の左右から締めるタイプは、上記のクランプよりもどうしても使い勝手が悪い印象があります。理由は2つです。
・ずれるやすい
構造的に左右から圧縮するように締められているだけなので、強い衝撃等でずれる、回ってしまうことがあります。(左右からのタイプでなくても構造的にズレやすいものもあります。)
ちなみにシマのプロの櫓も再度から締めるタイプですが、回転してしまわないようにノッチのようにギザギザがあります。微調整はできませんがずり落ちるまがってしまうよりも良いかと思われます。
df33b99b
・レールの太さの対応

基本的にサドルのレールの太さ。、真円・楕円によってクランプパーツを交換する必要がある場合が多いです。
金属のレールは7×7、カーボンレールは7×9もしくは7×10で互換性がない場合が多いです。


▶まとめ
というような理想的な組みやすい、またメンテナンス性が少しでもよい、トラブルが起きづらい、万が一トラブルが起きたときに対応がしやすいフレームのことをつらつらと並べてみましたが、全部をクリアするのはなかなか難しいかと思われます。

ともなると現在のバイクの買い方というと、、、実際には昔と変わらず自分の好きなものを買う!ということです。
ただしその後はメンテナンスにはすこしだけ気をつけて、気にかけてあげたり、以前よりも若干時間や費用などがかかるようになる、ということは今どきのバイクとしてある意味仕方がないところかと思います。
すべてが完璧で理想的なフレームというのはかなり難易度が高いと思いますが、手のかかる子ほど可愛い、ということもあるかもしれません。

ということで今回はメカニック的にみて理想的なフレームを考える、そんなお話でした。


++++++++++++++++++++++++++++
当ブログの運営費用の一部はアフィリエイト広告費用より補わせていただいております。

Wiggleをご利用の際はこちらからポチッとご購入いただけると当ブログ運営費用に補填させていただくことができます。。


Chain Reaction Cyclesはこちらからお願い致します。


+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから