チェーンやタイヤだけではなく、カセットスプロケットも消耗品です。
どんなに適切なメンテナンスをしていても、使えば使うだけ摩耗をするのは致し方がないことなのですが、問題なのがその摩耗の仕方です。
ワタクシの場合は、、、というのが今回のお話、カセットスプロケットの偏摩耗!? 摩耗の一番の原因を推測する、そんなお話です。

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▶磨耗状況を見る
現在使用中のカセットスプロケットは11-30Tです。
やはりだいぶ摩耗が進んできた状態です。
見てみます。
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まずはロー側から、
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歯先の削れは確認ができますが、そこまでひどい摩耗ではありません。

次です。(19-21T)
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歯の摩耗とともに、はっきりとチェーンの当たる部分にくぼみができています。

続いて17Tです。
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歯先の痩せ、チェーンのあともくっきりです。

次の15Tを17Tを比べてみます。
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その差は歴然で、明らかに17Tのほうがはっきりと摩耗してします。

次の14Tからはかなり摩耗が減ります。
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13Tです。
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最後はトップ側2枚です。
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まだ全然綺麗です。
使っていないわけではないのですが、、、

ワタクシの場合は、21T~17Tの3枚の摩耗が他の歯に比べても激しいということでした。
ではなぜ21T、19T、17Tの摩耗が激しいのか?ということを考えてみようと思います。


▶よく使うギアは?
今の時期よく行う140km 1500mUPぐらいの、ライド後のカセットスプロケットの状態を見てみます。
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少々見づらいのでホイールを外します。
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このように汚れ方を見るとだいたいどのギアをよく使っているのかわかります。
走るコース、千葉は特にですがガッツリと山ということではなく、多くは平地ということもあるとは思いますが、ロー側3枚は特に使用が少ないようです。だいたいいつもこのような汚れ方になるのです。

もっと細かくみるためにバラしてみます。
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確かに17Tは汚れ方は激しいのでよく使っているとは考えられます。
しかしです。
19-21Tの歯よりも15T、14T、13Tあたりのほうが使っているようにも見えます。
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http://twelve.rgr.jp/tama/tool/roadbike-gear.htmlより
ケイデンス85rpmのときのギア比と速度です。

実際のライドログとギア比を比べて見ても、35km/h前後で走っている場合が多いので、よく使うギアはやはり17T、15T、14Tあたりで、逆に19-21Tでは30km/h以下ですのでそこまで使用頻度は多くないと思われます。

これらのことからも17Tの摩耗が激しいのは理解できます。
しかしです。なぜ19-21Tの摩耗が激しいのか?ということです。


▶原因を推測する
よく使うギアは摩耗がし易いのかというと、、、前述のように17Tはまだしも、通常の走行中の使用頻度がそこまで高くないギアの摩耗が激しい場合があるようです。ということでその原因を考えてみます。

①チェーンライン
例えば19-21Tはどちらかといえばロー側ですので、チェーンラインが厳しくなってしまうから?ということも考えられなくはありません。見てみます。
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21Tにかけています。
若干斜めにはなっていますが、そこまできつくはありません。

続いて17Tです。
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使用頻度も高く摩耗の激しい17Tですが、ほぼまっすぐです。。。
ギアポジションとチェーンラインが摩耗に大きな影響を与えているのか、というとなかなかもって(´ε`;)ウーン…デス。

②パワーがかかるギア
あくまでも推測でしかありませんが、これが主な原因だと考えております。
ワタクシの場合は先日もご紹介させていただきましたが、ギア位置は常に一目でわかるようにインフォメーションディスプレイを使用しております。
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完全に癖のようなお話ではあるのですが、基本的に信号待ち等の停車時は21Tに入れ、0発進(スタート)の際には必ず使用するギアが21Tなのです。
では21Tをよく使っているのかというと、瞬間的に使うだけで加速ですぐに19T、17Tと変えてしまうので決して長く使っていることはありません。

そう、加速です。
信号待ち等の平地停車からの発進で必ず21Tを使用している、つまり加速をするパワーを一番受けて止めているギア、それが21T、19T、17Tぐらいまでということです。
しかし加速はし続けるわけではなく、ある程度まで速度が上がると、加速が落ち着きます。パワーも出し続けるわけではなく加速が落ちつくにつれて落ちてきます。その時のギアが15Tぐらい、ということなのではないかということです。逆に21Tや19Tは思いっきり加速中のギアで、かなりのパワーがかかっていると推測できます。

この停車からのゼロ発進時の加速はそこまで強く踏んでいる意識はなくとも、パワーにして400W以上は出ている場合が多いです。これは予想以上に高い数値で小さなアタックぐらいのパワーを出していることになります。
停車時にはしっかりと休息を挟むことができる、また加速をするということで意外と大きなパワーが発生している場合が多いようです。


では逆にほとんど摩耗をしていない21Tの隣のギア、24Tを発進に使うことはないのか?というと、、、ほぼないのです。
なぜかといえばギア位置が確実に見えますので、”4”(21T)に入れ停車する、発進する、この流れが完全に癖になっているからということもありますし、24Tを発進に使うと次のシフトアップが早すぎてしまうので発進には使わないのです。

▶まとめ
と、このように今回は(というか以前からですが)明らかに他の歯よりも摩耗が早いギアがあったので、摩耗の原因を考えてみたところ、よく使う長い時間使うことだけが摩耗の原因ではないのかもしれない、という結論に至りました。
と言うのはまず長い時間使っているギアは摩耗するということは間違いのないことだとは思いますが、ただ長い時間を使うことよりも、パワーがよくかかっているギアの摩耗は予想以上に早かった、ということです。
これはもちろん実際の変速や調整の具合、ギアの構造などの影響もあると思います、

逆にローギアなどは激坂などでかなりパワーを掛けているような場面も想像できますが、そこまで摩耗していない原因として、まず激坂にいくことがそこまで多くはないということ、また単純にギアの歯数が多いため1つのギア歯に掛かる負担も分散されるとも考えられます。

もちろんカセットスプロケットの摩耗の原因はこれだけではありません。適切な潤滑等の日々のメンテナンスもとても重要なことです。

ということで今回はカセットスプロケットの偏摩耗!? 摩耗の一番の原因を推測した結果、単純に長く使っているギアもそうですが、それよりもパワーがかかっているギアの摩耗が早かったと思われた。そんなお話でした。
過去の記事を見ても、やはり19-21Tと17Tの摩耗のペースは早いようです。


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