SHIMANOの105以上の現行型コンポーネントは12速となっています。
そのラインナップは機械式変速はなくDi2のみですが変速性能は相変わらず最高峰です。
流行りの病の影響もあって発売当初の入手性はかなり厳しかったですが、最近では11速よりも入手性は良くなっております。逆に11速系のリペアパーツ類はいまだ1年以上待っているものもあるのが現状です。。。こういったことも相まってが、12速を導入するお客様も増えてきています。

ではそんな12速の導入を考えた時の話、SHIMANO 12速コンポーネントの導入時等の注意点です。

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▶105グレードはリムブレーキモデルが
105はR7100の現行世代から今のところの話ではありますが、ラインナップはDi2のみとなっております。
そんな105のDi2コンポーネントですが、リムブレーキモデルは存在しないのです。
それならばR7100のDi2でリム版コンポのみ開発販売だった場合であれば、機械式ディスクブレーキを使用することでディスクフレームにR7100を組むこともできるのですが、それだけはシマノ的にぜ~ったいにNGだったのかもしれません(笑)
そんなにリムブレーキコンポを邪険にしなくても良いのに、、、と思うところも。。。

ということではあるのですが実は、105ないじゃーん!ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!、組めないorz...
・・・ということではないのです。
実際には油圧ブレーキ用コンポとリムブレーキ用コンポの違いはコントロールレバーとブレーキシステムぐらいなもの、クランクや前後ディレイラーは同じものです。また12速コンポであれば互換性があります。ですのでコントロールレバーのみULTEGRA(ST-R8150)を使用することで105ベースのULTEGRAミックスのとしてリムブレーキでも組むことができます。(コストは上がります)

ですので現在はありませんが、もしも逆にSHIMANOが105のDi2をリムモデルのみ作成していたとして、、、やはり逆のことがあり得てコントロールレバーをULTEGRAの油圧を使用することでミックスすれば組めなくはなかった。ということです。

ですので正確には12速は105グレードにリムブレーキ用のコントロールレバーが存在しない、ということです。
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https://productinfo.shimano.com/#/com?acid=C-453&cid=C-453 より
これだけではありませんが、一例です。

▶フロントのチェーンリング歯数
①ULTEGRA、105は2種類のみ
ULTEGRA、105の2グレードのフロントチェーンリングの歯数は50-34Tのコンパクトと、52-36Tのセミコンパクトの2種類です。
それ以上大きな歯数のチェーンリングを使いたい場合はDURA-ACEにするしかありません。

②12速には53-39Tが存在しない
しかしです。
旧モデルではあった53-39Tという歯数ですがDURA-ACEで、、、ないのです。
12速コンポでは54-40Tという歯数になってしまいます。
52-36Tはロードレース等で少々足りない場合もあるようで、53-39Tということでしたが12速よりなくなりました。しかしおそらくリアが12枚になったのでそこでカバーできる、というSHIMANOの考えなのかもしれません。(インナー40Tでもリアの34Tがあればギア比的にはカバー??)ギアがクロスすることは悪いことではありませんが必要以上のクロスはかえって使いにくい、ということもあるのかもしれません。
※クロス:ギア比が近くなること

クランクのお話しついでにはなりますが、悪いことばかりではありません。11速時代にはなかった160mmという長さが各クランクにラインナップされています。ショートクランクの恩恵、これは地味ですが非常によいことだと思いました。

▶カセットスプロケットは3種類のみ
105グレード:11-34T、11-36T(旧モデルは5種類)
ULTEGRA・DURA-ACEグレード:11-30T、11-34T(旧モデルはULTEGRAで7種類)
11-34Tに関しては
105:HG・361g・7,700円
ULTEGRA:HG+・345g・12,705円
ということで、カセットスプロケットの重量差はそこまで大きくはありませんが、12速用カセットは11速よりも性能差あることが考えれられます。

※12速11-34Tは11速時代の11-30Tに34Tがくっついた歯数構成です。

また105のカセットですが、型番に注意が必要です。
CS-R7101が11-34T、11-36TはCS-HG710となります。
・・・CS-R7101、楽しみですね。

▶リアディレイラーの選択
カセットスプロケットが各グレード2種類づつしかありません。
それとSHIMANOあるあるではありませんが、他グレード品までの互換性を持たせていない場合があります。
ということはです。
リアディレイラーの使用可能スプロケットは以下のようになります。
105(RD-R7150):11-34Tもしくは11-36Tのみ ※11-30は使用不可
ULTEGRA(RD-R8150)DURA-ACE(RD-R9250):11-30T、もしくは11-34Tのみ
ですので105のリアディレイラーを選ぶと11-30Tは使用できませんし、ULTEGRA以上のリアディレイラーを使用している場合は11-36Tを使用することはできません。
ということでリアディレイラーは使用したいカセットスプロケットのギア構成で選ぶ必要があります。

SS GSがなくなった現行のリアディレイラーは歯数によるグレード制限があるということです。


▶12速用チェーンはチェーンピンがない
12速は原則クイックリンクのみで、チェーンピンのラインナップがありません。
例えばギア歯数の変更に伴って、11速までであればチェーンの状態にもよりますが継ぎ足したりして使えていました。
しかしクイックリンクしかない場合は、、、継ぎ足しでクイックリンクが2つになるというもあまり見栄え的にも、、、(´ε`;)ウーン…
できなくはないとは思いますがやはりチェーンピンは何かと便利だった気もしないこともありません。


▶リムブレーキのラインナップから消えた製品
12速世代のリムブレーキは11速世代からの進化はほぼないようなのですが、それだけではありません。
リム用ブレーキキャリパーにはノーマルタイプのブレーキキャリパーとダイレクトマウント方式のキャリパーが健在するのですが、実は影に隠れてこっそりとBB後方のいわゆる”R”という型番が最後につくモデル、、、消えました。(公式ではアンダーBBマウントというようです。)

ということですのでアンダーBBマウントのダイレクトマウントブレーキを使用したフレームを長く使いたい場合で、シマノ製のブレーキを使いたい場合は在庫があるうちに予備を入手しておいたほうが良いかもしれません。他社製品(TRP等)はいつまで生産されるかは不明です。
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▶リペアパーツ構成の減少
なにかがあった時のリペアパーツです。
例えば11速のリムブレーキ用のDi2のコントロールレバーです。
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レバーアッセンブリーとブラケットユニットが分割され、リペアパーツが存在します。
落車したりして壊れてしまった場合は、レバーが折れたりブラケット部が割れたりします。
両方同時にダメになる場合はそこまで多くないので、どちらかが生き延びていればリペアパーツで直すことができます。

これが12速になると、、、
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リペアパーツがほとんどないのです。。。リムブレーキ用レバーの利点でもあったのですが。。。
もしもどちらかでも折れた場合は、まるっと交換になってしまいます。

これはリムブレーキならではのお話で、油圧ブレーキ用のコントロールレバーはレバー内部のブレーキシステムの構造自体大きく違うので、11速でも12速でもまるまる交換です。


▶そういえばペダルは?
おまけ的なお話ではありますが、ペダルってどうなったのでしょうか。
リムブレーキの開発が行われないのはわからなくはありませんが、ペダルに関しての音沙汰がすっかり途切れてしまっております。
これ以上の進化は難しいのか、それとも水面下では開発で進んでいるのか、、、なぞですが、個人的には空力性能を向上させたり、まだ進化の余地は残っているとは思っております。


▶まとめ
ということで現在では12速はDi2のみのラインナップとなっておりますが、12速化とともにある意味縛りのようなものが厳しくなってしまっているところがあります。
導入前にはどういった使い方をするために、どのグレードを選ぶのが良いのか、ということを一度確認して購入されるのがよろしいかと思われます。

ということで今回はSHIMANO 12速コンポーネントの導入時等の注意点をまとめてみました。


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