富士ヒル用の秘密兵器、Di2だけの特権であり利点をフルに活かすための装備、それがサテライトシフター(クライミングスイッチ)です。
サテライトスイッチとか様々な呼び方があるようですが、要は上ハンを握っているときでもシフトができるようになるいわば外付けのシフトスイッチです。
平地や高速巡航時は下ハンにつけたスプリンタースイッチ、上りなどで上ハンを握っているときはサテライトシフターがあることでハンドルからコントロールレバーへ持ち変えることなく変速をすることができます。(12速になってすべてサテライトシフターという名称になったようです。)
これはとても便利なスイッチです。
普段はそこまで山には上りませんので、下ハンのスイッチがメインになりますが富士ヒルともなると、やはり上ハンにスイッチがほしいと思ってしまうのも、試走で実際に走ってみての感想でした。

ということで今回は富士ヒル対策 半内装仕様のハンドルのDi2配線を考えサテライトシフター(SW-R9150)を増設する、そんなお話です。

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現在使用しているハンドルは一体型なのですが、半内装のような仕様なのです。
というのもこちらです。
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ハンドルに空いている穴はエンド部に1個ずつ、センター部に1個ずつです。
最近よくあるのはエンド部ではなくコントロールレバー取付部に穴が開いているものです。

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ここです。
この位置の穴はケーブル類・ホースを内装するのには最適なのですが、現在のハンドルはここには穴が空いていません。このレバー位置の穴がない場合は少々複雑です。
またバーエンド型ジャンクション(EW-RS910)を使う場合の配線は、ハンドルのドロップ部を沿うように外装することになります。
この設計はおそらくですが、エンド部の穴のほうがレバー部の穴よりもハンドルとしての剛性を確保しやすいからではないかと思われます。

ということを踏まえて、ですが現在の配線はこの様になっています。
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一番シンプルな方法です。
左右をつなぐエレクトリックケーブルのみ一部内装、ほかは外装で組んでいます。
ジャンクションAを取ってつけたようにつけていますが、これはとりあえず繋がっていればOKというDi2の素晴らしき設定の恩恵です(笑)
※ジャンクションAが必要ない12速の場合は、水色がまるっと不必要です。
※12速でもリムモデルは有線接続が必要となります。

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実際にはこうなっています。
ということでセンター付近の穴をどう使うのか、、、なかなか難しいところですが、このハンドルはバーエンド型ジャンクションA(EW-RS910)に対応している半内装型構造のハンドルと思われます。

お話は戻りますが、一番シンプルな方法で組んであるわけですが、この組み方では難点があります。
それはコントロールレバーに空きポートが確保できない、ということです。
ですが、正確には空きポートがないわけではないのです、

再度配線をみてみます。
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11速のリムブレーキ用のコントロールレバーのポート数は各2つ、スプリンタースイッチ専用各1つと片側3つのポートがあります。(11速ならでは利点です。)
現在はスプリンタースイッチは組み込んであるので空きポートは一見ないように見えますが、、、あるのです。

とってつけたようなインフォメーションディスプレイ付き、ジャンクションA(SC-MT800)です。
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システムインフォメーションディスプレイでワイヤレス機能を持ったジャンクションAです。
こちらに3ポートあり、現在使用しているは1ポートのみ。ということでここに接続すれば、クライミングスイッチ(サテライトシフター)は使えるのです。

だったらとりあえずここのサテライトシフターを繋げ・・・(((((;`Д´)≡⊃)´Д)、;'.・ハウッ…

ということなのですがサテライトシフターのケーブルの長さの問題等々があり、あまりきれいには組めなかったのです。(ということにしておきまして。。。(´=ω=。)ホボソッ...)ということでせっかくなのでこの際配線を再度を引き直しをしました。


今回は手持ちのエレクトリックケーブルの都合上こうなりました。
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黄色の配線を3つまたエレクトリックケーブル(EW-JC130)を使用しました。フレームから出たエレクトリックケーブルは(見た目と空力的な問題で)一度ハンドル内部を通りジャンクションA直前にて出て接続されています。少しでもケーブルの露出を減らしたいためです。このこだわりが大切なのです(笑)この場合は、スイッチをフルに接続してもジャンクションAに空きポートが確保できます。空きポートはアップデートやトラブル時に接続して使えますので意外と便利なのです。

もちろん三又を使わずにジャンクションAにケーブルを2本指し、左右に分配するでもOKです。その際はエレクトリックケーブルの長さは通常よりも長めのものが必要になりますので要注意です。

ともあれ今回は3つ又を使いますのでポイントです。
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穴の大きさが予想以上に小さいのです。
ということでこの3つ又エレクトリックケーブルの継ぎ目の部分が穴を通らないのです。

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ここがハンドル内部(もしくはステム内部)に収まるか否か、これがすっきり感を大きく変えることになるので結構キーポイントなのです、

ハンドルに空いている穴は通りませんので、どうするかというと、、、エンド部から三つ又ケーブルをまるっとつっこんで、穴からコネクター部のみを出してあげるのです。
これができるか否かはハンドル次第です。

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このようになります。
この状態から更にフレーム側からのびるエレクトリックケーブルをハンドル内部に通します。

この穴がかなり絶妙な大きさでギリギリ3本は出せました。
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※右シフター、ジャンクションA×2本です。
4本目はコネクター部が通らないため、無理でした。ですので狙ったかどうかは不明ですがかなりギリギリの大きさの設計になっているということでした。

これで無事にサテライトシフターを上ハンドルにつけることができました。
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なのですがこれは完全に好みの問題なのですが、スイッチが逆向きのほうが押しやすいのです。

ですので逆向き、外側が開くようにセットし直しです。
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外側にスイッチが開くようにセット、この方が押しやすく感じおります。

せっかくなのでバーテープは逆巻(ステムの方から巻く)で巻きました。
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やはりエアロ系のハンドルは逆巻きの方がしっくりくる気がしております。というのも上ハンを持ったときにフィニッシュテープの感触があまり好きではないからです。
これで今回は細かいところはアレですが、見た目的には大きく変えることなくサテライトシフターの取り付けることができました。


富士ヒルはヒルクライムレースとは言え、勾配が緩く意外と速度が上がるところが多いです。もちろん低く構えるエアロフォームも重要ですが、勾配がきついところや筋肉の疲労を分散させる目的でもやはりスイッチがあると便利に感じます。1時間以上の上りとか、、、長いのです。
12速の場合は増設スイッチが1個ずつですので、富士ヒルの時は下ハンから上ハンに移動させて使う、というものありではないかと思います。

ということで今回は、富士ヒル対策 半内装仕様のハンドルのDi2配線を考えサテライトシフターを増設する、そんなお話でした。

11速用はこちらです。

12速用です。

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