2023年の富士ヒルまで残すところ一週間をきりました。
天気はかなり不安がありますが、もうこればかりはなるようにしかなりません。
できるだけ不安はなくして本番に望みたいものです。
それは肉体的にも機材面でもです。基本的に富士ヒルには車検という制度はありませんが、だからといって点検や事前の整備をないがしろにしていいわけではなく、しっかりと点検整備が行われていることを前提としたお話です。

先日大会の参加案内が更新され、その中の自転車・ウェアチェックリスト、詳細を確認してみようと思います。
ということで今回は、富士ヒルまで一週間 参加案内記載の点検整備項目と注意点を確認する。そんなお話です。

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1.ヘッドパーツ、ハンドル、サドルなどに緩みやガタがないか
いわゆる日常的な点検の項目です。
意外と多いのがヘッドパーツのガタですが、オーナー様が自身で気がついていない場合があります。特に車体にマウントさせているパーツ類にガタがある場合、異常な音に気が付きづらくなってしまうことが多々あります。ガタの確認はガタつくパーツ類を外した状態で確認するのが良いです。

またハンドル周りのパーツ類に緩みが出ている場合もあります。
ガタや緩みは場合によっては放置をすることで自転車へダメージを与えてしまう場合もあります。
レース時は普段よりも思いがけないパワーがかかることもありますので、十分な点検をおすすめいたします。

2.ホイールが歪んでいないか
ホイールの振れです。
高精度の振れ取り台などとまではいかなくとも、少なくとも車体を持ち上げホイールを回して目視、ホイールに歪みがないかを確認します。
歪みがあればプロショップへ持っていき調整が必要になります。
振れは酷くなければ1,000円程度で調整可能な場合もありますが、ひどい場合や特殊なホイールだともう少し高くなることもあると思います。

3.クイックレリーズ、スルーアクスルは正しく装着されているか
まず最近のディスクブレーキ車に使用されているスルーアクスルは規定のトルクが記載してあるものが多いです。何はともあれ適当に締めるのではなく、信頼できるトルクレンチ等を用いるということです。
そしてクイックレリーズの場合ですが、基本的なことでまずどのぐらいの強さが適正なのか?ということが分からなければやはりショップに持っていき適正な強さを確認し、確実に固定をする練習をすると良いと思います。

また締め付けの硬さだけではなく、レバーの位置等もそうです。レバーの位置が明後日方向を向いていると思わぬトラブルになることもありますので要注意です。
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※レバーはリア三角の内側に。後ろ向きとかは原則NGです。

4.タイヤに傷はついていないか
これは目視でもわかります。
あまりにも汚れがついていると分かりづらいので、雑巾の濡れ拭きなどで掃除をするとわかりやすくなります。もしくは先の尖ったピック的なもので優しく撫でることでも異物に引っかかるのでわかりやすいです。
これもとても基本的なことなのですが、出発前、そしてレース前にも確認をしておくのが良いと思います。

前日に走る場合はスペアタイヤの持参も安心できるかと思います。

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※小さな傷でも金属片やガラス片が埋まっているときも。よくチェックをして怪しげなものは事前に除去して状態を確認しておくことをおすすめいたします。

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※チューブレスタイヤのパンクは一見分かりづらいですが、痕跡からパンクを発見することもあります。不安な箇所があればプロに確認をしてもらうと良いです。

5.タイヤが正しく装着できているか
タイヤが正しく装着できていないということは、例えばチューブラーの張り方がいまいちだったり、チューブレスの場合はビードの上がり不足、クリンチャーの場合はミスは少ないと思いますが内部でチューブがヨレていたりということは意外とありえることです。

これはホイールの項目と同じで空転させてみるとタイヤの歪み等で気がつく場合があります。適正空気圧を入れてホイールを回してみる、タイヤやホイールが上から見ても、横から見ても歪んでいないかを確認します。
この確認自体はそこまで難しいことではありませんので、すぐにでもやっておいたほうが良いです。

6.適正空気圧を保っているか
適正な空気圧の管理はとても重要です。
レース前は確実に行ったほうが良いです。
とくに富士ヒルは標高も高くなりますので、自宅から会場付近に車載等で持っていくだけでも空気圧が変わることもあります。
もちろん富士ヒル遠征時は使い慣れた、空気圧ケージ付きのフロアポンプを持っていくことをおすすめいたします。
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※適切な空気圧管理は速いだけではなく、安全に走るためにも大切です。

7.ブレーキは正しく作動しているか
リムブレーキのトラブル時の作業に時間がかからない場合もありますが、ディスクブレーキのトラブルは作業に時間がかかってしまう場合があります。
直前に大慌てではなく、時間に余裕を持って確実にプロショップへ持っていくことをおすすめいたします。

8.ブレーキシュー、ブレーキパッドは摩耗していないか
リムブレーキのパッド残量は見やすいですが、リムの状態も合わせて確認しておくとなお良いと思います。
ディスクブレーキのパッドは意外と見ずらいものです。またディスクブレーキの場合はローターの減りも意外と速いので合わせて確認をしておくことをおすすめいたします。

特に雨のダウンヒルでは想像以上にパッドやシューが摩耗する場合があります。
残量が怪しい場合は、交換しておいたほうが良いです。


9.変速機は正しく作動しているか
基本的なことですが変速機の正常な動きというのは、レバーを操作したら直ちに変速する。という状態です。これはコンポのグレードは関係ありません。
レバーを操作したのにジャラジャラ、ガラガラいって変速がもたついたりする場合は要整備です。変速の不調は少しずつ具合が悪くなることが多く、なんとなくこんなもの、、、とお思いがちですが、それは良くない慣れで整備をすれば多くの場合スパスパ決まるようになります。

これはビックプーリーやその他のパーツを付けていたとしてもです。
正常な変速ができないパーツはトラブルの元です。
ショップでしっかりと相談し、最高の状態で出走できるように調整してもらうのが良いと思います。
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10.ギア周辺から異音が発生しているか
変速時だけではなく、普段からチャラチャラ、カチャカチャ音が出ている場合は基本的に整備不良です。
調子が良いバイク、というか普通はカチャカチャいったり、カタンカタン言うことはありません。
変だと思ったら我慢せずに、一度プロにしっかりと見てもらったほうが良いです。


11.電動変速機の場合、変速機の充電は済ませているか
以前記事にもさせていただきましたが、Di2等の充電です。
これは変速機だけではなく、サイコンやセンサー類もまとめて確認をしておくのが良いです。


12.ハンドルにバーエンドキャップは付いているか
意外と車載や輪行で外れてなくなってしまう場合があるようですが、重要なパーツです。
バーエンドがないと落車時等にハンドルが突き刺さってしまうことがあるからです。
それは自分だけではなく、他人も傷つけてしまうことがありますので確実な装着をおすすめいたします。
せっかくなので通常の押し込むだけのエンドキャップから、ネジ式のものに変えてしまうのもおすすめです。
PROのバーエンドはねじ式の中でもガッツリ付きますので、かなり人気です。
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エンドキャップについての詳細は下記のリンクからご確認いただけます。


13.使用禁止備品(スタンド、カゴ、DHバー)は取り付けていないか
使用不可なパーツ類です。
・ブルホーン
・DHハンドル
・クリップオン
・スピナッチ
・カゴ
・ガラス製ミラー
・両足スタンド
・ラック
・キャリア
これらはすべて禁止となっております。
特にミラーなどはバーエンド型を使用している場合は、当日外すだけではバーエンドキャップがなくなってしまう場合もあるかと思いますが、前もって外しておくことをおすすめいたします。


14.グローブを着用しているか
最近はサイクリングでもグローブレスをよく見かけますが富士ヒルはレース中、下山時も含めグローブの着用が義務付けられています。
着用していない場合は出走をお断りする場合があります、と記載があります。言われたことがないから大丈夫、ではなくルールを守ることは大切です。
万が一でも整列時やスタート前等に指摘され、出走できないなんてことになったら悲しすぎます。

15.ヘルメットに亀裂は入っていないか
亀裂の確認だけではなく、ヘルメットの耐用年数は使用開始から3年です。
せっかくヘルメットを被っていても強度に不安があったりしては意味がありません。
また最近のヘルメットはどんどん性能が良いものが発売されています。
早めに確認をし、問題がある場合は早めに交換、場合によっては空力性能があがっているものだとタイムも短縮になるかもしれません。

16.ヘルメットは正しくかぶれているか(あごひもの長さ・サイズなど)
これは意外と多いです。
せっかく空力的にすぐれたヘルメットを被っていてもあご紐がダラッとしていては勿体ないです。
あご紐は意外と緩みやすいのです。しっかりと確認をし、緩んでいるのであればきゅっと締め直して置くと良いと思います。

詳細は下記のリンクよりご確認いただけます。


✓それ以外の項目
これ以外にも、開催要項の中の車種規定というものもあります。
・部品欠損(ハンドルを切る、ブレーキを取る、バーテープをまかない)整備不良、過度な改造品
・レース中、下山時はグローブを着用する(未装着の場合は出走を取り消す場合があります)
グローブに関しては車種規定にも、チェックリストにもどちらも記載があるということからも、重要視されている可能性があります。


▶まとめ
今回は富士ヒルに向けての公式から発表されている内容に沿ったお話ですが、これらの項目は富士ヒルだから、レースだからということではなくあくまでも日常的に安全に走るために必要なことです。
またメカトラブルのでDNFは本当に悲しいことです。全てが全てではありませんがこれらの点検や整備は、自分が記録を出すための自分のためだけの内容ではありません。蔑ろにすることで周りの選手にも迷惑をかけてしまうことにもなり得ることです。

また基本的なことで富士ヒルにかぎったことではありませんが、もしも現在車体の何処かで調子が悪い部分があったとしたらレース中に今よりも調子が良くなることはありません。基本的に良くて変わらない、多くの場合はもっと悪くなるものです。
それは本番は練習よりも負荷もかかりますし、場合によっては雨も降るかもしれません。車体にはより負担がかかるということです。

もちろん当店でもギリギリまで富士ヒルに向けての点検整備を承っております。
ご不安な場合は、お気軽にご相談いただければと思います。

ということで今回は富士ヒルまで一週間 点検整備項目と注意点を確認する、そんなお話でした。
チェックリスト、車種規定等はこちらのページよりご確認いただけます。


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