2023年富士ヒル、第19回の富士ヒルの参戦記は複数回に分かれるぐらいのボリュームになりそうです。

結果から言うと自己ベストは更新できましたが、ゴールドまでは35秒足りずでした。
しかしこれはちょっとだけの頑張りが足りなかったのか、という言われればそんなことはなかったと思います。
レース自体は恵まれていた展開ということではありませんでしたが、それでもできることは行い今の実力以上に良いタイムが出せたのも一人の力ではなかったからです。

そもそも試走の時点で本番よりも距離の短い料金所スタートで、ゴールドタイムを出せていないのにゴールドをとることはかなり厳しい、一縷の望みなんてそう簡単に降ってくるものではない、ということだというのは、もう何年にもわたり自分自身で身をもって思い知っていることです。
わかっているからこそ今年はゴールドをとる!というのはなかなか言い出せませんでしたし、取れる自信がなかったというのは正直なところです。
だからといって全力を尽くさない言い訳にしたくない、今の持っているものをすべて出してみたい、ということでレースに挑みました。

順番が行ったり来たりしてしまいますが、まずは記憶が新鮮なうちに富士ヒルの本題のレースレポを当日分からにして、記事を作成してみようと思います。

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第三ウェーブのスタートは6時40分です。
5時50分にホテルを出ました。
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実はいきなりですが完全に忘れ物をし、当日の朝に使うかもしれない下山以外の防寒着(ベストとかウインドブレーカーとか)をまるっと持ってきていませんでした。。。
朝一機材の最終チェックで駐車場に出ると、、、寒い。ちょっと焦りましたがホテルを出る頃にはお天道様もすっかり顔をだし、どんどん気温が上がっている状態でした。これならば問題ないと、ほっと一安心です。

車はホテルに止めさせてもらい、会場ヘアップがてら自走で向かうのは毎年恒例のことで、今回もゆるゆると走っていきましたが、体の状態はよく軽く感じました。
会場に到着は昨年よりも少し早かったです。
というのもできるだけ前の方に並びたかったから、ということだったのですが甘すぎました。到着時はすでにできるだけ前の方に、ということは一切考えられないぐらいの雰囲気で、スタート整列どころの話ではありませんでした。
兎にも角にもトイレを済ませできるだけ前の方、完全に後ろですが整列?をしました。
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先頭の方々はどのぐらいの時間から並んでいるのかと思しき位にギュウギュウのミッチミチです。
完全に選手整列スペースからははじき出され、人々が溢れかえっています。

そんな状況で6時40分になり、スタートしたわけですが想像通りパレードランでも予想通り大渋滞。胎内洞窟入口交差点よりも前ではクリートを外すぐらいの低速走行でしたので、冷えてしまうかと思われましたがおひさまパワーは偉大なり!冷え切ることもなく、アップ自体はいまいちでしたが、とろとろ走行のままスタートすることになりました。

それとワタクシにとっては毎年恒例の最初の難関があります。それはいつも舞い上がってしまいラップを切るのを忘れてしまう(試走ですら)、ということです。しかし今回は落ち着いて計測通過前にラップを切ることに成功しました。←これだけで大進歩です。(本番に弱すぎ(笑)もう何回目だって話です。)

スタート直後の料金所まではごみごみしていたということもありますが、そこまでゴリゴリいかずに、意図的にセーブしました。
記録によると料金所までは240W、、、って完全にパワーメーターのお休み中で0Wが2回もありましたので正確ではありません、体感的は4.5倍ぐらいだったと思います。昨年は6倍でしたのでこれもまた進歩です(笑)
料金所はたしか。1分40秒ぐらいだったかと思われます。
少し遅めですが、まだ焦ることはありませんでした。


この辺でお話に一度間を置き、今回の作戦のお話を挟んでみようと思います。
昨年はふらつきハスり、そしてペースがめちゃくちゃだったりと、良いところが殆どなかった気が。。。ですので今年はコミュニケーションをしっかりとる、ということをしっかりと考え、試走でもちゃんと練習をしました。
練習方法は本当は内緒にしたいところですが、今後の富士ヒルの安全向上のために公開させていただきます。

富士ヒル試走は例年大賑わいですが、本当にまったくと言っていいほど人が減る日があります。本番の数日前の平日です。ワタクシがこっそりいった最後の試走時は上り終え降りてきたときまで全工程でワタクシも含め5名でした。
人がいないときですので、ペースや勾配のことなど思いっきり独り言を喋りながら上りました。一見狂気じみたこの走りながらしっかりと声を出す、ということの練習を一人で行いました。
もしもバレたら動画とってます、とか言えばいいやと思っていました。
これが思いの他、大正解でした。
頭で考えていきなり当日、、、と言ってもできないのです。実際にやったことが本当に身になって、今回はよくコミュニケーションを取りながら走れたと思います。ですので今回はひやっとする場面がありませんでした。これってとても大切なことだと感じました。

富士ヒルは人数がものすごく多い割に静かなレースなのです。
初めて一緒に走る人とかなりの時間ご一緒したりするわりに、皆様意外とシャイなのかもしれません。
意思疎通がうまくいかずにペースが合わせられなかったり、ローテがうまく回らなったりする場合もありますし、それだけではなく場合によってはヒヤッとする状況にもなり得ます。ですので、できるだけ見ず知らずに人でも初めての方でも声を掛け合い、コミュニケーションをとる、これはタイム短縮のためだけではなく、安全性の向上のためにもとても大切なことだと感じました。

もう必死で走っていますので難しいことを発することができませんので、極めて単純です。
「(交代)お願いします」「交代します」「交代しますか?」「回しましょう」
「右抜きます」「左抜きます」
「間埋めれますか?」「間入ります」「前まで追いつきます」
「(勾配がゆるくなるので)速度上がります」
「(ペースを)あげますか?」「下げますか」「きついです」「離れます」「いけます」
ものすごく単純なこれがあるだけで全然違いました。

安全に、そしてタイムを出したいのであれば、一心不乱に走るだけではなく、声を出すしましょう。声を出すための練習をしましょう。絶対にマイナスにはなりませんし、富士ヒルは特に違うと感じました。
また声を出すことはコミュニケーションだけではなく、周りの状況を理解することにも繋がりますし、上げすぎ追い込み過ぎの防止にもなるように感じております。


本題のレースに戻ります。

料金所を超えて上りに入ってもいまだ、かなりごみごみしていたように思えます。
その中でも無理をせずに上っていきます。
おそらくですが、序盤は3ウェーブのごちゃごちゃスタートの中では中間ぐらいに位置していたと思います。3ウェーブの超早いトレインは先頭付近にいたと思われます。そのトレインに乗らなかった方々をパスする形でしたので、ペース自体は抑えめではありましたが、原則ほぼ右側に位置し数名でいい感じのペースあがっていっているような状態でした。
その最中某お方を見つけたので、一言だけ静かに声をかけさせていただきました。この一言、声掛けこそがレースで初の声出しとなってそれがきっかけで、しっかりと声を出せるようになりました。

その後か前かすぐに数人の小集団になったと思いますが、若干ペースが上がらずにだったような気がしますが、少人数であったとしても集団走行の恩恵ですので比較的パワーを抑えて走れていたためと思われます。一合目下駐車場で10分30秒、パワーにしてAve260Wですがその間パワーメーターのおやすみ5回。。。パワーは分析に使うにはアテにならないかもしれません。

それにしてもほんの数人の集団でも基本的には周りよりも早かったと思います。
ペースは落ちることなく右側から抜きつつ、ですが一人また一人と人数が減る一方、声をかけ回しつつおそらくそれまで単独走や別集団から落ちてきたりした方を回収しつつ比較的良いペースで走っていました。このときかこのちょっと前ぐらいにご一緒した方とはかなり長く回しつつ進むことになりました。
それでも依然として、大きな集団は捕まえることができませんでした。こればかりはボッチ参加の場合でよくあることですし、ある意味運的なことということは毎年痛感しております。

平均的に見て3~4人ぐらいで回していたと思います。それ以上のローテは最後の平地までできなかったような気がしています。
しっかりと抜く時は声をかけ、回す時はハンドサインだけではなく声を出し、声をかけ、速度やペースを確認をしながら先頭を回しつつ進みました。

その間も一人ちぎれ、もう一人と人数が減っていったりときには増えていたりもしたような気がします。
その中でもうまく回っていたのはやはり3~4名ぐらいだった思います。
後ろきついです。と言われたら10W位下げます。と言ったり、よくコミュニケーションが取れていたと思います。

以前として大きな集団はなく前方からドロップしてきた方を加えたり、減ったりをしながら進んでいきました。
それでもペースはかなりよく樹海台は29分50秒、かなりギリギリですがまだいけるかもしれないと感じていました。

しかしこのあたりから少しパワーが落ちてきたのを自分でも感じました。
樹海台で29分ということはのこり半分以上もあるじゃん!? と考えると心が少し弱りましたので、逆にいや最後の5分は平地だから上りはあと半分位、とか体を騙すための言い訳を考えていた気がします。当然ですが心よりも体のきつさをしっかりと感じていたからです。
このあたりかもう少し先で、平地で回している方に「平地だよ、踏んで!」と言われた気がします。
不甲斐なかったです。上りでは踏めるのですが、平地で明らかに踏めなくなっています。
しかしこの一言で少し持ち直しました。やはり声をかけてもらえることは力になる、ということを自分でも実感しました。

もうこうなったら周りもみんなきついです。
荒い呼吸に混じって「きつい」という声も聞こえてきます。
自分もきついですが、みんなきついのです。

この辺までくるとコース上の人数が極端に減りました。
落ちてくる2~3人の小集団まで追いつく、ペースが上がらず抜いて次の小集団を追いかける、これを2~4人ぐらいで繰り返す展開でした。
この動きこそインターバルのような状態で昨年むちゃくちゃ弱かったと感じたとところでした。今年は昨年の失敗を踏まえてペースだけではなくインターバルをしっかり踏んできたので、ブリッジをするのにものすごく役に立ったと感じました。一人で走る場合はペース走ですが、集団走行や富士ヒルのように人数が多い場合ともなれば、たとえ小集団だとしてもインターバルがかかります。とても大切な練習でだと感じました。

その後元々大きい集団ではありませんでしたが、2人にまで減りました。
それでもお互いに一人になるよりもメリットを感じていたのだと思います。追い風や勾配の変化、速度が上がる時は声をかけ、前の数人まで追いつく時は「前まで行きます!」と声を出してから動きました。

大沢の太鼓が聞こえてきました。
46分台でした。のこり20分長く感じましたが、逆にもう20分しか、というようにも感じました。
太鼓が聞こえ始めてから2名の方に合流しました。前の方はまだ余裕がありそうでしたが、後方の方は余裕はなさそうで、少しペースが変わると間が空いてしまっているような状態でギリギリのように見えました。こういった時は判断が難しいです。

太鼓が聞こえだしてから大沢までが長かったです。
実際に大沢は49分でした。
大沢手前からは更にガクッとパワーが落ちたのを感じました。ジェルを飲むか悩みましたがそんな余裕はなく、飲まずに進むことにしました。
大沢を抜けると若干の追い風、そして向かい風を繰り返すようになりました。
この時は4人か5人だったと思います。
2、3番手を走っていたのですが、前の方がきつそうでペースダウンを感じたので前に出ようと思ったのですが一度目はパワー不足で失敗、2度目は追い風を利用して先頭に出ました。
引きます!と言ってから前に出ました。前に出る時か代わる時かにペースがわかりません。と言われた気がしたのですが、難しい質問でしたので了解です!とだけ言ってできるだけペースを保つように先頭を引きました。向かい風の時はきついのはみんな一緒です。がまん!がまん!キープ、と自分にも声をかけるようにあげすぎないようにペースを保ちました。

その前か後か、いいペースの方が上がってきて、後ろ付きます!と声をかけたところ、いいよ~!とお返事を頂き、このひとは確実に早いと感じました。しばし後ろにつかせてもらいました。予想通り力強い引きでした。

ここから奥庭までが本当に長かったです。
奥庭が見えてきました。
奥庭の手間で前に8名ぐらいの集団を発見しました。
この後の平地区間に備えて、追いつくしかありません。
絶対に最後の平坦区間は集団のほうが有利です。逆に言えば最後に集団を捕まえられないとかなり厳しい展開になります。

しかしです。その時タイムを見ると奥庭通過は1時間数十秒、絶望的なペースです。

それでも踏みやめることはできませんでした。その時やめる、止まる、休む、そんな選択肢は頭に一切ありませんでした。
平地前の奥庭横の急勾配区間は得意な区間です。そこではもうかなりウル覚えですが前の集団に追いつくために先頭に入ったような気がします。平地に入る前には集団に追いつけたと思います。
そして集団は14名ぐらいになったと思います。このときスタートしてからようやく最後の最後で大きな集団に入れた気がしました。

しかしその後の平地です。ワタクシは富士ヒルの平地にめっぽう弱いのです。
平地の加速がきつくその数秒で前との差が1台分空いてしまいました。その一台分を埋めることができずにかなり限界を感じていたので、後続に交代をお願いしたのですが出れる方はいませんでした。

ここではなされたら絶対に終わりです。
我慢の時間がつづきましたが、その時は突然訪れました。奇跡的にスッと間が埋まりました。
これは今考えればわかりますが、やはりきついのはみんな一緒なのです。
平地に入って速度があがりますがやはりきついので加速時のパワーを出し続けることは難しいということです。ある程度の所まで来たらペースが落ち着いたのもの、前を引いている方も疲れているということです。

集団と追い風もあって、どんどん速度は上がり10名以上の集団は40km/h近くを保ちつつ、1つ2つとトンネルを通過します。
昨年のシケインのようになっていた工事区間が今年は小上りみたいになっていました。
カーブは浅いのでほぼ減速なしで超えられます。
ここを超えたら踏みまくるしかありません。
集団の皆が身構えているように感じました。

工事をすぎ最後のトンネル前、勾配がぐっと上がるところに差し掛かります。
その時、瞬間的に速度が落ち集団がダボつきました。
これはよくあることで気持ちもよく分かるので、絶対ということではありませんし、後続も皆予想をしなければいけない状況だとは思いますが、こういった瞬間はものすごく危ない瞬間です。

「ラインキープ!」と声をかけました。数名は答えてくれたような気がしました。
しかしここで失敗に気が付きます。
前走者2台が明らかにペースダウン。
ワタクシは左側で3台目、右側は集団、踏めずにまごつく展開になりました。
その間、あとからログを見ると10秒ぐらいでした。少しだけ前走者が右によりラインが空きました。すかさず左いきます!と声をかけ、アウターのまま踏み集団から抜け出しました。

今踏まなくていつ踏むんだ、と心のなかで思いました。最後の上りはこれしか考えていませんでした。
最後だと思い思いっきり踏みました。今までよりも確実に長い時間踏めました。
そのまま最後まで垂れることなく、踏み抜きました。

ゴールをしてラップを切ると65分と40秒でした。

確実に届かったことを理解するのに時間はかかりませんでした。
出し切りました。

ゴール後、下山荷物の回収に向かうときに、かなりの時間一緒に上がってきた方でを先にゴールをしていたようで見つけました。
ワタクシはもうなんにも残っていなくて惰性で進みながら声をかけました。
ありがとうございました。と伝えたかったからです。
20秒足りなかったと仰っていました。
私も40秒足りなかったです。と
悔しかったです。
軽く握手を交わし、去り際に来年は取りましょう!と言われました。
絶対、と思いました。

まだやり残した事があっての結果ではありません。
もう出し切っても今の実力でした。
自転車を押して歩くのすらつらくなっているぐらい出し切りました。

悔しいと思いました。
思いっきり悔しかったです。
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~レースを終えて~
正直なところゴールの後、下山準備をしているときもめちゃくちゃ悔しかったです。
しかしです。今回のレース参戦で思い出させてもらったことがあります。
それは富士ヒルって楽しい、とても楽しいレースだ、最高だ!ということです。
ワタクシは勝手にそう思っていますが富士ヒルの何がいいって、通常のレースと違い周りと表彰台を巡って競う方がそこまで多くはないからなのではないかと思います。主に一般の部ですが。

どちらかというと敵は過去の自分であったり、個々の目標を達成するために、その日だけは見ず知らずの人が下手したら全国規模で集まり、突然仲間になったり協力をしあい、皆が5合目というたった一つのゴールを目指す、これこそが富士ヒルでロマン!だと考えております。実はレースでご一緒した方からもStravaでご連絡を頂いたり、、、素敵なことです。ありがとうございます。

最近は調子が良くなかったり、タイム、パワーばかりを気にしてしまったり、それも楽しいことですし、成長をすることはとても素晴らしいことですが、それだけではなく みんなでがむしゃらになって一生懸命に走る、声を掛け合い協力して、一分一秒早くゴールを目指した。そしてその結果、今の自分の実力以上のタイムを出すことができた、これこそが富士ヒルの魅力であり、取り憑かれる要因なのだと思います。

同パックでローテを回して走ってくださった方々、関係者の皆様へ心より感謝を致します。皆様本当にありがとうございました。

そんなことを思い出させてくれた、2023年の富士ヒルでした。
終わってみれば自己ベストは更新できた(というかさせていただいたと言ったほうが正しいかもです)ものの今回も35秒足りずにゴールド獲得とはなりませんでした。それでも何度でも挑戦したい、いくつになってもチャレンジしたい、おこがましいかもしれませんがレースを終えてもそう思えたレースを展開ができたことこそ、自分にとって少しだけかもしれませんが成長の証だったと少しの間だけひたらせていただこうと思いました。
もっともっと成長したいです。
次回以降練習や不調、レース時のCTLは70!? 等のお話を作成予定でございます。
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