完成車の重量のお話です。

例えばですが、最近では
”FACTORのO2 VAMの新型はDURA-ACE組で6.4kg”
”Bianchiのスペシャリッシマの新型は完成車重量6.6kg”
ということです。

こちらです。




ディスクブレーキ車はリムに比べて若干の重量増の傾向にありますので、6.4~6.6kgはかなり軽い分類に入ります。ということでこの完成車重量を紐解いてみてみようと思います。完成車重量の話です。

▶コンポーネント重量
まずは外すことができないコンポーネントの重量の一覧です。
シリーズ DURA-ACE ULTEGRA 105
モデル R9200 R8100 R7100
コントロールレバー 350g 391g 423g
フロントディレイラー 96g 110g 142g
リアディレイラー 215g 262g 302g
クランクセット 693g 711g 754g
ボトムブラケット 54g 69g 69g
チェーン 242g 252g 252g
カセットスプロケット 223g 291g 361g
ブレーキキャリパー 230g 282g 282g
ブレーキローター 211g 211g 254g
バッテリー 52g 52g 52g
Eケーブル 2本 20g 20g 20g
ブレーキホース・オイル 80g 80g 80g
合計 2466g 2731g 2991g
※数値はセールスマニュアル等から抜粋
※クランクは52-36T、105のみ50-34T
※BBはPF86
※カセットは11-30T、105は11-34T
※ブレーキローターは160+140mm

このように見ているとDURA-ACEとULTEGRAの重量差は265g、ULTEGRAと105の差は160gです。
とは言っても基本的な機能の制限がないDURA-ACEとULTEGRAの差と、機能的な制限や歯数制限がある105の差は重量だけではないと思われます。
(ってことは単純に重量差を見れば105で組んでも6kg台!!(笑))

ともあれコンポはざっくりですが。DURA-ACEで2500gぐらいと言うことです。

ということはです。
ロードバイクでSHIMANOの最上位のDURA-ACE組であるからには約2.5kgはコンポでかかってしまう重量ということになります。(フロントシングルでもない限りは、です。)

DURA-ACEと比較してULTEGRA+265kg105+525gです。

コレを踏まえてつい先日発表になったFACTORのO2 VAMを例に見てみようと思います。


▶O2 VAMの6.4kgに迫る!
O2VAMの公式ページには以下のように記載があります。
この数字は、プロがペダル、ケージ、トランスポンダー、レースナンバーを追加しても最小重量の 6.8kg に非常に近いバイクで並ぶことができることを意味し・・・
https://factorbikes.com/products/o2-vam-road-bike/より

6.4kgにその他の装備品を付け、6.8kg UCIルールギリギリに持っていくということです。

①コンポーネント
前述のようにDURA-ACE一式で2466gです。
これは原則フロントシングルにでもしない限り、外すことができない重量です。

更にO2はT47のセラミックスピード製のBBを使用ということですので、シマノの純正の54gよりも重く、109gで+55gです。

②ホイール・タイヤ
VAMの6.4kgの完成車のホイールがめちゃくちゃ軽いのです。
ブラックインクの28/33カーボンスポークで脅威の1146g
コレにチューブレスタイヤがEAGLE F1Rがアッセンブルしてあります。
おそらく重量的な面でも25cを採用していると思われますので、片側280g✕2(前後)です。
シーラントを30ml使用したとして620g、バルブで15gとして、リムテープは必要っぽいとの情報もあり30g仮にとします。

するとディスクローター、カセットスプロケットを抜いた足回り1811g、タイヤが若干重い感はありますが、それでも十分軽いでしょう。

ホイール以外のタイヤ、シーラント、リムテープ、バルブはある意味どのバイクでも必要な重量です。クリンチャーであってもチューブラーでも多少に違いはあれども必要なものですので、これらの重量はVAMだから、ということではありません。
他車との差になるのはやはりホイール単体の重量かと思います。

③サドル
画像から推測するに、サドルはセライタリアのSLR BOOSTのカーボンレール使用だと思われます。
すると130g前後です。
130gはパッド付きのサドルとしては最軽量の分類に入ります。しかしこれも他のバイクでも同じく必要な重量です。

ここまでの合計(DURA-ACE一式、ホイール・タイヤ、サドル)で、4462gです。

④フレーム
54サイズでシートマストを含め730gということです。ペイントが込みか否かは不明ですが、かなり軽いです。
シートマストとはフレームから伸びたシートチューブの延長のような部分で、シートマストトッパーを被せられる部分です。
TREKなどでも同じ構造があり、カーボン製のシートマストキャップで130gとのことです。
同形状ですので同じぐらいの重量としてみて、フレーム+シートマストトッパーで860gです。

通常他車のハイエンドでもフレームが単体で900gぐらい、シートポストが200gぐらいのものが多いので、他車よりも240gぐらいは軽い計算になります。これがすごいところです。

ここまでで、5267gです。


⑤その他のパーツ類
後は残りと考えてみます。

・一体型ハンドル(398g)
ブラックインクの既存の一体型ハンドルはエクステンションを付けられないタイプで398gということです。(42 cm x 110 mm)コレに関してはそこまで他車との差は大きくはないように思えます。ひょっとしたらもっと軽い専用品がアッセンブルされているかもしれません。

・ヘッドセット(100g)
従来の上下異径のヘッドセットで約80gでした。これにアンカーナット、トップキャップ、トップキャップボルトを加えておおまけしても合計で100gは超えると思われます。
O2は上部1-1/8インチ、下部1-3/8インチということで、同様として計算してみます。
ヘッドベアリングも軽いものも無いわけではありませんが、最近の傾向ではあまり使われていませn。ですので他車とそこまで大きな差はないと思われます。ヘッドセットは特にスペーサー類は軽いよりもしっかりとした作りのほうが良いのではないかと感じております。。。

・スルーアクスル(60g)
レバー付きで100g以上のものありますが、レバーなしでは少々軽く、以上なぐらいの軽さではないとして間を取って60gとします。
純正品としての品質の問題もありますので、他車と大きな差はなと思われます。

・バーテープ(56g)
リザードスキンズ 2.5mmモデルで56gということです。
グリップが良くても使い勝手もよいシリコン製のバーテープは重いですが、わざわざ重いバーテープを選ぶことはないと思われます。
他車でも必要な重量です。

・フレーム小物類(40g程度)
ブレーキボルト、ボトルケージボルト、ディレイラーハンガー、ディレイラー台座等これら必要不可欠なパーツ類で重量差は大きくは無いと思われます。


⑥フォーク重量
肝心要のフロントフォークです。
これだけフレーム重量を押し出しているのにも関わらず、フォークの重量が出てきません。
ですので逆算して考えます。

同メーカーのエアロ系のバイク、オストロのフォークがカット前で478gというお話もありますので、軽量系のフロントフォークとして400g前後ぐらいではないかと思われます。
ということで6.4kgマシンの完成となります。

▶一覧と軽量化の秘訣!?
一覧です。
DURA-ACE一式 2466g
セラミックスピードBB増量分 55g
ホイール 1146g
タイヤ(シーラント、テープ、バルブ) 665g
サドル 130g
フレーム+シートマストストッパー 860g
フロントフォーク 400g
一体型ハンドル 398g
ヘッドセット 100g
スルーアクスル 60g
バーテープ 56g
フレーム小物類 40g
合計 6376g

しかしです。当然このままでは走ることができません。欠かすことができないパーツがペダルです。SHIMANOのペダルで228gです。
これ以外ではサイコンマウントやボトルケージも含まれておりません。
これらのパーツを付けて大体ですが6.8kgになるようなイメージと思われます。

▶まとめ
何が軽いって軽くすることのできないパーツ、コンポーネント等例えばDURA-ACE一式等はどこのメーカーのフレームにもアッセンブルされてくるものですのである意味普遍的な2.5kgというものがあります。DURA-ACE組で構造的に省くことができる可能性があるとすれば、フロントシングル化ぐらいなものです。ですのでコンポを除いた残りの4kg弱をどのように振り分けるのか、コレによって超軽量バイクが出来上がるということなのではないかと思われます。

そしてハンガーやフレーム小物類やヘッドセット等もそこまで大きな差を付けづらいところです。というのもこの小物類は軽量化することを良しとしない部分もあるかと思います。ディレイラーハンガーもそこまで重量に差がつくところではないかと思います。

またタイヤは100g近く変わることがありますが、極端な軽量化にふることでのデメリットが色濃く出る部分でもありますので、注意が必要です。

これらのことを総合的に考えると6.4kg組に大きく貢献するところは、やはりフレームとホイールに重量が大きく影響すると思われます。あとは重量不明な一体型ハンドル、そしてフォークです。
これらは自社製品に統一することで軽量化、そして剛性バランス、空力等を整えることができるので理にかなっている言えば理にかなっているのかもしれません。※汎用性の低さは別のお話です。
後は細かいところの積み重ね、ということかとも思われます。

O2 VAMは54サイズでフレーム重量730gでコレを達成するためには、ということでカーボンの厚さは一番厚いところで2.2mm、最も薄いところで0.5mmということです。しかしこの極限とも思しき軽量化による弊害はないのかはまだまだ不明なところです。
というのもキャニオンのアルチは重量を増やしても、堅牢性の確保のために強度を高めてきたというお話もあります。一般的なユーザーの使用感とレースマシンとしての存在意義に差が生まれてきているのかもしれません。

ともあれ、コレはあくまでもメーカー公称値で実測は?というと以下のようなことがあります。
The lightest complete bikes weigh a claimed 6.2kg.We weighed Clarke's complete 52cm bike at 6.925g complete with pedals.(最軽量の完成車の重量は6.2kgと主張されています。Clarke の 52cm 自転車完成品の重量をペダルを含めて計ったところ、6.925g でした)

当然最初の方にもありますが、ペダルやボルトケージ、マウント等もプラスでついてきます。

ちなみに軽さではディスクブレーキモデルのTCR ADVANCED SL DISCもめちゃくちゃ軽く、フレーム単体が765g(Mサイズ/ペイント込み)、フォークが330g(コラム未カット)、ヘッドセットやスペーサー、ISPクランプなどを含めたフレームセット重量は1,266gということです。
これもまためちゃくちゃ軽いですが、やはり軽すぎるものは少々取り扱いが怖い気も。。。

比較のためにも各メーカー全ての重量表記を統一してくれると、、、というのはユーザー的な視点からのお話です(笑)

ともあれもちろんバイクは軽さだけではありません。ぜひとも乗ってみたいものです。
ということで今回は完成車重量の話ですが、他車と差別化できない部分はありますので、差別化できる部分での差を如何に生むかの勝負かと思われます。そんなお話でした。

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