ワタクシ自身お店をやらせていただいておりますが、もちろんお仕事だけではなくロードバイク乗りの中の一人であり、一ユーザーでもあります。
実際に使用するバイクは自分の中で納得の行く1台に乗りたいということもありますし、性能も妥協したくはありません。
BMCのSLR01は使い始めてから2年が経ちもうそろそろ別のフレームを、というのは実は1年ぐらい前から考えていたことなのですが訳あって少々伸びていたのですが、今回ついに!ということで今回はメカニック店長のフレーム選び、そんなお話です。

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▶フレーム選びに長くかかった3つの理由
これはものすごく単純な理由です。
①世界的な情勢
まず1つは昨年はやはりまだ流行り病の影響もあり、フレームの供給量が十分なほどなかった、ということです。

②SLR01というフレームの存在

そしてもう一つは今まで乗っていたBMC SLR01に不満がまったくなかったからです。
おそらくです。BMCのリムの最終モデルということもあり、BMCのリムブレーキモデルの中で重量、剛性、バランス等最高の性能を誇るバイクです。これ以上のフレームはないという最終モデルです。
ワタクシ自信でもものすごく好きだ!ということです。かっこいいのデス。。。
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SLR01のリムモデルは2019年?2018年ぐらいの最終モデルですがフレームの細部を見てみれば、今ではほとんどのフラッグシップモデルのバイク採用している構造、ドロップドシートステー構造を採用しております。シートポストもD型専用設計でクランプ方式も最近のバイクと同じ様な構造です。
28cタイヤも余裕で入るクリアランス、純正でダイレクトマウントディレイラーハンガーが付き、もちろんフロントディレイラー台座は別体式、前後ダイレクトマウントブレーキはリムブレーキの最終兵器とも思しき高い性能を持つブレーキです。
前後のエンドは分厚い構造で剛性、耐久性もかなり高いです。
どう考えても素晴らしいフレームなのです。

③リムブレーキからディスクブレーキ
リムブレーキモデルから基本構造の違うディスクブレーキモデルへの載せ替えは基本的にリムブレーキ用フレームからリムブレーキ用フレームへの従来の載せ替えと違い少々複雑です。今までの機材は使えなくなるものも少なくありません。機材だけではありません。場合によっては整備スタンドも使えなくなるものもあります。
つまりディスクロードへの乗り換えは単純にコストが掛かるということもあります。

そしてはっきりと書いてしまいますが、長年リムブレーキに慣れ親しんできたせいもあるとは思うのですが、ディスクブレーキのバイクで乗った感じがしっくりとくる物が今まであまりなかったのです。

あとは単純な数字です。
基本的にディスクブレーキはリムブレーキに比べて重い傾向にあります。重量的な問題でも電卓を叩いて考えてしまった、ということもあります。


よく仲間内でもよく話すのですがリムのハイエンドモデルに乗っているということは、例えば100万円出して新しくバイクを買っても今よりも速くない可能性がある、ということです。
それは重量的な問題でもありますし、利便性も整備性も落ちる場合もあります。

それでも少々古い表現かも知れませんが、ビビッとくるモデルがあれば変わったのかも知れませんが、そのモデルに出会えていなかった、ということもあったのかも知れません。


▶フレームを選ぶ上で大切なこと
ワタクシが実際のフレーム選びで大切だと思っていることです。

①高価すぎないこと
現在の価格高騰は青天井です。
ロードバイクの値段ばかりを見ているとついつい麻痺しがちな金銭感覚ですが、例えばです。リッター30km走る400ccのオートバイが90万でお釣りがきます。4人で乗れる軽自動車が150万位です。最近のロードバイクの値段、特にハイエンドモデルのお値段はちょっと異常なぐらいのインフレ具合いです。どんなに高価なバイク、例えば200万円出しても転んでも壊れないわけではありません。下手したら立ちごけレベルでも廃車になるレベルの傷を負ってしまうこともあるかも知れません。
自分にとってのロードバイクとはもう生活の一部でもありますので、もしも明日転んで壊してしまっても次をすぐに用意できるぐらいの価格帯が良いと考えております。
とは言っても肝心の性能も蔑ろにはできません。世界最高峰の性能ではなくとも楽しく走れること、今よりも少しでも速く、そして自分にとって最高だと思われる性能がほしいとわがままに考えております。

②何かあったときの対応
ワタクシ自身メカニックですので具合いが悪いところは直すことができる場合がほとんどです。
しかし中には直せない様なフレーム的な問題も無いわけではありません。

また工業製品ですので不具合もないわけではありません。
特にカーボン製品等 完全なオートメーションで作られるわけではありません。カーボン製品って思いの外不具合がある場合も少なくはないというもの、実際に見て触ってきた経験のお話です。

なにかがあったときでも対応がしっかりとしているメーカー、代理店であることです。
これは販売店としてもとても大切なお話で、メーカーとして代理店としてよい対応をしてもらえる、ということは当店のお客様のためにもとても大切なことです。

③ジオメトリ
ジオメトリは難しいです。
各メーカー・モデルによっても少なからずほぼ確実に違いがあるのがジオメトリです。
そしてただジオメトリが、ということではなく自分の体に合わせたサイズ選びベースとなります。
過去に使ってきたフレームと比べてどうなのか、ということを比べつつサイズを選択します。

とは言っても多少は各種パーツで調整したり、体側で調整もできます。
ワタクシの場合、少々鈍感なところもありますので、あまりにも突拍子もない変わった数値でなければなんとかなる場合が多いです。


▶フレーム選びの決め手は・・・
魅力的なメーカー、魅力的なブランドってどのように決まるのか、ということです。
こういったことはかなり個人差があるところだとは思いますがワタクシの場合は、ということを前提にしたお話ですがメーカーにこだわりがあるわけではありません。強いて言うならば自分自身の勉強のためにも色々なメーカーの色々なフレームに乗りたいと考えているぐらいです。

実際に乗る際にはもちろん基本的な性能は超重要です。しかしそのフレームの、そのロードバイクとして1台のバイクとしての良さは、そう簡単にわかるものではありません。
ましてやジオメトリやカーボンの使い方、ディスクとリムなどバイクとしての変化が大きければ大きいほどにわかりません。
もちろん情報が溢れている昨今ですが、ネットに出ているような公式の情報だけでは全く足りません。最近よく見るどこどこの剛性が@%上がり、40km走ったら@秒速く、、、なんて言われてもすごいのか、と実際にはあまりピンとはきませんし、実際の性能ははっきり言ってよくわかりません。なんとなくすっごい良くなった気がしないわけではありませんが、漠然としてしまいます。どこのメーカーもプロモーションのために最高にかっこいい動画や謳い文句を作ります。

それを見た上で、それで何がいいの?ってその先がが本当に知りたいところなのです。

現在はネットで様々な情報をたくさん仕入れられるような便利な時代です。
まずはメーカーが出すプロモーション、そして各種メディア、代理店も直接情報を発信できますし、うまく情報を発信している場合もあります。販売店、そして実際に購入し使用しているユーザーからの情報もあります。

ワタクシはこの中の規模は小さいですが販売店という位置の人間ですので基本的にはメーカー、そして代理店から情報を頂く形になります。
これがとても大切なところで、その情報や魅力を伝えるのは、、、人です。

ワタクシ自信は人とのつながりをとても大切にしたいと考えております。
最近はとても便利になり、ネットを叩けば前述のような細かい数字まで出てきます。
しかしです。
古い人間の考え方かもしれませんが、本当に大切なものを買う時は人から買いたいと考えております。ですのでフレームだけにこだわらず、大事なものを選定するときに必ず人からお話を聞きたいということです。ですので理想は自ら乗って、体感して、それで感じた生きた情報、何にも変えがたい情報を聞きたいのです。更にそれが年間何万キロも乗る方であったり、速く走れる方であったり深く突っ込んでている方であったりしたら更に良いお話です。そんな生きた情報をいただけるメーカーの機材はぜひ使用したいと思うものです。
逆に言い方は悪いかもしれませんが、メーカー発の数字をならべるだけだったり狭いコースをちょちょっと乗っただけの情報では興味を引かれるかというと、、、いまいちな場合が多いかも知れません。

高い買い物の割にしっかりとした情報が乏しかったり、実際に巡り合う機会が少なかったり、ということは今も昔も変わらない難しい課題なのではないかと思います。

なんてこんな少々めんどくさいことを深く考えているように書いたわけですが、実際にはものすごく単純です。メーカーの方(営業さんデス)が自信を持って、すごいいいですよ!と言える気持ち、この一言が超重要で、最後の決め手はそのバイクを大好きなこと。これに付きます。これバイクを売る人間にとっては難しいことだとも思います。
良いバイクだと思うからおすすめし、自信を持って販売する。これはメーカーだけではなく、代理店もお店もみんな同じことでこれに尽きると思います。

ものすごく単純なお話で、自信を持っておすすめされるもの、そんなに自身があるのだったら!とぜひ使ってみたくなりますし、乗りたくなってしまうというとても単純なお話です。

ワタクシが今回選んだフレームも自信を持っておすすめしていただいたフレームです。

▶まとめ
そんなこんなでSLR01で2年以上を苦楽をともにしてきたわけですが、この度新フレームへと乗り換えることになりました。もちろん最大の決め手はやはり人ですので、営業さんにしっかりと自信をおすすめしていただいたフレームです。
次はエアロ系のディスクロードです。はっきり言ってSLR以上のフレームであることは、少々難しいかも知れないということは想像しております。
また慣れすぎてしまったリムの感覚からディスクへの移行、なれるまでしばらく時間がかかるかも知れません。
それでも乗り換えるということは勉強ですし、自分にとっても新たな挑戦でもあります。
ということで今回は期待反面、不安も入り交じる複雑な思いを抱えつつの、メカニック店長のフレーム選び、そんなお話でした。

希望に胸を膨らませての次回は新フレームを組む、そんなお話予定です。


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