前回のお話はこちらからどうぞ↓↓↓


前回ご紹介をさせていただきました、SHIMANO唯一の機械式ディスクブレーキのBR-RS305です。
今回T1550にはこちらのブレーキを使用して組み、運用をしております。
ということで実際に組んでみて、使用してみてのもう少し掘り下げたて、よく使われるグロータックのイコールとの比較なども含めての、最後の砦 BR-RS305 機械式ディスクブレーキを組んで使ってみた話です。
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▶現在のフレーム設計とBR-RS305
昨今のフレームのホースの通り道の設計は、従来のシフトケーブルやブレーキケーブルほど深く考えて設計がされているかというと、疑問に思うところも多々あります。というのもそこまで理由は複雑ではなく、油圧ディスクブレーキで使用することを想定されているからだと思われます。

油圧ブレーキのホース中内部は液体の油で満たされています。ホース内で油が動けば良いようなものですので、多少ホースの曲がりがきつくなってしまっても、ホース自体が破損しなければ理論上はレバーの引きやブレーキの動きに影響を与えることはありません。

比べて機械式のディスクブレーキキャリパーを動かすのは従来どおりインナーケーブルです。アウターケーブルの中をインナーケーブルが言ったり来たりするわけですので、摺動抵抗というものが生まれます。ですので油圧ブレーキのシステムとは違い、組み方、ケーブルの曲がりがきつくなったりすることで引きが重くなったり動きが悪くなったりします。
これが油圧式と機械式の構造的な違いです。


では現在主流のフレーム側の設計はどうなっているのかというと、フレーム内を通ってきたホースは、前はフォーク下方の内側に出口がある場合が多く、後ろはチェーンステー内側に出口がある場合が多いです。
フロントです。
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左側のフォーク内側に開口部があります。
別角度からみるとこんな感じです。
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リアです。
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左側チェーンステーの内側です。
別角度からです。
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画像のとおり、BR-RS305のブレーキキャリパー本体のケーブルの取り付け位置はブレーキキャリパーの外側に位置します。
ブレーキキャリパー本体のケーブル取り付け位置とフレームのホース用開口部の位置関係によっては、ケーブルルーティングがかなり厳しく、組み付け方によっては引きが悪くなってしまうことが考えられます。
設計上のケーブルルーティングを変更することは難しいので、使用するケーブルを摺動抵抗の低いもの、例えば日泉ケーブルをしようすることで動きを良くする等の工夫は必要かと思われます。
今回は日泉で組みましたがリムとほぼ変わらないぐらいの十分すぎる軽さで引けております。

下の画像はグロータックのイコールです。
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その点イコールはキャリパーのケーブルの取り付け位置が内側に来る構造で、BR‐RS305に比べて無理のない流れで組めます。

▶BR-RS305の弱点
✓ケーブルの調整機構がついていない
内側のパッド位置の調整は本体の”パッド調整ねじ”を使用することで調整ができますが、外側の調整はケーブル調整ボルトもしくはケーブルアジャスターを使用することになっています。
ですのでロード用STIのデュアルコントロールレバーを使用する場合は原則ケーブルアジャスターを使用し調整をすることになっております。
とは言っても昨今のフレームのフル内装仕様ではケーブルアジャスターを入れることが物理的難しい場合があります。
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※BR-RS305にはケーブルアジャスターが付属してきます。

ちなみにグロータックのイコールは本体にケーブルアジャスター構造があります。

またBR-RS305の車体側のパッド調整ネジは1回し(1クリック)がかなり移動幅が大きいという問題もあります。そのため微調整がし辛いのです。

▶使用感
これは前回のお話でも少しだけ書かせていただきましたが、こちらにてもう少し詳細を記載させていただきます。

今回は実際に組んで使用しているのはブレーキキャリパー(パッド)新品+ローター中古という組み合わせです。この影響もあるかと思いますが、最初は本当に効かなかったです。
あたりを出すためにしっかりとブレーキを使用することを続けていくうちに徐々に効きは良くなってきます。いわゆるあたりを出すためには強いブレーキングをするよりも、長い坂で弱いブレーキを引きずる方法が良いというのはSHIMANO公式の見解です。
ですが、平地民の千葉市民としては平地で使い続けるしか無いのがあたりが出るまでに時間がかかってしまったということがあるかと思います。

あたりが付いてきてからは非常によく効き始めます。
油圧に比べればガツンとは効きませんし、ある程度の握力は必要ですが効きは非常にマイルドでコントロールをし易いです。イメージ的にはブラックプリンス的な初期制動はそこまで強くなく、握り込んでいくとしっかり更に効いてくる感じです。ですので一定のストッピングパワー以上になるとリムよりもコントロールがしやすいです。

またブレーキング時の挙動が非常に安定します。例えば下り等で路面が荒いときのブレーキング時での安定感が高く感じます。これはブレーキ性能影響だけではなく、フレームやホイールの影響もあるかと思います。

このように書くとやっぱりブレーキはディスクじゃ、という雰囲気がでていますが、では機械式ディスクブレーキとリムブレーキどちらが効くのか、と言うことはワタクシ自身も知りたかったところで、ガッチリと使ってみないと分からなかったところです。
※まず大前提としてタイヤを完全に滑らしたり、ロックさせるほど強力なブレーキングは使っていないということはご了承ください。

あくまでも個人的な感想ですが、機械式ディスクブレーキとリムブレーキではドライの条件下ではほとんど変わらない、ということです。
しかしです。これにも条件があります。
リムブレーキの場合は・・・
①ホイールが振れていないこと
②リムの状態が良いこと
③リムブレーキ用のシューの状態が良いこと(溶けてピカピカになっていたら効かなくなるため)、
④ブレーキのセンター等調整がしっかりとできていること

そしてたとえドライであっても路面上の汚れが激しいところ等ではディスクブレーキのほうが優位かと思いました。ディスクは構造的に見ても外的な影響を受けづらく、効きが大きく変わることがありません。かなり汚れるような路面に落とし物がたくさんあるような道を走ったとしても、です、

つまり普通のサイクリング~少し頑張って走るぐらいの速度域であれば、リムブレーキでも機械式ディスクブレーキでもそこまで大きな差はないということです。
※あくまでも機械式の話で油圧は別です。
というのもサーキットを走るオートバイなんかと違い、ブレーキで詰めるというような走り方はしておりませんのでそこまで大きな差を感じなかったのかも知れません。


▶機械式ディスクブレーキの運用
実際に運用してみてということなのですが、ワタクシの場合は輪行はしないということもありますがリムとそこまで変わらない運用ができております。
主にリムブレーキの運用と変わったところです。

①洗車時
リムブレーキの際は洗車の際でもそのままじゃぶじゃぶ洗っていました。
ディスクの場合はブレーキパッドへのディグリーザー成分(油分)の付着の可能性がありますので、ブレーキパッドを外して洗車をしています。
ひと手間と言えばひと手間です。
しかしリムブレーキのシューの場合は、雨天・ウエット走行後は表面の削る面だし等をしていたのでその手間はなくなっています。
汚れ方についてはリムのブレーキシューよりもディスクブレーキのダストのほうが汚れが激しい気がしないこともありません。

②注油について
これは慣れの問題かも知れませんが、ドライブトレインからのオイル飛びであったり、ドライブトレインへの注油の際も少しだけ気をつけてあげた方が良いと思われます。これは油圧でも同じことです。

③油圧と機械式
機械式の場合は油圧と違ってホイールを外してブレーキを握っても問題ないので、パッドスペーサーも不要ですし、車体をひっくり返したりエア噛みを気を使う必要がないのは楽なところです。
機械式はケーブルの交換、油圧式はオイルのメンテナンス等が必要になります。
メンテナンスと言う意味では油圧のほうが手間がかかるところがあると思います。ケーブルの場合は取り付ければOKですが、オイルの場合はエアの確認やピストンの動きの確認等の作業が入ります。
また油圧は内部構造が見えないため、予期せぬトラブルの可能性がないわけではありません。

④調整
機械式ディスクブレーキの調整はリムブレーキとほぼ変わりません。とにかくまっすぐつけてセンターを出すのがポイントで、あとは良くも悪くもシンプルです。
機械式の調整は油圧よりも手間がかからないイメージで、トラブル対応もし易いかと思われます。

油圧ディスクブレーキはその性能は素晴らしいですが、まだ現状では運用や整備面でもデメリットや課題もあると思います。


▶まとめ
実際に機械式ブレーキを運用してみて、というお話ではありますが全然悪くないと感じております。
むしろハンドル交換やポジション調整の予定がある場合等、油圧よりも整備性に優れますので便利です。
基本的な性能も悪いわけもなく、普通に使えておりますので今のところ不自由を感じません。
これってやはりイコール最強??と言うお話はさておき・・・(笑)

もうしばししたらイコールも油圧も使ってみようと思います。
ということで今回は最後の砦 BR-RS305 機械式ディスクブレーキを組んで使ってみた話でした。

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