チューブレス歴はピュアチューブレスから使用を始め、早5年を超えました。
そんなワタクシがひょんなことから、ものすごく久しぶりにクリンチャーを使い、ブチルチューブ、そしてTPUチューブを経て現在はリアのみチューブレスに戻っております。
上の記事から約一ヶ月TPUチューブをしっかりと使い、その軽量ブチルチューブも使い、慣れ親しんだチューブレスに戻り、、、という中で見えてきたことがあります。
ということで今回は前回と重なる部分もあるかもしれませんが、【続】TPUチューブとブチルチューブとチューブレスそんなお話です。
※ブチルは基本となり、お使いの方も多いかと思いますので、TPUとチューブレス(マクハル施工)を中心にしたお話にしてみようと思います。
またいつものごとく主観的な体感のお話も多く含まれますこと、ご了承下さい。

▶タイヤの働き
✓フロント
まずは本題の前にタイヤの働きのお話にはなりますが、フロントは平地を走っている限りでは取り敢えずよく転がればよいと考えております。ですのでとにかく転がり抵抗が少ないこと、空力抵抗が少ないことはとても大切なことです。
また乗り心地等は通常の舗装路を走る限りでは、フロントへの依存性は通常のロードバイクに乗っている限りはそこまで重要では無いような気もしております。原則そこまで厳しくフロントに荷重をかけるような乗り方は危険を伴いますし、通常の乗り方とはかけ離れているような気がします。(ただし前乗り傾向が強くTTバイクのようにロードに乗る場合を除いては、ということにはなります。)
お話はそれ気味ですが、要はフロントタイヤはまっすぐ平地を走ってる限りではよく転がってくれればそれでよいのです。
しかしです。
そう単純なお話だけではありません。
①ブレーキング
ブレーキング時は構造的にフロントへの依存が強くなります。ということはブレーキング時にグリップが弱ければフロントタイヤのグリップが失われやすく、フロントがロックした時点で車体を制御することができなくなることがほとんどですし、バランスが悪ければフロントから滑り落ちるようにスリップダウンをしてしまうこともあると思います。
ですので制動力が強ければ強いほど、ブレーキング時はフロントに荷重がかかることになり、それに耐えうるフロントのグリップ力や剛性が必要になります。
IRCの新型のFormula Proの現行シリーズは油圧ディスクブレーキの強力なストッピングパワーに耐えうるような想定で開発されていると言うお話を聞いたことがあります。
②コーナーリング
2輪はコーナーリング時、車体は傾きながらフロントに舵角がつきます。
グリップ力は想像しやすいかと思いますが、グリップ力だけ良くても車体が跳ねまくっては安全には曲がれません。
コーナーリング時はタイヤのグリップ力と、しなやかな路面の追従性が求められます。
③ダンシング
通常シッティングではそこまでフロントへの強い依存性はありませんが、ダンシングともなると重量配分が代わりますので、フロントへの依存性が強くなります。(もちろんどういうダンシングを使用するかにもよります。)
ダンシングの際は(やり方によっては)フロントへの荷重が瞬間的に増えるポイントが有り、この際にフロントタイヤが弱いと前に転がらずに地面に刺さります(タイヤが潰れて前に出づらくなる感覚です)。これにより前に進んで行きづらく感じます。
グリップと言うよりも剛性と転がり抵抗だと思われます。
とこのようなことを考えるとブレーキング時にはしっかりとしたグリップ力とブレーキングに負けない剛性感が必要になってくる一方、コーナーリングではグリップ力としなやかに動く必要があり、ダンシング時は荷重に負けない剛性感と転がり抵抗が必要になります。
ロードバイクのタイヤって大変だと思います
またこれらのお話はタイヤだけではなく、ホイールも含めてのお話にはなります。
✓リア
ではリアはどういった動きかと言うと、、、
想像しやすいのは加速時のグリップ力の必要性です。
加速時にリアのグリップ力が低ければ、タイヤが路面を掴み蹴ることができずにうまく進むことができません。グリップ力を簡単にあげる方法としては空気圧を落とすということがありますが、安易に空気圧を低くすることにはパンクのリスクが伴いますし、転がりも悪くなります。
また剛性が低いと同じようにタイヤが潰れてロスが大きくなります。
もちろん乗り方にもよるとは思いますが、リアの方が転がり抵抗もフロントよりもやはり影響が大きいように感じています。
では転がり抵抗のために空気圧を上げ硬くすれば良いのかというと、乗り心地は基本的にリアへの依存性が高いため、硬いと体へのダメージが大きくなるだけではなく、車体が跳ねやすくなることでもロスが大きくなります。
このようにリアはリアでもある意味ジレンマを抱えているような状態で、その中でも最高の性能、自分にあった、自分の希望する性能を出すために適正な空気圧を探る必要がある、と考えております。
✓前後重量
ワタクシの主観的なお話で恐縮ですが、実際に感じていることです。
以前もどこかで書きましたが重量が同じだとしても、リアの軽量化のほうが軽さを感じやすい、ということが大前提としてあります。(主にホイール外周のリム周り)
例えばですが重量級ブチルチューブ120g、TPUチューブ30gがあったとします。
前後を入れ替えてもバイクの全体重量は代わりません。
しかし乗ってみると軽さという点では、リアを軽くしたほうが明らかに軽さを感じることができます。これは経験上のお話です。
✓耐パンク性・パンクに関して
以降に出てくる耐パンク性に関してのお話です。
通常のパンク、カット系パンクはタイヤへの依存が強いため、チューブだけの問題と考えるのはなかなか難しいところです。穿孔系に関してはこればかりは運といいますが、釘や鉄片が刺さるような場合はかなり強靭なタイヤでも刺さります。
リム打ちは空気圧の設定次第ですが、、、と言う詳細は後述いたします。
つまり同じパンクと一言で言っても、パンクには3種類以上の違う原因があり、タイヤが原因の場合もあれば、チューブが原因であったり、はたまた組付けが悪かったり、空気圧の設定が悪かったりする場合や運的な要素もあり、様々な原因によるパンクがあります。
ですのでパンクをしたからと言ってすべてが同じ原因ではないことも、考慮する必要があります。
これらを踏まえての本題です。
▶TPUとブチルとチューブレス
①クリンチャータイヤ+TPUチューブ ※前後
コルサネクスト28c(219g)+BARBIERI PIUMA(29g):248g

この組み合わせは前後で使いました。
当時ZONDAを使用していたのですが112gのブチル重さと乗り心地の硬さに耐えきれずに、まず真っ先にリアをTPUチューブに変えました。112gのブチルチューブからの変更だったためもあってか、明らかに軽くなったのをすぐに体感できました。
乗り心地に関してはその時の印象として軽さのほうが際立ってしまった、軽さでヒャッハーしてしまっていたので、そこまで大きな変化を感じることができませんでした。
あまりにも軽くなったのでそのままの勢いでフロントも変えてみましたが、リアほどの感動はなかったのは残念なところです。というのが前述のお話です。
フロントは重さが軽くなったと言うよりも、転がりの軽さを感じることができたような記録がありました。フロントも同様に乗り心地が悪くなった等の感じはありませんでした。
しかしいつしか走りが重くなりがちに。というのもリアのTPUチューブにエアリークが数か所あったようです。
もう今となってはどれが最初で度のタイミングだったのかは不明ですが、明らかなリム打ちパンクが1箇所、その他怪しい部分が2箇所、そしてごく微細な穴が1箇所と合計3箇所の漏れと2箇所の怪しい部分を発見しました。ひょっとしたらエアリークが原因で空気圧が下がり、リム打ちをしてしまったのかもしれませんが、今となっては原因の確定は難しいです。
それでも空気を入れれば最初のうちは2時間ぐらいであれば普通に走れてしまっていたのです。このスローパンク様の症状はある意味チューブレスと似ているところでTPUの利点でもあり、逆に運用が難しいところでもあると感じました。
なぜ運用が難しいのかというとその理由は極小さな穴が空きやすいのですが、エアリークが起きていても場所の特定が難しいからです。というのも今回は明確なリム打ちの箇所以外のあやしい箇所はすべてタイヤの外側ではなく、内側にあったからです。(おそらく軽度のリム打ちと構造的な弱い部分からのエア漏れ)
また極小の穴の場合、穴が開いていたとしても減圧量も1晩で1~2BARぐらいで、次の日走りに行こうとすると、あれ?空気圧ちょっと低い?となるぐらいでエアリーク量も少ないので原因箇所の特定が難しい傾向にあります。
こういった減圧量がすくない場合は、もしくは高圧を入れないとほぼ漏れないという場合は特に、漏れているのか否かの判定に時間がかかることもあるということです。
またTPUは組付け前に高圧を入れることは原則禁止であったり、伸びたら戻らないというTPUの素材的な性質もあり、これも問題を複雑化させる要因の一つかと思われます。
TPUチューブは穿孔系のパンクには強いというデータが有るようですが、主にはリム打ちパンクがし易いように思えます。それは物理的にどう考えてもブチルにくらべて薄いということ、また乗り心地が硬いので空気圧を低くしがち等の理由が考えられます。またこれは症状から見ることですがリム打ちのリスクだけではなく、チューブの種類ごとに構造上負担がかかりやすい、いわゆる弱点的な部分があるということもあると思います。
ともあれTPUは空気圧が低い時は走りが重くなりやすい、と感じています。
”TPUは空気圧の設定が命”、ということも練習メモに書いてありましたので、やはりTPUにおける空気圧の設定の重要性は高いと思われます。
またTPUは硬いのです。後ほど気がついたことですが同じ空気圧であればブチルよりも硬いので、空気圧を下げたくなりますが、空気圧も一定を下回ると途端に走りが重たくなります。
またTPUでの低圧運用はリム打ちパンクのリスクが上がります。TPUのリム打ちパンクはざっくりとなるものから、極小のものまでありますが、概ね小さい場合が多いようにも思えます。
これらのことからもTPUはエアの正常減圧量を理解し、もしも減圧が早くリークが疑われる場合は、粘らずに早急に対処したほうが良いです。空気圧の保持に関してはTPUもエアリークさえなければかなり持ちますので、少しでも過剰な減圧を感じたら、漏れている可能性が高いです。
またパンク修理に関してもブチルと比べてまだ歴史が浅いためかノウハウの蓄積が少ないです。前述のように極小の穴が空く場合はとくに、パンクは箇所はかなり見つけづらい傾向にあります。
パンク修理に関しては現在様々な方法を試している最中となっておりますm(_ _)m
②クリンチャータイヤ+軽量ブチル(79g)※リアのみ
コルサネクスト28c(219g)+vredestein チューブ(79g):298g(+50g)

リアでTPUの自然減圧量の増加に伴いエアリーク疑いが濃厚になり、長時間のライドに不安を感じたこと、そして転がりの悪さを感じて(減圧が原因)、リアを軽量ブチルに交換しました。
軽量ブチルへの変更で50gの増量ですが、実際にはそこまで重さを感じることがありませんでした。
というのも前述のようにTPUのエアリークの疑いがあり、減圧量が多かったため、低い空気圧で走らざるを得なかったためかもしれません。
ということはです。
TPUで適切な空気圧で走っていない時(想定外の低圧運用)の重さとブチルで50g増量を天秤にかけたときに、平地に限っては50g重いブチルであっても空気圧の低いTPUより早く走れると感じました。
また同じ空気圧であればTPUよりもブチルのほうが乗り心地がよく感じ、タイヤの跳ねやすさに関してもTPUよりもブチルのほうが抑えられていると感じました。
また空気圧が低いときの話では、ブチルもある程度は走りが重たくなりますが、TPUほど走りの重さを感じませんでした。ですので運用ということを考えるとやはりTPUのほうが繊細なイメージで、ブチルは多少重たいですが、運用難易度は低くやはり手軽に、ということかと思います。
ただしブチルのパンク時のエア抜けは最速レベルですので、下り等でのパンクはかなり危険をともないます。
このことからもリム打ちパンクのリスクだけでも下げるためにも、アップダウンのあるコースを走る場合は特にですが、空気圧の設定は低すぎると危険を伴うということは忘れないほうが良いことです。
この軽量ブチルチューブもTPUと同空気圧で運用をしましたが、リム打ちパンクをすることはありませんでした。しかしこれは今回TPUに微細なエアリークがあった可能性があり、知らず知らずに内に空気圧が想定以上に下がっていた可能性もあります。ですので正確かと言われると疑問が残りますが、それでもブチルのほうが強いと感じたのは、チューブ自体のキズの入りにくさからです。TPUはタイヤ側ではない方、リム側に傷が付きやすいのはリム打ちパンクまでいかないレベルでのタイヤの底づきが起きていることによるものだとも考えれられます。
空気圧の保持関してはブチルは最強レベルである意味指標になると思います。それでもやはり数日に一回は正確な空気圧で運用ということを考えると確認をおすすめいたします。スローパンク等にも気がつく場合もあります。
③チューブレス(シーラント)※リアのみ
コルサネクスト26c(268g)+純正ユニバーサルシーラント(45g):313g(+65g)

チューブレスの乗り心地の良さは低圧運用ができるということが、大きな影響を与えていると考えられます。タイヤはしなやかに動くことで細かい振動だけではなく、強い衝撃も角を丸くしてくれ特に長距離、長時間のライドの疲労感にも影響を与えるぐらい体にも優しいです。グリップ感も強く、低圧の運用時でも一番転がりが重たくならないのはチューブレスだと感じております。走行性能という面ではクリンチャーよりも高い性能を持っていると感じています。
ただしです。
クリンチャーは物理的に軽いですし、軽い走り心地が魅力ですが、一方のチューブレスはというと、やはり重量的には重さを感じてしまいます。
対TPU比で+65gですので、重量的に考えてもある意味仕方がないのかもしれません。
また単純に重量だけではなく、タイヤ内部に流動体があることによる抵抗もあるのかもしれませんが、詳細はわかりません。(フジチカ様の動画をご確認下さい。)
ということで、です。
マクハルです。
タイヤ内部でシーラントを流動体として留めるのではなく、タイヤ内部で膜を張り内部から流動体成分を抜きるという従来までのシーラントは全く性質の違うシーラントです。
メリットとしては重量の増加を最大限に抑え、粘性抵抗も抑えられるというものです。
コルサネクスト26c(268g)+マクハル(17g):285g(+37g)
軽量ブチルよりも軽い運用ができます。
走りはチューブレスのしなやかさを残しつつも、クリンチャーほどではありませんがしっかりと走りは軽くなります。
ただしそんなマクハルにも弱点があります。
施工の手間とパンク時の修復です。施工は本当に成功しているかその場では分かりづらく。時間をおいて観察が必要になる場合があると考えられます。またパンク時ですが、流動体のシーラントが入っていることがかなりの大きさの傷まで塞ぐことができ、止まらずに走り続けられることができるということです。何を求めるのか、にもよって選択するのが良いと思います。
ちなみにマクハルでの空気圧の保持はかなり強いです。
コルサネクストとマクハルの組み合わせでは、1日での減圧はほぼ確認ができないぐらいです。
あとはマクハルでパンクをした時の減圧量、減圧にかかる時間、これはパンクをしてみないとわかりません。それにしてもCorsa N.EXTの傷の入らなさはすごいです。
クリンチャーもチューブレスも傷によるパンクはまだありませんし、あの酷暑を乗り越えられたのものタイヤの強さのからなのかと考えております。
ともあれチューブレスの現状としてをまとめてみます。
かなり軽量のタイプのチューブレスは重量も軽くしなやかに動き、走行性能は高いと感じます。しかしその軽さのためかパンク耐性が低かったり、寿命が短いものもあります。逆に重たいチューブレスは耐久性や傷の入りにくさも素晴らしいものですが、やはり重いものは重いです。中には重くてパンクしやすいものも、、、(´=ω=。)ホボソッ...
もっと技術が進歩することで軽く、そして傷に強いチューブレスタイヤができると良いと思い期待をしております。
某P社の新作TLRタイヤ、いつ頃になるかは不明ですが今一番期待しているタイヤです。
▶まとめ
現在は一番下の組み合わせ、フロントTPUチューブ、リアチューブレス(マクハル)で運用しております。
というのもリアの乗り心地と転がり抵抗、パンクのリスク等を考慮してチューブレス、フロントは乗り心地への依存がそこまで強くなく、リム打ちパンクのリスクも低いので軽さを重視してTPUです。29gのBARBIERIのチューブを使用しておりますが、減圧も少なくまったく不具合がありません。
リアのチューブレスはマクハル施工なので、クリンチャーとほぼ同様の運用で、パンクしたらチューブを入れればよいか、と言う運用をしております。
とこのようなお話を書くときに必ず記載することがあります。それは何がベストなのかは個々に違うということです。ご自身の使い方に合わせたシステムを、正しい知識を持って運用することこそ、最高の性能を引き出すポイントだと思います。
そのための知識やノウハウは行きつけのお店に言って直接お話をされるのが最善かと思います。
ということでまだまだ試行錯誤中の途中経過ではありますが、続 TPUとブチルとチューブレス、そんなお話でした。
✓転がり抵抗に関して少しだけ。
転がり抵抗に関しても現在いろいろな調査結果がありますが、突き詰めていくとまず何を持っての転がり抵抗か、そもそも転がり抵抗ってなに、試験台上の転がり抵抗と実走の転がり抵抗は本当に=になるのか?というようなことにもなるというのは某メーカーさんとののお話の中でも出た話です。
数値自体は目に見えてわかりやすい結果ですが、その結果ですべての性能が決まるのかというとちょっと考えるべきことはありそうですし、実際に乗った感覚、自分自身の体でどう感じたのか、こういったこともとても大切なことだと考えております。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
そんなワタクシがひょんなことから、ものすごく久しぶりにクリンチャーを使い、ブチルチューブ、そしてTPUチューブを経て現在はリアのみチューブレスに戻っております。
上の記事から約一ヶ月TPUチューブをしっかりと使い、その軽量ブチルチューブも使い、慣れ親しんだチューブレスに戻り、、、という中で見えてきたことがあります。
ということで今回は前回と重なる部分もあるかもしれませんが、【続】TPUチューブとブチルチューブとチューブレスそんなお話です。
※ブチルは基本となり、お使いの方も多いかと思いますので、TPUとチューブレス(マクハル施工)を中心にしたお話にしてみようと思います。
またいつものごとく主観的な体感のお話も多く含まれますこと、ご了承下さい。

▶タイヤの働き
✓フロント
まずは本題の前にタイヤの働きのお話にはなりますが、フロントは平地を走っている限りでは取り敢えずよく転がればよいと考えております。ですのでとにかく転がり抵抗が少ないこと、空力抵抗が少ないことはとても大切なことです。
また乗り心地等は通常の舗装路を走る限りでは、フロントへの依存性は通常のロードバイクに乗っている限りはそこまで重要では無いような気もしております。原則そこまで厳しくフロントに荷重をかけるような乗り方は危険を伴いますし、通常の乗り方とはかけ離れているような気がします。(ただし前乗り傾向が強くTTバイクのようにロードに乗る場合を除いては、ということにはなります。)
お話はそれ気味ですが、要はフロントタイヤはまっすぐ平地を走ってる限りではよく転がってくれればそれでよいのです。
しかしです。
そう単純なお話だけではありません。
①ブレーキング
ブレーキング時は構造的にフロントへの依存が強くなります。ということはブレーキング時にグリップが弱ければフロントタイヤのグリップが失われやすく、フロントがロックした時点で車体を制御することができなくなることがほとんどですし、バランスが悪ければフロントから滑り落ちるようにスリップダウンをしてしまうこともあると思います。
ですので制動力が強ければ強いほど、ブレーキング時はフロントに荷重がかかることになり、それに耐えうるフロントのグリップ力や剛性が必要になります。
IRCの新型のFormula Proの現行シリーズは油圧ディスクブレーキの強力なストッピングパワーに耐えうるような想定で開発されていると言うお話を聞いたことがあります。
②コーナーリング
2輪はコーナーリング時、車体は傾きながらフロントに舵角がつきます。
グリップ力は想像しやすいかと思いますが、グリップ力だけ良くても車体が跳ねまくっては安全には曲がれません。
コーナーリング時はタイヤのグリップ力と、しなやかな路面の追従性が求められます。
③ダンシング
通常シッティングではそこまでフロントへの強い依存性はありませんが、ダンシングともなると重量配分が代わりますので、フロントへの依存性が強くなります。(もちろんどういうダンシングを使用するかにもよります。)
ダンシングの際は(やり方によっては)フロントへの荷重が瞬間的に増えるポイントが有り、この際にフロントタイヤが弱いと前に転がらずに地面に刺さります(タイヤが潰れて前に出づらくなる感覚です)。これにより前に進んで行きづらく感じます。
グリップと言うよりも剛性と転がり抵抗だと思われます。
とこのようなことを考えるとブレーキング時にはしっかりとしたグリップ力とブレーキングに負けない剛性感が必要になってくる一方、コーナーリングではグリップ力としなやかに動く必要があり、ダンシング時は荷重に負けない剛性感と転がり抵抗が必要になります。
ロードバイクのタイヤって大変だと思います
またこれらのお話はタイヤだけではなく、ホイールも含めてのお話にはなります。
✓リア
ではリアはどういった動きかと言うと、、、
想像しやすいのは加速時のグリップ力の必要性です。
加速時にリアのグリップ力が低ければ、タイヤが路面を掴み蹴ることができずにうまく進むことができません。グリップ力を簡単にあげる方法としては空気圧を落とすということがありますが、安易に空気圧を低くすることにはパンクのリスクが伴いますし、転がりも悪くなります。
また剛性が低いと同じようにタイヤが潰れてロスが大きくなります。
もちろん乗り方にもよるとは思いますが、リアの方が転がり抵抗もフロントよりもやはり影響が大きいように感じています。
では転がり抵抗のために空気圧を上げ硬くすれば良いのかというと、乗り心地は基本的にリアへの依存性が高いため、硬いと体へのダメージが大きくなるだけではなく、車体が跳ねやすくなることでもロスが大きくなります。
このようにリアはリアでもある意味ジレンマを抱えているような状態で、その中でも最高の性能、自分にあった、自分の希望する性能を出すために適正な空気圧を探る必要がある、と考えております。
✓前後重量
ワタクシの主観的なお話で恐縮ですが、実際に感じていることです。
以前もどこかで書きましたが重量が同じだとしても、リアの軽量化のほうが軽さを感じやすい、ということが大前提としてあります。(主にホイール外周のリム周り)
例えばですが重量級ブチルチューブ120g、TPUチューブ30gがあったとします。
前後を入れ替えてもバイクの全体重量は代わりません。
しかし乗ってみると軽さという点では、リアを軽くしたほうが明らかに軽さを感じることができます。これは経験上のお話です。
✓耐パンク性・パンクに関して
以降に出てくる耐パンク性に関してのお話です。
通常のパンク、カット系パンクはタイヤへの依存が強いため、チューブだけの問題と考えるのはなかなか難しいところです。穿孔系に関してはこればかりは運といいますが、釘や鉄片が刺さるような場合はかなり強靭なタイヤでも刺さります。
リム打ちは空気圧の設定次第ですが、、、と言う詳細は後述いたします。
つまり同じパンクと一言で言っても、パンクには3種類以上の違う原因があり、タイヤが原因の場合もあれば、チューブが原因であったり、はたまた組付けが悪かったり、空気圧の設定が悪かったりする場合や運的な要素もあり、様々な原因によるパンクがあります。
ですのでパンクをしたからと言ってすべてが同じ原因ではないことも、考慮する必要があります。
これらを踏まえての本題です。
▶TPUとブチルとチューブレス
①クリンチャータイヤ+TPUチューブ ※前後
コルサネクスト28c(219g)+BARBIERI PIUMA(29g):248g

この組み合わせは前後で使いました。
当時ZONDAを使用していたのですが112gのブチル重さと乗り心地の硬さに耐えきれずに、まず真っ先にリアをTPUチューブに変えました。112gのブチルチューブからの変更だったためもあってか、明らかに軽くなったのをすぐに体感できました。
乗り心地に関してはその時の印象として軽さのほうが際立ってしまった、軽さでヒャッハーしてしまっていたので、そこまで大きな変化を感じることができませんでした。
あまりにも軽くなったのでそのままの勢いでフロントも変えてみましたが、リアほどの感動はなかったのは残念なところです。というのが前述のお話です。
フロントは重さが軽くなったと言うよりも、転がりの軽さを感じることができたような記録がありました。フロントも同様に乗り心地が悪くなった等の感じはありませんでした。
しかしいつしか走りが重くなりがちに。というのもリアのTPUチューブにエアリークが数か所あったようです。
もう今となってはどれが最初で度のタイミングだったのかは不明ですが、明らかなリム打ちパンクが1箇所、その他怪しい部分が2箇所、そしてごく微細な穴が1箇所と合計3箇所の漏れと2箇所の怪しい部分を発見しました。ひょっとしたらエアリークが原因で空気圧が下がり、リム打ちをしてしまったのかもしれませんが、今となっては原因の確定は難しいです。
それでも空気を入れれば最初のうちは2時間ぐらいであれば普通に走れてしまっていたのです。このスローパンク様の症状はある意味チューブレスと似ているところでTPUの利点でもあり、逆に運用が難しいところでもあると感じました。
なぜ運用が難しいのかというとその理由は極小さな穴が空きやすいのですが、エアリークが起きていても場所の特定が難しいからです。というのも今回は明確なリム打ちの箇所以外のあやしい箇所はすべてタイヤの外側ではなく、内側にあったからです。(おそらく軽度のリム打ちと構造的な弱い部分からのエア漏れ)
また極小の穴の場合、穴が開いていたとしても減圧量も1晩で1~2BARぐらいで、次の日走りに行こうとすると、あれ?空気圧ちょっと低い?となるぐらいでエアリーク量も少ないので原因箇所の特定が難しい傾向にあります。
こういった減圧量がすくない場合は、もしくは高圧を入れないとほぼ漏れないという場合は特に、漏れているのか否かの判定に時間がかかることもあるということです。
またTPUは組付け前に高圧を入れることは原則禁止であったり、伸びたら戻らないというTPUの素材的な性質もあり、これも問題を複雑化させる要因の一つかと思われます。
TPUチューブは穿孔系のパンクには強いというデータが有るようですが、主にはリム打ちパンクがし易いように思えます。それは物理的にどう考えてもブチルにくらべて薄いということ、また乗り心地が硬いので空気圧を低くしがち等の理由が考えられます。またこれは症状から見ることですがリム打ちのリスクだけではなく、チューブの種類ごとに構造上負担がかかりやすい、いわゆる弱点的な部分があるということもあると思います。
ともあれTPUは空気圧が低い時は走りが重くなりやすい、と感じています。
”TPUは空気圧の設定が命”、ということも練習メモに書いてありましたので、やはりTPUにおける空気圧の設定の重要性は高いと思われます。
またTPUは硬いのです。後ほど気がついたことですが同じ空気圧であればブチルよりも硬いので、空気圧を下げたくなりますが、空気圧も一定を下回ると途端に走りが重たくなります。
またTPUでの低圧運用はリム打ちパンクのリスクが上がります。TPUのリム打ちパンクはざっくりとなるものから、極小のものまでありますが、概ね小さい場合が多いようにも思えます。
これらのことからもTPUはエアの正常減圧量を理解し、もしも減圧が早くリークが疑われる場合は、粘らずに早急に対処したほうが良いです。空気圧の保持に関してはTPUもエアリークさえなければかなり持ちますので、少しでも過剰な減圧を感じたら、漏れている可能性が高いです。
またパンク修理に関してもブチルと比べてまだ歴史が浅いためかノウハウの蓄積が少ないです。前述のように極小の穴が空く場合はとくに、パンクは箇所はかなり見つけづらい傾向にあります。
パンク修理に関しては現在様々な方法を試している最中となっておりますm(_ _)m
②クリンチャータイヤ+軽量ブチル(79g)※リアのみ
コルサネクスト28c(219g)+vredestein チューブ(79g):298g(+50g)

リアでTPUの自然減圧量の増加に伴いエアリーク疑いが濃厚になり、長時間のライドに不安を感じたこと、そして転がりの悪さを感じて(減圧が原因)、リアを軽量ブチルに交換しました。
軽量ブチルへの変更で50gの増量ですが、実際にはそこまで重さを感じることがありませんでした。
というのも前述のようにTPUのエアリークの疑いがあり、減圧量が多かったため、低い空気圧で走らざるを得なかったためかもしれません。
ということはです。
TPUで適切な空気圧で走っていない時(想定外の低圧運用)の重さとブチルで50g増量を天秤にかけたときに、平地に限っては50g重いブチルであっても空気圧の低いTPUより早く走れると感じました。
また同じ空気圧であればTPUよりもブチルのほうが乗り心地がよく感じ、タイヤの跳ねやすさに関してもTPUよりもブチルのほうが抑えられていると感じました。
また空気圧が低いときの話では、ブチルもある程度は走りが重たくなりますが、TPUほど走りの重さを感じませんでした。ですので運用ということを考えるとやはりTPUのほうが繊細なイメージで、ブチルは多少重たいですが、運用難易度は低くやはり手軽に、ということかと思います。
ただしブチルのパンク時のエア抜けは最速レベルですので、下り等でのパンクはかなり危険をともないます。
このことからもリム打ちパンクのリスクだけでも下げるためにも、アップダウンのあるコースを走る場合は特にですが、空気圧の設定は低すぎると危険を伴うということは忘れないほうが良いことです。
この軽量ブチルチューブもTPUと同空気圧で運用をしましたが、リム打ちパンクをすることはありませんでした。しかしこれは今回TPUに微細なエアリークがあった可能性があり、知らず知らずに内に空気圧が想定以上に下がっていた可能性もあります。ですので正確かと言われると疑問が残りますが、それでもブチルのほうが強いと感じたのは、チューブ自体のキズの入りにくさからです。TPUはタイヤ側ではない方、リム側に傷が付きやすいのはリム打ちパンクまでいかないレベルでのタイヤの底づきが起きていることによるものだとも考えれられます。
空気圧の保持関してはブチルは最強レベルである意味指標になると思います。それでもやはり数日に一回は正確な空気圧で運用ということを考えると確認をおすすめいたします。スローパンク等にも気がつく場合もあります。
③チューブレス(シーラント)※リアのみ
コルサネクスト26c(268g)+純正ユニバーサルシーラント(45g):313g(+65g)

チューブレスの乗り心地の良さは低圧運用ができるということが、大きな影響を与えていると考えられます。タイヤはしなやかに動くことで細かい振動だけではなく、強い衝撃も角を丸くしてくれ特に長距離、長時間のライドの疲労感にも影響を与えるぐらい体にも優しいです。グリップ感も強く、低圧の運用時でも一番転がりが重たくならないのはチューブレスだと感じております。走行性能という面ではクリンチャーよりも高い性能を持っていると感じています。
ただしです。
クリンチャーは物理的に軽いですし、軽い走り心地が魅力ですが、一方のチューブレスはというと、やはり重量的には重さを感じてしまいます。
対TPU比で+65gですので、重量的に考えてもある意味仕方がないのかもしれません。
また単純に重量だけではなく、タイヤ内部に流動体があることによる抵抗もあるのかもしれませんが、詳細はわかりません。(フジチカ様の動画をご確認下さい。)
ということで、です。
マクハルです。
タイヤ内部でシーラントを流動体として留めるのではなく、タイヤ内部で膜を張り内部から流動体成分を抜きるという従来までのシーラントは全く性質の違うシーラントです。
メリットとしては重量の増加を最大限に抑え、粘性抵抗も抑えられるというものです。
コルサネクスト26c(268g)+マクハル(17g):285g(+37g)
軽量ブチルよりも軽い運用ができます。
走りはチューブレスのしなやかさを残しつつも、クリンチャーほどではありませんがしっかりと走りは軽くなります。
ただしそんなマクハルにも弱点があります。
施工の手間とパンク時の修復です。施工は本当に成功しているかその場では分かりづらく。時間をおいて観察が必要になる場合があると考えられます。またパンク時ですが、流動体のシーラントが入っていることがかなりの大きさの傷まで塞ぐことができ、止まらずに走り続けられることができるということです。何を求めるのか、にもよって選択するのが良いと思います。
ちなみにマクハルでの空気圧の保持はかなり強いです。
コルサネクストとマクハルの組み合わせでは、1日での減圧はほぼ確認ができないぐらいです。
あとはマクハルでパンクをした時の減圧量、減圧にかかる時間、これはパンクをしてみないとわかりません。それにしてもCorsa N.EXTの傷の入らなさはすごいです。
クリンチャーもチューブレスも傷によるパンクはまだありませんし、あの酷暑を乗り越えられたのものタイヤの強さのからなのかと考えております。
ともあれチューブレスの現状としてをまとめてみます。
かなり軽量のタイプのチューブレスは重量も軽くしなやかに動き、走行性能は高いと感じます。しかしその軽さのためかパンク耐性が低かったり、寿命が短いものもあります。逆に重たいチューブレスは耐久性や傷の入りにくさも素晴らしいものですが、やはり重いものは重いです。中には重くてパンクしやすいものも、、、(´=ω=。)ホボソッ...
もっと技術が進歩することで軽く、そして傷に強いチューブレスタイヤができると良いと思い期待をしております。
某P社の新作TLRタイヤ、いつ頃になるかは不明ですが今一番期待しているタイヤです。
▶まとめ
現在は一番下の組み合わせ、フロントTPUチューブ、リアチューブレス(マクハル)で運用しております。
というのもリアの乗り心地と転がり抵抗、パンクのリスク等を考慮してチューブレス、フロントは乗り心地への依存がそこまで強くなく、リム打ちパンクのリスクも低いので軽さを重視してTPUです。29gのBARBIERIのチューブを使用しておりますが、減圧も少なくまったく不具合がありません。
リアのチューブレスはマクハル施工なので、クリンチャーとほぼ同様の運用で、パンクしたらチューブを入れればよいか、と言う運用をしております。
とこのようなお話を書くときに必ず記載することがあります。それは何がベストなのかは個々に違うということです。ご自身の使い方に合わせたシステムを、正しい知識を持って運用することこそ、最高の性能を引き出すポイントだと思います。
そのための知識やノウハウは行きつけのお店に言って直接お話をされるのが最善かと思います。
ということでまだまだ試行錯誤中の途中経過ではありますが、続 TPUとブチルとチューブレス、そんなお話でした。
えっ??😇https://t.co/SRC2SEhndd pic.twitter.com/8kbP8GK6Cz
— Teppei.Y 目指せ走れるメカニック!! (@ff_cycle) October 12, 2023
✓転がり抵抗に関して少しだけ。
転がり抵抗に関しても現在いろいろな調査結果がありますが、突き詰めていくとまず何を持っての転がり抵抗か、そもそも転がり抵抗ってなに、試験台上の転がり抵抗と実走の転がり抵抗は本当に=になるのか?というようなことにもなるというのは某メーカーさんとののお話の中でも出た話です。
数値自体は目に見えてわかりやすい結果ですが、その結果ですべての性能が決まるのかというとちょっと考えるべきことはありそうですし、実際に乗った感覚、自分自身の体でどう感じたのか、こういったこともとても大切なことだと考えております。
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