SHIMANOのディスクローターに関してはこちらからどうぞ↓↓↓


前回のお話をものすごくシンプルに解説いたします。
SHIMANOのディスクローターはグレードによりしっかりと差があり、やはりDURA-ACEのグレードRT-CL900が最も熱に強く安定した制動力を得られる。SHIMANOの放熱性能を高めるアイステクノロジーによるサンドイッチ構造(ステン‐アルミ‐ステン)の影響のデメリットとして熱によるローターの反りが発生する場合があり、それがローターの摺り、いわゆるシャリシャリという音鳴りの原因になる場合がある。ということでした。

ワタクシ自身SM-RT900で不満を持ち、Catalyst Raceに変更、そしてその後RT-CL900(現行型)に交換して使用をしてみました。
そこから見えてきたこととは、ということで今回はSWISS STOP Catalyst と SHIMANO RT-CL900、そんなお話です。

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▶SWISS STOP Catalystの種類
スイスストップのディスクローターはカタリストという製品です。名前からして硬そうです。
そんなCatalystには3つのグレードがあります。
・Catalyst Race:軽量で妥協なし
Proよりも12%軽量(11,000円/122g)
・Catalyst Pro:全てに備える
性能と耐久性の両立(12,100円/138g)
・Catalyst One:シンプルに強力なブレーキング
耐熱性と耐久性(6,160円/162g)
※160mmセンターロックの価格と重量

不思議なのはRACEという最軽量モデルが最上位と思いきや、価格はPROのほうが上という。。。

素材:7075-T6アルミニウム(スパイダー)+SUS410ステンレス(ローター)

▶SWISS STOP Catalystの特徴
①ストッピングパワーと耐久性
RACE:ロード、シクロ
PRO:ロード、シクロクロス、クロスカントリー、ダウンヒル
制動力に加えSHIMANOよりもだいぶ長く使える耐久性を持っているというお話です。

②UCIロード用承認

※140mmと160mm
ローター外周部の90度エッジをなくすための面取り加工がされており、落車やホイール脱着の際の怪我を防止するということです。

③摩耗インジケーター
SHIMANOのローターにもあると良いと思う摩耗インジケーターです。
交換時期がひと目でわかりますので、便利なものです。

④研究開発
数値流体力学 (CFD) シミュレーションを実行して、ローターの表面とカットアウトを通る空気の流れを研究しました。非対称の穴の効果を確認し、表面上の空気流の冷却効果を最適化するために、さまざまなプロファイルがテストされました。
ということなのですが、詳しく見たい方はページ最下部のリンクよりお願い致します。


▶Catalyst RaceとRT-CL900の比較
①数値比較

こちらです。
Catalyst SHIMANO
PRO RACE RT-CL800 RT-CL900
価格 11,000円 12,100円 6,788円 9,703円
重量 138g 122g 114g 114g

重量的にはやはり一枚ステンレスのCatalystのほうが重い傾向にあるようです。
そして価格はというと、やはりSwiss Stopの方が高くDURA-ACEグレードを上回る価格です。

それにしてもリム用のシューの時からそうなのですが、SHIMANO製のブレーキパーツはお値段が安いのも強みでもあると思います。

②実測
実測値もみてみます。
160mmサイズでの重量差はCatalyst118gに対して、RT-CL900は112gで実測値で6g差です。
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③組み換え
組み換え調整は何台か行っていますが、SHIMANO↔Swiss stopローターの場合、調整が必要な場合がほとんどで、ポン付けOKではない場合が多いです。

④ローターの精度
ローターの精度(振れ・歪み)的なお話では双方そこまで大きな差はなく、同等程度、ということです。
修正をかけてみて思いますが、SHIMANOのほうが若干修正がし易いように思えます。Catalystはやはり硬いのです。


▶使用感の差
①ディスクローターとパッドの接触音
ディスクブレーキといえば音の問題がありますが、音と一言で言っても複数の音があります。
まずはブレーキを掛けていない時のパッドとディスクローターの接触による接触音です。イメージ的にはシャッシャッという音です。
これは主に2つに分けられ、まず調整不足や思いっきり踏んだときなどフレームやホイールのしなりで接触することにより発生する接触音があります。これはブレーキシステムの問題だけではなく、それ以外の部分によるものですので今回は深くは触れずです。
もう一つが熱による反り、もしくは熱膨張と思しき症状で起こる接触による接触音です。今回は主にこちらの話です。反りも膨張もブレーキを解除後でも似たようなシャッシャッというような定期的な音が出て、その後しばらくするとスッと静かになります。

以前はSHIMANO製の前モデルのディスクローター SM-RT900を使用していたのですが、あまり良い印象がありませんでした。というのもなにせ熱に弱く、下りなどでも頻繁に反り摺ってシャリンシャリンシャリンシャリンにぎやかだったからです。当時は機械式のディスクブレーキを使用していたので、油圧よりもパッドクリアランスが広い状態でも、ということでした。
ではRT-CL900は熱くなっても擦らないのかと言うと、そんなことはなく反りが原因と思しき接触音はでます。しかしRT-CL900の場合接触音自体はかなり静かです。
それでもRT-CL900はまだまだ使用が浅く100%の自身があるわけではありませんが、実際に反りづらく擦りずらくなっている、ということと擦った時の音が小さいということもあり、SHIMANOの狙い通りの静音性ということになっているように思えます。
つまりディスクローター側の熱耐性の向上、そしてキャリパー側のパッドクリアランスの増加による効果は大きく前モデルに比べて、進化をしていると考えられます。

一方のCatalystはというと、やはりハードなブレーキング後は反りと言うよりも熱膨張の影響?と思しき、接触音が発生する時があります。(←これはまだ勉強中です。)そんな時はしっかりとシャリンッシャリンッと音が出て、良く耳に届き聞こえます。この時の接触音はSHIMANOよりも硬く大きな音です。
こちらの接触音も時間とともに消えていきます。

ですのでハードなブレーキング後の接触音は、アイステクノロジー(サンドイッチ構造)のRT-CL900だけではなく一枚構造のCatalystでも発生します。ある程度は構造的に致し方がない点なのかもしれませんので、あとは程度問題として考える必要があるのかもしれません。

②ブレーキの鳴き
そしてもう一つの音といえばブレーキの鳴きです。
プァーンという角笛のような音が多いですが、ブレーキの鳴きはどちらも通常時はほとんどなく非常に静かです。もっとうるさいと考えていたのですが、使ってみると思いの外どちらも静かで驚いたところです。
ですのでディスクブレーキの音問題のブレーキング時の鳴きに関しては、油分の付着等に気をつければ気になることはないようにも思えます。※パッドが油分を吸収するとほぼ確実に鳴いてしまいます。

あとは湿気や水分による鳴きこれもプァーーン系の音ですが、これはどちらも出ますので、ある意味どうしようもないものなのかもしれません。乾けば音が出なくなりますのでそういうものだと考えています。

ブレーキ作動時のパッドとブレーキシューの擦れる音、シュルシュル音に関しては、どちらも絶対に出ないわけではありませんが、微妙にShimanoのほうが静かで柔らかな気がします。


③効きの差
実際の効きはというと、パッドが当たった瞬間の効きはCatalystのほうが良いと感じました。Catalystは軽いタッチで初動からよく効き初期制動、制動力の立ち上がりが早いです。

そして深く握りんこんでいった状態の効きはというと、そこまで大きく差があるとは思いませんでしたが若干Catalystのほうが固くしっかりとしている印象があります。
この制動力の立ち上がり方はSHIMANOの狙い通りなのかもしれません。SHIMANOはロード用油圧ディスクで確か9100世代発表ぐらいのときに、効きはもちろんのことコントロールのしやすさ、ロックさせる制動力よりもコントローラブルであることの重要性、リムのように素直に効くということを良く言っていたような気も(ウル覚えですが)。。。確かにそういった使い方ではRT-CL900のほうが有利かもしれません。

また油圧は特にですがリムブレーキと比べると当て効きのようにほんの僅かだけ、ゆるーく効かせるような場合が逃げてな傾向にあるように感じます。当て効きはリムのほうが一方上手な気がしなくもありません。(というのは日泉で超軽く組んだ場合であって、組み方によってはリムでも微調整がだめな場合ももちろんあります。)

比べてみるとパッドコンタクトのタッチがCatalystのほうが硬質でSHIMANOのローターのほうが柔らかいような気がします。このあたりもディスクローター自体の剛性感というところに差があるのかもしれません。

④耐久性
耐摩耗性に関してはCatalystかなり強いように思えます。
距離にして3000㎞以上かなりゴリゴリ使っていますが、未だに1.7mm以上余裕であります。
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インジケーターもまだくっきりです。

▶まとめ
ではどっちが、、、というお話にはなるかと思いますが、個人的な感想としては、正直なところスイスストップのディスクローターの方が好きです。さすがブレーキのスイスストップ、といった感想でした。前述のように当て効きのような微妙な操作はSHIMANOには勝てないかもしれませんが、やはりガッチリと効くという意味ではスイスストップに慣れてしまった今では、SHIMANOよりも効かせやすく使いやすく感じております。
ただしパニックブレーキ等の心配がある場合、ロードバイクの乗車に不慣れな場合は効きの良いブレーキは時として危険を招いてしまう場合もありますので注意が必要です。
一方音はというと、やはり若干SHIMANOの方が柔らかく音が小さいですので、周囲の音に紛れて聞こえづらい感じがあり、気になりづらいということはSHIMANOの利点だと思います。

また双方メリット・デメリットがありますが、制動力の立ち上がり方に差があるので、どちらを使用したとしてもある程度慣れが必要になると思います。ですのでどちらでも良いと思いますが、ある程度しっかり使い込んで制動力になれることは必要だと思いました。

ということで今回はSWISS STOP Catalyst と SHIMANO RT-CL900、そんなお話でした。




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