前回のお話はこちらからどうぞ。


両側のパワーメーターを購入いたしました。
SHIMANOのパワーメーターはある意味全部入りです。
単純な左右のパワーだけではなく、フォースベクトル、ペアリング効率、左右バランス等が見ることができます。本当に自分のペダリングが丸裸にされているようです。

もう情報量が多すぎてしまって何から記事にしようか、何を記事にしようか、悩んでしまいます。
まずはSHIMANOのパワーメーターを導入したら驚愕の事態に。。。という話です。

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▶結論
まずはズバッと結論から、ということになってしまうのですが、従来まで使用していたPioneerの左側のみのパワーセンサーと今回新規導入したFC-R9200-P、SHIMANOのパワーメーターですが、明らかにパワー値が違います。
Pioneerのパワーメーターはもう何年も毎日のように使用してきておりますので、だいたいこのぐらいと体で感じる感覚と、実際のパワーの値はある程度開きが少ないように感じます。つまり想像しているパワー値と実際に出ているパワーの差はそくまで大きくはない、Pioneerの片側パワーメーターによって計測される数値が体に染み付いているということです。
まずこれはPioneerの片側パワメーターの精度が云々ではなく、こういうもんだと言う数値を体で覚えているということです。

そんな状態からSHIMANOのパワーメーターに変えたらどうなのか?ということなのですが、結論から入ってしまいますと、、、
全っ然違う!でした。

もう全くと言っていいほど違います。
どう違うのかと言うと、SHIMANOのパワーメーターの方がパワーが高く出ます。

どのぐらいかと言うと約1割、10%程度の差が出ているのです。
ではなぜ、このように1割もの差が出てしまうことになったのか、それの理由はというと、、、そこまで難しいことではなかったのです。


▶パワー値が高く出る理由
ではなぜこんなにもSHIMANOのパワーメーターの数値のほうが高く出るのか?ということですが、それには複数の理由がありました。
何もSHIMANOのパワーメーターがおかしくぶっ飛んだ数値を出しているということは、先日アップデートも入っていることからも、おそらく無いと思われます。(インナーは使用しておりません笑)また5年間使用し少々疑惑もあった計測器と、現在のSHIMANOの技術にPioneerの云々を投入した最新の計測器、どっちがということを考えれば疑う余地はありません。

※以下まだ勉強中ですので、足りない部分や検討材料があるかもしれませんが、現在のところまで、というお話です。

まずはこちらです。
①左右バランス
一番影響が大きいと思われたのが”左右のバランス”、”左右のパワー差”です。
ガーミンのフォースベクトルビュワーを使用した時の初期画面はこのようになっております。
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https://apps.garmin.com/zh-CN/apps/c57fda4c-4a56-43a6-81bf-74c80464321bより

サイコンの画面、一番下にパワーバランスが表示されます。
これがもうはっきりくっきりでした。走行中サイコン画面をずっと見つめながら走っているわけではありませんが、それでもチラッと見るたびに走行中はほとんどの状況下で右側に偏っています。おおよそですが45:55ぐらいでした。 
もうその差は走行中に笑ってしまうぐらい明らかにわかるほどだったのですが、走行後にコネクトラボ(分析サービス)を見てみると更によく理解ができました。

初日に平地で100㎞ぐらい走った結果です。
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※右下が左右差(パワーバランス)です。その他の数値は追々m(_ _)m
47:53です。

2日目です。
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この日に至っては距離は70㎞以上走って、45:55です。
どう考えても、右側の方が強いのです。
その左右差、大きなときで1割10%です。

なぜこのような差が出るのか、考えてみるとやはり通常のペダリング時はそこまで大きな差ではないのですが漕ぎ出しや加速、ギアチェンジ等なにか通常の通常時と違うアクションを行うときに完全に右足を主体にした操作を行っているようでした。特に加速のときに顕著に現れ、加速時は下手したら35:65ぐらいまで開くことが多くあったようです。以上の事からストップアンドゴーや加減速が多いコース、例えばクリテとかは特にですが走れば走るだけ、左右差のバランスはどんどん開いてしまうと考えられました。

このように左右差が激しい?のかは不明ですが、最大で1割の左右差がでていたため、左側計測のパワーメーターでは数値が低く出ていたと考えられます。
結論、左足がしょぼすぎる、ということでした。


✓思い当たる節
これは実は気がつくか、思い当たることは過去にあったのです。
それはZwiftです。
室内練習では当然、実走とは全く同じ環境ではないので、差が出ることは当然だとは思っていたのですが、室内の方がパワーが出る。ということでした。(正確にはなれるまではパワーが出づらいのですが、少し乗り込み慣れてくるとZwiftのほうが高く出る傾向にありました。)
これはローラーが悪いのか、ポジションや乗り方が違うのか、固定されているという条件のせいなのか。何が決めてなのかは不明でしたが、やはり若干ローラー台のほうがパワーが出やすいように感じていました。(というのも確かですが、自分でシフトチェンジでパワーが下がらない!とどこかで言っていたような気も。。。)
普通に考えればどちらかと言うとローラーのほうがパワーが出づらくなると思っていたのですが。

この理由もおそらく左右差と考えられます。

とは言っても後輪軸で計測するNOZAやNOZA Vでは左右差まではわかりませんので、てっきり室内のほうが固定されていること、そしてパワーロスする要因がないこと、これらもあってパワーが出やすい傾向にあるのかと思っておりました。



✓片側計測の弱点
従来使用していたPioneerの片側パワーセンサーは左側で計測をするパワーメーターです。
片側ですが、左側クランクは構造的に右側に比べてもシンプルで、右側に比べても精度が出やすい構造にあるということはどこかで聞いたことがあります。ですので正確に書くならば測定精度が悪いわけではないのだと思います。
測定精度ではなく、マグネットを使用しないことでの測定感度の低さ、そしてこの片側ならではの弱点である左右バランスの悪さ、この2点の影響もあって今回のように両側計測のパワーメーターに交換したらパワーが多く変わった、ということだと考えられます。

片側のパワーメーターですので左側で測定した数値を2倍にして算出しているということでです。当然左右差がある場合は整合性に疑問が出ると言うのは構造上の弱点であり、致し方がないことです。



②その他の要因
その他考えられることです。

パワー測定の精度自体は大きな差はないと思います。
ガーーーー!っとパワーを入れたときのパワー値に大きな開きは無いと思いました。

しかし違いはと言うと、検知性能です。
その差は2つで以下のとおりです。
①反応が非常に良いこと
②途切れないこと
旧片側のパワーメーターの時は、ふとした時に踏みやめてなくても0になったり、異常に低くなるときがあります。また踏んでいるのに検知していなかったり、検知までに時間がかかっていたりもしていました。
※検知とはサイコン画面に表示されていることを指標にしております。
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例えばですが、こういったときです。
これは本当に数十秒ぐらいの部分ですが、パワーが落ち始めるところで足を止めているのですが、その最後までは踏んでいるのに、パワー値が上下に振れてしまっています。
また別の区間ではヒルクライムで一切変速をしていないのにパワーが0まで落ちている区間も見られていました。

こういったことの積み重ねもあってか瞬間的(表示は3秒平均ですが)なパワーだけではなく、アベレージやNPで見ても低くなっていたことが考えられます。


▶測定誤差による影響
どのような影響が出るのか?というお話です。

先程のフォースベクトル画面の切り抜きです。
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従来までのパワーメーターは左側のみだったので、単純に考えても10%は低く出ていた可能性が考えられます。例えばですが10%って250Wであれば275W、300Wであれば330Wです。誤差どころの話ではありませんでした。
下段真ん中が平均パワーですが、これに%を計算入れて考えると約105W:128Wです。
単純に左を倍がけすれば210Wという数値になりますが、左右のバランスの差で24Wも差が出てしまっています。
つまりパワーバランスの悪さから、片側計測ではパワーが低く出ていた、ということです。

パワーの差は走行ログのデータにも影響を与え、パワー値をもとに計算されるすべてのデータが顕著に変わってきます。その影響はというと、もちろん小さくはありません。
平均パワー、NP(標準化パワー)はわかりやすいところだと思いますが、TSS、IF、そしてkj(仕事量)、Garmin特有の数値のトレーニングステータス等も大きく変わってきます。

ちなみに参考までに1割パワーが違うと、TSSの差はこんな感じになります。
230W 253W
①1:20 70 85 15
②3:00 158 192 34
①を週に5回、②を週に1回行ったとします。
すると ①が508、②が617とTSSで109も差が出てきます。

これだけ違えば流石にGarminはまるっとお見通しです。
トレーニング負荷、そしてVO2MAXがガンガン上がっていきます(笑)
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特に練習に変化はありませんが、負荷は爆上がり。。

逆にトレーニングステータスが厳しくなります。
パワーメーターを変えてからオーバーリーチ(やり過ぎ)から、一気にプロダクティブ(良い傾向)に代わりました。

これらのことからもGarminのトレーニングステータスやVO2MAXは心拍数だけではなく、パワー値も使用していると考えられます。要はパワーに対しての心拍数の数値の変化を見ていると考えれられます。ですので猛暑で心拍数が上がりやすい時は、VO2MAX等の数値は下がる傾向にありました。

つまりです。
こういったことを考えてみると、、、過去に積み上げてきた膨大な量のデータ、数値の誤差がかなり大きくなってしまうということでした。
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
また一からデータを集めないと、、、です。
ともあれこの数値が正しくて今まで集めた数値が間違いだった、ということなのですが。。。

▶まとめ
今回SHIMANOのパワーメーターを導入して、およそ1割パワーが上がったわけですが、その理由として従来のパワーメーターがご長寿でだいぶお疲れ気味だったということと、左右バランスの悪さは、片側計測の弱点がもろに露呈してしまったことが主だった原因として考えられます。

しかしこの原因の左右バランスに関しては、もともと片側計測のデメリットとして左右バランスには弱いということはわかっていたことですし、自分の左右バランスの悪さが根本的な原因ですので、パワーメーターの構造が悪いということではありません。

ともあれです。
左右差が不安がある場合は、片側ではないほうが良い。ということは痛感いたしました。

そしてもう一つ大切なことは、パワーメーターに不安があるのであれば早めに交換したほうが良いとも感じました。とくにパワーデータを指標としてトレーニング等に活用している場合などは特にです。

いつしか絶対値から相対値へ見るべき対象が変わっていたような気がするということは前回も記事内に記載をさせていただことですが、それだけではなく、相対値自体も徐々に狂いが生じていた可能性が高い、ということがわかったのも、今回新規導入したパワーメーターおかげでもありますし、SHIMANOの公式サイト、コネクトラボの分析があったからでもあります。

SHIMANOのパワーメーターは、パワーメーター本体だけではなくコネクトラボが本当にすごいのです。それは、、、というのはまたのお話にm(_ _)m
ということで今回はSHIMANOのパワーメーターを導入したらパワーが1割増した。というかもうパワーは伸びないと思っていたけど、伸びていた可能性も見られた。という話でした。


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