前回のお話はこちらからどうぞ。


今回はパワーメータークランクの取り付け~設定までのお話です。
パワーメーターがついているということで、もちろん通常のクランクとは組み付け方が少々違います。そしてパワーメーターの設定も心拍センサーや、今までのパワーセンサーとは違いがあります。
多機能な製品はというと、設定がなかなかに大変でした。

ということで今回はSHIMANO FC-R9200-P組み付け~設定までのお話にしてみようかと思います。
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▶取り付けの前に
今回SHIMANOの純正のパワーメーターを購入したのですが、前回の画像の通りギアなしのパッケージを購入しました。そう、SHIMANOのパワーメーター付きクランクはギアなしのパッケージがあるのです。
なぜギア無しを選んだのかと言うと、、、実は12速ULTEGRAのチェーンリングを持っていたからなのです。なんのために?ということなのですが禁断のあのクランクとの互換ゴニョゴニョ…ということをですね(笑)
ということでまずはこの手元にあるチェーンリングを使用してから、そもそもチェーンリング自体消耗品ですので1年も使えば交換になりますので。。。

では少々珍しい(かもしれない)ギアなし(いわゆるw/oギア)パッケージの内容品を確認してみようと思います。
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まずは右左のクランクです。

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そして小物類です。
・センターキャップ
・フィキシングリング
・マグネット類
・チェーンリングボルト
・組付け用の工具
・充電ケーブル(画像にはありませんが)
これらが付属しています。

つまりw/oギアパッケージ品は単純にアウターインナーのギアが無いだけで、通常版のパッケージと同じものが付属してくる、ということです。
ちなみにこのFC-R9200-Pの充電ケーブルはDi2と兼用です。これは非常にありがたいことでした。
が通常はDi2をすでにご使用の場合は、ケーブルが余ることになってしまうかと思います。
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早速12速ULTEGRA FC-R8100のチェーンリングを取り付けてみます。

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表面の仕上げが違いカラー的には違いが出ますが、前世代、11速のDURA-ACEクランク+ULTEGRAチェーンリングよりも親和性が全然良いです。
※公式での互換性は記載がありませんので原則互換性無し、かと思われます。


少しだけ寄り道ですが、クランクを外したあとにペダルを外すのを忘れてしまっていることがあります。ギア歯がむき出しの状態で力をかけるのってやはり少々怖いところがあります。
そんな時は工具を持つのではなく、クランクを持って力をかける方法があります。怪我をしないことはとても大切なことです。
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硬いペダルやBBを外すコツは、力の掛け方です。力が最もかかりやすい方法で力をかけることがものすごく重要です。
参考までに一例のご紹介でした。


▶組付け
実際にクランクを組み付ける前にマグネットをフレームに取り付けます。
未だにマグネットか?というお話も聞かなくはありませんが、マグネットを使用したとしても正確に測れる、正確かつ多くのデータの収集のためとなれば納得のできるものです。

専用ツールで場所を探ります。
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第一希望のチェーンステーは全然だめでした。

というかもうここ一択しかありませんでした。
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この位置でもかなりギリギリ、むしろちょっとアウト気味だったのですが、ここしかありませんのでここにしました。

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クランクを取り付けてしまえばほとんど見えなくなる位置です。

途中までは通常のクランクと同じです。
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注意点としては右クランクのアクスル軸内部に端子があるのですが、端子にグリスが入らないようにします。

通常のクランクとは違い、左クランクから生えているコネクターがあります。
これを避けるための方法として、、、
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クランクアームキャップ通常の形状と違うのが付属します。
右側がパワーメータークランクの専用品で、フィキシングリングというものです。

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付属の専用工具を用いて、取り付けていきます。
この専用工具は無いと取り付けがかなり厳しいと思います。

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コネクターのケーブルを決して挟まないように、注意しつつ締めていきます。

クランクの交換後はFDの調整が必要になります。
11速クランク(代替クランクも含めて)はチェーンラインは43.5mmですが、12速のチェーンラインは44.5mmです。理論値では1mm分調整が必要になります。が、そんなに単純なお話でもないのです。

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以降はセットアップをしますので、まずは何はともあれ充電をします。
11速世代品の新品バッテリーはセットアップができるぐらいの残量があるものが多かったような気がしますが、12速世代品になってからというもの多くがすっからかんです。これを忘れて充電がなくて作業が止まってしまうことがよくあります。


▶セットアップ
結構これが大変なのです。
下記のリンクの説明通りに行うのが確実です。


ざっくりと、そして不足しているところを補いつつ説明いたします。

✓スマホアプリ E-TUBEを使用
①スマホアプリのE-TUBEをインストール後、接続。ファームウェアのアップデート
これは何も問題がありません。

問題はこのあとなのです。
②上記のリンクよりです。
使用するデバイスに適した通信方式に [Force Vector]/[Cycling Power]/[Bicycle Power] を設定します。 表の内容が、推奨の設定となります。
これが意味が分かりづらかったです。
おそらくですが、フォースベクトルを表示するためのデータ転送と、通常のパワーメーターの数値、左右バランス等は別物ということなのではないのかと思われます。
※詳細はGarminの設定の部分で。
ですのでAnt+を [Force Vector]、Bluetoothを[Cycling Power]に設定しました。

※この設定でバッテリのもちが代わり、フォースベクトル+サイクリングパワーの時は230時間ということでした。

③マグネット校正
これもなかなかの曲者でした。
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数値が5050になるまで校正ということなのですが、なかなかこの5050が出ないのです。
どうしたら良いのかは不明ですが、複数回行うことで5050を出すことに成功いたしました。

④パワーメーターとDi2のペアリング
最後に最新バージョンになっていると、Di2とのペアリングを求められます。
E-Tubeアプリで最後にペアリングした端末(Di2)とのペアリングを提案されます。通常の場合は自分以外のDi2とE-TUBEでつなぐことはあまりないとも思いますので、気を使うことはありません。しかしワタクシの場合はE-TUBEでお客様のDi2とのペアリングが非常に多いので間違って繋がないようにしました。
これはDi2のギア位置からパワー値の補正をかけるため、ということです。では12速パワーメータークランクを互換性のない11速世代のコンポとの組み合わせはと言うと、、、やはり精度が出ないと思われます。

とここまでがE-TUBEアプリを使用した設定です。
これだけでは終わらないのです

✓Garminの設定
ここからはベクトル表示をどのデバイスで見たいか、つまり受信するデバイスの種類によって手順が変わってきます。
ワタクシの場合はGarminのEdge530を使用しておりますので、Garminの方法をご紹介させていただきます。

①Edgeに専用アプリをインストール
GarminのConnect IQ™ Storeから、SHIMANO Force Vector Viewerをダウンロード、インストールします。Edgeと接続(同期)できていない場合は、次回接続後にインストール、というようになります。

②Edgeで表示画面設定と接続
続いてGarmin Edge530の表示設定のConnect IQの中のForce Vector Viewerを選択し、クランクを回しパワーメーターを起動させると自動で接続ができます。
これでベクトル表示の画面ができるのですが、それだけでは足りないのです。

③Edgeと通常のパワーメーターの接続
ベクトル表示画面には表示がされますが、通常のパワーメーターとしても接続が必要になります。通常のパワーメーターとしての接続をしないと、今まで使用していたパワー関連の数値、現在のパワーやNPやTSS等は表示されません。ですのでEdgeの通常の設定からパワーメーターの接続を行います。
これが途中に出てきた [Cycling Power]モード/[Bicycle Power] モードの設定のようです。
つまりForce Vectorモードで出力されるデータはConnect IQのForce Vector Viewerのみの表示となり、通常のデータフィールドに表示をさせたい場合は、[Cycling Power]モード/[Bicycle Power] モードでの接続が必要になるとのことでした。

これが理解できていないと、フォースベクトルは接続されているのに、通常のデータフィールドにパワーが出ないことが謎になってしまうと思われます。

これですべての接続が完了します。


✓アクティビティデータの転送
最後にPC版SHIMANO CONNECT LabのWEBページにてGarminと同期をするように、つまりガーミンを止めたら走行ログを自動アップロードする設定をします。
この設定はGarminやストラバ側で行うのではなく、SHIMANOのPC版のCONNECT Labのページから、インポートの設定を行います。
注意点としては重複データにならないようにワタクシの場合はガーミンコネクトのみインポート設定を入れてあります。というのもストラバは自動補正が入る項目があり、元データのインポートであれば良いのですが、補正後のデータだと、、、ということもありガーミンコネクトからのインポートを選択しました。

最初はガーミンコネクトやストラバ側でエクスポート設定を行うと思っていたのですが、逆でした。
これにて設定が完了します。

▶まとめ
実際にパワーメーターの導入のお手伝いをさせていただくこともあります。
しかし導入では今まで行った他社の製品と比べても導入までが大変だと思いました。
それも全ては正確なデータのため、とポジティブシンキングでいきましょう。

とこのパワーメーターで集まられるデータは本当にすごいのです。
というのは次回のお話、今回はSHIMANO FC-R9200-P組み付け~設定、そんなお話でした。





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