ヘッドパーツはその大半が実際に組まれた状態では見ることができないのです。
その中でも特にプレッシャープラグとも言われる、アンカーナットは特にお目に掛かる機会がそう多くはないパーツです。
しかしです。その役割は超重要でこれがしっかりしていないと非常にまずいことにもなり得るもの、それがアンカーナットなのです。
アルミコラムの場合はスターファングルナットというものをトンカチで叩き込むわけですが、カーボンコラムではスターファングルナットは使えません。カーボンのコラム(フォーク)であっても引き上げる必要があるので、そこで使われるのがアンカーナット的なものです。
そのアンカーナットは各メーカーかなりの種類があります。結果的に求めることは同じなわけですが、少しずつ構造が違い、やはりその仕事っぷりにも差が出るのです。
今回はその中でもちょっと良い製品と巡り会えたので、ご紹介をさせていただこうと思います。
ということで今回はTOKENのアンカーナット TK299が良い理由、そんなお話です。
※今回の主役のプレッシャープラグは様々な言い方があります。
プレッシャーアンカー、アンカー、エキスパンダー、アンカーナット等々ですが、基本的に構造に若干の違いはあれども、どの製品もその役割は同じで”コラム内部にナットを設置するため”です。

▶TOKENのエキスパンダーTK299
TOKENのアンカーナットはプッシュンターンエキスパンダー TK299、という製品です。
これは存在自体はカタログで見て知っていたのですが、実際に触れる機会がなかったのですが、これがまた珍しくWINSPACEのT1550のフレームセットに付属してくるのです。
これが使ってみたらかなり具合が良いのです。
ちなみにこのTK299 エキスパンダーですが、TOKENといえばお値段控えめ高コスパの印象が強いメーカーですが、価格は3740円というプレッシャープラグの中ではかなり強気とも取れる価格設定です。
昨今のフレームセットでは、コスト削減のためにもっと安価なプレッシャープラグ(1/6ぐらい)を同梱する製品が多い中、WINSPACEがT1550にこの製品を選択していることの意味、こういったことを考えるのも趣味の世界は深く面白いのです。
▶オススメポイント
①面は広いが軽い構造
まずTOKENのTK299です。

しっかりとした長さがあり接触面を広く取れつつ、トップキャップまで込みで40gです。(公式は38g)
他有名メーカー純正品はというと、

トップキャップ込みで46gです。
構造的に悪いものではありませんし、細かいところがやはり高いだけある構造になっています。
かなり安価な汎用品です。

トップキャップが含まれていないということ、また長さは短いですが38gです。
アンカーナットはコラム部を引き上げるためのナットをコラム内部に留置するものです。その機能自体は非常に単純なものですが、役割は重要で引き上げの力に耐えられる(与圧をしっかりとかけられる)ぐらいしっかりとナットを固定できることは最低条件ですが、もう一つ重要なことがあります。
それはつけ外しのお話です。上のボルトを緩めたとしてもアンカーが抜けない、むしろ下の臼を叩き落しても抜けない少々考えものの製品がある一方、しっかりと緩めれば圧が抜けスッと抜き取れる、これも通常どの製品もそうであるべきだとは思うのですが、実際にはそうでない製品もあります。
こういった当然の仕事をしっかりとしてくれること、これが大切ということです。
②トップキャップ形状

トップキャップの形状がかなりギリギリまで引き上げることができる形状です。
このトップキャップの形状はかなり重要で、ベタ切りなんかをする際には、どこまでコラムを残せるのか、要は掴み幅をどれだけ広く取れるのかは、使用するトップキャップ形状次第です。
ベタ切り推奨のハンドルを使う場合、少しでも長くコラムの加え幅を残すためには、カット方法云々以前の問題として、トップキャップの形状次第ということです。

またボルトと一体型の構造のトップキャップは6mm六角です。
ディスクロードになった今となっては6mm六角もスルーアクスルで御用達のサイズとなりましたので、不自由を感じることはありません。
と、センターがくぼんでいる形状、内部に水が入りそうとも思ったのですが、実際にはキャップもあり雨の中走行をしても水の侵入はなかったように思えます。
③縁(フチ)の構造
コラムを長く残すための構造の一つです。

通常は2~2.5mmぐらいの製品が多い中、TK299はというと1.5mmでここまで薄いのは宿敵S社のアンカーぐらいかと思われます。(笑)
たかが1mmされど1mmコラムカットで1mmもズレたらガタが取れないことにもなります。
通常トップキャップとフィシングボルトが一体型の構造のアンカーは、このつばがないモデルが多いのです。例えばFSAの製品がそうです。
つばがない製品よりもつば付きの製品のほうが、やはり構造的にコラム先端の強度確保につながると考えており安心感もある気がします。
▶まとめ
最近オーバーホールやクランク点検等でお持ち込みのバイクのヘッドのガタ、非常に多くなっております。多くはハンドルの高さを変えるためにコラムスペーサーの入れ替えた際に、ヘッドパーツのガタが取り切れていない状態です。その原因はやり方手順が違うだけではなく、アンカーナットのズレ等が原因の場合もあります。
ヘッドパーツはガタが出たまま運用を続けることでコラム部に深刻なダメージを与えてしまう場合もあります。
こういった症状にいち早く気がつくためにも定期的にプロに触ってもらうこと、とても重要だと考えております。
ということで今回はTOKENのアンカーナット TK299が良い理由、そんなお話でした。
ヘッドの構造に関してはこちらからご確認ください。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
その中でも特にプレッシャープラグとも言われる、アンカーナットは特にお目に掛かる機会がそう多くはないパーツです。
しかしです。その役割は超重要でこれがしっかりしていないと非常にまずいことにもなり得るもの、それがアンカーナットなのです。
アルミコラムの場合はスターファングルナットというものをトンカチで叩き込むわけですが、カーボンコラムではスターファングルナットは使えません。カーボンのコラム(フォーク)であっても引き上げる必要があるので、そこで使われるのがアンカーナット的なものです。
そのアンカーナットは各メーカーかなりの種類があります。結果的に求めることは同じなわけですが、少しずつ構造が違い、やはりその仕事っぷりにも差が出るのです。
今回はその中でもちょっと良い製品と巡り会えたので、ご紹介をさせていただこうと思います。
ということで今回はTOKENのアンカーナット TK299が良い理由、そんなお話です。
※今回の主役のプレッシャープラグは様々な言い方があります。
プレッシャーアンカー、アンカー、エキスパンダー、アンカーナット等々ですが、基本的に構造に若干の違いはあれども、どの製品もその役割は同じで”コラム内部にナットを設置するため”です。

▶TOKENのエキスパンダーTK299
TOKENのアンカーナットはプッシュンターンエキスパンダー TK299、という製品です。
これは存在自体はカタログで見て知っていたのですが、実際に触れる機会がなかったのですが、これがまた珍しくWINSPACEのT1550のフレームセットに付属してくるのです。
これが使ってみたらかなり具合が良いのです。
ちなみにこのTK299 エキスパンダーですが、TOKENといえばお値段控えめ高コスパの印象が強いメーカーですが、価格は3740円というプレッシャープラグの中ではかなり強気とも取れる価格設定です。
昨今のフレームセットでは、コスト削減のためにもっと安価なプレッシャープラグ(1/6ぐらい)を同梱する製品が多い中、WINSPACEがT1550にこの製品を選択していることの意味、こういったことを考えるのも趣味の世界は深く面白いのです。
▶オススメポイント
①面は広いが軽い構造
まずTOKENのTK299です。

しっかりとした長さがあり接触面を広く取れつつ、トップキャップまで込みで40gです。(公式は38g)
他有名メーカー純正品はというと、

トップキャップ込みで46gです。
構造的に悪いものではありませんし、細かいところがやはり高いだけある構造になっています。
かなり安価な汎用品です。

トップキャップが含まれていないということ、また長さは短いですが38gです。
アンカーナットはコラム部を引き上げるためのナットをコラム内部に留置するものです。その機能自体は非常に単純なものですが、役割は重要で引き上げの力に耐えられる(与圧をしっかりとかけられる)ぐらいしっかりとナットを固定できることは最低条件ですが、もう一つ重要なことがあります。
それはつけ外しのお話です。上のボルトを緩めたとしてもアンカーが抜けない、むしろ下の臼を叩き落しても抜けない
こういった当然の仕事をしっかりとしてくれること、これが大切ということです。
②トップキャップ形状

トップキャップの形状がかなりギリギリまで引き上げることができる形状です。
このトップキャップの形状はかなり重要で、ベタ切りなんかをする際には、どこまでコラムを残せるのか、要は掴み幅をどれだけ広く取れるのかは、使用するトップキャップ形状次第です。
ベタ切り推奨のハンドルを使う場合、少しでも長くコラムの加え幅を残すためには、カット方法云々以前の問題として、トップキャップの形状次第ということです。

またボルトと一体型の構造のトップキャップは6mm六角です。
ディスクロードになった今となっては6mm六角もスルーアクスルで御用達のサイズとなりましたので、不自由を感じることはありません。
と、センターがくぼんでいる形状、内部に水が入りそうとも思ったのですが、実際にはキャップもあり雨の中走行をしても水の侵入はなかったように思えます。
③縁(フチ)の構造
コラムを長く残すための構造の一つです。

通常は2~2.5mmぐらいの製品が多い中、TK299はというと1.5mmで
たかが1mmされど1mmコラムカットで1mmもズレたらガタが取れないことにもなります。
通常トップキャップとフィシングボルトが一体型の構造のアンカーは、このつばがないモデルが多いのです。例えばFSAの製品がそうです。
つばがない製品よりもつば付きの製品のほうが、やはり構造的にコラム先端の強度確保につながると考えており安心感もある気がします。
▶まとめ
最近オーバーホールやクランク点検等でお持ち込みのバイクのヘッドのガタ、非常に多くなっております。多くはハンドルの高さを変えるためにコラムスペーサーの入れ替えた際に、ヘッドパーツのガタが取り切れていない状態です。その原因はやり方手順が違うだけではなく、アンカーナットのズレ等が原因の場合もあります。
ヘッドパーツはガタが出たまま運用を続けることでコラム部に深刻なダメージを与えてしまう場合もあります。
こういった症状にいち早く気がつくためにも定期的にプロに触ってもらうこと、とても重要だと考えております。
ということで今回はTOKENのアンカーナット TK299が良い理由、そんなお話でした。
ヘッドの構造に関してはこちらからご確認ください。
+++++++++++++++++++++++++++
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作業は18:00以降も行います。
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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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