ロードバイクのメンテナンスの一つでもある、洗車です。
洗車は車体をきれいにする見栄え的なお話だけではなく各種パーツの寿命を伸ばしたり、トラブルの早期発見にもつながることがあります。
そんな洗車ですが、ではリムブレーキの洗車と、ディスクブレーキの洗車は全く同じ方法でできるのかというと、、、やはりリムにはリム用の、ディスクにはディスクに適した方法、もちろんあると思います。
そこにはどのような違いがあり、ディスクではどのようなところに気をつけたほうが良いのか、そんなことを考えてみようと思います。
ということで今回は噛みそうな表題ですが、ディスクロードでとリムブレーキ車の洗車の差!そんなお話です。

▶洗車前の準備
これはリムブレーキでもディスクブレーキでも同じですが、まずは洗車をし易いようにする、洗車の下準備的なお話で、作業効率を上げるための洗車用のセッティングのお話からです。
①洗車用メンテナンススタンドに取り付る
まずは洗車の前段階、メンテナンススタンドへの取り付け方法です。
※もはや洗車専用となっています(笑)
簡易スタンドではないメンテナンススタンドは大きく分けて吊るすタイプと、フロントを固定しBBを乗せるタイプの2種類に分けれます。
個人的には洗車は様々な方向から車体を見たいため、回すことが多いのでBBを乗せるタイプの方が好きです。
しかしそのBB乗せるタイプの難点はというと、フロントエンドの固定方法です。
当然ディスクフレームのスルーアクスルとリムフレームのクイックリリースでは固定方法が違います。

これはリムブレーキのクイックリリースに対応したアダプターです。
このままではディスクのスルーアクスルは固定できません。
そこで便利なアイテムがBIKE HANDのスルーアクスルアダプターです。

これがあると洗車スタンドにスルーアクスル用のアダプターが付いていなくとも、使用できるようになるものです。

このようにクイックリリースに挟み込むことでディスクのエンドにも対応できます。
これは完全にディスクかリムか、と完全に分けられるのであればスタンドのアタプターを交換してしまえば良いと思います。しかしディスクもリムもどちらでも使いたい場合は、このアダプターを使うことで、双方を比較的手軽に使い分けられますので、とても便利アイテムです。
②チェーンを回せるようにする道具
洗車とは言えやはりメインはチェーン清掃なイメージです。リム時代は特にほぼチェーンを洗うために洗車をしているようなところもありました。
そんなチェーン掃除の必須アイテムと言えば、チェーンキーパーです。リム車の場合であれば汎用性のあるチェーンキーパーを使用することでチェーンを保持し、クランクを回すことができるようになります。これがチェーン清掃にはものすごく重要で、あるかないかでは勝手が全然変わってきます。

しかしスルーアクスルの場合は、クイックリリースと違い汎用性が広くはありません。ネジピッチやエンド形状の違いあり、合わないものを使用することはできませんので、原則フレームに付属してくるスルーアクスルを使用する場合が多いです。
そこでこのリムフレームのようにチェーンを保持できるものがこちらです。

グランジのチェーンホルダーです。
通常の使い方としてはこうです。

要は片持ち式のチェーンキーパーです。
それにしてもこの片持ち構造、画像のように一昔前のエンドが超堅強なフレームならまだしも、最近超軽量で薄々のカーボンエンドのフレームでは少々恐ろしくて使うことが出来ないシステムです。
ともあれこのチェーンホルダーは12mmスルーアクスルにも対応しているのです。
どのように使うのかというと、、、

分解するとバラバラになります。
使用するのはこの左下の滑車のようなものだけです。
これをスルーアクスルに直接通して使用します。

これでリムブレーキ車のチェーンキーパーのようにチェーンを回すことができるようになります。
これがあるかないかでは、洗車のしやすさにかなり大きな差が出ます。
車体を乗っけられるメンテナンススタンドをお持ちではない場合でもこのタイプのチェーンホルダーは用意しておいた方が良いです。というのもあこれがあるだけでかなり作業性は上がりますが、逆になしで洗車やチェーン掃除を、ということになるとかなり大変なのです。
▶ディスクロードの洗車時の注意
リムとそこまで大きな差はありませんが、ディスクならではの注意点として、油の取り扱いです。というのも理由は主に2つ、ブレーキパッドの素材的な問題とドライブトレインとの距離感だと思われます。
基本的に現状のディスクブレーキのシステムでは、パッドに油が直接、もしくはディスクローターを介してでも付着することは避けたほうが良いです。
※油とはチェーンオイルのような潤滑剤だけではなく、グリス類やブレーキフルード、ミネラルオイルもそうですし、ディグリーザー・パーツクリーナーも原則油系に含まれるものもあります。
狙ってかけずとも洗車中に飛んだりはねたり、また洗車用具を介しての付着の恐れがある場合もあります。その場合はブラシやウエスなどの共用も避けるべきことだと思われます。
ではもしもブレーキパッドに油が付着したら?ということなのですが、SHIMANO公式のマニュアルにも記載があります。
パッドへの油の付着はブレーキの鳴きの原因になるだけではなく、十分な制動力を発揮できなくなるおそれがあります。
そして厄介なことに一度でも完全に油を吸ってしまったパッドはというと、、復活させるのはかなり厳しいのです(もちろん煮ても焼いても炙っても削ってもです。)ですので、SHIMANOも要交換となっていると思われます。
ですので最大限に気をつけたい場合の方法です。
①パッドを外す
ディスクブレーキパッドはつけ外しにそこまで手間のかかる作業ではありません。
万が一のことを考えて洗車時はひと手間はかかりますが、パッドを外して行うことで物理的に油が含まれるケミカル類の付着を避けることができます。
②養生する
ワコーズの洗車ではブラシを使用したチェーン性能の際には、ブレーキキャリパーにカバーをかけ行っているようです。専用のカバーとまではいかなくとも、袋的な何かで包むだけでも物理的な防御力は上がると思われます。
どちらも物理的にチェーン清掃時に油類の付着を予防するために方法です。
とは言ってもワタクシ自身もお客様の自転車を洗う場合はパッドを外して行いますが、自分の自転車を洗う場合は、そのままじゃぶじゃぶ洗っております。というのもどんなものをどのぐらいしたらパッドが油を吸った状態になるのかとかも、しっかりと経験値を積むあめもあり実験的に行っております。
そして洗車後と言えば注油です。注油時もディスクブレーキ部にはやはり油分が飛ばないように注意が必要なのは、ドライブトレインとキャリパーが近いからということもあります。
また油だけではなく、ディスクローターへのコーティング剤の付着、これはリムであればブレーキ面と同じことですが、やはり避けるべきことで注意が必要です。
▶まとめ
ブレーキダストの汚れは意外と出るものです。黒っぽい埃っぽい汚れです。
そこまでつもりつもった状態でなければ、中性洗剤等でもかなりきれいに落とすことができます。
※洗浄剤はやはり中性が良いというのはSHIMANOだけのお話ではなく、ワコーズも中性をおすすめしております。更に細かいお話ではJOYよりもマジカのほうが良いとかも。。。
しかし逆に長い年月をかけて積もりに積もったブレーキダストは、落とすことがかなり困難な状態になったり、汚れの下に思わぬトラブルが潜んでしまうこともあります。
ですので、これはブレーキだけではありませんが、汚れはたまりすぎないように定期的にきれいにしてあげることはきれいに保つコツでもありますし、また予期せぬトラブルの予防や防止にもなる場合があります。
またディスクブレーキって意外と繊細なところもあり、ピストンの動きが悪くなったりもするものです。
リムブレーキの洗車はドライブトレインがメインでしたが、ディスクになってからはブレーキシステムも汚れやすくなったような気がしております。適切なメンテナンスは状態をよく保つコツでもあるのはドライブトレインだけのお話ではありません。
ということで今回はディスクロードでとリムブレーキ車の洗車の差は、ということですがまずは洗車をし易いようにセッティングをする方法の差、そしてディスクブレーキならではの注意をするべきところ、ブレーキまわりへの油等の付着に気をつける、これらのことが双方の差としてありますが、では実際の洗車はぜんぜん違うのかというと、そんなこともなくちょっとした双方の違いを理解することが大切。そんなお話でした。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
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(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
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・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
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洗車は車体をきれいにする見栄え的なお話だけではなく各種パーツの寿命を伸ばしたり、トラブルの早期発見にもつながることがあります。
そんな洗車ですが、ではリムブレーキの洗車と、ディスクブレーキの洗車は全く同じ方法でできるのかというと、、、やはりリムにはリム用の、ディスクにはディスクに適した方法、もちろんあると思います。
そこにはどのような違いがあり、ディスクではどのようなところに気をつけたほうが良いのか、そんなことを考えてみようと思います。
ということで今回は噛みそうな表題ですが、ディスクロードでとリムブレーキ車の洗車の差!そんなお話です。

▶洗車前の準備
これはリムブレーキでもディスクブレーキでも同じですが、まずは洗車をし易いようにする、洗車の下準備的なお話で、作業効率を上げるための洗車用のセッティングのお話からです。
①洗車用メンテナンススタンドに取り付る
まずは洗車の前段階、
※もはや洗車専用となっています(笑)
簡易スタンドではないメンテナンススタンドは大きく分けて吊るすタイプと、フロントを固定しBBを乗せるタイプの2種類に分けれます。
個人的には洗車は様々な方向から車体を見たいため、回すことが多いのでBBを乗せるタイプの方が好きです。
しかしそのBB乗せるタイプの難点はというと、フロントエンドの固定方法です。
当然ディスクフレームのスルーアクスルとリムフレームのクイックリリースでは固定方法が違います。

これはリムブレーキのクイックリリースに対応したアダプターです。
このままではディスクのスルーアクスルは固定できません。
そこで便利なアイテムがBIKE HANDのスルーアクスルアダプターです。

これがあると洗車スタンドにスルーアクスル用のアダプターが付いていなくとも、使用できるようになるものです。

このようにクイックリリースに挟み込むことでディスクのエンドにも対応できます。
これは完全にディスクかリムか、と完全に分けられるのであればスタンドのアタプターを交換してしまえば良いと思います。しかしディスクもリムもどちらでも使いたい場合は、このアダプターを使うことで、双方を比較的手軽に使い分けられますので、とても便利アイテムです。
②チェーンを回せるようにする道具
洗車とは言えやはりメインはチェーン清掃なイメージです。リム時代は特にほぼチェーンを洗うために洗車をしているようなところもありました。
そんなチェーン掃除の必須アイテムと言えば、チェーンキーパーです。リム車の場合であれば汎用性のあるチェーンキーパーを使用することでチェーンを保持し、クランクを回すことができるようになります。これがチェーン清掃にはものすごく重要で、あるかないかでは勝手が全然変わってきます。

しかしスルーアクスルの場合は、クイックリリースと違い汎用性が広くはありません。ネジピッチやエンド形状の違いあり、合わないものを使用することはできませんので、原則フレームに付属してくるスルーアクスルを使用する場合が多いです。
そこでこのリムフレームのようにチェーンを保持できるものがこちらです。

グランジのチェーンホルダーです。
通常の使い方としてはこうです。

要は片持ち式のチェーンキーパーです。
それにしてもこの片持ち構造、画像のように一昔前のエンドが超堅強なフレームならまだしも、最近超軽量で薄々のカーボンエンドのフレームでは少々恐ろしくて使うことが出来ないシステムです。
ともあれこのチェーンホルダーは12mmスルーアクスルにも対応しているのです。
どのように使うのかというと、、、

分解するとバラバラになります。
使用するのはこの左下の滑車のようなものだけです。
これをスルーアクスルに直接通して使用します。

これでリムブレーキ車のチェーンキーパーのようにチェーンを回すことができるようになります。
これがあるかないかでは、洗車のしやすさにかなり大きな差が出ます。
車体を乗っけられるメンテナンススタンドをお持ちではない場合でもこのタイプのチェーンホルダーは用意しておいた方が良いです。というのもあこれがあるだけでかなり作業性は上がりますが、逆になしで洗車やチェーン掃除を、ということになるとかなり大変なのです。
▶ディスクロードの洗車時の注意
リムとそこまで大きな差はありませんが、ディスクならではの注意点として、油の取り扱いです。というのも理由は主に2つ、ブレーキパッドの素材的な問題とドライブトレインとの距離感だと思われます。
基本的に現状のディスクブレーキのシステムでは、パッドに油が直接、もしくはディスクローターを介してでも付着することは避けたほうが良いです。
※油とはチェーンオイルのような潤滑剤だけではなく、グリス類やブレーキフルード、ミネラルオイルもそうですし、ディグリーザー・パーツクリーナーも原則油系に含まれるものもあります。
狙ってかけずとも洗車中に飛んだりはねたり、また洗車用具を介しての付着の恐れがある場合もあります。その場合はブラシやウエスなどの共用も避けるべきことだと思われます。
ではもしもブレーキパッドに油が付着したら?ということなのですが、SHIMANO公式のマニュアルにも記載があります。
以下のような場合にはブレーキパッドを交換してください。https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RADBR10/DM-RADBR10-04-JPN.pdf より
・ブレーキパッドに油やグリスが付着した
パッドへの油の付着はブレーキの鳴きの原因になるだけではなく、十分な制動力を発揮できなくなるおそれがあります。
そして厄介なことに一度でも完全に油を吸ってしまったパッドはというと、、復活させるのはかなり厳しいのです(もちろん煮ても焼いても炙っても削ってもです。)ですので、SHIMANOも要交換となっていると思われます。
ですので最大限に気をつけたい場合の方法です。
①パッドを外す
ディスクブレーキパッドはつけ外しにそこまで手間のかかる作業ではありません。
万が一のことを考えて洗車時はひと手間はかかりますが、パッドを外して行うことで物理的に油が含まれるケミカル類の付着を避けることができます。
②養生する
ワコーズの洗車ではブラシを使用したチェーン性能の際には、ブレーキキャリパーにカバーをかけ行っているようです。専用のカバーとまではいかなくとも、袋的な何かで包むだけでも物理的な防御力は上がると思われます。
どちらも物理的にチェーン清掃時に油類の付着を予防するために方法です。
とは言ってもワタクシ自身もお客様の自転車を洗う場合はパッドを外して行いますが、自分の自転車を洗う場合は、そのままじゃぶじゃぶ洗っております。というのもどんなものをどのぐらいしたらパッドが油を吸った状態になるのかとかも、しっかりと経験値を積むあめもあり実験的に行っております。
そして洗車後と言えば注油です。注油時もディスクブレーキ部にはやはり油分が飛ばないように注意が必要なのは、ドライブトレインとキャリパーが近いからということもあります。
また油だけではなく、ディスクローターへのコーティング剤の付着、これはリムであればブレーキ面と同じことですが、やはり避けるべきことで注意が必要です。
▶まとめ
ブレーキダストの汚れは意外と出るものです。黒っぽい埃っぽい汚れです。
そこまでつもりつもった状態でなければ、中性洗剤等でもかなりきれいに落とすことができます。
※洗浄剤はやはり中性が良いというのはSHIMANOだけのお話ではなく、ワコーズも中性をおすすめしております。更に細かいお話ではJOYよりもマジカのほうが良いとかも。。。
しかし逆に長い年月をかけて積もりに積もったブレーキダストは、落とすことがかなり困難な状態になったり、汚れの下に思わぬトラブルが潜んでしまうこともあります。
ですので、これはブレーキだけではありませんが、汚れはたまりすぎないように定期的にきれいにしてあげることはきれいに保つコツでもありますし、また予期せぬトラブルの予防や防止にもなる場合があります。
またディスクブレーキって意外と繊細なところもあり、ピストンの動きが悪くなったりもするものです。
リムブレーキの洗車はドライブトレインがメインでしたが、ディスクになってからはブレーキシステムも汚れやすくなったような気がしております。適切なメンテナンスは状態をよく保つコツでもあるのはドライブトレインだけのお話ではありません。
ということで今回はディスクロードでとリムブレーキ車の洗車の差は、ということですがまずは洗車をし易いようにセッティングをする方法の差、そしてディスクブレーキならではの注意をするべきところ、ブレーキまわりへの油等の付着に気をつける、これらのことが双方の差としてありますが、では実際の洗車はぜんぜん違うのかというと、そんなこともなくちょっとした双方の違いを理解することが大切。そんなお話でした。
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