前回の記事はこちらからどうぞ。


インプレを書くに当たりまずどんな使い方で使用しているのか、ということからです。
真冬とはいえ今年は強度を落としておりませんので普段の練習通りに、一生懸命練です。
手を抜いては本当に良いところ、悪いところが見えないかもしれません。
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左は短い時間のとき、右はある程度時間が取れるときです。
基本的に練習は体の調子を見つつ、その時にできること、やりたいことを中心に行っております。
最近ではちょっと偏りすぎてあまり良くもない気がしておりますが、ガッツリ休むときは休んで体を回復させつつ強度も上げております。

また特に短い練習のときは毎日のように走る似たようなコースですので、どこの上りでどのギアを使うとか、風が強い場合は3枚落とし、無風の日は2枚落としで超えられる等の感覚は体に染み付いています。
ガンガンに走ったときのバイクの挙動、タイヤの動き、反応等のあたりは、かなり得意分野ですが逆にゆっくり低強度で走ったときのインプレはあまり得意ではありません。

ということを踏まえてのPanaracer AGILEST FASTのインプレッションを書いてみようと思います。

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✓セッティング
今回購入したのは28cでTPUチューブを使用して、空気圧は前後5.5~5.6BARにセットしました。
チューブレスの場合は5BAR以下で使用するのですが、クリンチャーの場合、特にTPUチューブは空気圧落としすぎるとリム打ちをし易い印象があります。もちろん走り方、そして走るコースの路面状況等にもよるとは思います。
ワタクシの場合は、空気圧を低くして乗り心地が良くなったとしても、気を使って走らないといけないのは嫌なのです。きちんと強度を上げて練習するときは気を使わずに踏めるぐらいの空気圧にしておきたいということからです。
経験的にワタクシの体重60kg前後、乗り方コースを考慮したギリギリの空気圧です。

またチューブレスのしっとりとした乗り心地は好きですが、それをクリンチャーに求めるのではなく、クリンチャーはクリンチャーの良さがあります。クリンチャーのパリッとした軽快な走り心地、これは逆にチューブレスでは出しづらいようなイメージがあります。せっかくクリンチャーを使うのであればチューブレスを追い求めるではなく、クリンチャーの良さをしっかりと引き出すセッティングにしようと考えているからです。
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✓初乗りインプレ
正直なお話ではありますが、無印AGILEST(ノーマル)のクリンチャーも使用しましたが、その印象はというと、申し訳なく思うところがありますが”普通”でした。
目立って悪いところや良いところがあったわけでもありませんが、やはり普段使っているTLRに比べるとやはりクリンチャーは若干硬く感じていました、無印AGILESTのクリンチャーは確かに言われてみれば転がる気がしないことも無いぐらいの印象はフワッとはあったような気がしなくもないぐらいでした。しかしやはり結構硬い乗り心地とコーナーリング時にはグリップ感を感じにくいというのが使うのをやめてしまった理由でもあります。

AGILEST FASTですが28cの比較で無印AGILESTが210gに対して、上位モデルのAGILEST FASTがクリンチャーで250g??と正直甘くみていた部分がありました。重いよなぁ、だめだった戻せばいいか、そのぐらいで使ってみた気がします。

しかし使ってみると、ぶっ飛びました。
いや、新品のタイヤって良いのです。しかしそんなことは知っていることで、摩耗したタイヤから新品に変えれば同じタイヤでも良さを感じるものです。
それを踏まえても、乗った瞬間、漕ぎ出し一発目からの加速でもうすぐにわかりました。
えっ、なにこれ?というのが一言目の感想でした。
軽いと感じたというよりも速いと感じました。
とにかく漕ぎ出し、加速時からぐんぐん加速をしていき超速いです。
AGILEST FASTは本気で速いタイヤだとすぐに感じました。

以下、初日の印象です。
✓0スタート、加速 →速い
✓巡航 →速い
✓コーナーリング →超安定、グリップ感高い
✓立ち上がり →超速い
✓巡航からの加速感 →超速い
✓足を止めたときの転がり →よく進む

もう走れば走るだけ、あらゆる状況下で腹立たしいほどに(笑)いちいち速いです。今までと同じように回すと速度の上がりが早く少し緩めてしまったぐらいです。

ワタクシはこんなこと書くと怒られてしまうかもしれませんが、ビッグプーリーやセラミックベアリング等でギアが一枚軽くなるなんて言ったことはありません。そんなに変わるものではないというのが経験上のお話です。
しかしです。このタイヤ、AGILEST FASTはギア一枚分軽くなるわけではありませんが、一枚重いギアでも踏めます、踏んでいけます。

基本的なお話になりますが、空力に優れたカーボンリムのホイールを履いたり、軽量リムのホイールに変えると速度で見てめちゃくちゃ速くなるというよりも、ギアの選択肢が増える、例えば一枚重いギアでも踏める、つまり有利な状況下では楽に走れる、そういった違いがあると感じています。
しかし実際に速度で見てみるとそこまで大きく変わらないのです。せいぜい1km/hも変わればものすごい変化だと感じています。

今回のAGILEST FASTはタイヤですが、こういった楽さであったり、シフトチェンジをしなくても踏んでいける軽さ、これが転がり抵抗の低さからくる速さなのではないかと感じました。


AGILEST FASTでその後400km使用
微妙な差の場合、大体ですが2、3回も乗ればその感覚に慣れてしまうのです。軽く感じる、速く感じる、回しやすく感じる、そんな感覚もすぐに慣れてしまうのです。
しかしです。このAGILEST FASTはというと未だに乗れば乗るだけ、加速時、踏んだときの反応、やっぱイイっ!と感じます。

これは空気圧のセッティングやホイール、フレームとの相性もあるかもしれませんが、ワタクシが感じている感覚はというと、硬いけれどもしっかりとバネ感があり、腰がしっかりしています。
まさにしなやかだけれども腰が砕けない、高速域でも弱いタイヤではなくまさにレーシングタイヤのように感じています。
そしてその転がりの良さは特に荒れた路面では、スルスル進みこんなに減速しにくいのかと感じますし、逆にきれいな路面では本当に気持ちよく滑るように転がっていきます。

転がりが良いとグリップ感が失われがち、というのはコルサスピードの現行モデルで味わったことです。コルサスピードはものすごく転がりますし速いのですが、グリップ感が乏しく感じるのが弱点だというのはワタクシの経験上のお話です。なんというかフロントに使うと不安定になるぐらいスルスルしてしまう感覚、接地感の乏しさというか。。。
AGILEST FASTはその感覚がありません。スーッと進むのにグリップ感をしっかりと感じることができます。
軽くよく転がるのに、グリップ感をしっかりと感じることができます。
AGILESTの頃は転がりは悪くないように感じていましたが、グリップ感が自分にとっては感じづらいタイヤでしたが、FASTは違います。しっかりとグリップ感を感じることができるのでコーナーリングの安定感がしっかりとあります。

はっきり言って無印AGILESTとは全くの別のタイヤだと思いました。そのぐらい良いと感じました。
また乗り心地に関しても良いと感じているAGILEST FASTですが、TLRのしっとりとした感じではありません。クリンチャーの良さを最大限に引き出したようなイメージです。クリンチャーの軽快さの中にしっかりとしたしなやかさを感じます。

重量面では組み付ける際、乗って見る前は上りで遅くなりそう、、、という不安がありましたが、乗ってみたらネガティブはほぼは無い、と感じました。
激坂までは行きませんが勾配がかなりきつい区間ではある程度の重さを感じなくはありませんが、重量ほどの重さは感じません。
まじでスゴイです。


✓気になった点
また気温が低いとき、0℃前後以下のときは同じ空気圧でも乗り心地が硬く感じました。
低温での硬さ、乗り心地やしなやかさ等を考えるとおそらくコンパウンドの影響もあるのかと思われます。気温が高いほうがしなやかに動くイメージです。ですのでAGILESTFASTの良さはコンパウンドの影響も大きいのではないかと考えております。

ですのでトレッドの摩耗が進んだ状態では、、、と考えると美味しい時期はそこまで長くない可能性が考えれらます。
それでも3000kmの使用想定はしているということです。
ですのでこういったハイスペックタイヤは確かVittoria?コンチ?なども似たようなことを言っていた気がしますが、カーカスが出るまで限界まで使うことを推奨はしておらず、ある程度摩耗が進んだら早めに交換するのが良い、ということです。
というのもそもそも狙っているところが違うのだと思います。安価な街乗りタイヤに求めるロングライフ、そしてレース等での究極の性能を求めるタイヤ、コンセプトが違うものです。
これはどのタイヤでも同じとことですので、FASTだけのお話ではありません。

せっかくの性能も摩耗が進んでしまえば落ちてしまうのは致し方がないことです。
現在の摩耗具合はこんな感じです。
フロントはセンターのひげ?ではありませんが、新品のあれがまだくっきり残っております。
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リアはというと、きれいにすると微妙に見えるぐらいです。
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あの性能を考えると、耐摩耗性はそこまで高くなくても問題はありません。

✓耐パンク性
まだまだ何ヶ月も何千キロも使用してきたわけではありません。
しかし先日のライドは、、、雪の後でした。
雨、または雨上がりのウエット路面は、パンクのリスクが高いです。
それだけではなく雪のあともかなりリスクが高いと感じています。特に雪の後、薄っすらでも積もったりすることで路面に砂利等の異物が残りやすく感じています。実際にいつものコースを走っていてもいつもよりも砂利系が多く感じました。また雪解けがゆっくり起こることでもいつまでも染み出しのようウエットな路面状況になります。
こんな日や嫌な感じがするものです。

なのですがパンクをすることなく帰ってくることはできました
しかしやはりタイヤに傷は入っています。
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それでも貫通さえしなければパンクにはなりませんのでOKです。
今のところ、まだパンクをしておりませんのでまだまだ様子見です。

✓速さの秘訣
なんでこんなに速いのか、その他の疑問を聞いてまいりました。。
まず重量的なお話ですが、無印アジリストよりも重くなってしまった点、これに関してはFASTを速くするために必要な重量だったということです。
実際に重量が増えたとしても、速く走れること、こちらを重視したということでした。
そもそも重量がなぜ重いのかというと、無印アジリストに比べて全体的に厚みが出ているため、ということもあるとのでした。

そして速さの秘訣はというと、コンパウンドのELECTRON BEAM(電子線照射)これがスゴイらしいです。これにより超低転がり抵抗を実現できたというお話でした。

耐摩耗については前述のように3000kmを想定している、ということでもちろん使い方にもよるとは思いますが、そこまで摩耗も早くは無いと思う、という回答でした。

また社内試験に関しては、すべて同社のR-Air 軽量ブチルチューブを使用しての結果ということで、最大限にAGILEST FASTの良さを引き出すためには、R-Airを推奨します。ということでした。

※公式が公開していない情報に関しては、記載することはできませんので、ご興味がお有りな方はご来店時等にお尋ねください


✓まとめ
公式のツィッターでも以下のような投稿がありました。


これはワタクシも本気で思います。
使ってみたら本当に良いのです。
びっくりします。
ワタクシ自身、自分でも様々なパーツを試しており、もちろんタイヤも様々なタイヤを使っております。その中でもこのAGILEST FAST、体感できるランキングでもトップクラスです。もう富士ヒルまでこれで乗り越えてしまおうかと考えております。25cにするかもしれませんが。

ということで今回は、【最速】Panaracer AGILEST FAST ~400kmインプレ!本気で速い!そんなお話でした。
当店でも28cは在庫致しました。

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